【人柱速報】twisted electronics CRAZY8レビュー

ユーロラックやモノシンセが世界中から発売されているにも関わらず、
パフォーマンス・シーケンサーって選択の余地が少ない上に何を選んでも一長一短なもんで
悩みの種ですよねー。ですよねー。オレだけ?そんな事ないでしょ。
前回「シーケンサーの選び方2017」の時点で注文していたCRAZY8が到着したのでレビューしますわ。


◯基本スペック


https://twisted-electrons.com/crazy8/




・w210mm x d97mm x h 24mm
・16ステップx8パターンx8トラック
・トリガー指定形
・4トラックは和音対応
・4トラックはCV/GATE対応
・MIDIクロックスレーブ可
・SYNC IN/OUT端子



おねだん:255ユーロ(ドイツMUSIC STOREにて船賃込で約4万円)


◯デザイン



箱から出したときの第一印象は「あーら可愛い!」
同社のデジタル・アシッドシンセACID8と共通のデザイン。
黒アルマイト&ヘアライン加工の天板は非常に質感が良く触り心地のいいものです。
サイズはかなりコンパクトですが金属筺体のお陰で心地よい重量感があります。
このスペックで出来るだけシンプルな操作性を狙ったのか、キーの数も必要最低限。
海外製のタクトスイッチの為なのかキーの押し心地がやや堅いのがちょっとヤだな。


◯付属品と注意点


・ACアダプタ
付属の物は海外向けなので、変換コネクタが必要です。
或いは【12V420mA/センタープラス内径2.1mm】のアダプタを別途購入する必要があります。
アンペア数は420以上あれば、大きい分には問題ありませんよ。
例えばこんなんとか。


http://akizukidenshi.com/catalog/g/gM-03682/


でもマニュアルには「9-15V」とあるのでわりとユルそうですね。
実際9Vセンタープラスの電源を試したら普通に動きました。


・MIDIケーブル
片側がDINコネクタ、もう一方が3.5mmステレオミニのタイプです。
IN/OUT用に2本付いてます。
最近よくあるこのDIN-3.5mmのMIDIケーブルですが、
メーカーごとに信号の振り分け方がバラバラなのが困り物。
コレは有難い事にKORGと同じ方式なので、
SQ-1に付属のDIN-3.5mmアダプタも使えます。


・MIDIチャンネルは8トラックというより4+4トラック
ここ重要なポイントです。
MIDIアウト端子が2つあって、Ch1~4とCh5~8に分かれています。
なので音源1台につき4Chまで、という制限つき。
MIDI信号をまとめる機材でも持っていないかぎり、
マルチティンバー音源を繋げても4種類までの音しか出せないって事ですね。


逆に複数台の運用には端子が2つある方が有利。
Trk1から4までをマルチティンバー音源に、
Trk5から8をモノシンセやドラム音源に使う、ってのも、
MIDIスプリッターを介さずに可能ですよね。


◯普通の使い方


基本的な打ち込み方はRoland TB-3と同じような方式が8トラックになったものです。
パターンモードでパターンとトラックを選び、ステップモードに切り替えた上で
右側のツマミで該当ステップを選んで鍵盤キーで音階を決める方式です。
MIDI INとSYNC INがあるので同期のスレーブにも使えます。


◯イカす使い方


CRAZY8特有の機能で気に入ったモノを紹介します。


・プレイモード
SHIFT+RUNで該当トラックのシーケンスを走らせる方向を変えられます。
前進→後退→往復→ランダム


・スキップ
打ち込みの際にREST(休符)とは別にSKIPキーってのがあるのにおや?って思ったんですが、
これで該当ステップを飛ばす事が出来るので、トラックごとに違う周期で演奏させる事ができます


・レート
通常は4小節を16ステップに割った分解能ですが、
この機能を使ってトラック毎に1/4から8倍まで変更出来ます。


・クレイジー
ナニがクレイジーなのか英文マニュアルを読んでも分からないんですが、
この値を変える事によってトリガーと音階を微妙にランダマイズできるっぽい機能です。
理屈はワカランけどかなり便利な機能です。


・コード
パターンモードにて該当ステップの白鍵を押しながらエンコーダーを回すと
あらかじめ設定された和音を選べます。
デフォルトで15種類の和音が登録されていて、これもエディットが可能です。


◯困ったポイント


・キーが少ないので慣れないと操作がややこしい。
トラック選択やパターン登録、コード周りなんかを理解するのに戸惑いましたね。


・ステップ数は16で固定
ツマミでステップ数を減らしたり出来たら面白いのにね。

・ベロシティ固定
マニュアルのどこにも記載されてません。
ステップごとでなくても構わないからベロシティ可変にしてほしかったな。


・ステップごとのパラメータ変更は不可
ELEKTRONのパラメータロックやKORGのモーションシーケンスに該当する機能はありません。


・ノートレングスはトラックごとに固定
DUTY機能でトラック毎にノートレングスを16段階で変更できるんですが、
全てのステップが同じ長さになってしまいます。


・スライドもアクセントも無いよ
ウニョン不可だしベロシティも固定な雰囲気です。
なんでアシッド向きではないかもね。


などなど、現代のステップシーケンサーとしてはかなり割り切った設計ですね。
シンプルな操作性を再優先して色々諸々切り捨てたように思えます。


けどさ、ちょっと切り捨て過ぎじゃね?w

このあたりはファームウェアのアップデートに期待するしかありません。


◯おすすめ構成例


・iPadやハーフラックPCM音源




取っ掛かりにはお手軽マルチティンバー音源が
沢山あるiPadのシンセアプリや、
ひと昔まえのコンパクトなPCM音源が良いんじゃないでしょうか。

・SQ-1とかKORGのSYNC端子搭載機




SYNC端子があるからSQ-1と併用するのもアリでしょう。
基本的なフレーズをCRAZY8で走らせて、その上でSQ-1の即興演奏とかね。
ただしKORGマシンとCrazy8ではステップ分解能に差があるため、
スイートスポットは狭いかと思います。

・DSI TETRA
モノシンセx4のTETRAは相性バツグンじゃね?


・モジュラーシンセ
Trk5-8をフレーズに使って、
CV/GATEのあるTrk1からTrk4であらゆるパラメータをイジり倒すと面白い筈です。
最近ではBEATSTEP PROがモジュラーシンセの定番シーケンサーになっているようですが、
コンパクトさとCV出力の多さではコッチの方が有利。


◯まとめ


買う前はELEKTRONシーケンサーの簡易版かな?と思ってたけど、
触ってみたらTB-3の8トラック版といった感じがします。
機能面と操作性で物足りないところはあるけれど、
なんせこのサイズと多出力なところが非常に気に入ってます。


ネーミングセンスの磨き方

名前を考えるのって地味に悩みますよね。
ガキの頃ドラクエの主人公の名前を決められずに
3日くらいゲームに手を付けられなかった挙句に、
無理矢理つけた名前に感情移入できずにゲーム自体に飽きてしまった、
なんて苦い思い出があります。

僕ら音楽活動をしている人種も、
コピーライターほどではないにせよ色々と名前を考えなくちゃいけない事多いですよね。
名前を決めあぐねているうちに企画が流れてしまったり
曲のインスピレーションが消えてしまったりと、
残念な思いをする方は珍しくないかと思います。

◯名前を考えるコツ


 

・定番の言葉の意味を抑えておく
その分野での定番となっている言葉のセンスってありますよね。
例えばクラブの店名は[YELLOW]とか[ROOM]とか無機質な単語が多かったり、
80年代シカゴハウスの曲名は何かと[JACK]が多かったり、
90年代NYハウスでは猫も杓子もラブラブ言っていたと思います。

特にスラングや内輪でしか通じないような業界用語に着目すると、
言葉の選び方からその分野の背景がチラホラと見えたりします。

例えばヒップホップの亜流として生まれたジャンル「TRAP」。
この言葉は元々は麻薬の密売所を指すスラングだったようです。
本来は「罠」って意味でしょうけど、
どういう解釈で密売所がTRAPと呼ばれ、
尚且つその周辺で生まれた音楽ジャンルになんでTRAPと名付けられたんか?
敢えて「正解」を調べずにいろいろ想像をするのも結構楽しいもんですよ。

 

その分野での王道ド直球なネーミングもいいのですが、
その名付ける作品に余程の自信がないとかえってカッコ悪いです。
あとは印象に残りにくいのも難点ですね。
なので大抵の場合は幾らかの捻りを加えた方が良いと思います。
で、その捻り方なんですが、
敢えて別分野のスラングを持ってくるのも一つの策です。

例えば東京の下町発テクノ/ハウスレーベルである「RUDELOOPS」。
RUDEとはレゲエ用語で言うチンピラの意味です。
テクノ系だと無機質なネーミングが定番のセンスなので、
向こうを張る意図で対照的なイメージのレゲエから拝借してきました。

もちろん音楽縛りでなくても構わないです。
エキゾチックな響きを持たせたいなら宗教系とか、
クールな印象を与えたいなら理工系の専門用語を使うのも良いかと。
工学と言えばクルマ、飛行機、船など乗り物系のネーミングとか、
女性的なイメージなら化粧品のネーミングセンスはパクり甲斐ありそう。

 

・文字の形、フォント、ロゴを想像しながら名付ける
これは主に視覚効果から連想する方法です。
ビジュアルアートやグラフィックデザインの好きな方にお勧めの方法。
実際に作らないまでも「こんなフォントやロゴマーク使いたい」と
シンボルありきで名前を考えてしまうんですよ。

自分のパーティ[TumbleFish(タンブルフィッシュ)]は
ランブルフィッシュ(闘魚)をモジッたネーミングなんですが、
最初に「西洋の甲冑と槍を身につけた人魚」というシンボルありきでネーミングしました。
結局はロゴ制作してませんが。

 

・発音した時の音感で決める
特に音楽系ネーミングでは言葉の意味よりも大事なのが発音した時の耳触り。
カタカナ50音を声に出して読んでみると、
それぞれの音が優しそうだったり強そうだったり、
様々な印象を受ける事が出来ると思います。

濁音が入ると男性的な、半濁音なら子供っぽい響き、
サ行はシャープでシュっとした響き、
ラ行ナ行には女性的な、、、とか、自分勝手に解釈して構いません。

 

また「ルーどルーぷす」と韻を踏むのはラッパーの定番テク。
このテクニックはかなりインパクト強いですよ。

 

◯自分の名前


アーティスト名やDJネームなどを考えるとほぼ3通りのパターンがあります。

・本名そのまんま
自分もryotakojima名義でDJから何からやってますが、
面倒事が無い上にイメージのギャップが最も小さいのが利点です。
「DJ ◯◯◯」と下の名前をつけるのも一般的ですよね。
自分の場合はDJの師匠にちなんで本名フルネーム全小文字でやってます。

デメリットは会社の人や家族など関係無い人にWEB上で活動を隠せない事でしょうか。
大きな会社のサラリーマンや堅い職業の方は面倒事が増えるかもしれないです。

・本名をモジったアダ名
子供の頃につけられたアダ名や、苗字をさらに短縮した呼び方など、
覚え易さと呼ばれ易さのバランスが良い名づけ方です。
苗字短縮型はクラブ系の普遍的な価値観である「無機質」「ミニマル」な
イメージを連想させやすいので尚良いかと思います。
どうしても同じ名前の人がウヨウヨ居るのが難点。

 

・本名とは関係ないイメージ優先の名前
ハッキリとした世界観をもった人に多い傾向があります。
作品や活動の印象をイメージさせやすいので、
ジャンルに囚われない、マイナーな音楽を好む人に多いようです。
ただあまりにもイメージと本人のギャップが大きいと「残念な人」認定されてしまいますし、
そういう人は十中八九ナルシストなんでイジられる覚悟をしておきましょう。

 

◯コミュニティの名前


イベント、パーティ、レーベル、ユニットなどの人の集まりを指す場合、
その名がブランドとして独り歩きしてくれるようになるのが理想ですよね。

やはりコンセプトやテーマから連想する言葉が一番いいでしょうけど、
人に覚えてもらうのが大事ですから、
意味より字の形よりも音に重点を置きましょう。

以前やっていたパーティでは、
「クラブ黎明期のキーパーソンは皆”o”で終わる名前」にちなみ、
volcano、inferno、maraschinoなんて名前を付けてました。

 

◯曲の名前


人の集まりを指す名前と違って完全な作品名ですから、
作品が先でも名前が先でも良いし、ほんと自由過ぎて困っちゃいますよね。

ここでお勧めな方法が、ある程度のネーミングの法則を決めてしまう事です。
例えばひたすら番号を振るだけってアーティストも居ます。

自分の場合はRUDELOOPSのレーベルコンセプトありきで、
「ガイジン視点のデフォルメされた日本語」をテーマに、
カタカナ4文字+曲を表す英語という決め方をしていました。
「サツバツ・ファンク」「トラウマ・トラックス」「イナリ・ウィスプ」
などなど、自身のハウス観を馬鹿っぽい単語で強調する狙いもあります。

 

◯まとめ


こういう所でセンスが光る人は音楽以外の教養が身に付いている人に多いですね。
ソムリエのように感じた事を言葉で表すって、それなりの訓練が必要みたいです。
沢山の言葉を吸収するには活字を読むのが一番だけど、
日本文化のアドバンテージとも言えるアニメやマンガを大量に貪るのも良いんじゃないでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


シンセサイザーのヤバい道

どこの業界にも黒光りしたオーラを放つド変態はいるものですが、
僕らのフィールドも修羅の道に一歩踏み入れてしまうと元の世界には戻れない危うさがあります。
カネに糸目をつけないって程度ならまだ可愛いもので、
他のレジャーだったり家庭や恋愛だったり仕事だったり、
人生における様々な幸福を犠牲にしてでも欲しい音を追求する魑魅魍魎の世界です。
音楽系ではミュージシャン、DJ、ピュアオーディオなどなどそれぞれに独特の癖がありますが、
こちらシンセサイザー界隈は理系的な意味でヤバい人が多いようですね。
キーワードは「差別化」と「人柱的実験精神」でしょうか。
自分がハマったり観てきたりした「シンセサイザーのヤバい道」を紹介します。

◯シンセサイザーにハマる人達


文化の成り立ちからしてDQN気質のあるDJや、
自己顕示欲の爆発暴発が多いバンドマン、
オカルトめいたピュアオーディオ層とは違い、
圧倒的に理系な人達が多いようです。
学歴の高低は別にしても理工系の学校出身者ばかり。
独身率と収入はやや高め、プライドとオタク気質が非常に強いのが特徴。
女っ気は無いけど絶望的にモテないってほどでもなく卑屈さは感じず。
職種はIT系が異常なほど多い。オレから観ると9割くらいそうじゃね?って思う。
職場では真面目なタイプなので案外安定した家庭を築いてる人も。

ジャンプやマガジンよりサンデー派が7割
SFやロボットアニメに目がないのが9割
アニメ美少女が好きなのは5割
喫煙率と酒乱率は1割未満
SNSは圧倒的にTwitter

◯モノシンセ・シンドローム




シンセサイザーの最もシンプルな形式であるアナログ・モノシンセ。
メロディアスとは言い難いブーとかビーみたいな音しか出せない筈なのに、
世界中のあらゆるメーカーから様々な機種がリリースされてます。
それらのブーとかビーとかの違いに気がついてしまったらイエローカード。

だいたい最初はKORGのmonotribeやmonotron、volcaあたりを
なんか可愛いからって理由でオモチャ的に買うんですが、
自宅ではなくクラブやスタジオで本気の音を聴いてしまったらもう大変。
値段はともかくサイズ的に手頃な事もあってモノシンセだけを何台も買い漁る羽目になります。

3000円で買えるmonotronから50万じゃ利かないMOOGまで、
みんなブーとかビーとかしか言わない筈なのにね。

 

◯KORG萌え




monotribeやmonotron、volca、はたまたカオスパッドやカオシレーターなど、
ガジェット色の強いKORG製品を「可愛い!」と錯覚してしまう軽度の疾病。
30代後半以上のオッサンに何故か芽生える乙女心を絶妙にくすぐるKORGあざとい。
ここにヤられる奴は絶対ガキの頃ビックリマンシールとかSDガンダム集めてたぜ?
値段もサイズも手頃なのでうっかりフルコンプリートした挙句に
各機材に◯◯子とか名前をつけてペットのように可愛がります。
特に害は無いけど気持ち悪いから家族にはバレないようにしててね。

ちなみにこのKORG萌えを悪化させるとTeenageEngineeringに手を出し、
萌え要素がねじれてレトロ方面に走るとMFBに手を出します。

◯ユーロラック・モジュラーシンセ




モノシンセ病をこじらせると大抵コッチの患者になります。
FAZZとかデンドロビウムが好きな人は要注意。

当ブログでも連載記事を書いていましたがかなりアクの強いシンセ沼です。
「実験音楽」というより「音楽実験」に最も適したシステムで、
ケース次第でどんなシステムでも構築出来る事が最大のメリット。

一度手を出すとミキサーもエフェクトも
全てユーロラックに収めなければ気が済まなくなり、
そこまで行くと何故か選民思想が強くなる面倒な輩もいます。

中にはケース内の空いたスペースをブランクパネルで埋めるのは邪道!とかいう人も居て、
「ケースの隙間は心の隙間」とワケのわからない迷言を残していった事もあります。
今でこそワケわからんと言えますが当時は迷言ではなく名言に聞こえてたからヤバい。

数十万からの投資額と年単位での経験が必要で、
苦労の分だけプライドが高くなるのは致し方ないところ。
とはいえ出てくる音はブーとかビーとかに加えてブモォォん!程度です。
あと何故かリズムを嫌う人が多いのも特徴。

はたまた電子楽器の枠を超えて「おもしろ電子実験機材」に走る人達も珍しくなく、
煙吹いたりレーザーをシーケンスさせたりを出したりな人も稀にいます。
あと理科の実験してる人とか大人のオモチャをCVで動かしてる人もいたよ!

当ブログを読んでモジュラー始めた方がいらっしゃるようで有難い限りなんですが、
思う所あって全て処分してしまいましたゴメンナサイ。
手放したとはいえ数十万の投資がガッチリ活きているのは記事読んでくれる方にはお分かりでしょう。

辞めた理由ですか?

「ケーブルが邪魔でツマミを回しづらいから」

です!

オレやっぱりアレックスとかヘイズルTR-1くらいが丁度いいわー。

 

◯個人輸入癖


よくある廃人化のキッカケになる悪癖。
日本では流通されていないレアな海外製品をくまなく探し人柱と化す行為。
この一線を超えてしまうとそれまで躊躇していたタブーを屁とも思わなくなる。
英語が読めずにGoogle翻訳だけで購入手続きをしたりマニュアルと格闘する猛者も多数。

あんまり頻度が高いと税関でブツを止められて申し開きに出向く羽目になったり、
ebayでお金払ったのに品物送ってこない詐欺に遭ったりするので要注意。

 

◯自作/改造厨




これはガンダムというよりボトムズの世界ですね!
DIY文化が定着した海外ではユーロラックのキットやスタンドアロンシンセ、
ドラムマシンのキット販売品がよくあります。
ボクもユーロラックから始めデジタルドラムマシンLXRやx0xb0xを作りました。
もちろん完成品よりコスパもレア度も高い物で、改造に関する経験を得られるのもメリット。

自作にハマる人はツマミ回すよりもネジ回す方が多くなり、
既成品を分解する行為に性的興奮を覚える変態です。
症状が酷くなるとハンダの焼ける匂いでトリップしたり回路図でオナニーをしたり、
機材集めから機材を作る機材集めにシフトします。

自分スか?
モジュラー辞めたのもコッチの自作方面へステータス全振りする為で、
近々より廃人度の高いプロダクトを作る予定です。

 

◯ELEKTRON依存症




ELEKTRONの小賢しいマーケティングの罠にズブズブとハマり、
リリースされている全部の機種を網羅しないと気が済まなくなる病気。
出音は(値段の割には)大したことないんだけど、
シーケンサーとパターン管理、PCエディットなどの機能性
なんかでダントツのバランスを保っているんだよね。

ちなみにアタクシ、
MD買って売ってA4買って売ってAR買って売ってOT買って記事書いて売って、
OverBridgeがリリースされたらARまた買ってA4もまた買ってと、
覚醒剤のような依存具合から立ち直れませんが、
DigitaktとOTmk2のデザインが好みから外れてきたので回復の兆しが見えてきました。

 

◯秘密結社DaveSmith教団




MOOGと並ぶ名門メーカーDaveSmith。正にシンセ界のポルシェ。アメリカだけど。
ここのシンセに手を出すと出音の良さに病みつきになり他メーカーを排除してしまう傾向があるようです。
名機Prophetを筆頭に、デジアナハイブリッドシンセEvolverとか現行最高峰ドラムマシンTEMPESTとか、
買うのも大変、使いこなすのも大変、なのに苦行を辞められないって人が結構いますよね。
まぁ使ってるだけで称賛の眼差し。
出音は本当に素晴らしいもので、ライブな筈なのに完成された曲のような錯覚を覚えます。

 

◯ローランド・ビンテージ沼




TR-808や909、TB-303などのクソ古い機種がトンデモない高値で取引されているのは、
コレクターズ・アイテムであると同時に現代では再現出来ないロストテクノロジーでもあるからです。
他にもSH-101/202とかSystem100とか往年のRolandは名機の宝庫ですよね。
それはいいんだけど、こじらせるとオリジナル原理主義者と化して周りから煙たがられます。
あとお金幾らあっても足りないよ。

 

◯売買厨


買ってみたものの上手く使えないから売る、という行為を繰り返すうちに、
演奏スキルが上がらずにスペックの読み方だけが突出してハイレベルになってしまう病気。
買値-売値の差額を「レンタル料」くらいにしか捉えておらず、
市場に出回る全ての機材をカジらないと気が済まなくなる事も。

 

◯スペック至上主義


最近は勢力が弱まってきたものの、
DAW以前のPCM音源やFM音源が全盛だった時代には沢山いたようです。
同時発音数やプリセット音色の数が多ければ多い程エラい、という価値観で、
「数字」と「暗記」がマウンティングの武器だったようです。
このあたりの話を聞くと80年代オートバイブームのHY戦争を彷彿とさせられます。
メーカー同士が争うのはいいんだけど、
何故かユーザーが代弁者となって低スペックの相手を貶し合うのは解せませんわw

◯これらのビョーキの治癒方法


20代〜30代前半なら救いはありますが、35歳以上の方はもう手遅れです。
シンセを辞めて音楽を辞めれば一時的に症状が軽くなるかもしれませんが、
きっとカメラやクルマやピュアオーディオなど別の沼に飛び込む事になります。

どうせ死ぬまで治らないんだから、上手く付き合っていくしかありません。
かけた苦労に見合った対価を得られればいいんですよ。
そこに満足が出来ないからフラストレーションが溜まって余計に酷くなる。
対価ってのは別にプロやセミプロとしてお金を稼ごうって話じゃなくて、
自己顕示欲の理想的な消化が出来ればどんな形でもいいんです。

それには何よりも「内輪ノリで満足せずに別コミュニティに殴りこみをかける」事。
シンセ担いでDJイベントやライブハウスで
チェケラッチョ野郎やメンヘラバンギャをぶっ飛ばしましょう。

 

◯クリエイティブワークのコラボレイト効果


自分が主宰するイベントは第一日曜の「マシンライブ・ワークショップ」とは別に、
第三日曜に「DJxマシンライブxフォトグラフ」をテーマにしたパーティをやっています。

https://www.facebook.com/TumbleFishbullets/

写真を撮られるって事は演者/機材共にビジュアル的な個性も要求される事になり、
DJは女の子を中心にブッキングしているので、
比較的冷めたオーディエンスを相手にする必要があります。

マシンライブをシーンとして確立させるには、
パフォーマーとしてのエンタテイメント性を保てるかどうか。
これが自分の創るコミュニティの大きなテーマでもあります。

どちらも西麻布bullet’sで17-23時に開催中。FEEは¥1500/1Dです。

http://bul-lets.com/new/

 

◯まとめ


半分以上は自己紹介になってしまいましたが、
自分以上にヤバ目な方々も沢山います。
カタギの人達から見るとエクストリームな変態ばかりでしょうけど、
もう普通の音じゃ満足できない身体になってしまっているのは諦めましょう。

どうせハマった沼ならいっそ開き直って突っ走ってしまえば、
もしかすると新世界の幕開けが見えるかもしれません。

頭の痛い問題はこれらの症状が出ると満足に曲を作れなくなる事ですね!

おーだいーじに〜!

 

 


シーケンサーの選び方2017

マシンライブ機材の構築に欠かせないシーケンサー選び。
「最高の一台」なんてモノがあるはずもなく、色々試してベターなモデルを探すしかありません。
前記事「シーケンサーの選び方」から1年間の迷走レポートをまとめてみました。

シーケンサーとは自動演奏機。
DAWのピアノロールにあたる部分と言えば分かりやすいでしょう。
またマシンライブでは音源一体型のいわゆるグルーブボックスが主流ですが、
一歩踏み込んで個性的な音を扱いたい時は単体の音源モジュールが必須になります。
そこで必要になってくるのが単体のシーケンサー。
メーカーごとに様々な操作方法があって、音源以上に個性に差の出る機材であります。

またグルーブボックスの中でもMIDI OUTを通して外部音源を鳴らせるモデルもあります。
使い慣れた操作感で音源モジュールの優れた音源を演奏するのも魅力的ですよね。

◯ステップシーケンサーの打ち込み方法


・ツマミ型
SQ-1のように各ステップごとにあるツマミで音程を決めるタイプ。
即興性に優れてます。

・トリガー型
Roland TB-3のようにステップを指定して鍵盤などで音程を決めるタイプ。
ほとんどのグルーブボックス.シーケンサーがこの方法です。
打ち込んだフレーズをパターンとして登録出来るので、仕込み重視のプレイに最適です。
ELEKTRONのようにステップ指定後にツマミで音程を替えるタイプもあります。

概ねこの二つのどちらかを基本としつつ、
即興性や仕込み性を強化する機能をつけています。

◯スペックの読み方


・トラック数
DAWのトラックと同じ概念です。
一度に何種類の音を鳴らせるかって事です。
そりゃまぁ多い方がイイに越したことはないけど、
注意したいのはトラック数と操作性は反比例する事。
自宅やスタジオなどでの制作ならともかく、ライブではテンパります。

・ステップ数
一つのパターンの中で分割出来る時間軸の数です。
単純に小節数として捉えても
ツマミ型ステップシーケンサーでは1小節8ステップの物もあるし、
旧型のELECTRIBE EMX/ESXは8小節128ステップまでいけます。

ほとんどのモデルは1小節16ステップ4小節64ステップかと。
トラックごとにステップ数を変更できるモデルは便利ですね。

・MIDIクロックスレーブ
MIDI IN端子を介して外部機器のクロックを受ける機能。
これが無い、あるいはUSB MIDIのみ対応なんて機材はかなり不便です。
SQ-1ならvolcaシリーズをMIDItoSYNCコンバータとして使うとか、
BEATSTEPであればiConnectMIDIなどのDIN MIDI to USB MIDIコンバータを使うとか、
機材を一つ増やさなくてはいけません。
やはりスレーブ対応してくれた方が有難いです。

・CV/GATE対応
モジュラーシンセや古いアナログシンセでお馴染みMIDI以前の演奏信号です。
特にモジュラーシンセでは音程だけでなくほぼ全てのパラメータをCV信号で制御できるので、
(フィルターのカットオフでもLFOのスピードでも)
多トラックのCV/GATEシーケンサーがあると強烈なフレーズ作りが可能です。

ELEKTRONのパラメータロックやKORGのモーションシーケンスと同じ事ですが、
自由度は格段に高いです。

・SYNC CLOCK IN/OUT
KORGのvolcaやmonotribeでお馴染みSYNC CLOCKですが、
モジュラーシンセの同期に使われるクロックパルス信号と同じ物です。
これもあると便利。KORGのアナログ好きな方やモジュラー/セミモジュラー使う人なら是非。

・和音対応
一つのステップで複数の発音が出来る機能。
もちろん和音対応の音源が必要ですが、これが出来るだけでより音楽らしい(?)演奏が可能。
DAWや旧来のQYシリーズなどでは当たり前の機能ですが、
ハードのステップシーケンサーでは対応する機種が多くはありません。

◯シーケンサー専用機


・KORG SQ-1

http://www.korg.com/jp/products/dj/sq_1/
新品10000くらい、中古で6000くらい
打ち込み:ツマミ型
出力:MIDI、CV/GATE、SYNC OUT
入力:USB MIDI、SYNC IN
ステップxトラック:16x1or8x2
パターン:無し

長いこと愛用しています。モジュラー使う人なら最初の一台にお勧め。
KORGお得意のアクティブステップを使ったトリッキーな演奏は病みつきになります。
ダメなポイントはC3以下のMIDIノートを吐けない、電池の減りが早い、
同期のスレーブに別コンバータが必要、など色々もどかしい所がありますが、
格安なので1台持っていて損はありません。

 

・DOEPFER DarkTime

http://www.fukusan.com/products/doepfer/dark_time.html
新品7万、中古で4万〜
打ち込み:ツマミ型
出力:MIDI、CV/GATE、SYNC OUT
入力;MIDI、SYNC IN
ステップxトラック:16x1or8x2
パターン:無し

購入を考えてお店でシコタマ触らせて貰いました。
スペック的にはSQ-1とさほど変わらないのに値段は激しく高いですよね。
ただ実際に触るとサイズや質感など含めて納得の品質です。
SQ-1が国産ライトウェイトスポーツカーなら、コチラはポルシェみたいなモン。

どうしても購入に踏み切れなかった理由が、
各ステップのトグルスイッチ。暗い現場では視認性も悪く、操作しづらそうです。

 

・ARTURIA BEATSTEP

https://arturia.jp/products/item/beatstep/
新品1万くらい
打ち込み:ツマミ型
出力:MIDI、CV/GATE
入力;USB MIDI、SYNC IN
ステップxトラック:16×1
パターン:16

小さすぎるSQ-1、高すぎるDarkTimeに比べて手頃な値段と抜群の操作性です。
しかし問題はTEMPOの数値表示も無いし同期のスレーブに選択肢が無い事。

KENTONのコンバータでもあれば絶好の一台かも。

 

・ARTURIA BEATSTEP PRO

http://arturia.jp/products/item/beatstep-pro-2/

新品3万弱
打ち込み:ツマミ型
出力:MIDI、CV/GATE、SYNC OUT
入力;DIN MIDI、USB MIDI、SYNC IN
ステップxトラック:16×2、ドラムx1
パターン:トラック毎16

BEATSTEPの問題点をことごとくクリアしてきた上位モデル。
ツマミとステップキーの配置が解りづらい事を除けばかなりの鉄板モデル。
大きなパッドが特徴なので指ドラムや鍵盤弾きの出来る方にもいいですね。
MIDI CC設定可能なMIDIコントローラーとしても同時に使えるので、
音源次第ではミキサー的に使ったりフィルターにアサインしたりと夢が拡がります。

問題は結構デカい事と、
前述の通りツマミが8×2列なのに対してステップキーが16×1列で操作時に混乱する事。

 

・SQUARP INSTRUMENTS Pylamid



http://squarp.net/
660ドル、船賃込で7万くらいだったか
打ち込み:トリガー型(ピアノロール)
出力:MIDI、CV/GATE、
入力;DIN MIDI、USB MIDI
ステップxトラック:64x64x4だっけか?バカなので数えられません。とにかく膨大。
和音:当たり前ぇよ。

現行の単体シーケンサーでは最強スペック
もうDAWのシーケンサー部分を無理矢理この筺体に収めた感じ。
とうぜん操作に癖が強く習得も困難です。
OCTATRACKより取っ付きづらい。

・Twisted Electrons Crazy 8



https://twisted-electrons.com/crazy8/

250ユーロ、船賃込で4万円

打ち込み:トリガー型
出力:MIDI、CV/GATE、SYNC OUT
入力;DIN MIDI、CV/GATE、SYNC IN
ステップxトラック:16×8
和音:4トラック対応

デジタルアシッドシンセACID 8でお馴染みフランスはTwisted Electronsの新製品。
コンパクトながら8トラック(うち4つが和音対応、4つがCV/GATE対応)と多機能です。
チュートリアル動画を観る限りではA4とOCTAのシーケンス部を足して2で割ったような感じ?
コレ注文したんですが、スペック的には音源を選ばないモデルでしょう。

◯外部音源を鳴らせるグルーブボックス


・ELEKTRONシリーズ

OCTATRACK、MONOMACHINE、DIGITAKTの3機種がMIDIで、
AnalogFour/KeysがCVのコントロールが出来ます。

この中で所有経験があるのはA4とOCTA。

OCTAは64ステップx8トラック和音対応ですが、
色々と操作が複雑なので心が折れます。
A4は64ステップ2トラック。
CV/GATEのみなので使える音源は限定されますが、
OCTAよりはずっと使い易いです。

・ELECTRIBEシリーズ

予算は少ないけど多トラックシーケンサーが欲しい人なら候補に入れて良いかと。
自分はEMX(2万)とEM-1(貰った)を持っていました、
EMXは5トラックx128ステップと長尺にも対応できます。
EM-1は2トラックx64ステップと標準的ですが、
軽くてコンパクトなので持ち運びに適しています。

問題はステップ入力が面倒で、
DAWとか鍵盤を繋いでリアルタイムで弾いた方が手っ取り早い事。

・novation CIRCUIT

6和音まで対応なトラックが2×16ステップ。ドラムも4トラックあります。
MIDIチャンネルは1,2,10と固定ですが、
和音の打ち込み方法としては画期的なUIで非常に分かり易いです。

・Roland TB-3

1トラック16ステップのシーケンスしか出来ませんが、
タッチパネルの操作感と相俟って病みつきフレーズを延々と作れます。
これアシッドベース専用にするのは勿体無いかも。
今ならスゲェ安いしね。

◯音源から選ぶお勧めシーケンサー


・アナログモノシンセ

どれを選んでもいいのですが、やはり単トラックのツマミ型を一台お勧めします。
SQ-1かDarkTimeをデザインと予算で選ぶのが良いかと。

・モジュラーシンセ

CV/GATE対応が必須になります。
モノシンセ一つのシンプルなシステムならSQ-1一つでも十分ですが、
どうせアレコレ増えて巨大になっていくのでBEATSTEP PROでドラムまでカバーするのもいいでしょうね。
或いはSQ-1を複数台使ってフィルターやらLFOやら色々と制御するのも楽しそうです。

・PCM/VAシンセ

BlofeldやVirus、NordLeadなどのVA音源、一世代前のラック型PCM音源などは
マルチティンバーが売りですし、ここは多トラック和音対応のモデルがいいでしょうね。
PYLAMIDかDIGITACTか、ミキサーとエフェクターも兼ねたOCTAなら荷物がグンと減りますね。

◯過去に試してみて良かった&出来たらやってみたいコンビ


・SQ-1+PCMピアノ
まじミニマルでラリれます。これとキックだけでお腹いっぱいです。

・OCTATRACK+Waldorf Bloferd
ループもワンショットもイケる8トラサンプラー+8トラシーケンサーですから、
これとBloferdなどのVAシンセを組み合わせれば大抵のジャンルをカバー出来るんじゃないでしょうか。
しかもミキサーもエフェクターも内蔵ですから、この2台あれば他は要らないかもしんないです。
どちらも持ってましたが所有している時期がズレていた為に試せずじまい。

・AnalogFour+KORG monotribe
アナログって割には音の細いA4をカバーする意味で、
MOOGなどのモノシンセを組み合わせる人は多いですね。
その辺のCV/GATEにしか対応出来ないクラシカルなモノシンセを、
ELEKTRON十八番のパラメータロックでイジると斬新な発想でフレーズ作りが可能かと。

monotribeとの組み合わせで面白いのは、
CV/GATEとしては使わずにA4からパルス波をトリガーとして出力し、
それをmonotribeのSYNC INに繋げます。
そのパルス波をデタラメにトリガーしてやる事でmonotribeのシーケンスが色々とズレて面白いです。
volcaでも可能なのでA4お持ちの方は一度試してみてください。

・Crazy8+PCMシンセ
シンプルな操作感かつ8トラ和音までいけるCrazy8。届いたらPCMシンセをつないで遊んでみたいですね。
つーかコレが使えるようならA4要らなくなるかも。TETRAとかBloferdに替えようかな。

・BEATSTEP PRO+ラック音源色々
薄いけど表面積がクソデカいんで、ラック音源を2,3コ積んでその上に乗っけてプレイするってのは如何でしょ?

◯まとめ


最近はアナログシンセやモジュラーシンセの人気が高くシーンが盛り上がっていますが、
それに比べてシーケンサーの選択肢ってあんまり広くはないんですよね。
特にKORGやRolandの国内メーカーにもっと力を入れて欲しいもんです。
SQ-1PROとか出たら即買いますよ?

同じ音源でもシーケンサー次第で全然違うフレーズになるし、
古い音源だって斬新な発想で鳴らしたりも出来ます。

ドラムマシンやグルーブボックスに飽きてきたら、
単体音源と単体シーケンサーで新しいアイデアを模索するのは如何でしょう?

 

 

 

 

 

 

 

 

 


x0xb0x制作記【4】筺体編

前回の記事からだいぶ経ってしまいましたが、
どうにかこうにか音が出るようになったx0xb0x。



TB303含め他のアシッド系ベースシンセに対するx0xb0xのアドバンテージは、
筐体設計に余裕があるのでカスタムが容易な事。
自分で組んでしまえばある程度の構造は把握出来ますしね。
中身を組んで音が出たらgizm0xマニュアルに沿って電圧や音程の調整をしていきます。
ここで得た結果をデフォルトとして覚えておくとドツボにハマった時でも元に戻せます。

◯x0xb0xで出来る改造

ダブルVCOやx0x-Heart内蔵(x0xの中にもう1個x0xを入れてしまう的な)を始め、
「DevilFish?なにそれ美味しいの?」とドヤれる魔改造が出来てしまいます。
抵抗やスイッチの追加だけで行なえる低予算モデファイも色々とあり、
http://www.subatomicglue.com/x0xl0g/mod%20guide/mod%20guide.html
このサイトで紹介されている方法も試してみます。

そもそも公式サイトやフォーラムでも改造方法が各種紹介されてますしね。
http://ladyada.net/make/x0xb0x/mods.html

◯改造にあたっての方針

アシッドベースは元祖であるTB303の音に如何に近づけるか、
という価値観が最も多いのですが、
アタクシは正直なところそんなに気にしてません。

色々と部品を替えて試したところ、
「荒い」か「マイルド」かの物差しで測れるように思えてきました。
あんまり荒いと他の楽器を殺しちゃうし、マイルドに振ると埋もれちゃう。
コッチで荒くしてソッチはマイルドに、ってな具合でバランスを取りながら調整していきます。

そして忘れちゃいけないのがドラムマシンとの相性です。
1号機の頃はvolca beatsやTanzbarといったクラシカルな音のマシンと組み合わせていましたが、
現在のメインマシンはAnalogRYTM。音圧も高く音創りの幅がメチャクチャ広いんですよ。
なのでこのx0x2号機も出来るだけ色んな音色のドラムに対応できるように、
音作りの幅を拡げていければいいなと思ってます。

◯電源のDC化



これは組立時点に済ませていましたが、ノーマルのAC/ACではなく
gizm0xShop謹製DC化基板を使ってAC/DCアダプタを使えるようにしています。
カスタムとしては地味に思えるだろうけど、この効果はデカいっすよ。
エフェクター用電源として一般的な9Vセンターマイナスのアダプタが使えるようになります。
この規格だとコンパクトな物や高音質設計の物など電源に選択の余地が生まれるのが一番のメリット。

◯VCAチップ交換



TB303純正のVCAチップBA662Aは既に廃盤となっていて、
代替品のBA6110がx0xb0xの標準です。
BA662Aはプレミアがついてしまってebayの中古品でも一つ1万円します。
実は1号機にはこのBA662Aが付いているので、せっかくだから聴き比べをしてみました。





前半がBA662A、後半がBA6110です。
単純な音量差や音圧差もあり6110の方が大きい音がします。

BA662Aはマイルドで上品。スライド時の音程の変化が滑らか。
しかし現代のアシッドトラックに聞き慣れた耳には物足りなさを感じます。

BA6110は荒っぽく力強い。
アクセントの音が「ビン!」と響いてカッコいい。
単なる音割れなだけなんだけど、その音割れすら格好いいと思えてしまう。
スライド時の音程変化は段階的というか、カクカクといびつでしたね。

音の印象は甲乙付け難いところがあります。
レアチップだからと言って盲目的に有難がるのはナンセンスだと感じました。
スライドの音程変化ではBA662Aの方が滑らかで特徴的だけど、
現代のドラムマシンの音圧と釣り合いが取れるのは6110の方かなぁ?
って事で今回は6110を採用します。

◯TM4電圧調整

メインボードに半固定抵抗TM4がありまして、それをイジると
5.33Vの基準電圧が5.35Vあるいは5.31Vになるだけで激変する事に気が付きました。
って事で、J4コネクタにテスタを挿してTM4を回しながら美味しい音を探してみます。
もちろんココいじるとピッチなど色々と破綻するのでキチンとした楽器を作りたい人にはお勧め出来ませんよ!

◯エンベロープ・モジュレーション3倍

ノーマルのEnvModツマミは回していてもイマイチ効果が掴みづらいので、
この効果を3倍にまでブーストする改造を施します。

と言っても簡単なもので、R63に100kΩの抵抗を【並列で】するだけ。
交換ではなく追加なので要注意。

これだけで効果テキメン!

◯ディレイ



x0xb0x専用として売っているディレイユニット(黄色いの)。

専用品なら安心だしこれが無いと配線経路がわからないですしね。
これも例によってコンデンサと抵抗をオーディオグレードの物に換装します。

付属の英語マニュアルに沿ってI/Oボードの加工や電源の取り出しを行なうんですが、
ここで困ったポイントが一つ。
電源をDC化した為にマニュアル通りに12Vを取り出せる場所が無い。
I/Oボード中心部のJ4コネクタは12Vですが、
ここから電気を取ると何故か音質全体に影響が出ちゃうんですよ。
出来るだけDCジャックに近い場所の方が安全そうです。

そこでgizm0x氏に相談した所、DC化基板の15Vから取るようにと教わりました。
ディレイユニットに付いている3端子レギュレーター(電圧調整の為の部品)の
許容範囲内なので問題無いとのこと。

エフェクタとしての性能は可もなく不可もなく。
定番チップPT2399を利用した扱い易いディレイです。
Delay最小/FeedBack最大で程良い発振をしてくれます。

◯その他ボツにした改造

・リバーブ内蔵



BOSS RE-5を中古で購入、これを分解して内蔵しようとしました。
筐体に収める前は上手くうごいてくれたんですが、
x0xのI/Oボードから電源を取ると何故か稼働しない。
色々と原因を探ったんですが分からないから辞めちゃいました。


(見切り発車で筺体に穴を開けちゃったの図)

もちろんこのエフェクターは元に戻す事が出来ずにおシャカです!

・ベースブースト

C20とC21に付いているコンデンサを0.01uFから0.1uFに交換すると低音マシマシ。
x0x単体では豊潤な低音になって気持ちいいんですが、
ドラムマシンと組み合わせるとキックやロータムの美味しい音域と被ってしまいお互いを殺してしまいます。
結局は元の0.01uFに戻しちゃいました。

・レゾナンスブースト

好きな人にはタマんない音だろうけどオレ無理これ。

◯筐体におさめてみよう



x0xb0xは既成品と違って筐体内部のスペースに余裕があります。
このアルミ筐体でなら、
エフェクターくらいの基板なら2~3枚メインボードの裏に収まりますし、
フロントパネル上部にツマミやスイッチを取り付けるスペースもあります。
プラ筐体の方はツマミ/スイッチ類はサイドに付けるのが一般的ですね。
実はココでもかなり苦労したんですが、
筐体を収めるのにケーブルとコネクタを断線させたり寸足らずだったりして
結局イチから作りなおしました。更には基板が干渉してICを壊したり、
組んだと思ったらエフェクトのツマミが逆に作用しちゃう!とか、
もうテンヤワンヤでした。。

もちろん改造をしなければさほど苦労しなくて済みますし、
一度つくってしまえばコツを覚えられますけどね。
初めての方は要注意です。
最後の最後だからついつい焦っちゃうんですよこの工程。

◯まとめ



とまぁ、予想外の苦労やアクシデントに見舞われつつも何とか組めました。

組立当初は「ぼくのかんがえたさいきょうのアシッドベース」と思ってましたが、
思ったほどの効果が得られなかったり改造に失敗したりと、
結局は実用性重視で無難なところに落ち着きました。

実際の音はと言うと1号機よりも荒っぽい音が出せるようになりソコソコ満足してます。
高音質ながらアナログらしいガサツさとチープさが上手く出せていると思います。

制作期間は一日1~2時間未満で2~3週間ほどだったような。
かなりノンビリやってたんで器用な人ならもっと短時間で組める筈です。

挑戦してみたい方は是非gizm0x shopまで問い合わせてみて下さい。
抵抗やコンデンサ類がオーディオグレードの物になってますし、
なんと日本語組立てマニュアルついてるようですよ!
あとキチンとしたピッチ調整の仕方も教えてもらえます。

◯おまけ

ここではあまり自分の本業について触れていませんが、
今までの「フリーランスで店舗デザイン/内装工事業」から転身、
春から精密板金業を営む町工場で修行を始めてます。
平たく言えば金属製のハコを設計したり制作したりする仕事。

はい。

お察しの通り近い将来シンセやDJ機器の筺体デザインをおっ始めます。
うだつの上がらないDJ活動やグダグダなレーベル稼業、
若ぇ頃にガッツリやったカスタムバイクのノウハウ、
前職の大工/家具工/インテリアデザインなどなど、
丸ごとブチ込んでイカす機材作りますよ!

このx0xb0xもオリジナル筺体の設計製作を予定しています。
ブログ読んでくれている皆さんから小遣い巻き上げる腹づもりですので、
何卒宜しくお願いします。

(いいかげん曲もつくらなきゃな。)


【変態番付】エフェクター聴き比べ大会【審議会】

ハードウェアの電子楽器のお供に一つや二つは誰でも持っているエフェクター。
ハードオフで激安ペダルを漁るマニアから海外のブティックペダルを個人輸入する猛者まで、
思い思いのエフェクト沼ダイビングを楽しんでおられるかと思います。

本来はギターやベース用に作られている物がほとんどなので、
シンセサイザーに流用できる機種の情報が非常に少ないのが現実。
ギターの試奏動画を頼りに購入してみたけどシンセにゃ全然合わなかったー、
なんて経験もされているかと思います。

そこでだ。

1年前に大盛況だった「ドラムマシン聴き比べ大会」に続き、
今度は「エフェクター編」を開催します。
定番機種からマニアックなモデルまで自慢のエフェクターを持ち寄って皆でお試ししましょう!

◯日時
5/7(日)17:00-22:00
GWの最終日です。

◯場所
西麻布bullet’s
(港区西麻布1-7-11-B1F)
http://bul-lets.com/new/

◯エフェクターのラインナップ

マシンライブ・ワークショップのレギュラー陣を初め、
都内近郊で活躍する方々から色々なエフェクターを持ち寄って頂きます。

・現在予定しているエフェクター

ディレイ:Strymon El Capitan/DIG、BOSS RE-20、DD-500、MXR ECHOPLEX、VOCU VTE–1600



リバーブ:KORG GR-1、Strymon BlueSky



コンプレッサー/サチュレーター:Strymon DECO、FMR AUDIO RLNA7239


マルチ:EHX ToneTatoo


◯音源

レギュラー陣の所有機材から「分かり易い音」の機種を選んで用意します。

・ドラムマシン
Analog RYTM、MACHINEDRUM、TR-8
・アナログシンセ
x0xb0x、MOCHIKA、MINIBRUTE
・デジタル/VAシンセ
NordLead3、OP-1

◯持ち込み

「自分の機材に相性のいいエフェクターを探したい!」
「お前らより俺の方がイカすペダル持ってるぜ!」
という方はどうぞ持ち込み下さい。

だけどコンセプト上「弦楽器より電子楽器を優先」します。
ギターやベースの人達は楽器屋で当たり前に試奏できるしね。

持ち込みの際は電源やケーブル各種など
音を出すまでに必要なアクセサリを容易して頂きたいのですが、
誰が誰の物だか分からなくなってしまう恐れがあるので、
印や名札をつけたりして所有物の確認をし易いようにして下さい。

◯お問い合わせ

気になる事やご要望があればお気軽にメッセージ下さいませ。

Facebookページ
https://www.facebook.com/bullets.workshop/
Twitterアカウント
https://twitter.com/rudeloops


x0xb0x制作記【3】組立編

さぁいよいよ組立を始めますが、gizm0x版x0xb0xは
抵抗やコンデンサなどに高グレード品を使っているので部品仕様が微妙に違い、
本家マニュアルだけをアテにすると少々混乱する事があります。

また既に生産中止となっているレアな部品もいくつかあり
今後は互換品に替わる事も多くなるでしょう。
有名どころではRolandのビンテージマシンにとって重要なVCAチップ「BBA662A」、
他にもトランジスタ「2SC1583」の入手が困難となり、
フルキット販売を停止せざるを得ない状況になった海外ショップもあるようです。
今後はどちらも互換品になり、厳密な意味での音質は変わるようです。



gizm0xキットには独自の部品表(兼チェックシート)がありますので、
それと照らし合わせながら作業を進めていきます。

要注意ポイントは

・抵抗は金属皮膜とカーボン抵抗を両方使う
・トランジスタは本家マニュアルでは同じ型番指定であっても
 場所によって低 hfe ランク品と高 hfe ランク品とを使い分ける箇所がある。
・ポット(ボリューム)は取り付け前に長さを揃えておく

これらをキッチリ確認する必要があります。



組立順序はLadyada版の通りで概ね大丈夫ですが、
部品実装の基本だと「背の低い部品から取り付ける」のが原則ですが、
今回は部品の数が膨大なので、
間違いを防ぐ為にLadyada版の各ページの部品表に則って付けていきます。

PowerSupply
VCO
VCF
Envelope
VCA
Headphone
I/O Boad
Seqencer
Finishing

ダイオード→抵抗→コンデンサ→トランジスタ→IC→ポッド/コネクタ類



後、冬場の静電気には注意しましょう。
セーターやフリースなどを避け、必要に応じて金属部分を触り放電した方が良いですね。
CMOSロジック IC の足にはむやみに触らない方が良いです。

トランジスタとICの数もかなりあるので、
脚を曲げる際は細心の注意が必要です。




こんな脚曲げ専用の治具を用意すると作業が捗ります。

◯組立時点での改造

一度はマニュアル通りに組み立てた方が理解し易いんですが、
仕様の決まっている地味な改造は先に行なってしまいます。

・タクトスイッチ



キット付属のスイッチは耐久性が低く押し心地も微妙なので、
x0x系パーツショップRv0から購入したスイッチキャップと、
https://rv0.be/
アルプス製タクトスイッチに交換します。
http://www.alps.com/prod/info/J/HTML/Tact/SnapIn/SKQE/SKQEACA010.html

Rv0のキャップは全部ライトグレー。
ノーマルのように赤白黒と色分けしてくれていれば良かったんですが、
ここは仕方ないですね。

・コネクタ増設

通常のキット内容では双方の基板のどちらかにコネクタ、もう一方は基板に直付けの仕様です。
これを整備性向上の為に両方コネクタ仕様にしてみました。

・LED



ノーマルx0xb0xキットでは赤一色、
gizm0xキットでは視認性向上の為にカラフルな配色になっています。
個人的に寒色系の色が好みじゃないんで、白、黄、赤の3色構成にしました。

gizm0xキットで採用のLEDはCree社製C503Bというシリーズ。
マルツで扱っています。
http://www.marutsu.co.jp/pc/i/232286/

付けてみたはいいけど白が他の色より眩しいので、
ここはいずれ全部黄色に変えようかな。

・DC化
ノーマルのキットはAC/ACアダプタなんですよ。
海外じゃポピュラーですが日本じゃあまり選択肢が無い。
自作の電源ユニットやエフェクター用の高級電源を試したいので、
DC9Vセンターマイナスにします。
地味な改造のように思えますが電源に汎用品を使えるメリットはかなり大きいですよ。

DC化や電池駆動化もgizm0xショップで扱っています。
1号機の方は電池駆動だったんですが、単3×8本でかなり長持ちしますよ。

◯失敗事例

・レアな部品を無くしかけた



生産中止の為に希少価値が高い部品が色々とありまして、
有名どころのVCAチップBA662Aの他に「2SC1583」というトランジスタがあります。
作業中に袋ごと見失ってしまって「まぁ秋葉原にあるだろ」とタカを括ってたら、
全然無い。代替品と言われる部品も皆無。
結局部屋じゅう大掃除をして見つけられたから良かったものの、
ホントに無くしてたら大変です。

・gizm0x部品表の存在に気付かなかった!
作業の半ばまで部品表がある事に気が付かず、
微妙に仕様が違うLadyada版の部品表を見ながら当てずっぽで実装してました。
gizm0x版は同じトランジスタでも低hfe品と高hfe品とを
使い分ける必要があるのに気が付いたのも後の祭り。。

・基板同士を繋ぐ電線の配線ミス
メンテ性向上の為に全部コネクタにしたんですが、
コネクタの左右勝手や配線の順番で混乱。
当てずっぽで実装したら案の定音出ません。
しかも基板にプリントされているコネクタ番号も隠れてしまい、
ネットで基板の写真を探しても見つからず、
困り果てた挙句に仕方なくgizm0xセンセーに基板の写真を送ってもらいました。

で、懲りたので総コネクタ化は辞めました。

・ボリュームシャフトの切断をしてなかった。
キット在中のボリュームのうち6個を実装前に
シャフトの切断して長さを揃えなくてはいけないんですが、
面倒クセぇからと後回しにしたところ、お察しの通り苦労しました。

◯gizm0x版のキット販売について

gizm0x shopではこのスペシャルx0xのキット販売を予定しています。
完成品と同じように音質に関わる部品の仕様や定番改造までオーダーメイド可能。

しかも!

現在日本語組立てマニュアルを作っているようです。

(超欲しかったー)

今回の組立では元々所有していた1号機をバラしてお手本にしていたから良かったんですが、
それが無かったら完成に漕ぎ着けるのは難しかったでしょうね。
英語マニュアルだけで組むのは相応の経験者でないと厳しいかも。

まだ正式な発売に至っていませんが、
興味のある方は問い合わせてみてください。

◯まとめ



とりあえず中身は完成です。

今までのモジュラーやデジタルドラムマシンと比べると、
部品点数が膨大なせいでかなーりシンドかったですw

実際に作業して身に沁みたのが、
「作業時間の半分は部品の仕分けや確認に費やされる」こと。
こういった作業は慣れてないとかなり疲れますね。
自分の場合は制作ペースが1日2~3時間、1ページか2ページ分の作業でヘトヘトです。
次回は調整/改造編。
実際に音を出してチューニングやカスタムを施していきます。