1010 music bentoレビュー

サンプラー的な物が(改めて)欲しくて色々迷っていました。
・SP-404mk2(2度目)
実は和音/ベロシティに対応するのはコレだけ。
上モノにジャストなんじゃね?
・Digitakt(3度目)
度重なるアプデを経て神サンプラーに。
タイムストレッチ/マングル出来るって神だろおい。
(そうなる前に売った)
・bento(初めて)
1010には良い思い出が無いんだけど軽くて電池駆動は絶対正義。
(blerbox使ってた。UIが煩雑で疲れた。)
迷った挙げ句に「いっちょ新しいモンに挑戦してみっか!」とbentoを選びました。
このネーミングセンス素敵です。弁当だよ弁当。Launch Boxとか言うとノべ某と被るからかな?
そのうち「ハラキリ」とか「ゲイシャ」とか名のついた電子楽器が海外から発売されそうです。
ちなみにRoland/BOSSの「技」は嫌いです。ダサいじゃん。
バイクで言うカタナやニンジャは好きだけどね。この違いどうなんだろ?
◯ねだん
直輸入ではなく素直にRock onから購入。15万しました。
最近の情勢からして仕方ないんですが、高い。
元々1010は割高なイメージがありますが、謳っている機能の豊富さを考えると妥当な範囲かと思います。
(まぁbentoはアップデートが追いついてないが)
◯デザイン/外観
約20cm四方の筐体で、案外重たいです。
8つのエンコーダー(プッシュじゃないよ)と、タッチパネル画面、16のパッドが付いてますが、
使ってみるとコレ絶妙な采配だなって思います。近年ミニマルになりすぎて使い勝手を犠牲に
する電子楽器が多い中、利便性を優先したデザインは好感が持てます。
背面には電源ボタン、USB-C端子x2、MIDI IN/OUT二つずつ、AUDIO IN/OUTステレオ三つずつ。
それと別に独立したヘッドフォン出力があります。
全て3.5mmなので6.3mm派には不満でしょうけど。
ただココは見にくい。慣れると大丈夫そうだけど何かもうちょっと工夫して欲しかった。
けど入出力が豊富なのは有り難い事です。
ちなみに、out1,2,3に振り分けた各出力もヘッドフォンからはまとめて聴こえます。
そんな細かいところまで気が利くメーカー、他に聞いたことないです。
◯電源/電池駆動
片方のUSB-C端子からの供給で(一応外側を選んだけどどちらでもイケるかも)、
バッテリー凄く有り難い。公式によると3時間持つそうです。
◯ファームウェア
問題もあります。ファームウェア1.018の時点では、
公式からマニュアルが出ていない!クイックスタートガイドしかない!
細かい事は全くわかりません。
フォーラムを読むと「まだまだ未完成」と厳しい声が数多く挙げられていますね。
◯音質
まだヘッドフォンでしか聴いてないのですが、何年か前に聴いたBlackboxでの印象と同じ。
すげぇハイファイな音が出ます。パキっとして硬すぎるかもしれません。
◯UI
この機種で特筆すべきポイントはUI。前作BlackboxやBlueboxと比べて段違いの分かり易さ。
もちろん他メーカーのサンプラーと比べても、です。
マニュアルが無いとは言いましたが、基本的な操作は画面を眺めてるだけで把握できます。
・十字キー
これ本当に助かります。
タッチパネル操作とは言えiPhoneで慣れていると違う動作があったりしますが
そういう時の補助として十字キーがあると操作で困る事がなくなりますよね。
・強いて言うならELEKTRONマシンのようにYES/NOキーも欲しかったかも。
これでタッチパネルに全く頼らずとも操作が出来る筈です。
・ツマミの下に用途が表示される。
今までありそでなかった所が、画面上部に各ツマミのパラメータ説明がちゃんと表示されること。
ページが変わってもこれで操作に迷う事はなくなります。
◯シーケンサーは基本的にピアノロール
KORG gadgetに似たピアノロールを備えています。
キーやスケールごとに使わない鍵盤が削除されるので、適当にトリガーを置いても音楽らしいフレーズになります。
ステップ数は最大256ステップ。
◯シーン
各トラック4つまでと少なめではありますが、グルボで備えているのは画期的。
◯トラックタイプ
ELEKTRONで言う所の「マシン」にあたる部分です。以下の5種類のトラックタイプを選べます。
グラニュラーを除いて、8トラック全てを同じタイプにする事も可能。
ワンショットは16までのワンショットサンプルを、
ループはループ素材を扱うトラック。
マルチサンプルはピアノなどの演奏用に(ここで256ステップが活きてくる)。
スライサーはループを刻んで好きに鳴らすものです(ランダムに鳴らすテクもあるようです)。
グラニュラーはプロジェクトごとに一つまでと制限はありますが、
なんでもツブツブのフワフワに出来ます。
問題が一つあって、スライサーならスライサーフォルダに、ループならループフォルダに入れないとならず、
本体操作でサンプルを選んだ時点でトラックタイプが決まってしまう事です。
ループサンプルならどれでもスライスOKって訳にはいかず、あらかじめスライサーフォルダに入れとかないといけません。
◯FX
エフェクトは各トラックからのセンド量を決めて反映させるタイプ。
ディレイ/リバーブとモジュレーションがあります。
細かいパラメータは上の8つのツマミに反映されているので使い易い。
◯で、どう使うか
モジュラーシンセはLabyrinthベースのラックに留めておき、
リズムを任せたいと思ってますが、他にも色々出来そうなので上手くいけば華やかな音になりそうです。
特にTEMPERAを購入して以来ずっと興味のあった「マングル」。これをbentoに任せようとも。
トラックモードを「スライス」にすれば案外と簡単に出来ます。
ちょっとサンプルのインポート関連がバグで怪しい所があるけど、
6月末にはアプデするんで気長に待ちましょう。
◯バグ(1.0.18)
スライサーフォルダにサンプルを入れても本体でアサインできないわい。
なんとか入れられてもスライサー周りは挙動が変。
◯今後のアップデート予定
・オーディオトラック
たぶん外部入力を取り込むトラックだと思います。せっかく3つも入力があるのに勿体ないですよね。
◯今後して欲しいアップデート予定
・インストトラックの外部MIDIからのベロシティ対応
できるのか?多分出来てないと思う。和音はイケるようだ。
「生楽器らしい打ち込み(orランダム生成)」を行なってメロディカやサックスの上モノをリアルに鳴らせたら嬉しいな。
SP-404mk2は対応してるようなのでソッチを買い足しても良いんだけど、bento一台で賄えたら荷物も減る。
◯まとめ
特に目新しい機能は無いものの、今までのソフト/ハードから良い所をパクって出来た秀逸なプロダクトです。
数人に触って貰ったところ、「簡単なAbelton Push」と言われました。
自分としては「凄いCIRCUIT RHYTHM」な気がします。
どこもオリジナリティに固執するあまり使いにくい機能を持ってきがちですが、
Bentoに関してはそんなものは一切なく、ある意味至って真面目にユーザーの声を反映させた物です。
これぞプロダクトデザイン。
ミニマルなだけで使いづらい機種が多い中これは画期的です。
15万円は安い、と言わざるを得ません。