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DJ / フォトグラフ / インテリアデザイン、 インディーズレーベル【RUDELOOPS】主宰。 音、光、形と様々な視点から アンダーグラウンド・コミュニティを演出。 どの分野でも荒削りで重厚感のあるテイストを得意とする。

セミモジュラー天国へのいざない【4】

セミ!セミ!と言いつつズブズブとハマってしまうユーロラック・ワールド。
今回は最も多種多様で機材選びが楽しいシーケンサーの紹介です。
アナログライクなステップシーケンサーからiPad+BlueToothで制御する妙に近未来チックなものまで、
とにかく個性が強いのが大きな特徴です。

グルボにしろDAWにしろ、一つの機材に対してシーケンサーは一つなのが普通ですが、
ユーロラックは自由が効くので「一つに音源に対して二つ三つのシーケンサー」なんて事も可能。
何でもこなす万能型もあれば特定の用途に特化した個性派シーケンサーも選り取り見取りです。

とはいえ問題なのが、個性的過ぎてリファレンス動画を観ても何をやってるのか分からない、
日本語の情報や個人のレビューが極端に少ない、など購入を躊躇ってしまう方も多いと思います。

そこで今回は定番と言われるユーロラック・シーケンサー各種をセンパイがたに貸して貰い、
色々と試してきた物や穴が開くまで調べた物をレビューしますね。
但し数時間~数日程度の利用なので、あまり突っ込んだ使い方は把握しきれていません。
第一印象程度になってしまうのはご了承下さい。

○ユーロラックシーケンサーを選ぶメリット

これはシーケンサーに限った話ではないんですが、
ほとんどのモジュールが即興性を重視した作りになっているので、
インプロヴァイスプレイに適しているという事です。
近年のグルーブボックスはリアルタイムでの操作にも対応するようにはなっていますが、
元々の設計が打ち込み型をベースに考えられているのでここまで器用にはいきません。
同じ電子楽器でもより楽器としての意味合いが強いのがモジュラーシンセの特徴です。

○ユーロラックシーケンサーを選ぶ時の注意点

・シーケンスさせるのは音程とは限らない

フィルターだろうとアンプだろうと、
挿れる穴さえあれば何でもシーケンス出来るのが大きな違いです。
ユーロラック業界ではシーケンサーとモジュレーターの区別が曖昧なのも楽しいポイント。
LFOの変わりに使っても良いしランダマイザーを全自動シーケンサーとして使うのもアリなのです。

・「CVシーケンサー」と「GATEシーケンサー」は別物と考える

一般的なシーケンサーですと「トラック数」で幾つの音源を制御するかが決まりますが、
ユーロラックの場合は「CV+GATE」「CVのみ」「GATEのみ」といった機種もあります。
CVのみのモジュールは(パラメーターロックやモーションシーケンスのように)
LFO的な使い方も目的としていて、
ゲートのみの場合は主にドラム音源のトリガーやアクセントとして利用します。
マルチトラックシーケンサーの場合は1つのトラックでCVとGATEを別々のモジュールに振り分ける事も出来ます。

・パターンやプリセットといった概念が希薄

グルボのようにパターンを登録してソングを組んで、、、というシーケンサーは極端に少ないです。
後述するエロケンサーくらいかもしれません。
あくまでも楽器としての色が濃いのです。

・マスタークロックが無いと動かないのが普通

普通シーケンサーと言えばクロックのマスターになるでしょ?と思ってしまいますが、
ユーロラックの場合はそうでもない事が多々あります。
この場合はマスタークロックとなる別モジュールが必要になります。
またクロック内蔵式の物でも外部からクロックを入力してスレーブとなる事が出来ます。
これらは例えば「クロックディバイダー」などを使うとより多彩なシーケンスが可能となります。

・MIDI to CVは沢山あるけどCV to MIDIはほとんどない

これらの個性的なシーケンサーでソフトシンセやVAシンセを鳴らしたら楽しいかな?
と思いついた事がありお店で伺ったんですが、
そういう製品は無い事は無いけど精度が悪くて使い物にならない、と教わりました。
これが出来たらDAWでもMIDI音源でも本当に面白いんですけどねぇ。
素直にSQ-1で我慢しましょう。

○ユーロラックシーケンサーの機能でチェックしたい所

・仕込み型か即興型か

これは普通のシーケンサーでも同じ事ですが、
ノートとトリガーをあらかじめ打ち込んでパターン登録してからプレイさせる物と、
その場その場でパラメーターを変化させ易い物とがあります。
ユーロラックでは即興型の傾向が強い物が多いんですが、
もちろん完全にどちらかに振った物もあれば、若干他方の要素を取り入れた物も。

・シングルトラックかマルチトラックか

自分もそうですがグルボからモジュラーに興味を持つ人には
単純明快で直感的な操作感を求める人が少なくありません。
となると必ずしもシングルよりマルチの方がお勧めとは限らず
シンプルなシーケンサーを複数導入している例も多いです。

・ステップ

64ステップが一般的なグルボに比べれば8~16ステップが平均的と少々短いのが特徴。
これは多くのモジュラーユーザーが打ち込みよりも即興演奏を重視しているからでしょう。
ページの切り替えなんてやってらんないっすよね。
中には3ステップや5ステップなど変則的なシーケンス専用の小型モジュールもあります。

・ランダマイズ

少ないステップ数を補うのがランダマイズ機能。
シーケンスの走行をバラバラにしてしまう機能ですが、
ここを使う事によって多彩なフレーズが可能となります。
ランダマイズはトリガーだけでなくCVの方もランダムに出来たり、
ある程度の条件(スケールとか)に沿ったランダマイズなどもあります。

・スケールクオンタイズ

グルボで言う所のクオンタイズとは普通はトリガータイミングを指しますが、
モジュラーではスケールの方を指すのが一般的なようです。
デタラメな音程入力でもそれっぽく鳴らしてしまう楽器オンチには救世主な機能です。
シーケンサーに備わっていない物でも大丈夫。
「クオンタイザー」と言われる専用の小型モジュールが各社からリリースされています。

・リセット入力があるか

リセット信号とは(主に)小節の頭にだけ発振される信号で、
これを受けられるジャックがついたモジュールは有難いのです。
あまり精度の良くないクロック信号が大きくズレるのを防いでくれるし、
ディバイダーやマルチプライヤーなどでメチャクチャになったステップもチャラにしてくれます。

○代表的なシーケンサー各種

クロックの項でINのみの場合はマスタークロックが必要なタイプ。
OUTがあれば自走出来るタイプ、両方あるのがベストですよね。

・WinterModuler ELOQUENCER



https://www.modulargrid.net/e/winter-modular-eloquencer

CV/GATE:8
ステップ:256
クロック:IN/OUT
ランダム:あり
クオンタイズ:あり

「エロケンサー」といいます。最初「エロ検査?」というスラングかと思ったら本名らしいのです。
これは8トラックのCV/GATEをシーケンスする事が可能で、
最も大きな特徴は真ん中のディスプレイで全てのトラックのトリガーが俯瞰して観られる事。

右側の縦に並んでいるキーがトラックの選択、下の8x2列がトリガーキーで、
基本操作はトラックを選択⇢トリガーを置く⇢トリガーのパラメータをツマミで決定と、
端的に言ってしまえば「まんまELEKTRON」です。充実したランダマイズ機能や
LFOも内蔵しているので偶然性に富んだシーケンスも組み上げる事ができます。

ただ「ほぼ100%仕込み型」というべきかキッチリとしたパターンを組むのが得意な方でないと
使っていてストレスを感じてしまうかもしれません。
ELEKTRONやelectribe、はたまたDAWでの打ち込みが得意な方にお勧めです。

・Malekko VARIGATE8+



https://www.modulargrid.net/e/malekko-heavy-industry-varigate-8

CV:2
GATE:8
ステップ:16
クロック:IN/OUT
ランダム:あり
クオンタイズ:あり

一見してシーケンサーと捉えづらいルックスですが愛用している人がとても多いモジュールです。
特にドラムシーケンスに向いていて自分も試しに触ったつもりが15分で注文してました!
VARIGATEの基本的な使い方は各スライダーが左端の時がゼロ、
右端の時は100%という「ゲート信号を吐く確率」を制御します。
実際に触ってみるとこれがまた新感覚!新しい性癖を見つけてしまったようです。。
一見CVに見えますがお間違えの無いように。CVトラックは二つだけです。
他にもリピートやステップ長、スケールやゲート長など様々なパラメーターを制御出来ます。

特に気に入った点がリコールとクリアのし易さ。
リコールとはあらかじめ登録しておいたパターンにサクっと戻す機能。
クリアはトラック毎でも全トラックでも出来ます。
過密になったドラムを一瞬で「抜く」テクニックは必殺技になりまずぜ。

このVARIGETE8+にCVトラックを8つ追加出来るCVシーケンサー「VOLTAGE BLOCK」や、
コンパクトにした8ステップ4トラック(CV/GATE選択可)の「VARIGATE4+」もあります。

・MAKE NOUISE RENE mk2



https://www.modulargrid.net/e/make-noise-rene-mk2

CV/GATE:3
ステップ:16
クロック:INのみ2系統
ランダム:あり
クオンタイズ:あり

独特のデザインと直感的な操作感、複雑なシーケンスが組める事から、
初代は大HITしたようでかなり愛用者が多い人気のシーケンサーです。
クロック入力が二つありトラックごとに違うスピードで走らせる事も可能、
ステップの方向も自由に変えられたりと、かなり奥の深い機材ですね。

・WMD METRON



https://www.modulargrid.net/e/wmd-metron

CV:0
GATE:16
ステップ:16
クロック:IN/OUT
ランダム:あり
クオンタイズ:あり

ドラムシーケンスに特化した高機能シーケンサー。
大きな特徴は4トラック分のトリガー箇所をひと目で把握出来る256のボタンです。
仕込み寄りだけど即興性にも優れたバランスの良いモデルでしょうね。

・Antumbra ROT8



https://www.modulargrid.net/e/antumbra-rot8

CV:1
GATE:1
ステップ:8
クロック:INのみ
ランダム:あり
クオンタイズ:なし

SQ-1と同じ系統の8ステップシーケンサーです。
直感的な操作性に最も優れているのがこのタイプ。
これはDIY専用で基盤とパネルのみの販売ですが、
作ってくれるビルダーは国内にも居るので紹介しますよ。

・Mutable Instruments Marbles



https://www.modulargrid.net/e/mutable-instruments-marbles

CV:3
GATE:3
ステップ:8?
クロック:IN/OUT
ランダム:あり
クオンタイズ:あり

これはシーケンサーと言って良いのか、前記事の内容に近いCVジェネレーターなのか、
上手く分類できませんがとにかく大人気の不思議フレーズ製造機です。
CV/GATEランダムジェネレーターとスケールクオンタイザーが3系統あるよって説明で良いのかな?
簡単に言ってしまえば軽く設定するだけで何かイイ感じのGATEとCVを延々と吐き続けます。
「これとRingsさえあれば君もアンビエント・アーティストだ!」とモジュラー屋の店員もドヤってました。

○まとめ

何を鳴らしたいか、或いはどこを揺らしたいかによって自ずと欲しい機能が定まってくる筈です。
自分が今回購入したVARIGATE8+は非常に気に入ってますが、
CVトラックを使ったノートシーケンスをやるとなると横スライダーはどうもピンとこなかったっす。
やはり音程はDarkTimeのようにツマミ物にしたいですね。
またたくさんのパートを即興で操作するとなると
やはり機材任せで良い感じのフレーズを作ってくれるランダマイズ機能や、
Marblesのように勝手に色々やってくれるモジュールも欲しくなってくるでしょう。

何にせよ最初は写真を見ただけで各々の用途が分かりやすい物を選ぶとよいでしょう。

セミモジュラー天国へのいざない【3】

モジュラーシンセにあんまり偏見持たずに先っちょだけ挿れてみようよ!
セミモジュラーを基準にすれば楽チンだよ!という当連載も第3弾。
今回は一見地味なんだけど、これぞモジュラーシンセの醍醐味と言っても過言ではない、
クロックとモジュレーションに関するモジュールの紹介です。
前記事で紹介したようなセミモジュラーシンセにこれらのモジュールを加えると
表現力が格段にアップするシロモノ。屁理屈だらけですが頑張って勉強してみましょう。

○クロック系モジュール3種



平たく言ってしまえばBPMを司る信号です。
MIDIクロックとは違いモジュラーシンセではアナログのパルス波を「1小節に○回」送っています。
グルーブボックスやDAWでの同期ではBPM120なら繋いだ機材は全て120になるのが通常ですけど、
モジュラーシンセでは「メインは120だけどこのモジュールだけは60で、そっちは30で」という事が可能です。
ELEKTRONでも事前に設定すれば出来る事なんだけど、モジュラーではフィジカルに操作が出来るのが強み。
モジュールによってはプレイ中でもツマミひとつで変幻自在なのです。
それを担うモジュールの名称が以下の二つ。

「クロックディバイダー」
こちらは分周器。入力したクロックを1/2だったり1/4だったりに変換します。
「クロックマルチプライヤー」
ディバイダーとは逆に倍に加算しているのがマルチプライヤー。

それぞれ単体のモジュールとして作られているのが多いのですが、
分割も倍増も両方できる物もあります。
まとめて「クロックモジュレーター」とも言うようですね。

そして要注意事項なのがマスタークロック。
ユーロラックのシーケンサーは外部からのクロックを受けて初めて動く物が一般的。
自走できるシーケンサーの方が珍しいかもしれません。
なのでクロックのマスターとして機能するモジュール「クロックジェネレーター」があります。

・リセット信号
MIDIと違ってクロック信号は精度が良くないので酷い時は同期がだんだんズレてしまいます。
そこで小節の頭に一回だけ別の信号を送ってやれば大きくズレる事はありませんよね。
これをリセット信号と言って専用に設けられたジャックがある物もあります。

これらが備わっているモジュールを駆使すれば、
「ブレイク時に4つ打ちのキックを1拍目だけにする」
「スイッチひとつでスネアロール」
「ベースやリードのBPMだけ半分にする」
なんてプレイだってツマミ一つで出来たりしちゃうんですよ。
ジャック次第でどうとでも出来る自由度の高さがあります。
グルボで同じ事をやりたいとなると気の遠くなるような仕込み作業が必要ですよね。。

○クロック系でお勧め(された)モジュール
ええと、まだ買ってません。パイセンがたに根掘り葉掘り訊いて回って調べてみただけです。
けど色々な所で見かけるので間違いのない選択かと思いますよ。
この3種はどれもマスタークロックとしても使える上にディバイダー/マルチプライヤーとしての機能も備えています。
単純なドラムシーケンサーとして使われる例も珍しくないようです。

・MAKE NOISE TEMPI



https://www.modulargrid.net/e/make-noise-tempi
通常のクロックモジュレーションとは別に、
タップしたタイミングでクロックを吐いてくれるHUMANモードというのがありまして、
より有機的なクロックを産み出せます。この時のクオンタイズも微調整が可能な模様。

・Pamela’s NEW WORKOUT



https://www.modulargrid.net/e/alm-busy-circuits-alm017-pamela-s-new-workout
この分野では珍しい数字によるBPM表示が出来て、
クロック信号だけでなく様々な波形のCVも吐けます。つまりLFOにもなるって事!
別売のエキスパンダーを使えばMIDIクロックも出力可能です。

・4ms QCD



https://www.modulargrid.net/e/4ms-company-qcd-quad-clock-distributor
上二つとの大きな差は「わかりやすさ」でしょうね。
4つの出力をそれぞれツマミで制御するタイプのモジュレーターです。
フィジカルに操作をしたい方には一番良いかもしれません。

○CVモジュレーション

モジュレーションと言えばLFOやEG。
LFOの自由度で言えばELEKTRONマシンですが、流石にシーケンスにモジュレーションはかけられません。
ベロシティをサイン波やランダムノイズで揺らすとか、音程自体を揺らしちゃうとか、
もうプレイヤー本人ですら把握出来ない奇っ怪なフレーズがいとも簡単に出来ます。

ここで注意したいのが「バイポーラー」と「ユニポーラー」。
モジュレーションの信号も単純な電圧を持った電気には変わりないんですが、
「マイナス5Vからプラス5Vまで」なのと「プラス0Vから5V(や〜10V)まで」なのとあります。
前者がバイポーラー、後者がユニポーラーといって信号を受ける側の用途によって使い分ける必要があるんです。
例えばベロシティ。サイン波で揺らそうとしても、マイナス側に振れると音が出ません。
ゼロから5Vの間で揺れてもらう必要がありますよね。
逆にマイナス側にも振りたいパラメーターに対してユニポーラーのモジュレーションをかけても効果は半減です。
単純に考えればLFOはバイポーラー、EGはユニポーラーなの?と思ってしまいがちですが、
そうとも限らないのがモジュラーシンセの深い沼。選択可能な物もありますし、
LFO兼EG兼オシレーター兼シーケンサーみたいな謎モジュールもあって理解が追いつきません。。

またLFOに関してはクロック入力を備えていてBPMに連動させられる物と出来ない物があります。

○CVモジュレーション系おすすめ(された)モジュール

・Erica Synths Black Joystick controller



https://www.modulargrid.net/e/erica-synths-black-joystick-controller
こちらはモジュレーターではなくコントローラーですが、
ゲーム好きにはタマらないジョイスティックでCVを出力できる物です。

・Erica Synths Black OCTASOURCE



https://www.modulargrid.net/e/erica-synths-black-octasource
8つの出力を持ったLFOで、上の大きなツマミ一つでスピードを調整できます。
バイポーラー/ユニポーラーどちらも選択可能、クロック連動アリと、
LFO選びに迷った時には間違いのない機種です。

・Hikari Instruments SINE



https://www.modulargrid.net/e/hikari-instruments-sine
単純にサイン波だけを出すオシレーターですが、LFOとしても使えます。
こういうシンプルな物は長く重宝できそうです。

・Xaoc Devices Batumi



https://www.modulargrid.net/e/xaoc-devices-batumi
10HPと比較的小型の高性能クアッド(4系統)LFO。
バイポーラー専用なようですが、
ericaのOCTASOURCEと違って独立した4系統LFOです。

・Xaoc Devices Zadar



https://www.modulargrid.net/e/xaoc-devices-zadar
肩書はEGですがLFOにもオシレーターにもなる万能CVモジュレーター。
数百ある波形を選んで1サイクルの時間(0.1ミリ秒〜30分!)を設定します。
しかもそれが4つもあるもんだから、
例えば2つをオシレーターとして使い2つをモジュレーションとして使う事で
「全自動ドローンシンセ」にもなりそうな雰囲気。

○まとめ




例えばこんな風に、
60HPのケースにクロック/モジュレーション系モジュールだけをまとめて
セミモジュラーシンセと組み合わせるのも楽しいと思います。
実際に触ってみた物が少ない為にイマイチ説得力のないレビューでしたが、
モジュラーシンセには必要不可欠なモジュールであり、
セミモジュラーの可能性を格段に拡げる機能でもあります。
気になる方はお店で実際に触らせて貰いましょう!

セミモジュラー天国へのいざない【2】

前回は楽器屋さんで難なく購入出来るセミモジュラーシンセを紹介しましたが、
今度は少しレベルを上げてみます。

ユーロラックの中には一台で機能を複合させたモジュールもありまして、
例えばオシレータ、フィルター、アンプがセットになっていて一台で音が鳴るものもあります。
世界中で流通されているモジュールを網羅した仮想ラックを組めるサイトModulerGridでは、
「Synth Voice」というカテゴリに分類されています。
これらのモジュールをサイズの合った小さな箱に収めて単体機として使うのは如何でしょうか。
原則的にはCV/GATEで動かす物ですがMIDI to CVモジュールを使えば鍵盤でもグルボでも演奏が可能です。

○ユーロラック用の市販小型ケース

・4ms Podシリーズ



https://4mscompany.com/pods.php

20HPから60HPまでの鉄製のケースで、電源アリとナシと選択が出来ます。
電源アリの方はディジーチェーンが可能で消費電流が許す限りは
一つのACアダプタで複数の箱に電気を供給する事もできます。

注意しなくてはいけない点は深さ。
34mmと50mm(型番の末尾にXとついてるモデル)の二種類となります。
34mmは浅い部類なのでモジュールの選択は慎重にならなくてはいけません。

・Intellijel Designs 4U Palette Case



https://intellijel.com/shop/cases/4u-palette-eurorack-case/

クオリティの高いケースで大人気となったケースの小型版。
62HP深さ45mmとIntellijel1Uのモジュールが取り付け可能です。
最上段のMIDI INやAUDIO OUTを使うには専用のモジュールを使わなくてはならないのですが、
電源とマルチプルはそのまま使えるようです。

・MOOG EURORACK CASE



http://www.korg-kid.com/moog/product-details/moog-eurorack-case/

Mother32/DFAMと同じ筐体を使った60HP/104HPのユーロラックケース。
少々重たいですが自宅でのみ利用する場合には最適な斜めパネル。
またMother32/DFAMの「抜け殻」も中古で流通しています。

○MIDI to CVモジュール

通常の鍵盤やDAW、グルボで鳴らしたい時に必須になるモジュールです。

イチ推しはコレ!
Hexinverter MUTANT BRAIN




http://www.hexinverter.net/mutant-brain

4つのCVと8つのGATEを備え、
WEB上の専用エディタで細かくセッティングが出来る天才モジュール。
ただし深さが38mmあるので4msのpodシリーズには使えません。

・erica synths Black MIDI-CV v2




こちらは深さ30mmと4msPodでも使える深さです。
CVとGATEが2つ、Clock出力もついています。

MIDI-CVコンバーターは各社から色々出ていますが、出来るだけClock出力のある物を選びましょう。
Clock信号は何かと使います、

・quicco mi.1e 0|8 / 2|6




http://quicco.co.jp/ja/mi1e/
変わり種を一つ紹介しますが、こちらは日本のメーカーで
iPadにインストールした専用シーケンサーアプリからBlueToothで制御するものなんです。
シーケンサーアプリはかなり高機能なようで、スマートなシステムを構築する事が可能です、

○アウトプットモジュールは必要?

モジュラーの中を走っているオーディオ信号は一般的なライン信号よりも遥かに高く、
そのままミキサーやアンプに繋ぐと凄く大きなボリュームになってしまいます。

とはいえ出力先をPAミキサーにするならゲインを絞れば実用レベルまで下げられますし、
「アッテネーター」といわれる出力を減衰させる部品も市販されています。

その為ライン出力に変換するモジュールも各種ありますが、
収めるモジュールを厳選したいミニマルシステムには不向きかもしれません。

○SynthVoiceモジュールあれこれ

ModulerGridでのSynthVoiceカテゴリから比較的大きめの扱いやすそうなモデルを紹介します。
当然っちゃ当然ですが、コンパクトさと操作性は反比例します。

・MUTABLE INSTRUMENTS Elements



https://mutable-instruments.net/modules/elements/

非常に魅力的なデジタル不思議モジュールをリリースしているMUTABLEは、
ユーロラックユーザーなら必ず一つ二つ持っている程の大人気ブランドです。
このElementsは「モーダル・シンセサイザー」というそうですが、
そもモーダルってのが何のことやらサッパリわかりません。
でも動画を観れば一発で堕ちること間違いなし。
他にこんな音を出せるシンセサイザーってあるんでしょうか?
いつか買おう!いつか買おう!と穴が開くまで動画を観ています(まだ買えてない)。

・SYSTEM80 810



http://system80.net/product/810/
ユーロラック版TR-808で一躍有名になったメーカーですが、
こちらのシンセモジュールも魅力的です。
SYSTEM100やJupiterなどRolandの名機にインスパイアを受けて制作されたものらしく、
太く優しい響きが魅力的ですね。
同社の880とのサンプル動画を観てみてください。
YouTube Preview Image

・MALEKKO MANTHER GROWL



https://malekkoheavyindustry.com/product/manther-growl-module/
前記事で紹介したSH-101クローンMANTHERのモジュール版です。
MANTHERとほぼ同じ値段というのがどうも納得いかないwのですが、
101系の音を出したいならマストアイテム。
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・Endorphin.es BLCK NOIR



http://endorphin.es/endorphin.es–modules.html

こちらはシンセではなくドラム音源です。
CR-78が元になった7ボイス・ドラム音源なんですが、
インサート・マルチエフェクトやマスターフィルターなど、
充実した機能を持っています。
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・1010MUSIC Synthbox



https://1010music.com/product/synthbox-polyphonic-synthesizer-module

小型万能サンプラーBlackboxで名を馳せた1010MUSICのシンセモジュール。
これも見るからに高機能な雰囲気を出していますが、
凄いのはファームウェアを書き換えることによって、
同社のサンプラーモジュールやエフェクトモジュールに変えることが可能なことです。

○まとめ

モジュラーシンセと言えば通常はオシレーターとフィルターとアンプとEGと、、
って具合に別々に選んで購入するものですが、
これらの複合モジュールを小型ケースでスタンドアロン化するのはすごく楽しいと思いますよ。

セミモジュラー天国へのいざない【1】

「2019年版モジュラーシンセのはじめかた」

海外はもとより日本でもユーロラック・モジュラーシンセが更に盛んになってきていますね。
以前はエリート意識の高い金持ちの道楽、的な扱いを受けてきましたが、
業界の努力と中古市場の盛り上がりなどから着々とユーザー数を伸ばし、
相対的にイヤな奴の声が小さくなってきたと感じています。

とは言えそれなりにお金のかかるものですし独特な知識も必要なのは変わりありません。
ちょっと前までは「84HPx2段から始めたらいいんじゃない?」というアドバイスがほとんどでしたが、
その箱を埋めるまでの金額と時間といった労力はやはり骨が折れるものです。
グルーブボックスみたいに買ってきたらポン!で音が出るわけじゃないですしね。
かくいう自分も2度の挫折を経てまた懲りずに手を出そうってんで周囲の失笑を買っておりますが、
それでもバカはバカなりに学習するものでして、
「揃えるの大変だから細切れにしてハードルを低くすりゃいいんじゃね?」
と考えついたのであります。

そこで提唱したいのが(いやまぁそんな偉そうな話じゃねぇんだけど)、
ラインナップが豊富になってきたセミモジュラーシンセを中心に据えたシステム。
またユーロラックの中でも1台で一通りの音が出る「SynthVoice」というカテゴリの
複合モジュールがあるんですが(これは次回紹介します)、
これを48とか60HPくらいの比較的小さな箱に収めてしまうんです。

例えばMother32やDFAMに一つだけユーティリティモジュールを足すとか、
シーケンサーとドラム音源を詰め込んだセミオーダー・ドラムマシンとか、
クロックとLFOを積んだモジュレーションシステムとか、
細かく組んでいけば導入から戦力になるまでの期間も短く済ませられます。

これらの細かいシステムをグルーブボックスを組み合わせたり、
ギター・エフェクターと組み合わせたりして少しずつ楽しむのは如何でしょう?

○アタクシ個人のケース

前記事の「DFAM強化計画」で嵩張る筐体をスリムにし、
MIDI to Clockモジュールを足したのが泥沼の始まり。
更には物々交換で入手したジャンクのDoepfer Dark Enegry & Dark Time。

DarkEnegryのLFO出力をDFAMに挿して遊んでみたり、
MIDI to Clockの分解能切り替えスイッチでシーケンスをいじったりするうちに
二度も懲りた筈のパッチングワールドにズブズブと沈んでいってしまった訳です。

ヤバいタノシイ!

セミモジュラーシンセが2台あるだけで面白さが3倍4倍になってきます。

○まずはセミモジュラーシンセのすすめ

ここで言うセミモジュラーシンセとはシンプルなアナログモノシンセを基本に、
オシレーターやフィルター、LFOなど各セクションの入出力端子がある物を指します。
またモジュラーシンセと違って単体でも音が出る、パッチングが必須ではない、
といった特徴を持っています。

これらの機種の利点は直感的操作で扱える事と、
パッチングによってある程度の拡張性がある事です。

○代表的な機種

比較的入手し易いモデルは以下のとおり。

・MOOG Mother32/DFAM


名門ブランドMOOGの廉価版としてラインナップされています。
Motherはオーソドックスなモノシンセとして見ても芳醇な音に酔う事ができますし、
クロック連動のLFOが凄く使いやすい。ノイズも綺麗。ー^
DFAMはレビューに書いた通り程よい変態度のドラム/ベースシンセです。
どちらも筐体を外すとユーロラックモジュールとして扱う事が出来るので、
これをベースにシステムを考えていくのが最も楽なように思えます。

・BEHRINGER MODEL D / NEUTRON

他社の名機を丸パクリする事で賛否両論あるベリンガーですが、
MODEL Dに関しては本当に良い出来なので非常に高い評価を得ています。
NEUTRONは未体験ですがうスペックからして何でも出来そうなイメージ。
この2台もユーロラック互換です。

・KORG MS-20シリーズ

忘れちゃいけない国産シンセの金字塔。初代はプレミアがついてますが、
再開発されたminiや鍵盤の無いmoduleは現在も生産されています。
これでシンセサイズを覚えた!なんて方も少なくないようです。
ちなみにmini以外はパッチケーブルのジャックが6.3mmなので要注意。

・Malekko MANTHER

アメリカでモジュール/エフェクターのメーカーとして名を馳せているMalekko初のグルボ。
Rolandと共同でSYSTEM-500モジュールを開発した事でも有名です。
rolandのSH-101クローンモデルですが、セミモジュラーシンセ/シーケンサーとして利用できます。

・Make Noise 0-Coast

MOOGと並ぶシンセサイザーの巨匠Don Buchlaの西海岸式シンセサイズを受け継ぎ、
異色のモジュラーシンセメーカーとして有名なMakeNoiseのセミモジュラーシンセ。
斬新なパネルデザインも魅力的です。
筐体がほぼvolcaサイズとコンパクトなのも良いですね。

・Doepfer Dark Energy III

質実剛健を絵に描いたようなユーロラックの提唱元であるDoepferのセミモジュラーシンセ。
初代モデルを入手しましたが、M32よりもパラメーターの可変域が広く
フツーのベースやリードに加えかなーり変態的な音も簡単に作れます。

・Dreadbox NYX

ギリシャのガレージメーカーDreadboxも近年注目されています。
触った事ないんだけど内蔵のリバーブがイイ味出してくれるんですよ。
https://www.youtube.com/watch?v=EYOXZQMOP2c

※そうそう、KORG volca modulerも立派なセミモジュラーシンセではありますが、
パッチングの際の電圧が違う為に他機種と連携して使う事は出来ないようです。

○パッチケーブル

楽器屋さんに行けばモジュラー用としてパッチケーブルが売っていますが、
原則的に3.5mmミニプラグのモノラルであれば何でも使えます。
ちなみにステレオは避けておいた方が無難です。
ごく稀~にジャック内部の接点部が特殊でステレオプラグだと接触が悪い場合があります。
自分もステレオの細いケーブルを大量に購入していまして、
本当にたまに、なんですが接触不良で音が出ない!なんて事がありました。
やはり手堅く素直にモノラルケーブルで揃えましょう。

○パッチングの前に覚える事

・信号の種類
パッチケーブルを通る信号は-5Vから+5Vといった電気です。
信号というより単純な電気なのです。
試した事はないけど例えば電池を繋いでも何か反応がある筈です。

その内訳は大きく分けて3種類。

・CV
コントロール・ボルテージの略で、電圧の高さによって信号の値が決まります。
分かりやすい例は音程。「○○ボルトならC3の音、○○ボルトならF4の音」という風になります。
音程だけでなく様々なパラメータ(MIDIで言うところのCC)を制御する事ができるので、
例えばシーケンサーでフィルターの開き具合やLFOのかかり具合、
それにベロシティなんかをシーケンスする事も可能。

・GATE
こちらはゲート信号。
高さは関係なくON/OFFとONになっている時間の信号です。
鍵盤をどれぐらい長く押しているか、的な。

・CLOCK
ゲート信号の一種ですが、これはテンポをコントロールする信号です。
要はBPMの同期をする為の信号ですね。
他にもスタート/ストップを操るゲート信号や強制的にシーケンスの最初に戻すリセット信号もあり、
一応はMIDIと同じようにトランスポーズのコントロールも出来ます。

・入力と出力は別
これはMIDIと同じで基本的にOUTからINへの一方通行です。

○まとめ

この方法ですと音を出して楽しむまでのハードルがグンと下がりますし、
「やっぱりモジュラー向いてないかも。。。」
なーんて思った時にも引き返せる、という安心感があります。

また何もしなくても音は出てくれるので、
パッチングでドツボにハマる事も少ないと思います。

モジュラーシンセにちょっと惹かれるけど引いてしまっていた皆さん、
このあたりで軽く初めてみましょうよ。
いきなりフルモジュラーの沼へダイブするより遥かに安心安全ですよ!

DFAM強化計画(筐体編)

前回はDFAMと相性の良い同期関連のモジュールを選ぶ所まで紹介しましたが、
今度はユーロラック筐体の選定編です。もちろんMother32にも応用できますよ。
両方とも重厚感のあるケースで机の上にデンとおいておくには良いんですが、
持ち歩くとなると嵩張って邪魔ですよね。

○ユーロラック導入の際の基礎知識
世界中で様々なモジュールが発売されていますが、
必ずチェックする必要があるのが横幅、深さ、電源です。

・横幅
ユーロラック規格では横幅を「HP」という単位で表します。1HP=5.08mmです。
DFAM/M32は60HP。ひとつのモジュールとして考えるとかなり大きな部類です。
よく流通している84HPのケースですと、24HP分のモジュールを追加できるって訳です。

・深さ
深さはmm単位で表記されています。
箱の深さに収まるモジュールを選んでいけば問題ありませんが、
箱の底に電源ユニットが収まっている場合はその厚みを引いた深さのモジュールしか入りません。

Mother32/DFAM共に深さは26mm。
モジュールとして考えるとかなり浅いんですよ。

・電源
たいていの場合はユーロラック専用の電源ユニットが必要です。
ケースに内蔵されている物もあれば、電源ユニット単体で売っている物もあります。
一般的には15VDCのACアダプタから+12V,-12V,+5Vの3種類の電気を取り出します。
モジュールによって3種類全部の電気が必要だったり、
+12Vだけで良かったりとまちまちです。

○市販のケースでオススメなモデル
DFAMのサイズである60HPから100HP前後の国内で購入し易い物を紹介します。
モジュラーシンセのケースとしては比較的初心者向けのサイズなので、
中古で良ければヤフオクなりメルカリなりにかなり出回っています。

・4ms pod60

https://4mscompany.com/p.php?p=892&c=9

なんのモジュールも足さないけどコンパクトにしたい人にベストな筐体。
電源付きと電源無しとで1万円くらい差がありますが、
工作に自信のある方なら電源無しを購入して、
上部に元々内蔵されている電源/アウトプット端子の基盤を内蔵してしまうのは如何でしょう?
実物を見たこと無いけど多分できます。たぶん。

・Arturia RackBrute 3U
https://arturia.jp/products/item/rackbrute-3u/
アルミ削り出し材による頑丈なケース。

・PittsburghModuler Cell90
https://pittsburghmodular.com/cell-90-desktop-case
昔使ってました。鉄製でちょっと重たいけど良いケースですよ。

・HIKARI Instruments/98HP CASE
http://hikari-ins.shop-pro.jp/?pid=96285944
他のケースより若干浅め、横幅広めのスマートなケースです。

○お金無いから筐体を作ってしまおう

アタクシ元大工&家具建具屋で現在は金属加工業に従事していますが、
それらの経験を存分に活かした超絶手抜き筐体自作ノウハウを編み出しました。
簡単に言ってしまえば、ホームセンターで「細工材」を切断して貰って木の箱を組み、
見える部分だけ金属板を貼ってしまうんです。

ホームセンターに行くと大抵「細工材」という細めにカットされた木材のコーナーがあります。

今回はアガチス(桂)材の10mm厚を選びました。

底板の幅は128.5mmマイナス20mm(板厚2枚分)で約109mmとなります。
前板/背板はちょうど45mm幅のアガチスがあったのでそのまま使います。
長さはDFAMとMIDI2CLOCKで66HP=約335mm。
※1mm未満は切り上げて気持ち大きく作りましょうね。


それらをコの字型に組んでみます。
木工用ボンドと釘or細い木ネジを併用してガッチリ組みましょう。


木ネジを入れる際には、あらかじめ細いドリル(この場合1mm径)で下穴をあけておきましょう。
でないとネジ留めの最後に割れちゃいます。
どうせ隠れるので見た目は気にしなくて良いけど、寸法が狂うと面倒です。

さてここで問題発生。
ユーロラック規格はパネルと基盤の奥行きの差を前後5~8mmと設定しているようで、
10mm厚の板では基盤や部品と干渉してはみ出てしまうんですよ。


木材の都合の良いところは手で簡単に加工が出来る事。
こんな風に干渉する部分だけドリルや彫刻刀で削ってしまいます。
また電気を通さないから多少触っててもショートの心配も要りません。

どうせ見えない部分だから雑に削っちゃって構いませんよ。



アガチスは比較的柔らかい木材なので彫刻刀で簡単に彫る事ができます。



これでバッチリ。
どうしてもパネルの上端下端と木部をキッチリと揃えたかったんです。



次の金属板を貼る際に、パネルの厚さ2mmを足すと完成した時に木部が隠れてくれるからです。

金属板での背板と前板の加工です。

自分の場合は職場に転がってるゴミでどうにでもなりますが、
サイズを指定してカットしてもらう、チョコチョコと穴を開けるだけなら安くやってもらえますよ。

今の仕事に就く前はココで金属加工を頼んでいました。
手書きの図面を写真にして送るだけで見積もりをしてくれる個人にも優しい業者さんです。
板材のカット、曲げ、穴あけが可能。
http://www.bankin-koubou.com/index.html

他にもこんなところもあります。
興味があったら問い合わせてみて下さい。
https://www.itamage.com/

もし近所に金属加工をやっている町工場があるなら、
菓子折り一つで対応してくれる場合もあります。


図面なんてこれで十分です。

背板の方に電源ジャックとオーディオジャックの穴を開けます。


端子をくっつけた状態で木の方もくり抜きます。


木と金属の接着は「G17」と両面テープで十分出来ますが、
レトロな雰囲気を出したいので敢えてネジ穴を開けてネジ留めにします。

次は電源の接続。
ユーロラックではプラマイ12Vと物によって5Vも必要になるんですが、
DFAMはもちろんericaのMIDI to Clockもプラス12Vだけで動きます。
なので電源ジャックから両モジュールに12Vを分岐させるだけで良いのです。
(写真撮り忘れたけどモジュールの電源の向きには細心の注意を払って下さい)

最後にサイドウッド。
さっきと同じアガチス材を断面より少し大きく(プラス8~10mmくらい)カットして、
紙ヤスリで磨いて塗装しまう。木部塗装は如何にして乾燥時間を稼ぐかがキモ。
一度塗ったら一晩乾かして、ツルツルに磨いてからまた塗る、これを2,3回繰り返せば凄く綺麗になります。



塗料メーカーは「和信(ワシン)」がダントツでお勧め。写真は違うけど。
塗り易さと仕上がりのバランスが良いのです。どこのホームセンターにも売ってますよ。
ハケ塗りならワシンの油性ニスをうすめ液で1.5倍から2倍まで薄めて使います。
匂いなどの事情で水性を使う場合も「薄めて重ね塗り」が基本です。
原液のままだと塗料が固すぎてムラになりやすいので要注意。



こんな風に隠れる部分にビスを刺して上から吊るして塗ると楽チン。

塗装が出来たら細く茶色いネジでビス留め。
内部スペースに余裕があれば内側からL字金具で留める方法もあります。

そして完成〜。



ノーマルのDFAMより遥かに軽くスリムになりました!
MIDIスレーブにもなれるので他のグルボとの相性もバッチリ!

筐体制作にかかった費用

アガチス細工材(加工込み)¥1900
ステンレス材 ¥0(ちゃんと頼んでも1.2千円でおつりきます)
電源/オーディオジャック¥500
ネジ¥300

計 ¥2700

けっこう手間はかかるけど3000円未満で出来ちゃいますよ。
コスパはもちろん自分の設備にバッチリとハマる寸法で組めるのが大きなメリットです。

DFAM強化計画

有機的で独特なシーケンサーとMOOG伝統の音とで、
変態モノシンセファンの心をガッツリとキャッチしているMOOG DFAMですが、
他機種との連携がスマートにいかないのが悩みどころですよね。
モジュラーユーザーからすれば60HPと巨大なスペースの為にためらってしまう事が多く、
グルボユーザーからするとMIDIが無いので同期が面倒。
どちらかと言えばグルボユーザーに近い立ち位置の自分にしても悩ましい問題でした。

○DFAMの同期方法「クロックパルス」とは

シンセを使う人にはお馴染みのパルス波。平たく言えば「ブツッ」という音です。
MIDI規格以前の電子楽器はこの「ブッブッブッブッ・・・」という音で複数の機材の同期をしていました。
KORGからリリースされているmonotribe用のiOSアプリもこの音を等間隔で発信するものです。
そしてDFAMは「ブツッ」1回で1ステップ進みます。
なのでサンプラーにこの「ブツッ」って音を入れて16ステップの好きな場所にトリガーすれば、
かなり変則的なシーケンスが出来るんじゃないでしょうかね(試してはいないけど)。

○クロックパルスの速さはメーカーごとに違う

クロックのスピードは「4分音符あたりのパルス波の数」で決まります(単位:ppqまたはppqn)。
速さというより分解能(細かさ)と言った方が良いかもしれません。
DIN SYNC24は24ppqだったりvolcaシリーズは2ppqなどなどメーカーによってバラつきがあります。
DFAMの[ADV/CLOCK]入力は単純に1パルスごとに1ステップ進む仕様でして、
例えばELEKTRONマシンからDIN SYNC出力を使ってDFAMを同期させようとすると、
超スピードになって使い物になりません(MIDIケーブル切断して試しましたw)。

○DFAMとMIDI機器の接続方法アレコレ

・volcaシリーズ

MIDI IN端子のあるKORGのvolcaシリーズなら、
MIDIからクロックパルスに変換する事が出来ますが
KORGの仕様により「volcaの2ステップに対してDFAMの1ステップ」の同期しか出来ません。
volcaの1小節とDFAMの1小節が重なるので分かりやすいと言えば分かりやすいんですが、
あまり面白みはありません。

・Doepfer MSY2

http://fukusan.com/products/doepfer/msy2/
DIN SYNC24という旧TRシリーズなどRolandの古い規格への変換が主用途ですが、
ついでにクロックパルスも吐けるようになっています。
裏側のDIPスイッチを使ってパルス分解能を設定する事が出来ます。

どちらも1万円チョイの投資でMIDI機器からDFAMに同期をさせる事が出来ますが、
わざわざ同期の為に別の機材(と電源)を用意するってのがスマートじゃない。
なんてワガママな理由で躊躇していました。

・ELEKTRON analogシリーズ

A4/AR共に柔軟なパルス波出力が可能です。
好きな場所に自由にトリガー出来るので、
そのトリガー通りにステップが進んでくれるので面白いですよ。
TRC機能と組み合わせれば奇抜なシーケンスも可能です。

・Future Retro Swynx

http://fukusan.com/products/future_retro/swynx/
ちょっと値は張るけど楽しそうな奴です。気になる気になる。
スタンドアロンのクロックディバイダーとして使えそうな雰囲気(分からんけど)。
左のツマミで分解能、右のツマミでスイングを調整するようです。

○ユーロラック化してクロックモジュレーターを使う


ここまではスタンドアロンとして同期する方法を紹介しましたが、
面倒だけどユーロラック化をして同期関連系のモジュールを足してしまうのが一番良いと思います。
欲しい機能はまず「MIDI to Clock」そして「クロックモジュレーター」があると表現の幅がグンと拡がります。

クロックモジュレーターとはモジュラーシンセでは重要度の高い機能で、
半分、1/4、1/8・・・とクロックを分割(クロックディバイダー)したり、
倍速(クロックマルチプライヤー)にしたりする物です。
これらを上手く使えばDIN SYNCだろうとKORG CLOCKだろうと
任意のスピードでシーケンスさせる事が出来ますよね。

クロックモジュレーターは大きく分けて
・複数のアウトプットがあるもの
・アウトプットは単独だけどツマミやスイッチで調節出来るもの
とがあります。
前者はクロック以外のパラメータも制御した時に、
後者は演奏中にクロックを変更したい時に便利です。

・Hexinverter/MUTANT BRAIN

http://www.hexinverter.net/mutant-brain
こいつは4つのCVと12のゲート/トリガーを自在に設定可能で、
一般的なノートトリガーだけでなく、
MIDI CCをCVに変換したり(例えばELEKTRONと相性バツグン)
12の出力でバラバラのクロックを吐かせたりと、
至れり尽くせりのMIDI to CVモジュールなんですよ。
以前モジュラー辞める!と売っ払った時にコイツと電源だけは手元に残しておきました。

・4ms QCD

https://4mscompany.com/qcd.php
入り浸、いやお世話になっているモジュラー屋さんオススメなのがコレ。
別途MIDI to Clockが必要にはなるけど、
ツマミで分割でも倍増でも自在に変えられる。しかも4系統。
DFAMだけでなく大掛かりなシステムを予定している人には良いんじゃないでしょか。
お得なキット販売もあるよ。
https://www.thonk.co.uk/shop/4ms-qcdx-kit/
今回は見送りするけどいずれ欲しくなりそう。

・erica synths/MIDI to Clock v2

https://www.ericasynths.lv/shop/eurorack-modules/by-series/basic-series/midi-clock-v2/
MIDI入力からクロックに変換するだけのモジュールですが、
クロックモジュレーターとしても機能するのでコレ一つで解決しちゃいます。
ppqも1,4,24まで対応。
しかも電源が+12Vだけで動くんでユーロラック用の電源を用意しなくても、
DFAMのDC入力から分岐させるだけでOKなんです。

今回は出来るだけシンプルに作りたいのもあって、
このericaのモジュールを購入しました。

○クロック以外のお勧めモジュール

比較的入手し易い84HPのケースを導入した場合、
24HP分を別モジュールに割り当てる事が出来ます。
モジュラーの音量とラインレベルの音量が大きく違う為に、
最終的にアウトプットモジュールを入れた方が便利ではありますが、
(ミキサー等と一緒に使う場合は無くても良いかもしんない)
それでも18−20HPは余るんじゃないでしょうか。

自分が思いつくDFAMにあったらいいなぁ、って機能と言えば、
クロックの他にはLFO、エフェクトあたりでしょうか。
あるいはシンセボイスモジュール(1台で完結しているモジュール)を入れてしまうとか、
シーケンサーモジュールを入れてまた違ったシーケンスを楽しむとか。。
何しろ種類が膨大なので何を選べば良いのか混乱しますが、
分かってくると妄想が膨らみますよね!

・erica synth pico シリーズ

https://www.ericasynths.lv/shop/eurorack-modules/by-series/pico-series/
わずか3HPで構成されるこのシリーズは少ないスペースを最大限有効活用するにはもってこい。
中でもマルチエフェクターのpicoDSPは非常に売れているそうです。
モジュラーエフェクトでは選択肢の少ないリバーブが備わっているのもポイント高いですね。
erica synthのモジュールはDFAMと同じ黒いパネルで統一されているので見た目にも相性が良いです。

・Mutable instruments

https://mutable-instruments.net/
恐らくは他では手に入らない(=モジュラーやらないと出せない)音、というのがMutable製品の印象です。
アンビエント系プレイヤーを中心に非常に綺麗な響きのモジュールを多数リリースしています。
これらのモジュールはやや大型のものが多いんですが、
実はこのMutableモジュールの内部仕様をオープンソースとして公開していまして、
それを参考に別のガレージメーカーが小型化して販売している物が少なくありません。

モジュラーシンセのメーカーはほとんどが個人運営のガレージメーカーなので、
プロダクトとしてのクオリティに難があったり癖が強すぎて使いづらい物もありますが、
上記2つの他にはDoepfer、Intellijel、Noise Engineeringあたりのブランドが信頼度も高く手堅い選択だと思います。

○まとめ

これらのモジュールと筐体とを購入するとDFAMがもう一つ買えてしまうんじゃないか?
ってくらいの金額になっちゃうかもしれませんが、値段相応の強化ができると思いますよ。
イチからモジュラーシンセを始めるよりはずっと優しいですしね。
DFAMユーザーの方は是非とも検討してみて下さい。

ツマミ型ステップシーケンサーの比較

音楽よりもツマミを愛してやまない変態紳士の皆様ご無沙汰しております。
我らツマミストにとって触れるだけで鳥肌の立つパラメータは色々とありますが、
今回はピッチつまみのお話です。

アタクシSQ-1に惚れすぎて4台イジり壊した上に更に2台購入するほどに
ツマミ型ステップシーケンサーが大好きでして、
運良くブツブツ交換でDoepfer DARK TIMEを入手する事が出来たんスよ。
一時期はBEATSTEP PROも持っていた事だしこの3台を比較してみようと思います。
だいたい何処の製品レビューもメーカー様のご機嫌を伺った提灯記事しかかけないので、
ネガティブなポイントを中心に挙げていきますよ。

○SQ-1の弱点





手頃な値段でモノシンセやモジュラーシンセの良き相棒として定着しているSQ-1。
なにはともあれ一人一台持つくらいに普及していても良いくらいですが、
使い込んでいくと削られたであろう機能が欲しくなりもどかしい思いをします。

・他機種との同期演奏が限定的
同期のスレーブにするにはUSB MIDIかSYNC INを使うしかなく、
DIN端子のMIDI INが無い事がすっごく痛いのです。
結局はvolcaなどMIDI to SYNCコンバーターに頼るしかなく、
スマートな機材構成が考えづらいのが非常に残念なんです。

・電池の消耗が意外と激しい
けっこう早く減りますよ電池駆動だと。
しかも電池フタがネジ固定なのでドライバーが必要。
仕方ないからUSB給電で使いますが、
USB-B端子の大きさが災いして無駄なスペースが必要になって、
筐体のコンパクトさを殺してしまいます。

・C3以下のMIDIノートを吐けない
ツマミが小さいので仕方無いんですが、
MIDIで使いたい場合は音源側にピッチのコントロールが無いと中高域専用になっちゃいます。

・ステップ分解能の変更は電源を入れ直さないと出来ない
シーケンスに対するステップの数、
例えば1小節あたりのトリガーポイントをステップ分解能と言いますが、
プレイ中に変更する事が不可能です。
これが出来たら更にトリッキーなプレイが出来るんですけどねぇ。

○BEATSTEP PROはどうなの?



そんなSQ-1ユーザーの声を反映させているのか、
約3万円で買えるBEATSTEP PROはそりゃもう至れり尽くせりの機能満載です。
ノートシーケンスx2トラック、ドラムシーケンスx1トラック、MIDIコントロールで1トラックと、
この1台で一通りのセットを制御出来るんじゃないでしょうか。
しかもPCのエディタソフトを使ってかなり細かい設定をする事が出来ます。

しかし機能を詰めすぎたせいで直感的操作は苦手。
トリガーが16×1列に対してノート用のツマミは8×2列と混乱を招きやすい配置です。
またツマミもポッドではなくロータリーエンコーダーなので、
ダイレクトに操作をしている感触を得づらいです。

「ロータリーエンコーダーの方が先進的じゃん!なんでポッドの方がいいの?」
と思われる方がいるかもしれませんが、
ポッドからエンコーダーに変わって失ったもの、それはフェティシズムです。
そこんトコ分からない方はツマミ廃人として失格なのでご退場下さい。

その他いろいろとオモチャ感が否めないデザインなのもマイナスポイントですね。
KORGのようにチープなオモチャ感を魅力として昇華できれば良いのですが、
そこはKORGのデザイナーが優秀過ぎるので他メーカーに期待するのは酷なものです。

○DARK TIMEレビュー



SQ-1が発売されるずっと前から製造されているステップシーケンサーのパイオニア的な機種です。
定価で6万円台後半、中古でも5万弱と(SQ-1に比べると)かなり高い価格設定です。

MIDI INをはじめ入出力端子は充実していますし、
ある意味SQ-1の不満な点を補ったモデルではありますが、
強気な価格設定の為に躊躇してしまう方も少なくないでしょう。
(いやぁオレだって物々交換で入手出来なけりゃ縁が無かったと思うよ)

しかしDARK TIMEの魅力はスペックからは見えない部分にあります。
この機材に限らずDoepfer製品は【ツマミのトルク感が絶妙】な事が大きなアドバンテージです。
端的に言ってしまうと重たいんです。スッカスカなM○Bなどと違ってホントに重厚です。
ツマミが気持ちいい!と評判なMother32やDFAMなどのMOOG製品より重たい。
指先にフィードバックされる程よい抵抗感がプレイヤーのテンションを上げるのに一役買ってくれます。

そしてトリガーがトグルスイッチ!なのも賛否は分かれますが性感的には大正解です。
(いやまぁ視認性は最悪なのはわかりますがねぇ)
パチン!「あっ。。」プチン!「いやん。。」と所作の一つ一つで思わず声が漏れてしまう。
ツマミを乳房にトグルを乳首に例えるならば小ぶりで感度の良い極上のオパーイがフヒヒヒヒ。。。
エロ漫画のように風船みたいなデカいだけのが好きな御仁はご退場下さい。

とはいえダメな所もあります。
前述したようにトグルスイッチの視認性は最低です。しょっちゅう間違えます。
それと右側トグルスイッチの「Stop」。
これ何の為にあるのかわかりませんが、ウッカリ誤動作してシーケンスを止めてしまいます。
ステップ分解能の変更もプレイ中に出来るっちゃ出来るんですが、
単純に1/2、1/4、1/8、、、などキリの良い数字なら良かったのに、
何故か「付点四分音符」だとか余計(?)な値があるので困ります。
直感性が命のステップシーケンサーには余計な機能だと思いますが如何でしょうかね。
ACアダプタが「AC15V」とちょいレアな規格なのも困る。

このようにスペックに表れない部分に最大の魅力を持つのがDARKTIMEです。
官能と所有欲を満たしたい御仁は是非とも挑戦して下さい。

○用途/目的別の選び方

コスパ:SQ1>BSP>DT
機能:BSP>DT>SQ1
サイズ:SQ1>DT>BSP

・とりあえず1台持っておきたい:SQ1
・トリッキーなプレイがしたい:SQ1
・1台で全てのシーケンスを賄いたい:BSP
・ドラムシーケンスをしたい:BSP
・所有欲を満たしたい:DT

○まとめ

国内で入手し易いステップシーケンサーを3種挙げてみました。
必ずしも必要ではないけど演奏する楽しみに特化した機材だと思いますよ。
クルマに例えるならばステップシーケンサー自体がオープンカーのようなものです。

SQ1:ビートやカプチーノ
BSP:シボレーとかキャデラックのコンパチ
DT:ケータハム・スーパー7

皆々様にもっと分かりやすく例えるとですね、

SQ-1:人身売買ロリペド野郎
BSP:奇乳好きかつエロゲー攻略で恋愛を語ってしまう残念な童貞
DT:理想的な曲線美と張りのある触感を愛でる事の出来る官能の伝道師

となります。

ぜひぜひ一度は堪能してみて下さいデュフフフヒヒヒヒ。。。

リバーブ・ペダルの選び方

ドラムマシンやシンセに適したエフェクトペダルを選ぶのって難儀しますよね。
Youtubeに挙がっている動画はほとんどがギターのデモなんで(そりゃそうだけど)、
果たしてそのペダルがシンセに向いているのか判断しづらい所があります。
なおかつ入力インピーダンスの関係でギターには使えるけどライン入力に対応していなかったり、
はたまた建前上ダメだよと言ってるけど使えちゃう物も結構あります。

そこで当ブログではエフェクトペダルのレビューを積極的にしていきたいと思いますが、
何よりも先に買うべきなのはリバーブだと思っています!

○マシンライブにおけるリバーブの効能

元来リバーブとは制御された残響音で様々な空間を演出する、という目的があります。
DTMでは各々の音を馴染ませるのに活躍していますよね。
しかし積極的に活用する事で原音自体を変えてしまったり、
現実には有り得ない空間の演出が出来るリバーブもあります。

・原音の悪い癖を隠す事で高級感が増す

これが一番のお薦めな理由です。
安いシンセだと耳障りな倍音やノイズが混ざっていたりするものですが、
上手く誤魔化してくれるのがリバーブの効能です。
ある程度の高級リバーブになると、例えば5万円のシンセが15万円の音になりますw
逆に言えばイイ音がするなと思ったシンセにリバーブが繋がってたら、
騙されている事になります。ご注意を。

・世界観の演出が出来る

シマー系リバーブで神々しい演出をしてみたり、
ダーク系でホラー映画の効果音みたいな響きを再現してみたり、
聞き手の想像力を喚起させるリバーブも色々とあります。

○代表的なリバーブの種類

・ホールリバーブ/ルームリバーブ

最も基本的でトラックメイクでは一番多用するリバーブと言って差し支えないです。
部屋の残響をシュミレートしたもので、大抵のペダルに備わっている機能です。

・スプリングリバーブ

プレートリバーブの次に歴史が古いバネを使ったリバーブ。
60年台ロックの「テケテケテケテケ」やダブの「ピチャン!」はこのスプリングによるものです。
本物のバネを内蔵した物も、電子回路でバネ感を再現した物も入手可能。
ちなみにビンテージ物として有名なRoland RE-201はあんまりピチャピチャ言いませんので、
そこを期待するなら別のバネリバーブの方が良いです。

・シマーリバーブ

この中では新しい種類で2010年に発売されたStrymon BlueSkyが元相。
パイプオルガンのように原音よりオクターブの高い残響音を出す事で神々しい演出が可能。
ストリングスやパッドにかけると全員即昇天します。

・その他

ウォーミーなノイズとモジュレーションを加えたLoFiリバーブ、
シマー系の応用で重厚な残響音を出せるダークリバーブなど、
メーカーごとに多彩な機種が販売されています。

○リバーブペダルの繋ぎ方と使い方

通常のギター用途であればセッティングを出したら本番中に触る事はほとんど無い筈ですが、
マシンライブで使う際は卓上に置いて手で積極的にツマミをグリグリ回します。
なのでツマミの回し易さとパラメーターの分かりやすさが重要になってきます。

繋ぎ方あれこれ

・ドラム単体
パラアウトの出来るドラムマシンであれば気に入ったパートだけにリバーブをかける事が出来ます。
ダブでよくやるのがスネアにスプリングリバーブ。

・ドラム全体
パラアウトの出来ない機種でならドラム全体にかけてしまうのは如何でしょう?
プリディレイの短いリバーブを使ってドラムのアタック部分を溶かしてブレイクを作ったりします。

・ベースや上モノ単体
これが一番一般的な使い方でしょうが、
ディケイの短い残響を薄く乗せるだけで音の値段が跳ね上がります。

・マスターエフェクト
フィルターの付いた多機能ステレオリバーブなら最終段にかけてしまうのも大アリ。
ツマミ一つで曲の雰囲気をガラっと変えてしまう事も出来ます。

○チェックしたいスペック

・ライン対応かどうか

ギターと電子楽器の音量は桁違いなので、
本来ギター用に作られたペダルエフェクターは電子楽器を繋ぐ事自体が想定外です。
しかしミキサーのSEND/RETURNはラインレベルの信号なので、
ここに対応していればシンセでもOK、という判断が出来ます。
また「ライン無理だよ!」と謳っていても案外使えちゃう物も多いので、
やはり楽器屋さんで試させて貰うのが確実です。

ちなみに公式で全製品ライン対応しているメーカーは、
BOSS、TC electronic、Strymonなどがあります。

・ステレオかモノラルか

電子楽器はモノラル出力の方が少ないので、
出来ればステレオ入出力のあるペダルの方が良いですよね。
ちなみにStrymonのBlueSky(と、あのサイズのペダル全部)は、
ステレオ対応ではあるけど入力だけTRS端子になっているのでケーブルを用意する必要があります。

・MIXかSENDか

残響音の音量をコントロールするツマミは必ずありますが、
MIXかSENDかで性格が変わってきます。

MIX:原音と残響音の割合を決めるツマミ。原音をゼロにする事が出来る。
SEND:残響音をどれぐらい足すか決めるツマミ。原音は消せない。

・トーン

残響音の明るい/暗いをコントロールします。
高音には明るく、低音なら暗くしてやるのが通常ですが、
工夫次第で如何様にでもなります。

・ディケイ

残響の長さ。
シンセのディケイと同じで音の隙間を調整するのに役立ちます。
速いテンポなら短め、遅いテンポなら長めを基本にすると良いでしょう。

・プリディレイ

原音と残響音の間隔。比較的高級な機種でないと調整不可なようです。
短い(速い)と原音と混ざった音になり、
長い(遅い)とディレイのような効果が得られます。
アタックの強い音やドラムには短め、
ベースやパッドには長めが良いかと。

○予算別ペダルレビュー

ここでは自分が所有したもの、楽器屋さんで試奏したもの、借りて使ってみたものを
中心にレビューしていきます。
価格帯は主観的な実勢価格なので多少のズレはご了承下さい。

・1万5千円以下

TC electronic SkySurfer

¥6000で買えるTCの安ペダルシリーズにはリバーブが3種類ラインナップされていますが、
これはスタンダードなもの。プリディレイが短いのでドラム用途によく使ってます。



TC electronic Drip

同じくTC安ペダルのスプリングリバーブ。
肝心のピチャピチャ音はスイートスポットがやや狭いので要注意。
それでも扱い易いツマミのお陰で活躍します。


BOSS RV-6

ギタリストにはド定番のスタンダード・リバーブ。
ですがマシンライブ用途となるとツマミが回しづらいのがネック。
スプリング(ちょっと弱い)やシマー(アクが強くてわざとらしい)など一通りの機能が揃っているので、
あまりツマミを回さない人にはコスパ良好なペダルです。


DanElectro SpringKing

1万チョイで買える本物のバネを使ったスプリングリバーブ。
ピチャピチャ音は最強ですし、ブッ叩くとガッシャーン!って「あの音」がします。本物ですから。
若干音が痩せてしまうのでオーバードライブと組み合わせると良いです。
YouTube Preview Image

・1万5千円〜3万円

TC electronic Hole of Fame

TC版のスタンダードリバーブ。ツマミも大きくステレオ入出力で多機能なので、
迷ったらコレにすると良いです。


TC electronic T2

こちらは飛び道具的なリバーブがテンコ盛りの変態リバーブ。
このお値段でお手軽に亜空間を作れます。
ただ癖が強いのでリバーブ初心者には向かないかも。


ELECTRO-HARMONIX Cathedral

比較的古い機種ですが抜群の音質を誇る高級機。
大抵の人はこれで十分に満足できる筈です。


Walrus Audio FATHOM

恐らくこの中で最も新しい製品で、最新鋭のアルゴリズムが備わっています。
特にシマー系がRV-6より自然で、かつStrymonより深くかかってくれました。
コンパクトサイズでシマーが欲しいのなら是非試奏を。


Caroline Guitar Company meteore

買いました。今一番気に入ってるペダルです。
普通リバーブの残響音って冷たい印象を与えるんですが、
このLoFiリバーブはウォーミーな残響音を出してくれます。
例えるならテープエコーならぬテープリバーブ(?)
プリディレイが長めなのでディレイ的にも使える一方、ドラムには向いていません。
ベースに最高っすね。あとリバーブの癖に発振します。



death by audio REVERBERATION MACHINE

メテオラと迷ったのがコレ。
リバーブ+ファズの極悪ペダルです。パネルデザインが好み。
アシッドベースにならコレ最適なんじゃないかな?

・3万円〜5万円

strymon bluesky

史上初のシマーリバーブとして、シンセと相性の良い高級リバーブとして大人気の機種。
大人気だったので中古市場にもチラホラと出てきます。
派手な演出は出来ないものの音質の良さは抜群。
「原音の値段を吊り上げる」という意味では最もリーズナブルな機種でもあります。


BENIDUB Spring Amp

これも本物のバネを使うスプリングリバーブですが、
バネは外付けで別売りです。
外付けって事は色んなバネを試して遊べるので楽しいですよ。
ガチでダブやりたいならBENIDUBはマストブランド。


・5万円以上
(アタクシ耳が貧乏なので多くは語れません。どれ買ってもスゲぇっす語呂力なくてスンマセン)

Eventide Space

自分が触ってきた中で最強のリバーブ。
有名な「BLACK HOLE」プリセットを始め、多彩というか多彩過ぎて大変な機種です。
そもそもプリセットの名前が有名になってしまう時点で諸々お察し下さい。
演出出来る空間が現実離れして亜空間とか異次元とか地獄とかもイケます。


strymon BigSky

高品質のbluskyに多機能を加えた上位機種。
プリセットが自由に設定できるのが良いですね。
EVENTIDEが悪魔ならコチラは天使のリバーブ。


Empress effect Reverb


Strymonより幅広く、Spaceほど難しくないという印象です。
性質的にも両者の中間をいってる雰囲気があります。
うーん、なんかスゲーって感じ(鼻ホジ)


○まとめ

安物は安物で使いどころを押さえれば絶妙な効果を得られますし、
投資に見合った音質を得られる高級機もお薦めです。
他のエフェクトはともかく、リバーブだけは5万出しても後悔しません。
新しいシンセを増やすよりも効果的かもしれませんよ。

インプロヴァイス・プレイのすすめ

楽器の演奏においてアドリブや即興演奏の事を「インプロヴァイス」と言いますが、
近年の電子楽器ライブにおける大きなキーワードになっているのは皆さんもご存知の通り。

電子楽器におけるインプロヴァイスなプレイとは、
音色のプリセット登録やパターン登録をせずにブッツケ本番でライブプレイをする手法です。
モジュラーシンセなどは必然的にインプロになる事がほとんどだろうし、
本来ならキッチリ仕込めるグルーブボックスでも敢えてまっさらな状態から始める人も珍しくないです。

パフォーマンス性の高いプレイが出来る事が大きなメリットで、
DJのように本番中でもオーディエンスの雰囲気を読みながら構成を変えていく事だって可能です。

それに対して旧来の打ち込みと同じように音色を作ってパターンを仕込みソングを組んだ物を
シーケンサーに演奏させる方法も根強い支持があります。
こちらを当ブログでは「コンストラクション(建築的・構造的)スタイル」と呼んでいます。
一般的に周知されている言葉ではないけれど、
丁度良いインプロの対義語が見つからないので勝手に定義します。

こちらのメリットは納得がいくまでクオリティの高い作り込みが出来る、
オリジナリティの高い楽曲制作に直結させ易い事が挙げられます。

○コンスト=マゾ、インプロ=サド

完全に振り切れている人は少ないものの、人は誰でも性癖がS寄りかM寄りかに分かれます。
しかもある程度オトナにならないと自分の本当の志向なんて分からないものでして、
Sだと思いこんでいたけど実はMだった、何だかんだ言ってSMどちらも楽しめる、
己の性癖の探求は加齢で精力が枯渇しても終わらないものです。

マシンライブのスキルはM的な論理思考、S的なパフォーマンス力と両方求められますが、
自分がどちら寄りの性質か見極め、壁にぶつかったら反対の志向を試してみる必要があります。
DTM出身ならコンストラクション、生楽器出身ならインプロヴァイスが向いているように思えます。
DJ出身の自分は正直よくわかりませんw

○仕込み作業が苦手な人におすすめ

通常、一般的なグルーブボックスを導入してマニュアル通りに演奏をすると
必然的にコンストラクション・スタイルになりますが、
それでライブをやろうとしても挫折してしまう大きな要因に、
「仕込みが面倒臭ぇチョー面倒臭ぇ」というのがあります。
正確には、
「どこまで仕込めば良いのかわからないので延々と試行錯誤にハマってしまう」
って事じゃないでしょうかね。
完璧主義傾向の強い人や責任感の強い人が陥りやすい罠です。

これね、DAW出身で尚かつ仕込みが苦にならない人には全然共感してもらえないんですが、
生楽器出身だったり根がモノグサな凡人にはけっこう苦痛なんですよw
この苦行をスルー出来るのがインプロヴァイス志向の隠れた利点じゃないでしょうか。

○インプロヴァイス・プレイの具体例

・シンセサイズ



音階ではなく音色に変化をつけて展開を作っていく電子楽器特有の演奏方法。
TB-303に端を発するアシッドベースが一番馴染みのあるインプロ・シンセサイズですよね。
フィルターとレゾナンスの開閉をリアルタイムで行うアシッド的シンセサイズ、
VCAのディケイを一瞬伸ばしてフックを作る、
フィルターにかかったLFOスピードを変えて作るワブルベース、
これらのツマミ芸は全てインプロ・シンセサイズと言えます。

・ミュート




これはいわゆる「抜き差し」ですね。
ジャンルや本人の音楽志向によって「足し算の音楽」と「引き算の音楽」とがありますが、
ミュートプレイを多用するのは後者にあたります。分かりやすいところでは「キック抜き」。
ゴツい低音がヒュッと消える瞬間の浮遊感はフロアで体験すると病みつきです。
他には展開に応じてハイハットを挿入すると同じBPMなのに疾走感が増したりします。

・シーケンス



他のポイントよりも大きく差が開くのがシーケンスの即興。
SQ-1のようなツマミ型ステップ・シーケンサーはインプロ専用ですし、
そうでなくともパターンレコーディングをONにした状態で
空パターンからトリガーを重ねていくのもインプロ・シーケンスの範疇に入ります。
(monotribeのリボンシーケンサーでコレやんのが気持ちイイのよね)

この際「キーの設定が出来る」「パターンリコールが出来る」機種だと
ライブプレイにおいて非常に有利です。
SQ-1もC固定ではあるけど(メジャー/マイナー選択可)乱暴にツマミをいじっても
破綻したフレーズにはならないので便利ですよ。

パターンリコールとはあらかじめセーブしてあるパターンに一瞬で戻す機能で、
トリガーをガチャガチャ増やして音数を密にしていき、
ここぞ!のポイントでチャラ(元パターン)にする手法が出来ます。
元になるパターンは最低限のシンプルな打ち込みでも、完全な空でも良いと思います。
ドラムマシンでコレやると凄く楽しいっすよ。

・マスターエフェクト



マスターエフェクトとは出音の最終段、
ミキサーの先にエフェクターを通して全体の音色をそのエフェクトに支配させる手法です。
最近みんながこぞって使うのがパイオニアのDJ用マルチエフェクター。
KORGのカオスパッドも根強い人気があります。
これらのエフェクトをマスターに挿すとパフォーマンス性がグッと上がりますが、
安物では音質自体が下がるし高級品でも平坦な音になってしまう事に留意しておいて下さい。

出音の相性が悪い機材を馴染ませるという意味でも有効な手段ですが、
逆に言えば個々の味を殺してしまう事にも。
例えばアナログのドラムとモノシンセなんかは、
その美味しい粗の部分が削れて平坦な音になるケースが多々あります。
楽曲制作ならいいんですけどね、ライブではその音が揃わない違和感も良いスパイスです。

別にマルチでなくってもペダルでも良いんです。
ただ相応の高級品を使わないと音が悪くて聴けたもんじゃないですけど。
単体エフェクトでマスターに挿して使いやすいのはリバーブとフィルター。
フィルターもしくはアイソレーターはハウス勢が好んで使います。

○インプロヴァイス・プレイのデメリット

・個性を出しづらい

テクノでもノイズでもモノシンセに頼る事が多くなってくるので、
他プレイヤーとの差別化が難しいという現実的な難点があります。

要は傍から観りゃみんな同じに思えちゃうんですよ。

オーディエンスから観れば出てる音がvolcaだろうとDaveSmithだろうとどうでもいい事だし、
パッチケーブルだらけのモジュラーシンセの人達もこのジレンマにハマり易いようで、
そんなのが何人も連なるライブイベントなんて、お客にとっちゃ苦行でしかないですw
まぁそれはプレイヤーではなくオーガナイザーの責任ですけどね。
ただイベント全体を通してお客を飽きさせないようにする工夫は、
プレイヤー個人にも出来る事が少なくありません。

こんなジレンマから脱却するには、
より個性の強い音を出す機材を探すか、
より難易度の高い機能をプレイに取り入れるしかないようです。

・熟練度が増す程に機材の味が顕著に出る

これはもうグルボの宿命かもしれませんが、
手に馴染む事を優先して機材選びをすると同じメーカーで揃えたくなり、
使い込めば使い込むほどにそのメーカーのカラーに染まっていきます。
KORGならKORG、ELEKTRONならELEKTRONの販促員のようなプレイになります。
ここを避けるには飛び道具を使ったり安機材でハズしたりして違和感を演出するのが良いでしょう。

○インプロプレイに適した機材

シンプルな機能で全ての操作子がパネルに出ている物が適しています。
ページ切り替えがあったり階層の深いファームウェアの物は難易度が格段に上がります。
シンセやシーケンサーならモノフォニックだったり、
シフトキーを使った副次的操作に頼らずに済む物とか、
エフェクターならツマミの大きなものがお薦め。

シンセサイザー

・アナログモノシンセ全般
全ての操作子が表面に出ていて、階層が無いものが最も適しています。

シーケンサー

・KORG SQ-1

手頃な値段で買えるステップシーケンサーとして人気のあるSQ-1。
アナログモノシンセとの相性は抜群ですが、
生楽器系のPCMやソフト音源を鳴らすと凄く新鮮です。
ピアノ音源でスティーブ・ライヒごっこも出来ます。

・KORG monotribe

(過去記事:monotribeレビュー)

シンセx1ドラムx3のアナログシンセ+ドラム+シーケンサー名機。
独自のリボンシーケンサーが非常に面白く、試奏するだけで病みつきになります。
次に紹介するDFAMもそうですが、ルーパーと組み合わせると面白そう。
中古市場にたまーに出てくるくらいになってしまいましたが、
欲しい人は即食いつきましょう。

・MOOG DFAM

(過去記事:DFAMレビュー)


前回の記事でレビューしたDFAMもインプロ専用機として主役を張れます。
8ステップのピッチとベロシティをツマミで操作するフレーズは唯一無二のグルーヴを生み出します。
用途としてはmonotribeに似ていますが、
こちらの方が音の可変域が広く同じ音色を二度と再現出来ないんじゃないかって位。
それでいて名門MOOGの大らかさがあり極端な出音にならず絶妙なシンセサイズが可能です。

・Artruia BEATSTEP PRO

MIDI、CV/GATE、TRIGGERまで対応した万能シーケンサー。
ノート2トラック、ドラム16トラックのシーケンスが出来ます。

ドラムマシン

・Roland TR-8/8S

インプロプレイを世に知らしめた名機と言っても過言ではないでしょう。
可搬性より操作性を優先した大柄な筐体は即興演奏でも安心感がありますし、
何より各パートに設けられた縦フェーダーでフレキシブルな抜き挿しが必殺技。

・Arturia DRUMBLUTE/IMPACT

(過去記事:DRUMBLUTE IMPACTレビュー)

こちらもTR-8に匹敵する使いやすさ、分かりやすさで人気があります。
下段に並んだパッドで指ドラムも出来るし(BEATSTEPも)、
パターンシーケンサーもライブプレイを考え尽くした構成と機能が備わっています。

エフェクター

・Pioneer RMX-500

「ザ・チートエフェクター」として
マシンライブ界隈でもエラい勢いで普及しています。
触った事ないからよくわからんけど。

・KORG KAOSSPAD

KORGのお家芸カオスパッドも根強い人気がありますよね。

ミキサー

・DJミキサー全般

サンプラー

・OCTATRACK

操作は難解ですが覚えてしまえば最強のマルチエフェクト付きのサンプラー兼デジタルミキサー。
8トラック全てをルーパーにしてしまうとか、
そのルーパーで録音したループをリアルタイムで刻んだりして大変な事になります。

○まとめ

今までは機材の機能をキッチリ使いこなさないとインプロなんて無理!と勝手に思っていましたが、
実はコッチの方が楽に習得出来るような気がしてタマりません。
前記事で紹介したDRUMBLUTEとDFAMとの出会いが非常に大きく、
「もうこの2台だけでいいんじゃない?」くらいに思ってきてます。
(もちろん思ってるだけなんですがね)
従来のコンストラクション系スキルで壁にぶつかっている方なら、
一度アタマをまっさらにしてインプロに臨んでみるのも悪くないですよ。

MOOG DFAMレビュー

どんなジャンルでもスペックからは読み取れない魅力を放つプロダクトってありまして、
例えばクルマや腕時計などの舶来物でそういうモノ作りが得意な名門ブランドがありますよね。
シンセサイザーでの名門と言えばMOOGとDaveSmithあたりが二大巨頭でしょうか。
DaveSmithはポルシェのような気難しさとセクシーさを、
MOOGにはシボレーあたりのアメリカン・マッスルカーのような大らかさを感じています。
モノシンセも色々と渡り歩いてきましたが、
DRIFTBOXはもちろんMINIBRUTEでさえピーキーに感じてしまう自分には
誰がどういじってもそれなりの音が出てくれるMOOGの方が性に合っているようで、
半年ほど前にMother32を、先日DFAMを導入しました。

○Motherシリーズの特徴



MOOGの廉価版ラインナップとして発売されているセミモジュラーシンセ。
ユーロラック/スタンドアロンどちらでも使える設計が最大の特徴で、
絶妙なトルク感で回し心地の良いツマミなど所有欲を存分に満たしてくれる質感があります。
現在はMother32とDFAMの2種類ですが「Subharmonicon」という第3弾も控えているようです。



Motherの方は半年ほど使っていますが音色から何から全てが絶妙。
ほんと絶妙以外の言葉が出なくてレビューになりませんわw
よく比較対象に挙げられるベース専用機MINITAURほどの個性はないものの、
(MOOGの中では)オーソドックスにまとめられた優等生ですね。
音作りもし易くて初めてのモノシンセに最適。
ベースなんかに使うと他の機材と鳴らしてもDAWに落とし込んでも
浮かないし埋もれない使いやすい音になってくれます。

○ドラムマシンの始祖?

優等生のMotherに対して変わり種の変態モノシンセが欲しくなり、
かといってピーキーなのは苦手なので同シリーズのDFAMに目をつけました。
ドラムマシンというよりは「シーケンサー付きのパーカッションシンセ」。
パーカッション的な短い音に特化したアナログモノシンセです。

同時発音数は当然ひとつだけ、普通のドラムマシンほど音色のパリエーションはありません。
だけどツマミだけでキックからハットまでシームレスに変化させられる柔軟さは、
8ステップと少なめなシーケンサーと相まって万華鏡のような趣きがあります。

○音源部



Motherを基準に考えるとVCOが一つ増え、LFOが無くなっているのが大きな特徴。
ほかにもEGのアタックが無い分VCO/VCF/VCAそれぞれにディケイがあったりします。
またMotherもそうなんですけどホワイトノイズが綺麗!
普通は耳障りなんで控えめにするもんですが、このノイズはずっと聴いていたくなるほど。

面白い所と言えばシーケンサーの上段、ピッチ部の変化をオン/オフ出来るトグルスイッチ。
VCO1と2/VCO2だけ/両方オフと切り替えられます。
オンなら音程をツマミで変える事ができ、オフにする事により一瞬で均一なピッチになります。

○シーケンサー部



8×2段のツマミの下段がVEROCITYとなっているんですよ。これがかなり面白い。
左いっぱいになっている時はオフ(休符)、右に回すにつれベロシティが上がっていきます。
通常のドラムシーケンサーだとベロシティって副次的な要素として扱われる為、
強弱の変化をつけるのが疎かになりがちなんですが、
このシーケンサーでなら直感的に強弱をつけやすい。
このお陰でフェイク感の強いシンセドラムがとても有機的に鳴ってくれるんですよ。

○パッチ部



ジャックはMotherより1列少ない24個ですが、それでも十分過ぎる内容です。
少し惜しいのはMIDIに対応していないため、他機材との同期にクロック信号が必須になってしまう事。
MIDI to Clockコンバーターは単体のDoepferMSV2などでも良いですが、
Mother32を使うか、手っ取り早くvolcaシリーズを使ってみるのが良いですね。

とりあえずは最下段のPITCHやVELOCITYから何かしらのジャックに挿すと、
それぞれシーケンスつまみで変化を施す事が出来るので分かりやすいと思います。

○DFAMを触っていて思い出したあの機材

シーケンサー付きの音源ですからある意味グルーブボックスとも言えなくは無いんだけど、
ドラムとしてもシンセとしても割り切った作りなので限界は低く、
当たり前だけどプリセットも無いしパターンも無いです。
16~64が当たり前の時代に今どき8ステップでどうしろと?と言いたくなりますよね。

それなのに本当に楽しいんですよ。
あらゆる電子楽器の中でも純粋な楽器にかなり近い。
こんな機材って他には中々ないと思いきや、一つありました。

KORGのmonotribe。


もちろん構成は色々と違うんだけど、使いみちはそっくりなんですよ。
アレはアクが強すぎて使いあぐねる事が多かったなぁ。。
その点DFAMは器用に他機材とも馴染む。馴染みながらも自己主張出来る。
「DFAM=monotribeスペシャル版」と言っても過言ではありません。
monotribeの演奏性が好きな方は是非一度試してみてください。

○実際どう使う?

youtubeに挙がってる動画を見てると、
やはり相性の良いMotherと組み合わせてテクノに限らない自由な演奏をする人が多いですね。
エフェクトのノリが良いアナログシンセなので、
とりあえず何かしらのペダルを噛ますと面白さ倍増。
プリディレイ短めのリバーブでアタック部を溶かしてやると気持ちいいですよ。



これ、一緒に購入したCAROLINE GUITAR COMPANYの[METEORE]というリバーブ。
http://umbrella-company.jp/caroline-guitar-company-meteore.html
最新のリバーブにありがちなシマー系ではなくLo-Fi系で残響が程よくノイジーで温かい。
しかも面白い事に右側のフットスイッチを押すと残響音が発振するんすよ。
リバーブなんだけどテープエコー的な効果が得られる美味しいペダルです。
DFAMはもちろんアナログモノシンセと相性バッチリです。是非試してみて下さい。



自分なら普通のドラムマシンは別に用意して、
アシッドベースのように主役を張らせたいところです。
ドラムからベースへ、ベースからリードへと変幻自在。
8ステップのミニマルなフレーズは中毒性が非常に高いのも魅力的。

ただしちゃんと使いこなすのは結構ムズいかも。
何にも考えずにツマミぐりぐり回して遊ぶのは面白いけど、
狙いを定めて音を作ろうと思うとなかなか意図通りにならんのです。

○おまけ


シーケンスつまみとオシレーターのVolつまみが小さくて回しづらいですよね。
とりあえず手持ちのツマミをつけてますがチトしっくりこない。
ネットで探してみたら専用のつまみセットが売ってました。
12ユーロと送料10ユーロでした。
https://www.thonk.co.uk/shop/moog-dfam-knob-upgrade/

○まとめ

ドラムなのにモノフォニック、シーケンスも8ステップと、
時代錯誤かと思えてしまうスペックではありますが、
制約があるからこそクリエイティビティを刺激されるのもあります。
ちょっとでも興味が湧いたら展示しているお店で触ってみて下さい。