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セミモジュラー天国へのいざない【1】

「2019年版モジュラーシンセのはじめかた」

海外はもとより日本でもユーロラック・モジュラーシンセが更に盛んになってきていますね。
以前はエリート意識の高い金持ちの道楽、的な扱いを受けてきましたが、
業界の努力と中古市場の盛り上がりなどから着々とユーザー数を伸ばし、
相対的にイヤな奴の声が小さくなってきたと感じています。

とは言えそれなりにお金のかかるものですし独特な知識も必要なのは変わりありません。
ちょっと前までは「84HPx2段から始めたらいいんじゃない?」というアドバイスがほとんどでしたが、
その箱を埋めるまでの金額と時間といった労力はやはり骨が折れるものです。
グルーブボックスみたいに買ってきたらポン!で音が出るわけじゃないですしね。
かくいう自分も2度の挫折を経てまた懲りずに手を出そうってんで周囲の失笑を買っておりますが、
それでもバカはバカなりに学習するものでして、
「揃えるの大変だから細切れにしてハードルを低くすりゃいいんじゃね?」
と考えついたのであります。

そこで提唱したいのが(いやまぁそんな偉そうな話じゃねぇんだけど)、
ラインナップが豊富になってきたセミモジュラーシンセを中心に据えたシステム。
またユーロラックの中でも1台で一通りの音が出る「SynthVoice」というカテゴリの
複合モジュールがあるんですが(これは次回紹介します)、
これを48とか60HPくらいの比較的小さな箱に収めてしまうんです。

例えばMother32やDFAMに一つだけユーティリティモジュールを足すとか、
シーケンサーとドラム音源を詰め込んだセミオーダー・ドラムマシンとか、
クロックとLFOを積んだモジュレーションシステムとか、
細かく組んでいけば導入から戦力になるまでの期間も短く済ませられます。

これらの細かいシステムをグルーブボックスを組み合わせたり、
ギター・エフェクターと組み合わせたりして少しずつ楽しむのは如何でしょう?

○アタクシ個人のケース

前記事の「DFAM強化計画」で嵩張る筐体をスリムにし、
MIDI to Clockモジュールを足したのが泥沼の始まり。
更には物々交換で入手したジャンクのDoepfer Dark Enegry & Dark Time。

DarkEnegryのLFO出力をDFAMに挿して遊んでみたり、
MIDI to Clockの分解能切り替えスイッチでシーケンスをいじったりするうちに
二度も懲りた筈のパッチングワールドにズブズブと沈んでいってしまった訳です。

ヤバいタノシイ!

セミモジュラーシンセが2台あるだけで面白さが3倍4倍になってきます。

○まずはセミモジュラーシンセのすすめ

ここで言うセミモジュラーシンセとはシンプルなアナログモノシンセを基本に、
オシレーターやフィルター、LFOなど各セクションの入出力端子がある物を指します。
またモジュラーシンセと違って単体でも音が出る、パッチングが必須ではない、
といった特徴を持っています。

これらの機種の利点は直感的操作で扱える事と、
パッチングによってある程度の拡張性がある事です。

○代表的な機種

比較的入手し易いモデルは以下のとおり。

・MOOG Mother32/DFAM


名門ブランドMOOGの廉価版としてラインナップされています。
Motherはオーソドックスなモノシンセとして見ても芳醇な音に酔う事ができますし、
クロック連動のLFOが凄く使いやすい。ノイズも綺麗。ー^
DFAMはレビューに書いた通り程よい変態度のドラム/ベースシンセです。
どちらも筐体を外すとユーロラックモジュールとして扱う事が出来るので、
これをベースにシステムを考えていくのが最も楽なように思えます。

・BEHRINGER MODEL D / NEUTRON

他社の名機を丸パクリする事で賛否両論あるベリンガーですが、
MODEL Dに関しては本当に良い出来なので非常に高い評価を得ています。
NEUTRONは未体験ですがうスペックからして何でも出来そうなイメージ。
この2台もユーロラック互換です。

・KORG MS-20シリーズ

忘れちゃいけない国産シンセの金字塔。初代はプレミアがついてますが、
再開発されたminiや鍵盤の無いmoduleは現在も生産されています。
これでシンセサイズを覚えた!なんて方も少なくないようです。
ちなみにmini以外はパッチケーブルのジャックが6.3mmなので要注意。

・Malekko MANTHER

アメリカでモジュール/エフェクターのメーカーとして名を馳せているMalekko初のグルボ。
Rolandと共同でSYSTEM-500モジュールを開発した事でも有名です。
rolandのSH-101クローンモデルですが、セミモジュラーシンセ/シーケンサーとして利用できます。

・Make Noise 0-Coast

MOOGと並ぶシンセサイザーの巨匠Don Buchlaの西海岸式シンセサイズを受け継ぎ、
異色のモジュラーシンセメーカーとして有名なMakeNoiseのセミモジュラーシンセ。
斬新なパネルデザインも魅力的です。
筐体がほぼvolcaサイズとコンパクトなのも良いですね。

・Doepfer Dark Energy III

質実剛健を絵に描いたようなユーロラックの提唱元であるDoepferのセミモジュラーシンセ。
初代モデルを入手しましたが、M32よりもパラメーターの可変域が広く
フツーのベースやリードに加えかなーり変態的な音も簡単に作れます。

・Dreadbox NYX

ギリシャのガレージメーカーDreadboxも近年注目されています。
触った事ないんだけど内蔵のリバーブがイイ味出してくれるんですよ。
https://www.youtube.com/watch?v=EYOXZQMOP2c

※そうそう、KORG volca modulerも立派なセミモジュラーシンセではありますが、
パッチングの際の電圧が違う為に他機種と連携して使う事は出来ないようです。

○パッチケーブル

楽器屋さんに行けばモジュラー用としてパッチケーブルが売っていますが、
原則的に3.5mmミニプラグのモノラルであれば何でも使えます。
ちなみにステレオは避けておいた方が無難です。
ごく稀~にジャック内部の接点部が特殊でステレオプラグだと接触が悪い場合があります。
自分もステレオの細いケーブルを大量に購入していまして、
本当にたまに、なんですが接触不良で音が出ない!なんて事がありました。
やはり手堅く素直にモノラルケーブルで揃えましょう。

○パッチングの前に覚える事

・信号の種類
パッチケーブルを通る信号は-5Vから+5Vといった電気です。
信号というより単純な電気なのです。
試した事はないけど例えば電池を繋いでも何か反応がある筈です。

その内訳は大きく分けて3種類。

・CV
コントロール・ボルテージの略で、電圧の高さによって信号の値が決まります。
分かりやすい例は音程。「○○ボルトならC3の音、○○ボルトならF4の音」という風になります。
音程だけでなく様々なパラメータ(MIDIで言うところのCC)を制御する事ができるので、
例えばシーケンサーでフィルターの開き具合やLFOのかかり具合、
それにベロシティなんかをシーケンスする事も可能。

・GATE
こちらはゲート信号。
高さは関係なくON/OFFとONになっている時間の信号です。
鍵盤をどれぐらい長く押しているか、的な。

・CLOCK
ゲート信号の一種ですが、これはテンポをコントロールする信号です。
要はBPMの同期をする為の信号ですね。
他にもスタート/ストップを操るゲート信号や強制的にシーケンスの最初に戻すリセット信号もあり、
一応はMIDIと同じようにトランスポーズのコントロールも出来ます。

・入力と出力は別
これはMIDIと同じで基本的にOUTからINへの一方通行です。

○まとめ

この方法ですと音を出して楽しむまでのハードルがグンと下がりますし、
「やっぱりモジュラー向いてないかも。。。」
なーんて思った時にも引き返せる、という安心感があります。

また何もしなくても音は出てくれるので、
パッチングでドツボにハマる事も少ないと思います。

モジュラーシンセにちょっと惹かれるけど引いてしまっていた皆さん、
このあたりで軽く初めてみましょうよ。
いきなりフルモジュラーの沼へダイブするより遥かに安心安全ですよ!

OCTATRACK Tips14「OCTATRACKでのミキシング」

一度手放したOCTAを1年ぶりに買い直した一番の理由がここで紹介するミキサー用途です。
OCTAには4つの入力端子と8つのトラックがありますが、
これを駆使すると超絶有能モバイルミキサーになります。
5段6段のゲイン/レベル調整、ノイズゲート、設定次第でバスとマスターにEQやコンプも入れられるから、
考えようによってはDAWでのミックスダウンに近い事が出来ます。
マシンライブ用途のミキサーとしては至れり尽くせりの機能満載マシンだったりするんです。

◯インプット

・ステレオx2でもモノラルx4でもイケるよ


THRUマシンのPLAYBACKページでAB/CDそれぞれのルーティングを設定できます。
トラックを4つ使ってABCD全部バラバラでも良いし、
ステレオとモノx2でもOK。

・エフェクトかけなくていいならトラック消費しなくていいよ



MIXERページに[DIR]と書かれている所がありますが、
ここでダイレクトにマスターに出力する音量を設定できます。
THRUマシンを使わなくても良いので、
外部音源で音量や音質を調整する必要がなければここから出してしまうのもアリ。

・ノイズゲートもあるよ



PROJECT→INPUTと選ぶとAB/CDそれぞれのノイズゲートを設定できます。
安いアナログシンセや古いマシンを使う時には助かりますよね。
あんまり強くかけると音に訛りがでちゃうので、
DAWに繋いだスペアナと自分の耳で適切な数値を決めましょう。

◯ゲイン/レベル調整ポイント

OCTAのゲイン/レベル調整ポイントは最大で7箇所まで設定できます。

・MIXERページのインプットゲイン



普段あまり意識しない所だけどここからゲイン調整してやります。

・トラックレベル



一番分かり易いポイントだけど、
ここはプレイ中でも微調整し易いようにデフォルトを100くらいに留めておいた方がよいです。

・THRUマシンのボリューム

MIXERページのゲインで稼げない場合に使っています。

・AMPページのボリューム



外部/内部音源に関わらず使える上に間違って触る事も少ないのでここも結構使えます。

・コンプレッサーのゲイン



それでも音量が足りない場合が稀にあるんですが、
その時はFX1かFX2にコンプを割り当ててゲインで稼ぎます。

・マスターレベル/マスターコンプ



OCTAをミキサーで使う場合はトラック8のマスター化をすると良いでしょう。
その場合はここで最終段の調整ができます。

◯ミキサー用途に有効なエフェクト

・イコライザー



イコライザーは通常の物とDJイコライザーとがありますが、
DJEQは主にブーストよりもカットを目的としたEQです。
こっちは性質的にシーンに割り当ててクロスフェーダーで操作する目的でしょう。
音質の調整という意味では普通のEQを使った方が良いですね。

・コンプレッサー



DAWのグラフィカルなコンプと違って耳で判断しなくちゃいけないので厄介ですが、
ほぼ全てのトラックに挿しています。
キックを前にだしてハットを後ろに引っ込める、なんてテクニックも可能。
自分も正直なところ苦手なエフェクトですが頑張ってマスターしましょう。

・スパチュライザー



DAWで言うところのステレオイメージャーやエンハンサーの効果があります。
モノラルをステレオっぽく拡げる事が出来るので金物ドラムや声ネタの調整で威力を発揮します。

◯出音を測定してみよう

よほど耳の肥えた人でない限りOCTA本体だけで音質の微調整をするのは難しいと思います。
自宅のスピーカーではアテにならない場合も多いですしね。
そこでOCTAのアウトプットからインターフェイスを介してDAWに入力し、
それを測定系プラグインで測ってみましょう。

・DAW


プラグインの使えるDAWなら何でも良いんですが、
StudioOneやCUBASEだと測定系プラグインが標準で豊富なようです。

・スペクトラムアナライザ



これもDAW標準のEQなどについているケースが多いですが、
単体のアナライザーなどもリリースされています。

・VUメーター


 

ハードウェア(?)として売っているのが一般的ですが、
ガチのミキシングではないのでプラグインで十分かと。
ちなみにこのメーターはフリーでWin/Mac対応。
凄く見やすいからお勧めです!
http://www.tb-software.com/TBProAudio/mvmeter2.html

・ラウドネスメーター



こちらは音量というか音圧ですね。
お手本にしたい既存曲の音圧をあらかじめ覚えておき、それを基準に調整します。

・フェイズメーター



ステレオ音源の音の拡がり具合を測定するものです。
スパチュライザーの効果を確認するのに必要。
もちろんパンで左右どちらかに振ったトラックの確認もコレで出来ます。

◯実例1:各機材のノイズチェック

先日のライブでは前のDJがかけている既存曲に対してロングミックスをしたんですが、
その時こちらのセットの音の悪さが露呈してテンション下がっちゃいました。
それで帰宅後にライブセットと全く同じ繋ぎ方でオーディオI/Fに接続し、
DAWのスペアナを立ち上げて測ってみる事にしました。

・マスターフィルター

最終段にVERMONAのDJ用フィルターをつないでいましたが、
薄々気付いていたけどコイツがかなりのノイズ源である事が発覚。
全体の音に悪影響を及ぼしてしまうので辞める事にしました。

・x0xb0x

自作のアナログ機材だからある程度は仕方ないとして、
時間が経つと共にノイズが大きくなる謎の現象がありました。
色々といじってみたところ内蔵のディレイが悪さをしてる事がわかり、
OFFにしてみたら問題ない

・analogRTYM

メインアウトは大した事ないんですが、パラアウトからのノイズが大きい。
しかしキックの分離が悪くなるのでパラ出しは譲れない。
って事でここはOCTA側のノイズゲートで対応する事にしました。

こんな風にOCTAの接続やミュートを利用すれば、どの機材がノイズ源になっているか簡単にわかります。

◯実例2:analogRYTMでのセッティング

RYTMからOCTAへの入力は二つとして
「BD/BTアウト」と「Main Left」からOCTAのINPUT A/Bに入れています。

・RYTMのセッティング

BTトラックにはベースタムの代わりにスネアがでるようにしてます。
RYTMのメインアウトは音の分離があんまり良くない(Mark1)ので、
単純にL/Rで出すのではなく「キックとスネア」と「その他」に分けるようにしてます。

自分の場合「その他」にあたる楽器はハットやクラップなど低域の要らない物がほとんどなんで、
RYTM側のハイパスフィルターでバッサリカットしちゃってます。

・OCTAのセッティング

キックとスネアをトラック1に、その他ドラムをトラック2にアサインします。
どちらもFX1にはコンプレッサーを割り当てて音量/音質の微調整をし、
トラック1にはリバーブ、トラック2にはスパチュライザーを入れています。

こうする事でキックとスネアが中心から前に出るようになり他のドラムは左右に広がるようになります。
DAWでのミックスダウンに比べれば出来る事は限られますが、
何もしないよりは遥かに良い音質になる筈です。
両方お持ちの方は是非試して下さい。

◯音圧上げはサンプル段階から

RYTMやOCTAでサンプルを使う場合はインストール前に音圧を確認しましょう。
というのも、流通しているサンプル音源はDAWでのミキシングを前提としているので
あらかじめ音圧を低く抑えているものも珍しくありません。
自分のケースでは「素のサンプルの音圧」より「RYTM/OCTAを通してPCに取り込んだ音圧」が
だいぶ下がっている事が確認出来ました。

なのでRYTMに取り込む前にリミッターやらマキシマイザーで音圧をガン上げしちゃいます。
このRMS値はご自身の耳で丁度いい所になるようにトライ&エラーを繰り返す必要があります。

◯まとめ

DAWでのミックスダウンを経験している人なら、こんな機能を備えているOCTAの凄さが実感できる筈です。
現場でもこのお陰でかなーり荷物を減らすことができますよ。

x0xb0x制作記【2】組立準備

早速制作に取り掛かりたい所ですが、
何しろハードルが高いものですから下準備をしっかり行なっておきたいものです。
前回の構想編から「前フリ長ぇヨ!」とツッコミ頂きそうですが、
大御所ピエール先生やハーディ師匠のDJプレイでは
20分以上ベースを出さずにリズムと声ネタだけで引っ張る事もザラですので、
そんなアシッドハウスのマナーに則ってもうしばらくはジリジリと引っ張ります。

◯DTM向け電子工作のススメ

そもそもDTMやるような人は電子工作向いてます。
クリエイティブワークを楽しめる人種ってトコではぜんぜん変わりないです。

トラックを作らないDJだって、
突き詰めると音質を追求した挙句にピュアオーディオ方面に走りがち。
アッチの分野も工作スキルを駆使してミキサーやスピーカー作ってみたりと楽しそう。
レゲエに至っては巨大スピーカーシステムを自分たちで作るのがステイタスだし、
60年〜80年代の著名オリジネイターの多くが電気技師出身だったりします。

個人的な経緯をお話しますと、
ガンダムとファミコンに洗脳された幼少の頃から漠然とした憧れはあったんですが、
実際にハンダごてを持つようになったのは40歳になってから。
ハードシンセを使うようになってからケーブルが大量に必要になり、
作り方覚えれば安上がりで質のいい材料使える!って所から始まりました。

本業は建築系、店舗内装専門の大工なんですが(もう辞めっけどー)、
仕事がイヤになった時「もの作りのストレスはもの作りで解消するのが一番」と、
現実逃避の為にフラックスの焼ける匂いでラリってましたねw
秋葉原のソフマップに行くついでに電子工作系ショップに通い出し、
モジュラーシンセのキット制作、デジタルドラムマシンのキット制作と、
どんどんハマっていきました。
回路設計はまだまだ早いけどいずれミキサー作りたいです。

作る物に意味を持たせる、ストーリーを感じさせる、メッセージを込める、
そんな発想が産まれたのは32歳で通い出したインテリアデザインの学校でした。
そういう訓練を受けると世の中にあふれるプロダクトから製作者の気骨を読み取れるようになるんですよ。
するとやはり、万人向けのプロダクトより尖ったコンセプトの一品物に魅力を感じてしまう。

そんなこんなで当ブログを読んでくれている方には、
「DTMから生楽器に走るのもいいけど電子工作も世界が拡がるよ」とお勧めしたいです。

全くの未経験からx0xb0xのようなアナログシンセを作ろうってのは
蛮勇通り越して暴挙だけどw、そういう馬鹿は大好きです。
現実的にはケーブルやエフェクターのキットから腕を慣らした方がいいんですけどね。

◯マニュアルの入手

国内で流通している電子工作キットってマニュアルが不親切ですよねー。
回路図(読めない)と完成写真のっけてハイ!終わりみたいなのがほとんど。
これじゃ電子工作始めよう!なんて人は増えませんよ。
対して海外のビルドマニュアルは写真が多く凄く親切。
「最初はコレつけてねー」「次はソッチだよー」と段階ごとに写真を載せてくれてます。
Google翻訳などを使えば何とか解読が可能ですし、
少々慣れれば翻訳しなくても写真だけで組めます。

Ladyadaのサイト
(左メニューのMakeがマニュアルです)
http://www.ladyada.net/make/x0xb0x/fab/index.html
WILLYZYXのPDF組立てマニュアル
https://www.dropbox.com/s/fsagaf29asxwxyd/x0xb0x_bulid.zip?dl=0


◯必要な道具

工作経験がある方なら特別な道具を用意しなくてもいいのですが、
とりあえず紹介しておきます。あんまり安物使っちゃダメだよ。
桐箪笥職人だった祖父から「素人ほど良い道具を使え」と家訓のごとく教わっていまして、
いきなり高級品を買う必要はないけれど、ソコソコの価格帯の物を使った方が安心です。
電子工作系の道具は「とりあえず日本製買っておけば大丈夫」なようです。

・はんだごて/はんだ

温度調節が出来てコテ先の種類が豊富なHAKKOのFX-600を使っています。
これと専用のスタンドのセットで6~7000円くらいだったかな。
はんだは日本アルミットの0.65mmをメインに使っています。
かなり細いんじゃない?と先輩方には言われますが、
細い方がハンダ付けし易いです。コテ先もソコソコ細いの使ってます。




・クリップ/クランプ/はたがね

アルミ製の洗濯バサミみたいなクリップ。ハンダ付けの上手い下手って
「コテをあてる前に部品がちゃんとくっついてるかどうか」で決まると思うんですよ。
なので仮止め用の治具は色々な種類を用意した方がいいです。
熱に弱いトランジスタのハンダ付けの際に脚に挟んで熱を逃がす役割もあります。
いや、ホントはソッチが主目的か。



・ラジオペンチ/ニッパー

それぞれ100mmサイズの物があればとりあえず大丈夫。
ラジペンだけ150mmもあると力仕事に便利。
電気工事士に定評のFUJIYAや電子系にはHOZANが定番ブランドみたい。





・ピンセットとIC抜き

何本か使ったけど先の細い「つる首ピンセット」が一番いいかな。
逆作用の物もあるといいかも。
緑のトングみたいなのがIC抜き。
ICの脚って貧弱で曲がりやすいんですよね。
器用な人はマイナスドライバーをテコに使ってチャチャっと抜いちゃうんだけど、
3000円するオペアンプの脚を折った時は泣きそうになりました。

クリップやピンセットからラジオペンチ、万力に至るまで
「つまむ/はさむ」系の道具は種類が多ければ多いほど作業のストレスが緩和されます。





・ドライバー

JISマークついてりゃ何処のでもいいです。個人的にVESSELのが好き。




・デジタルテスター

導通や電圧を測ったり、抵抗値をチェックしたり大活躍します。
1000円くらいから売ってますが、安物は精度に不安があるので
国産メーカーの物を用意しましょう。


・オシロスコープ

オーディオ系の自作には必須と言われるオシロスコープですが、
高いし嵩張るし何よりもコレ自体の習得が困難w
今回は1万円で買えるポケットサイズのデジタルオシロDSO nano v3で試してみますね。



・ドリル

アルミ筐体の時は底板に穴を開ける必要があります。
手回しもイイけどやっぱり電動の方がラクかな。
エフェクターやVCO、スイッチを追加する時にも必要。
ちなみに写真のタイプは「インパクトドライバー」といって、
本来は木工のネジ締めが主用途。金属板の穴開けにはあんまり向いてません。
ジブン本業が大工なんでコッチの方が慣れてるからって理由で買ったけど、
インパクトじゃないフツーの電動ドリル(充電タイプじゃなくていいよ)を買いましょう。
ホームセンターで間違える方かなり多いです。
使用頻度はさほど高くないのでホームセンターで使い捨てのつもりで安物買っても良いかと思います。
チョットいい物を、と考えるならマキタか日立かパナソニック。
リョービ、ボッシュ、ブラックデッカーは値段の割に質が悪いです。
コスパ考えるとノーブランド品の方がマシ。




・マスキングテープ
何はともあれ大活躍します。
部品の仮止めにも使えるし(焦げるけど)、
一度開けた小袋を塞ぐのにも使えるし、
穴開けの位置決めにも便利ですよ。

ちなみにコレ用途によって粘着力の強さが何段階かあります。
比較的弱い「塗装用」を選んでおけば大丈夫。

◯コツ

一年少々のキット制作経験で覚えた大事なことは、
とにかく間違えない事。部品の番号、定数、極性を間違えない事、です。
トラックメイクと違って作る順番もガチガチに決まってます。

プロじゃないんだから集中力が途切れたら作業を辞める事。
けっこう疲れます。目からきますね!
根気とか根性みたいな精神論なんぞクソ食らって下さい。
なのでいつでも作業を再開し易いように部品の整理は徹底しましょう。

・ハンダ付け

ハンダ付けのコツはリズム感とタイミングと言われますが、
年がら年中ドンドンチキチキ言ってるボク等には大きなお世話っすよね!
それより大事なのは「仮止め」だと思います。
ケーブル作りとかで仮止めサボるとたいてい失敗するもんオレ。

あと失敗に備えてハンダ吸い取り器も用意しとくと安心です。
熱で基板を痛めてしまう事も稀にあるので、
(SQ-1を4個とBloferdおシャカにしました)
はんだ付けそのものよりも補修の仕方を練習しとくといいスよ。

・穴開け

所々で金属板に穴を開ける作業がありますが、
正確な位置に綺麗な穴を開けるのにも少々コツが要ります。

まず「センターポンチ」で開けたい穴の中心を凹ませます。
ポンチが無ければ釘でもネジでもいいんですけど。
いきなり開けたいサイズの穴を開けずに、小さなドリルから徐々に開けていきます。
10mmの穴を開けたいなら2~3mm→5~6mm→10mmって具合にね。

・静電気
電子部品の意外な大敵が静電気。
gizm0xセンセーがおっしゃるにはですね、
これでICを壊してしまう事も結構ある上に、故障の特定がしにくいので厄介だそうです。

そこで工作の際に静電気事故を予防するコツを教えてもらいました。

・乾燥しやすい冬場では特に、フリースやセーターなど静電気を起こしやすい服を着ないこと。
・作業する前に、金属に触れて身体の静電気を逃してやる事。
・ICの脚にはむやみに触らない

自分はまだ静電気で壊した事は無い(多分)んですが気を付けましょう。

◯部品の仕分け


さてさてgizm0xshopからキットが届いたのですが、
まず部品点数の多さに背筋が凍ります。600点以上あるようです。
仕分けを全て行なって貰っているので部品を間違える事は無さそうです。
しかしこれでも混乱するかと思うので、
100円ショップで適当なタッパーをたくさん用意して部品を更に分類します。



抵抗やらICやら何となく10種類にわけてみました。

(実際に使ってみるとタッパーのフタを何度も開け閉めするのがダルいので要改善)

マニュアルどおりに組む場合は以下の項目ごとにパーツリストが写真付きで載ってるんで、
その都度タッパーから引っ張りだしていけば間違いが少なくて済みます。

PowerSupply
VCO
VCF
Envelope
VCA
Headphone
I/O Boad
Seqencer
Finishing

◯まとめ

「段取り八分」なんて言葉があるように下準備さえしっかり行なっておけば
そうそう難しいものではありません。作業量が多いってだけです。

しっかし、

なんかもうコレ「何のブログだよ?」という域にまで道を踏み外してますわなww
確かレーベルとか音楽活動のブログだったような気がしますが既に忘れました。

祝アシッドハウス30周年!x0xb0x製作記【1】

本家Rolandを始めTB-303クローンは
今では色んなフォーマットでリリースされていますが、
アシッド感の最も強いアナログ回路を使ったモデルは、
日本でも代理店経由で購入できるACIDLAB BASSLINE
見た目もクローンだったけど大人の事情でデザイン変更をしちゃったCyclone Analogic TT-303
攻守最強、究極のアシッドマシンことAvalon Bassline
そしてこの連載で挙げるx0xb0xです。

◯x0xb0xとは



http://ladyada.net/make/x0xb0x/index.html
「設計仕様を公開するからお前ら勝手に作れや」というオープンソースプロジェクトで、
世界中で様々なショップからキットや完成品が販売されています。
他機種と比べた際のx0xb0xのアドバンテージは
元々キットとして販売されているので改造が容易な事ですね。
筐体もプラスチック製のスタンダートと高級感のあるアルミ筐体と選べます。

ちなみにx0xb0x産みの親であるLady ada、
電子工学界ではブッ飛んだ経歴の持ち主なようですね。
http://www.lifehacker.jp/2012/09/120919limorfried.html

日本で唯一のx0xb0xビルダーであるgizm0x shopでも、
スタンダードモデルから改造モデルまで制作販売しています。
http://gizm0x.handmade.jp/
更にはTB-303、TT-303の改造や他所で作ったx0xb0xの修理なども受け付けてくれるようで、
まさに日本のアシッドシンセ・マイスター。

もちろん自分の所有するモデルもgizm0xメイド。
アルミ筐体、電池駆動、TB-303と同じVCAチップ、2VCO化改造など、
かなーり手を加えられています。

◯個人的な思い入れ

自分にとってはハードシンセの最初の一台がx0xb0xでした。
DTMを初めて間もない頃に「アシッドハウス作ろう!」と
某ソフトシンセ版アシッドベースシンセを買ったんですよ。
TB-303とは似ても似つかない音に愕然としましてですね、
アシッドはハードに限る!と思い込みが暴走しましてですねー、
そういうタイミングでgizm0x製x0xb0xが売りに出ていたんでドキドキしながら買ってみました。

そこからドラムマシン、モジュラーシンセ、キット制作にハマり今に至る訳ですから、
この機材によって自分の道が開かれたと言っても大げさじゃないんですよ。
(その前に曲作れよってツッコミは言わないでね)

もちろんソフトシンセABL3やデジタルのTB-3/03でも良質なトラックを作る事は可能です。
自分自身実際にDJとして多用している曲はABL3で作られた物が多いようですし、
完成された曲ではアナログもデジタルもソフトも区別がつきません。

じゃあ何故アナログのハードにこだわるのかと言いますと、
ライブ用途である事と完成に至るまでのプロセスに拘りたいから
フィジカルな操作感は必要不可欠だって事です。
(プロセスにハマってっから曲が出来ねぇんだろってのは言わないでね)

数ある303クローンの中でも「手作り」なのはx0xb0xだけ。
またアシッド文化の根底にあるパンクス精神もx0xb0xが一番顕著ではないでしょうか。
設計仕様もOSもオープンソースですし、
その気になれば自分の手で最高のアシッドベースマシンを作れます。

◯実際の音ってどうなの?

アシッドベースシンセの価値観は、
モノシンセらしい音の太さ、カットオフの開き方、レゾナンスの尖り具合、
スライド/アクセントの暴れ具合など細かい要素で決定されます。
(テクノの人はフィルター、ハウスの人はスライドにこだわる傾向があります)

TT-303が出るまでは「最もTB-303に近い」と言われていた程で、
数あるアシッドベースシンセの中でもトップクラスの「らしい音」が出ます。
もっとも、TTは見た目からしてソックリなんでプラシーボ効果絶大ですけどね。
当ワークショップで両方聴き比べた時は「違うっちゃ違うけど甲乙付け難い」って結論に至りました。

個別の経年劣化が音に影響しているTB-303もそうですが、
x0xb0xも作る人によって全然音が違います。
自分の所有する1号機はコンデンサや抵抗など厳選された部品を使っているようで、
ノーマル(?)のx0xb0xよりも曇りの無いスッキリした音になっています。

◯自分で作ってみよう!

まだまだ初心者の域を抜けていない自分の電子工作スキル。
次のステップはやはり「アナログモノシンセのキット制作」という事で、
思い入れも馴染みもあるx0xb0xを作ってみる事にしました。
更には頼もしい事に、この記事を書くにあたって
gizm0x shopが監修にあたってくれる事になりました。
基本的な組み立て方はLadyada.netにも公開されていますが、
各々の部品がどういう役割を果たす物なのか把握できていないので、
このあたりを根掘り葉掘り伺いながら書いていこうと思います。

◯プランを立てよう

x0xb0xはある意味セミオーダーのシンセですから、
改造前提で部品を購入するのが良いかと思います。
一度完成させた後で部品を交換するよりもリスクも少なくて済みます。
本家Ladyadaのサイトにも簡単な改造の説明があるので参考にしてみて下さい。
http://ladyada.net/make/x0xb0x/mods.html

さてさて「ぼくのかんがえた最強のアシッドベース」についてです。
アシッド「テクノ」には必須のディストーションとレゾナンスブースト、
1号機でやってもらった「ダブルVCO改造」は音が好みではないんで今回はパス。
恐らくはこの記事を読んでくれているテクノ畑出身の皆さんとは
求めるアシッド感が微妙に違うようなのでご了承下さいまし。
なんせアタクシ「ハードフロア」も「電気グルーヴ」もリスナーとして通った経験が無いものでして。

・コンセプト
アシッドハウスの価値観に則ってアナログモノシンセの粗さを強調。
音質に関わる基礎部分には高品質な物を利用した上で、
オペアンプやエフェクトで意図的にLoFi化。
電源やスイッチ、OSに関しては汎用性と安定度を重視し、
メンテナンス性の高いモデファイを行なう。

1.電源のDC化
標準のx0xb0xの電源はAC9Vを使用します。
コレ使えるACアダプタが「AC/AC」の物でないとダメなので結構不便です。
エフェクター用に市販されている「AC/DCアダプタ」や、
自作したパワーサプライで使えるようにする為に電源をDC化します。
ちなみにgizm0x shopではDC化に加えて単3×8本の電池駆動モデファイが出来ます。
今回は内部のスペースを確保したいので電池駆動はパス。

2.エフェクト
x0xb0xには専用の内蔵用ディレイやディストーションなどがキット販売されてますが、
電源をDC化する事によって市販のエフェクターを流用する事が可能(だと思うw)。
今回の制作では「リバーブ」と「オーバードライブ」を何とかして入れたいんですよ。
内部スペースにどこまで内蔵できるかがカギですね。
あとどうもgizm0x先生曰くエフェクター内蔵するとノイズが乗り易いようなのですが、
このあたりはブッツケ本番でやってみます。

3,VCAとオペアンプ
VCAチップはTB-303に使われていたけど現在製造していないBA662(今じゃ1万円します)と、
x0xb0xの標準仕様であるBA6110と聴き比べてみたりしましょう。
オペアンプは標準のAN6562からMUSESやOPAなどを試した事はあります。
MUSESもOPAも品の良い音になってしまい興ざめ。アシッドはそれじゃダメなんスよねw
最終的には80年代のレアチップJRC4552や2904が粗さと強さを両立した一番「らしい」音になりました。

4.コンデンサや抵抗
音質を左右する重要な部品であるコンデンサや抵抗は、gizm0x shop製と同じハイグレード品。
各部品の定数や必要な数量をイチから調べて買い付けるのは大変な労力なんですが、
ここはズルしてgizm0x氏に見繕って貰いましたー。

5.タクトスイッチ
x0xb0xの弱点であるタクトスイッチ。海外の安物を使っている為に壊れやすく押し心地も悪いです。
国産のスイッチに変えたくてもスイッチキャップの寸法が違い取り付ける事が出来ません。
しかし対策部品がありまして、
Rv0というショップで強化スイッチと専用スイッチキャップが販売されています。
https://rv0.be/

1号機に換装したらソフトな押し心地で上々の成果でした。
ここで売られているタクトスイッチは恐らくアルプス電気の物。
http://www.alps.com/prod/info/J/HTML/Tact/SnapIn/SKQE/SKQEACA010.html

値段はRv0で買っても国内で買っても大して変わらないです。

6,OS
OSというより厳密にはファームウェアですが、
x0xb0xはオープンソースなのでファームウェアを選ぶ事が出来ます。
が、ここは一番安定度が高くgizm0x shop推奨のsokkosにします。

7.激レア黒アルミ筐体



生産完了品なのか公式には販売していない黒のアルミ筐体。
gizm0x shopでは本来完成品にしか使わない予定だそうですが、
無理言って単品で譲って貰いました。

問題はどんな音が出るか、思った通りの音が出せるか、ですよね。
「アシッド的価値観」と一般的なオーディオ部品の価値観にズレがありまして、
あんまり高品質で綺麗な音になっても興ざめしちゃうんですよねw、
でも曇った音じゃ他の楽器に負けちゃうしで、いい塩梅の音を作れるかが難しいところ。

そこで考えた仮説が、
コンデンサや抵抗などの基礎的な部品は高品質な物を使った上で、
音の味付けに関わる部品でローファイ化してみたら?って。
例えばオールドスクールのヒップホップやチップチューンを
ハイレゾで聴いて悦に浸る、みたいな歪んだハイクオリティですがw
このあたりは連載の最後の方でチューニング編と銘打って研究してみますかね。

ちなみにgizm0x shopでは以下の改造を受け付けてくれるようです。
・アルミ筐体換装・2VCO化・電池駆動化・x0x-heat追加・ディストーション
・ディレイ・BA662換装・ベースブースト・レゾナンスブースト
・VCFオーバードライブ・VCO/VCFモジュレーション・エンベローブMOD3倍
他所で買ったx0xb0xやTT-303、TB-303の改造や修理も相談に乗ってくれるようですよ。

◯まとめ

技術的監修をgizm0x shopにお願いする事で、ちょっと真面目に取り組んでみます。
ホントに作ろうって人も作る気は無いけど欲しい人も、
既に持っている人も、より深い理解を促すきっかけになれば幸いです。

アシッドベースの選び方

好き者の皆さんなら知っての通り今年はアシッドハウス30周年。
そのアシッドを奏でるベースシンセも元祖TB-303に始まり
派生モデルやらクローンモデルやらが30年経った今でも新製品が続々登場しています。
そうは言ってもナニ買うのが一番なのか結構迷ってしまうんではないでしょうかね。
そこで今回はアシッドベースを作るシンセサイザーを
ソフト/ハード問わず色々と紹介していこうと思います。

◯303系シンセサイザーとは

Roland TB-303に端を発するベース・シンセサイザー。
スライド/アクセントをステップごとに設定できる1小節のステップシーケンサーを内蔵し、
ピーキーな発振をするフィルターで独特な音色を出すシンセサイザーです。
他のシンセに比べて機能は少なく単調になりがちだけど、
ミニマルなフレーズがかえって病みつきになる非常に癖の強い機材でもあります。

◯元祖TB-303


今さら説明不要、もう20万円以上の高値がついてしまっているTB-303。
他のクローンモデルとそんなに音が違うもんなの?とよく訊かれますが、
物によっては別格の音がします。この点ではTR808や909よりも明確な差があるんですよ。
しかし元々が安物シンセであり個体差が激しいものでして、
今まで4台ほど所有者に音を聴かせて貰ってますが全部別物です。
なので高いお金を払っても望み通りのサウンドが手に入るかどうかは運次第。

更にはアシッドハウスもアシッドテクノも思想的に反商業主義な側面があるもんですから、
無理して手に入れるよりvolca bassでも買った方がよほどアシッドらしい気もします。
なんで個人的には「今更数十万出して買う程のモンじゃなくね?」と思いますが、
色々と知り尽くした上での決断なら構わない、というかむしろ応援します。

◯アシッドシンセの価値観

元祖TB-303の音が絶対的基準になってしまっているのは否めないところ。
本家RolandがTB-303を超える物を既に作れないんだから仕方ないですよね。
メーカーやビルダー独自の解釈でアシッド感を求めた良機材もあります。

大事なポイントは二つ「ウニョン」「ビキビキ」です。
音程をスムーズに変化させる「スライド」機能というのがあるんですが、
303には妙な癖があって「ウニョン」とフレーズが歪みます。
普通のメロディからするととても気持ち悪い変化なんですが、アシッドには大事な要素です。
もう一つの「ビキビキ」はフィルターの発振音。
カットオフとレゾナンスのの組み合わせで尖った演出が出来るって所もアシッドの条件です。

なのでシーケンサーの無いモデル(MS404とか)もありますが、ここでは除外します。

◯ハードかソフトか



トラック制作に重点を置くかライブプレイに重きを置くかで分かれます。
もちろん安いのはソフトの方ですが、いわゆる「ラリれるベース」を作るには相応の技術が必要。
アシッドだってのにクソ真面目にじっくり作り込む必要があります。
誰が触ってもそれなりにトベるのはハードの方。
ツマミをグリグリいじってアハハ~んと遊ぶにはもってこいですが、
大抵の人はそこで飽きてしまいますw

◯デジタルかアナログか

アナログの粗い音こそアシッドベースの醍醐味(キリッ)と言いたい所ですが、
自分がDJとして多用している曲はソフトやデジタルで作られた物が多いようですw
曲として完成しちゃうと聴き分けは難しいかもしんない。
でもやっぱり買う前にアナログとデジタルと聴き比べて見て下さい。

◯アシッドハウスかアシッドテクノか

このご時世に無理矢理ジャンル分けするのもどうかと思いますが、
微妙に違う時代背景と意外と差のある奏法によって、
各々の機材のどこに重点を置くかが変わってきます。

・アシッドハウス
時代的にはコチラの方が先。
DJピエールによって発見され、そのフォロワーの多いシカゴで大量にリリースされました。
音数も少なくBPMも120台前半と遅めな曲が多く、独特なシーケンスを活かしている曲が多いです。
ベースを支えるリズムはソウルやディスコなどの黒人音楽、
アフリカ/ラテン音楽の影響を大きく受けています。

・アシッドテクノ
ハードフロアから始まった第2世代とも言えるのがコチラ。
日本では電気グルーヴで知った方も多いかと思います。
BPM130以上でかなりバキバキビキビキ言わしてます。
フィルターの開閉による音色変化にこだわるのはコチラの方。

現在のトラックではBPM遅めのダブテクノやロウハウスにアシッドを絡めるのが主流でしょうかね?
ダブテクノではダウナー系ドラッグをキメたような浮遊感を演出するのにアシッドが使われています。
ロウハウスの方はオールドスクール・ハウスの手法に則りながらも現代の良質なミックスダウンで
迫力のあるベースに仕上がっている曲が多いようです。

◯現在入手できるアシッドベースシンセ

「レア度」は価格や希少価値の度合い、「ラリ度」は主観的な音のヤバさです。
「プア度」はプロダクトとしての質感の低さ。低い方がイイんですw
プロダクトとしてクオリティが高くても「らしくない」っすからね。
オシレーターの種類によってアナログ、アナログモデリング、デジタルと分けています。
一番エグい音がするのはアナログですが、最近ではアナログモデリングの物もイイ線いってます。

◯アナログ

・Roland TB-303

レア度★★★★★
ラリ度★★★★★
プア度★★★★★

前述したようにプレミアついて大変です。
でもやっぱり音は別格です。使える人が買って下さい。

・Cyclone Analogic TT-303 Mk1/Mk2

https://www.cyclone-analogic.fr/en/34-bass-bot-tt-303-0701980493430.html

レア度★★★★
ラリ度★★★★★
プア度★★★★★

筐体デザインまで丸パクリのMk1。現在では「最も303に近い音」がします。
TB-03の発売と同時にRolandからクレームが入ったのかダサ可愛い缶ペンみたいな筐体になってしまいましたが、
出力端子が豊富なのでモジュラーシンセと組み合わせると凄く面白そうですね。

・x0xb0x

http://www.ladyada.net/make/x0xb0x/fab/

レア度★★★★
ラリ度★★★★★
プア度★★★★★

コッチの業界ではなく電子工学界で著名なLady Adaが設計したオープンソース・プロジェクト。
要は「設計仕様を公開するからお前ら作ってみろや」的なプロダクト。
音はTT-303に負けず劣らず。筐体設計に余裕があるので魔改造された物も多いです。

原則的にはキット販売なんで工作経験が無いと作れません。
ごく稀にヤフオクに流れてきます。
完成品の販売は日本でならgizm0x shopで。
http://gizm0x.handmade.jp/

・AcidLab Bassline 3

http://www.fukusan.com/products/acidlab/bassline3.html

レア度★★★★
ラリ度★★★★
プア度★★★

808クローンMIAMIでお馴染みドイツはAcidLabの303クローン。
あまり存在感が無い(持ってる人が少ない)のでじっくり聴いた事がないんですが、
結構イイ選択だと思うんですよ個人的には。
アナログモデルの中で唯一国内代理店があるので入手し易いって利点も大きいです。

・Avalon Bassline

http://www.abstraktinstruments.com/product/avalon/

レア度★★★★★
ラリ度★★★★
プア度★

303に近いとかそんなのどうでもよく最the強のアシッドシンセですコレ。
例えるなら「もしもELEKTRONが303クローン作ったら」こんなん出来そうです。
Youtubeに挙がっている動画ではイマイチその魅力を掴みづらいところがありますが、
スペックだけでもお腹いっぱいです。
ちょっと引っかかるポイントは「音が整い過ぎじゃね?」と疑問に感じる所。
このあたりアナログと謡いつつ雑味の少ないELEKTRONと似ていますね。
船賃込で13~15万円くらいしますが、20数万出してTB-303買うならコッチの方がいいかも。

◯デジタル(アナログモデリング)

・Roland AIRA TB-3

https://www.roland.com/jp/products/tb-3/
レア度★
ラリ度★★★
プア度★★

登場時には世のアシッドフリークを盛大にガッカリさせたものの、
「実は意外とイイ機材じゃね?」と再評価されつつあります。
中古では2万円を切るようになってきましたね。
音は303に比べて滑らかでいわゆる「普通のモノシンセ」に近いかも。
主役は張れないけど脇役としてイイ仕事してくれます。
実際のところ「303とは別物のシンセ」と捉えると小さいし軽いし打ち込み易いし、
なかなかデキる子です。電池駆動だったらよかったのにね。

・Roland Boutique TB-03

https://www.roland.com/jp/products/tb-03/
レア度★
ラリ度★★★
プア度★★★
TB-3で散々叩かれた後に出てきたのでTB-3よりは303に近い音がします。
価格や入手のし易さも考えると一番手堅い選択。
ただレゾナンスを上げた時の発振音がけっこう耳に痛い。
このあたりはアナログモデリングの限界なんでしょうかね。
しかしシーケンスなどの使い勝手は格段に向上しているようで、
ライブプレイでも色々と便利。
オーバードライブとディレイ内蔵ってのもソソるポイントです。

・Twisted Electrons ACID8 MkII

http://twisted-electrons.com/acid8/
レア度★
ラリ度★★★★
プア度★

これヤバいです。303クローンとは違うアプローチでアシッド感を出した良プロダクトかと。
デジタルはデジタルだけど8bitオシレーター特有の個性的な音がします。
原宿FiveGで販売してますが実物見るとチッコくて可愛いです。質感も極上。
チップチューンにも最適でしょ。35歳以上のオッサンはこの音で殺せます。

◯ソフトシンセ

・AudioRealism Bass Line 3

http://www.audiorealism.se/audiorealism-bass-line-3.html
「マジこれソフトシンセかよ?」
ハッキリ言ってTB-3やTB-03より「らしい音」が出ます。
ソフトでここまで出来るんだから本家には頑張って欲しいですよね。
ハード派の方にもお勧め。

・D16 Group Phoscyon 

http://d16.pl/phoscyon

最初に買ったクローンですが、こちらはソフトシンセの域を超えてません。
癖の無い音なので音創りの素材としては使い易いかもしれないです。

・BassLine – Analog Modeling Synthesizer

https://itunes.apple.com/jp/app/bassline-analog-modeling-synthesizer/id298147000?mt=8

iPhoneアプリ。XYパッドを使ったフィルター操作が楽しいです。
楽器屋さんでエフェクターの試聴する時に重宝してます。

◯ライブや曲作りでの使い方

アシッドベース自体は非常に単調なフレーズなので、単体で聞いていてもすぐに飽きてしまいます。
30年前ならともかく、今では使い古され過ぎて古典芸能みたいな扱いになってます。
それを如何にしてサイケデリックな世界観に引き込むかがパフォーマーの腕の見せ所。
他の音(特にドラム)とどう絡めるかが肝なんでしょうね。

初期のアシッドハウスの曲やDJプレイを聴くと、
アシッドを出すまでにかなり時間をかけてジラしていますね。
曲の前半はリズムだけ、ブレイク明けにやっとベース登場、なんて曲も珍しくありません。
スライド機能の「ウニョン♪」を多用したフレーズが多く、
フィルター操作も結構ゆっくりで数小節かけてツマミを回している感じがありますね。

対してテクノ系では初っ端から入って、ピークでフィルター/レゾナンスのプレイがきます。
エフェクターを挟んで音色をアレコレ変化させるのもテクのうち。
ディストーションを使うのがド定番ですから、ハードフロア以降のアシッドテクノが好きな方は
一緒にディストーションペダルも買ってしまいましょう。
かなり激しくツマミ操作してる人が多く、ハウスがアダム徳永ならテクノは加藤鷹の指使い。

◯他機材との組み合わせ

・エフェクター

アシッドベースの音作りに欠かせないのがエフェクター。
種類が豊富過ぎてここでは紹介しきれないんですが、
オーバードライブやディストーション、ディレイあたりが定番なようです。
個人的にはレゾナンスを閉じた音にリバーブをかけるのが好きかも。
デジタル系303クローンを買って出音に物足りなさを感じている方は、
オーバードライブやベース用コンプレッサーを噛ましてみましょう。

自分が色々と試した中で一番気に入ってるのがコチラの動画の組み合わせ。
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DanElectroのSpringKingという安いスプリングリバーブと、
秋葉原のエフェクターパーツ専門店「桜屋電気」で買ったオーバードライブのキット。
それを一つの筐体に収めたモノを作ってみました。
実は壊しちゃったんでもう一度作ろうかor何とか直そうかと考えてます。

・ドラムマシン
ベースのフレーズ自体は凄く単調なので、ライブプレイではドラムの抜き差しが重要です。
なのでMUTE機能が得意なモデルを選ぶのが得策かと思います。
TR-8みたいにフェーダー操作出来るのは抜群にイイですよね。

・オールドスクール派
TB-303と同時期に同じコンセプトで発売されたTR-606のチープな音がジャスト。
しかし606は同期方法がMIDIではなくRoland独自の規格なので(TB303も)、
クローンモデルのTT-606やAcidlab Drumtixが良いかと思います。

・ハウス派
TR-909か、TR-707/727がよく使われています。
タムやコンガ、ホイッスルなどアフリカン/ラテン系パーカッションの音が多用されています。
またボイスサンプルをチョップした声ネタを連発するのも馬鹿っぽくてアリ。
727の音は大好きなんで何処かでクローン出して欲しいですわ。

・テクノ派
これといって定番モデルが決まっているわけではないけど、
やはりアナログドラムマシン、特にTR-808系の音をよく聞きます。

◯まとめ

どんなジャンルのリズムに乗せるか、アシッドを主役とするか脇役とするか、
それによってどこまで予算を割り当てられるか見えてくるかと思いますが、
パンク的DIY精神に富んだ文化でもありますから、難しい事考えずに中古の安物を買って
ハードオフに転がってる安ペダルと組み合わせるのもアシッドのコンセプト的にはアリです。
今年は30周年という事でより多くの人がアシッド沼にハマってくれる事を願います。

心からw

音質語る前に試しておきたい電気の話

トラックメイカーやDJのみならず音楽が好きな人ならイイ音で聴きたいって思いますよね。
ADAMやGENELECのスピーカーとかRMEのインターフェイス憧れますよねー。
ゆくゆくはNEVEやUREIが欲しい、なんて気持ちもよく分かります。
音質はもちろん曲作りのモチベーションも激しく上がるでしょうしね。
そこまでいかなくても5〜10万円クラスの音響機材を導入しようって方は珍しくないだろうし、
作り手じゃなくても音楽が好きな人なら決して高い買い物ではないとも思います。

だーけーどー、
年末年始にかけてお金も入った事だし憧れのスピーカーをポチるぜー!
って前にチョット待って下さい。
アンプやスピーカー、アナログシンセの実力を出し切れる環境は整ってますか?
部屋の構造から理想的な配置が出来ないのは仕方ないとしても、
けっこう見落としがちなのが電気です。
特に僕らの扱う電子音楽にとっての電気とは料理における水のようなもので、
電気が綺麗なほど美味しい音楽になるって言っても過言ではありません。
ボク自身エンジニアなど専門的な職業に就いている訳ではありませんが、
本業が大工って事もあり電気配線を調査する事もしょっちゅうあり、
また本職のエンジニアやピュアオーディオマニアからアドバイスを貰って環境を作っています。

◯音楽にとっての良い電気

さて音楽にとっての良い電気とはなんでしょう?
乱暴に言ってしまえば100Vを下回らない電圧で、かつノイズの少ない電気です。
ではそのノイズの発生源とは?
エアコンや冷蔵庫、電子レンジ、パソコンなどの他の家電です。
ザックリ過ぎるけどそんな認識で十分だと思います。

要はこれ等の家電とオーディオと電気の経路を出来るだけ分断してやればいいんです。
この「出来るだけ」ってのがミソで、
出費ゼロでやる方法から話題の「マイ電柱」まで色々と方法があります。
その中でも小難しい話は抜きにして、低予算で自分が実際に試して効果のあった方法を紹介します。

◯家の電気経路を確認しよう

どんな家にも必ずブレーカーを集めた「分電盤」があります。




左側のが「親ブレーカー」右側に並んでいるのが「子ブレーカー」です。
真ん中のは気にしなくていいです。
各世帯に送られた電気は親から子ブレーカーに分けられて、
各々の部屋のコンセントに送られています。

写真の分電盤を例に挙げるとですね、
10個の子ブレーカーから各部屋のコンセントに分配されています。
そこでこの子ブレーカーに1から10までの番号を振って、
家中のコンセントにAからZまでの番号を振ります。

適当な照明器具を用意して、
コンセントに挿して点灯させた状態で子ブレーカーを一つずつ落としていきます。
するとどのコンセントがどの子ブレーカーに繋がっているか分かりますよね。
これを全てのコンセントで確認します。
コレ内装工事業者が工事の最初にやる仕事だったりします。

コンセントの経路がわかったら、
ノイズの発生し易いエアコンや冷蔵庫などとオーディオに使いたいコンセントとを、
子ブレーカー単位で分けてやればいいんです。
理屈の上では親ブレーカーを通してノイズが伝わってしまうんですが、
子ブレーカーで分けるだけでも確実に効果がありますよ。

◯ついでに電圧と極性も確認しよう



ホームセンターや電気街でテスターを買いましょう。
デジタル式の安物で十分です。1000円で買えます。

家庭用の電気は交流100Vと決まっていますが、
分電盤からの距離や壁の中の配線次第でけっこう誤差があります。
低いよりは高い方がいいです。プラマイ3Vくらいは仕方のない事ですが、
酷い時は90Vを下回るコンセントもあったりするので注意しましょう。

コンセントってどっち向きに挿しても電気は通りますが、
実は極性があります。よく見ると穴の長さが少し違っていて、
長い方はN、短い方はLと表記されています。
プラグを挿す時に向きを確認して挿すだけでノイズ防止になりますよ。

◯こだわるなら電気工事やってもらおう



電気屋さんに来てもらって子ブレーカーとコンセントを組み替えたり、
ブレーカー自体を増設しちゃうってのもアリです。
ただし上記の方法で配線経路を確認してからでないと、
意味のない工事になったりボられる事もあるんで要注意。

それからホームセンターに行くと電気部材が色々と売っていて、
ちょっと調べれば自分で全部出来ちゃったりしますが、
電気工事士の資格をもってないとダメなので素人は触っちゃいけません。
分電盤の中ぶたは開けちゃダメだよ?
子ブレーカーとFケーブル合わせて2〜3000円で済むけどダメだよ?
親ブレーカー切っとけば感電の心配無いけどダメだかんね?

◯ノイズを消そう

上記の方法でオーディオ専用コンセントを設定出来ればいいんですが、
普通の家庭ではそうもいかない事が多々あります。
そこでノイズを消す機材や部材を紹介します。

・パワーコンディショナー



オーディオ機器用の電源です。ってかコレ一発で大抵の問題は解決します。
自分が使っているのはTASCAMのAV-P25R。1万円チョイで買いました。
http://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/178446/
自宅が築40年のボロマンションって事もありコイツを使っただけで格段に音が良くなりました。
寝ていた音が立つ、というか輪郭がクッキリしたというか、、
パソコンの起動音「ポ〜ン♪」からして違うんです!マジでマジでw

・フェライトコア



パソコンなどデジタル家電の電源ケーブルに付いているコレです。
ホームセンターや電気街で1個100円くらいで買えます。

これもノイズ除去に効果があるんですが、
オーディオ機器に使うとノイズが減る代わりに音が痩せてしまうケースが多いんですよ。
なのでコレはオーディオ機器以外のノイズ出しそうな家電に片っ端から付けちゃいます。

・現場用電源タップ



マシンライブなど電源タップを持ち歩く必要がある方なら、
ノイズフィルタ付きの電源タップFURMAN SS-6Bがお勧めです。
http://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/39113/
ケーブルが無駄に長くてクソ硬いんだけど、そこだけ交換しちゃえばかなり便利。

◯ACアダプタを見直そう



モニタースピーカーやアンプなどは100Vのケーブルを直結するタイプがほとんどですが、

安価なミキサーやシンセサイザー、オーディオインターフェイスなどは
設計上の問題からACアダプタを使っている事が多いです。

このACアダプタ実ぁそれ自体がノイズの発生源でして、
電子楽器やエフェクター用の物はだいぶ改善されていますが、
たまに「アダプタ変えたら音が変わったよオイ」という機材もあります。
そこで色々とお試し頂けるようにACアダプタ交換のルールを説明します。

・電圧と電流
電圧は「ボルト(V)」電流は「アンペア(A)」です。
電圧は9Vなら9V、12Vなら12Vと同じものを使わなくてはいけません。
電流に関しては機材側の指定する電流よりも大きければOKです。小さいのはダメ。

・AC/ACとAC/DC

ACは交流、DCは直流です。
AC/ACとは交流の電気を受けて電圧を調整した上で交流のまま機材に電気を送ります。
AC/DCは交流の電気を受けて直流の電気(電池と同じ)に変換してから機材に電気を送ります。
ほとんどは「AC/DCアダプタ」ですが、たまにAC/ACを使う機材があるので注意してください。

・プラグの形状

挿してみればわかるんですが中の直径が何種類かあります。
この手の機材はほとんど「内径2.1mm」を使っています。

・センタープラス/センターマイナス



これが一番間違え易いんですが、
プラグ内の中がマイナスの物とプラスの物とがあります。

ギターエフェクター用はほとんどがセンターマイナス。
シンセサイザーはセンタープラスが多いので、必ず確認しましょう。

・トランス電源とスイッチング電源

100Vの電気を9Vなり12Vなりに電圧を下げるのがアダプタの役割ですが、
その下げ方がふた種類あって古い物や大きな物は「トランス電源」
現在流通しているほとんどの物は「スイッチング電源」といいます。
音質的に有利なのはトランスの方。デカくてゴツいです。

ただし、

ピュアオーディオ的価値観では当然トランス型の物が好まれますが、
シンセやエフェクターなどはスイッチング電源のノイズも音作りの重要な素材だったりします。
元々スイッチング電源を使ったアナログのドラムマシンの為に同じ規格のトランス電源を試してみたら、
ノイズが減り綺麗になった代わりに張りの無い痩せた音になってしまいました。

同じ発想でフェライトコアをACアダプタに付けても音痩せしちゃってダメでした。

◯ケーブルを見直そう

PCDJに多いんですが、
MIDIコンに付属してるショボいケーブルをそのまま使ってる人、けっこう残念です。
またオーディオインターフェイス内蔵のMIDIコンは
製造コスト面からD/Aコンバーターがショボくて音がプアなケースがあり、
単体のインターフェイスを使うだけで格段に音が変わる場合があります。

オヤイデ製USBケーブル(1万円)を使ってる癖にオーディオケーブルはショボい奴も居たなw

ケーブルごとの改善効果の順番は、
オーディオケーブル>電源ケーブル>USBケーブル
って所だと思います。USBは全然わかんないよオレ。

PCDJの現場用なら1mあたり3000円〜5000円くらいの物で十分過ぎる効果が得られます。

おすすめのショップはコチラ。
http://procable.jp/products/Belden8412.html
ここでBELDEN8412のRCAケーブル(3000円チョイ)作って貰うのが良いかと。
ピュアオーディオ界では極論暴論で有名なショップですが、
ケーブルに限っては良質な物をエラく良心的な価格設定で売っています。
ボクも自作するまでは色々と買っていました。
オーディオに凝る人ならレビューやコラムも一見の価値アリです。
ほんと暴論尽くしなんで鵜呑みにしちゃいけないと思いますがw

また器用さに自信のある方やハードシンセを多用する方なら、
断然自作をお勧めします。はんだごて等の道具代なんぞすぐに元が取れます。
自作のメリットは材料費の安さ、長さや色が選べる、断線しても自分で直せる、
などイイ事だらけです。
ただし自宅用ならともかく現場用途には硬いケーブルは不向きです。
(オヤイデのUSBケーブルとかBELDENの88760とか)
取り回しが大変でケーブルが外れ易いので致命的(実際やらかしました)。

USBならBelkinの物
http://procable.jp/products/usb.html
これがホントに音いいのかは分からないけどw
柔らかさではトップクラスという理由で愛用してます。

オーディオケーブルはモガミ2534。一般流通してる物で一番やわらかいです。
音質十分、値段も安くて色も選べてハンダ付けもし易い。
※ご注意
PCDJやマシンライブなどの現場では仕方ない場合もありますが、
電源ケーブルやACアダプタとオーディオケーブルは出来るだけ近づけないようにしましょう。
一緒に束ねるのはNG。露骨にジージー言います。

◯オカルトグッズに気をつけよう

ピュアオーディオ界では「音が良くなる」と謳って
ワケのわかんない物を高値で売りつける業者が多いのも事実です。
音が良くなるSDカードとか、音が良くなるUSBケーブルなんぞ可愛いもので、
「コンセント”プレート”19000円」とかスピーカーの間に置くパワーストーンとか、
新興宗教も真っ青な商売が成り立っています。

こんなんなら自宅にマイ電柱を建てたり発電所で音が違うとか言ってる方が
100倍は理にかなっています。

◯とはいえプラシーボも大事

Twitterで見られるアホな投稿ですが、


細かく解説するとPCDJのアウトプットにハードのフィルターを繋いでまして、
そのフィルター内部のオペアンプをJRC4558DDという80年代のレアチップに換装しました。
電解コンデンサ交換と相俟って解像度UPかつドンシャリ感が強くなってます。
こんな風に「古い音楽はその時代のシステムで鳴らすのが一番」とか、
科学的根拠は曖昧だけど気持ちがちょっとアガるくらいなら可愛いもんだと思います。
僕らの作る音は「原音」という概念が無くノイズも重要な素材である事から、
音質の定義も自由かつデタラメでいいんです。
TB-303やTR-808/909などの機材だって元祖ではあるけど「本物」と言う必要はありません。
だって当のRolandが既に同じ物を作れないんだからw

◯おまけTips「PCDJの音質向上」

インターフェースとDJミキサーの間にハードウェアのアウトボードやエフェクターをかますだけで、
デジタル臭さが消えます。プリアンプ、コンプレッサー、フィルターなどなど。
DTM的に言うならマスターに挿すエフェクターですよね。
原音を損なう ので歌物や生楽器を多用するDJには好まれなさそうですが、
トラック物主体のハウス/テクノやベース・ミュージックなどには絶大な効果です。

・VERMONA ACTION FILTER


DJ用フィルター。ヒュンヒュン言います。前述した通り改造してます。

・Strymon DECO

サチュレーター/テープエミュレーター。
何を通しても音が錆びます。
ソフトシンセがハードっぽくなるし、NU DISCOがRAW HOUSE風味になります。

・FMR AUDIO RNLA7239



コンプレッサー。
パンチのあるビンテージコンプを模擬したモデルで、
コンパクトながら音質も上々、値段も安いので一台持っておくと何かと活躍します。
安物ドラムマシンのキックもこれ通すと凶暴になります。
兄弟モデルにRNC1773という物もありますが、そちらは原音に忠実なタイプ。
DJ用途ならソッチの方が良いかもしれませんね。

・DRAWMER LX20



コンプレッサー。
90年代初頭のポップ音楽にはほとんど必ず使われていた、
なんて説もあるくらいの定番モデルだったようです。
RNLAより更にバッツーン!とした潰れ方をしますねー。
コンプの理屈を知らなくても「あの頃のハウスの音」が簡単につくれます。

◯まとめ

ボクが今まで一番印象に残っているオーディオ体験は、
「平面バッフル」と呼ばれる大きなベニヤ板にスピーカーユニットをつけただけのシステムで
聴かせて貰ったダブとレゲエ。リー・ペリーとかジミー・クリフとか持ってったんですが、
ディレイの残響音が雪崩のように襲ってきて思わず悲鳴をあげてしまった程でした。
あ、もちろんシラフです。キメてないっすよ。
この体験からしてドラッグに頼らずともトリップ出来ると確信を持っています。

いい音って何だろう?と考えると、大事なのは体験を重ねて耳を肥やす事だと思います。
音がいい、と言われるクラブで踊ってみたり、ピュア系のショップで自分の曲を試聴したり、
自作の曲を本職のエンジニアにマスタリングして貰ったり、
機材以外にも投資すべき物事は色々あると思います。

音楽のジャンルによって世界観が違うように、
音楽の聴き方も立場によっても価値観が様変わりします。
ピュアオーディオの価値観もエンジニアの価値観もアーティストの価値観も、
それぞれの美味しい所を上手く取り込んで自分の耳を肥やして下さい。

マシンライブのエフェクター考察

マシンライブのみならず通常のトラックメイクでも、
音作りにおいてシンセサイズと同等に語られるのがエフェクト。
シンセやミキサーに内蔵されている物もありますが、
いわゆるギターや弦ベース用の「ペダル」を中心に、
可搬性の良い、又はパフォーマンス性の高い物を紹介します。

エフェクター導入の目的が純粋な音質補正ならラック形を選べばいいし、
難しい事考えたくない人ならDJ用マルチエフェクターを選べば良いかと思います。
ここで挙げるペダルタイプのエフェクターは、
価格帯も個性の幅もメチャクチャ広いのが面白いところ。
1000円で買える中古のディストーションが案外アシッドベースにハマるとか、
5万円を超える単機能エフェクターの味もたまらないとか、
モジュラーシンセ以上に深い沼に溺れる事が出来ますぜ。

◯シンセに使えるエフェクター

本来なら入力インピーダンスやら最大入力dBやら小難しい理屈を勉強する必要がありますが、
色々と試聴したり何だりした結果は「まずは挿してみよう!」としか言い様がありません。
心配な方はメーカー公式に「ライン入力対応」と謳っている物を選べば間違いありません。
逆にあからさまに対応していない物にシンセの音を入力するとどうなるか、というと、
単に音が歪んで使い物にならないだけで、別にブッ壊れる訳じゃないんでご心配なく。
「その歪みがイイんだYO!」という方はご自由にどうぞ。

◯必ず試聴しよう

本来ならギターに繋ぐのが前提なのでYoutubeに上がっている動画はほとんどがギターの音。
ギタリストなら音の変化に察しがつくでしょうが、そうでなければ全然アテになりません。
楽器屋さんに「シンセに使いたいんだけど」と説明すればちゃんと対応してくれます。

たまに居るロケンローな老害店員だと怪訝な対応をされる場合がありますが、
ボク等はそんな奴等の100倍はロックな事をしているので怯んではいけません。
他の試聴客がドン引きする事もありますが、
そういうヌルい連中は808ロングディケイキックでブッ飛ばしてやりましょう。

◯迷ったらコレを買え!

ドラムマシンやシンセでアレコレ迷ってるのにエフェクターにはハマりたくねぇよ!
という人も沢山いらっしゃるかと思います。
結論から言いますと「カネねぇならBOSS、カネあんならStrymon」です。
この2ブランド、クルマで例えるならトヨタとレクサスです。
BOSSは初心者からベテランまで幅広い層に支持されてるだけあって、
中古のタマ数がハンパじゃなく多いです。1000円から売ってます。

予算ブチ込める人にはStrymon。
ライン入力対応どころかラック型エフェクターの代わりに使う人が多いほど高音質。
懐も広くメチャクチャ音いいです。

◯エフェクターの繋ぎ方

わざわざ説明する程でもないけど、
通常は楽器とミキサーの間に繋ぐのが普通です。
そこから一歩踏み込んでミキサーのSEND/RETURNに繋いでみたり、
音質補正系やフィルターならマスターアウトに繋いじゃったり、
ルーティング次第で色んな活かし方があります。

◯今まで触った事のあるエフェクターレビュー

自分で所有したり人のを触らせて貰ったりしたエフェクターを挙げていきます。
一部ペダルタイプ以外の物もあります。
みんな大好きディストーション系はまだ試した事無いんですごめんなさい。

●リバーブ系
・Strymon Blue Sky(35000円くらい)


これ鉄板です。生活苦しかった時に売っちゃったんだけど。
シンセ用エフェクターとしてもシェアが高く、扱いやすく高品質。
繋いだシンセの値段を10万円分は高く聴かせてくれます。
お勧めは幻想的な空間演出の出来るシマーモード。
強いて難癖をつけるならSpringモードにバネ感が弱い。

・EVENTIDE SPACE(7万円!)
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https://www.eventideaudio.com/products/stompboxes/reverb/space

エフェクターとしては超高額なリバーブ。まじ究極。
リバーブって言うか異次元空間発生装置。宇宙の法則が乱れます。
MOTHER32に繋いだのを触らせて貰っただけなんですが
リバーブの域を軽く超えた音作りが出来ます。
音作りっつーかコレで演奏できます。
BluSkyやBigSkyの高品質プラス超幅広いパラメータ。
ツマミいじってるとワケわかんなくなります。
リバーブ選びで苦労してる人はドーン!といっちゃいましょう!

・DAN ELECTRO SPRING KING(1万円ちょい)
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http://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/27582/

スプリングリバーブのピチャピチャ感を求めるなら本物のバネに限ります!
実はコレより高い(本物のバネ使った)スプリングリバーブを何個か試したんですが、
ピチャピチャ感はコイツがトップです。
ラインレベル対応とは言ってませんが、ドラムマシンやアシッドシンセは普通に使えました。

ノイズも多く低価格&低品質ですが、全て味として受け入れられます。
改造して壊しちゃったけど、動画あげてたんで参考にどうぞ。

YouTube Preview Image

・TC Electronic Hall Of Fame & Mini(1万円台前半と後半)
hall-of-fame-reverb-persp
http://jp.music-group.com/TCE/Guitar/HOF_Mini/


普通のサイズとツマミ一つのミニVerとあります。
ギリギリまで迷って結局買わず仕舞いだったけど結構試奏させて貰いました。
Strymonほどの予算が無い方にお勧めの素性のいいリバーブです。

・ElectroHarmonix HolyGrail(1万円台後半)

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http://www.kcmusic.jp/ehx/holy-grail.html

デジタルだけどバネ感の演出がSPRING KINGに次ぐほど強いSpringモード、
フェイザーがかかったようなサウンドになるFlerbモード、
真面目にもイケるし変態プレイも可能な万能リバーブです。

が、残念な事にツマミを12時より右に回すと音が壊れます。
恐らくライン入力に耐えられないのか音割れとノイズで使い物になりません。
薄くかける分には上々の効果です。

・TC Electronic T2(1万円台後半)

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http://jp.music-group.com/TCE/Guitar/T2/
TC Electronicは3種類ものリバーブペダルをリリースしているけど、
一番ブッ飛んでるのがコレ。
格安で異次元系リバーブが欲しい方にお勧め。

●ディレイ系

・Strymon El Capistan
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http://www.allaccess.co.jp/strymon/elcapistan/
これも鉄板です。やっぱり生活が苦しい時に(以下略)
ちょっと優等生過ぎる面もあるけど、これ買っとけば間違い無いです。

・Kastam SS-101

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カラオケ用8トラテープを使った(本物の)テープエコー。
ペダルじゃないんだけど自分のエフェクター観を決定づけた問題機。
テープって通すだけで音が太く暖かくまろやかになるんです。
こればかりは現代の技術を持ってしてもシュミレーターでは再現できません。
デカいから持ち歩きには向いてないんだけど。
あと壊れちゃったのに直してくれる所が無さそう。

YouTube Preview Image

・EP-103 ECHOPLEX DELAY
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http://moridaira.jp/posts/jdunlop-ep103

往年のテープエコー名機ECHOPLEXのシュミレーションモデル。
そりゃま本物のテープには敵わないけれど、かなりイイ線いってます。
もうエフェクターというか【電子マリファナ】です。
キャラクター的にはEL Capistanが凶悪になった感じ。
何より気に入ってるのがFEEDBACKを最大にした時の発振音。

・VOCU VTE-1600
vte1600

http://www.vocu.jp/products/VTE1600/vte1600.htm

国産最後のテープエコー。
2004年くらいまで生産されていたようでヤフオクで入手しました。
本物のテープを使った物としてはかなりコンパクトで軽量。
窓からテープがウネウネ動くのを観ていて飽きません。
音質は上記のSS-101にくらべてかなりマイルド。
原音と遅延音が凄く変わるのがまたたのしいです。


 

●プリアンプ/サチュレーター系

・EP-101 ECHOPLEX PREAMP
dunlop-echoplex_preamp_002

http://moridaira.jp/posts/jdunlop-ep101

これはECHOPLEXのプリアンプを再現ってか回路そのままペダルにしちゃったもの。
ぶっちゃけ味付けは地味。だけどこの地味さ加減が絶妙で便利です。
コンプレッサー的にも使えますね。

・Strymon DECO
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http://www.allaccess.co.jp/strymon/deco/

DAWのプラグインでは認知度の高いテープサチュレーター。
これ通すと「テープの音」になるって言うんですが、
テープというより真空管っぽい音になりますね。
パフォーマンス向けというよりは音質補正の役割が強いんですが、
DAW上のプラグインソフトより遥かに濃い味付けになります。

●フィルター系

・VERMONA RETROVERB LANCET
retroverb_lancet_rearqt_l

http://www.fukusan.com/products/vermona/retroverb_lancet.html

フィルターにオーバードライブ、LFOとスプリングリバーブまで付いた便利エフェクター。
オシレーター繋げばもう立派なシンセですね!
前々から憧れていて中古で見つけた時にサクっと買ったんですが、

・スプリングの効きが微妙(バネ感を強調しないタイプ)
・オーバードライブが効きすぎで収拾つかない

などなど期待はずれだったので売ってしまいました。
恐らくは単体のオシレーターと繋いでシンセとして使うのが良いかと。
エフェクターとしては使いこなすのに苦労しそうな暴れん坊タイプです。

・MXR BASS ENVELOPE FILTER
maxresdefault-1
http://moridaira.jp/posts/mxr-m82

いわゆる「ワウワウ」な音を出したくて買ってみましたが大当たり。
アシッドベースを通すと間抜けで面白い音になります。
しかし素性はよくDRY音とFX音と独立したツマミだったり、
レゾナンスはもちろん発振するしきい値を調整できたり、
音作り用途、パフォーマンス用途共にかなり奥の深いエフェクトです。

・VERMONA ACTION FILTER 2plus
action_filter_2_plus_l1

http://www.fukusan.com/products/vermona/action_filter_2_plus.html

1Uラックサイズですが奥行きが無い為に何とか持ち運べます。
DJ用フィルターでレゾナンスを上げてカットオフをひねるとヒュンヒュン言います。
これのオペアンプを交換した物をマスターアウトに挿してます。

モジュラーシンセの育て方

海外ほどではないにせよユーロラック・モジュラーシンセの認知度も高まってきてますね。
買わないまでも選択肢の一つに考えている方は多いかと思います。
導入するとなると高級ブランド物やビンテージシンセ並みの予算が必要になってしまいますが、
それらに比べた時のモジュラーシンセのアドバンテージとはズバリ「共に育つ事」。

自分の成長に合わせて少しずつアップデートをする事が出来るのが最大のメリット。
始めた当初はアナログシンセの操作をロクに知らなかったくらいなんですよ。
VCO/VCF/VCAやEG各々の信号のやりとりを、
結線しながら身体で覚えました。

初めての海外通販もモジュラーシンセから。
初めてのDIYキットもモジュラーシンセから。
シンセ界広しと言えどもこれほどサディスティックな教材はないでしょう。
お陰様でだいぶ鍛えられていますよ。

今回の記事ではモジュールを選ぶ際の理由や動機を紹介していきます。
が、その前に。

◯モジュラーシンセの厄介なポイント

・買う前にリサーチがしづらい
「このモジュール欲しいな」と思って動画を検索してみても、
他のモジュールとの組み合わせでその動画の音が成り立っているんですから、
あんまり参考になりません。
デモ動画で好印象だったけど2.3日で売り飛ばしたモジュールもあります。
ここは割りきってスペックとデザインだけで決めてしまうしかありません。

・音出してるよりバラしてる時間の方が長いかも
組み上げるまでにアレコレ迷うのが楽しいのですが、
演奏や音作りという本来の目的から外れて明後日の方向に邁進してしまう方が多いです。
自作に走るとか光るとか煙出すとか。。

・ケーブルがウザい
最大の特徴でもあるパッチケーブル、ツマミやスイッチを操作するには邪魔でしょうがない。
背の低いプラグやL字プラグなども試してみましたが決定打には出会えていません。

・壊れたら自己責任が基本
欲が出ると色々と詰め込みたくなって無茶をするんですが、
隣のモジュールやケース内部の金属部分と基板が干渉してショートしてしまう事が多々有ります。
ケースから外せば正常に機能するケースがほとんどですが、稀にお亡くなりになる事も。

またメーカー問わず初期不良品はけっこう多いですね。
もちろんお店で買ったものなら交換してくれますが、
流通しているものの大半がガレージメーカーの手作り品なので、
ここは大目にみてあげましょう。

◯コンセプト

自分が持ち歩ける限界の大きさ重さで、
ベース用途と上モノ用途のモノシンセ二つを90HPのハコに収める、
ってモジュラーシンセとしては割と単純な用途だと思ってます。
ぶっちゃけ10万出してMINITAURとMONOTRIBEあたりを買えば
それで済んでしまいそうなんですがソコは言わない約束でお願いします。

デザイン的には黒いモジュールを基本にして、
アクセントとして銅板フェイスプレートに変えた物を使っています。
ツマミは視認性と回し易さと値段を考えて白や明るい色の物を使ってます。
パッチケーブルは黄色をメインに。
だけど完全に統一しちゃうとカオス感が無くなって面白くないので、
たまに色合いを崩したりハズした色を入れてます。

ちなみに要らなくなったモジュールはほとんどヤフオクに流しちゃってますが、
オークション上ではかなり需要が高く買値の2/3くらいで確実に落札されます。
自分もよくチェックしてますしね。

◯第一期~第三期までの工事概要

・第一期



「ヤバい音の出るアナログモノシンセが欲しい」という要望が
エスカレートしてモジュラー組んでみよう!って事になりました。
ほぼ見た目だけで決めたBlueLanternのモジュール中心に揃えています。
組んだはいいけど音の出し方が全く分からずにショップに泣きついたのはいい思い出。

・第二期

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2系統のCV/GATEが出せるPittsburgh MIDI2、
無駄にデカいVCOを辞めてオシレーターを二つに、
VCA兼フィルターもピーキーな物と素直な物とに二つ用意し、
「一つの筐体で二つのモノシンセ」というコンセプトはここから始まりました。

・第三期

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この時期から自作やら改造やらの如何わしい方向に進んでしまいます。
DIYキットに手を出したりフェイスプレートを特注で制作したり、
オペアンプやコンデンサを交換してみたり。
デザインもまとまってきましたが、ちょっとまとまり過ぎかなぁ?

◯第四期改装工事概要

だんだん「分かってきた」ので現場での使い勝手を重視し、
コンセプトに則った上で更に多機能&高音質かつ使い易くなるようにモジュールを入れ替え。
・アナログオシレーター「even/BEFACO」を二つ使ってましたが、
ベースにはいいけど上モノはもっと色んな音を出したいって事で、
デジタルオシレーターに手を出してみます。

・ローパスゲートを体験したくて「Apature/RYO」を導入しましたが、
あんまり好みじゃなかった上に
デジタルオシレーターの多彩な音を活かせないっぽいので、
オーソドックスなフィルターに戻します。
するとVCAも必要になってきますね。

・壊しちゃったアウトプットとリバーブの代替品を物色します。

◯今回導入したモジュール

購入先は神田の宮地楽器や原宿のFiveG、
海外のショップはPerfectCircuitやMUSIC STOREをチェックします。
送料込みでも海外から買ったほうが安い場合もありますね。

・Ciao! / Bastl Instruments

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2chのミキサー兼アウトプットモジュール。
木製パネルで工芸品のような作り込みの凝った素敵モジュールです。
壊しちゃったPittsburghのOUTの代わりに買ってみましたが、
こちらの方が圧倒的に音質が良いです。これにはビックリしました。

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それもその筈これだけの機能に8コものオペアンプを使っています。
そのうち4つはOPA2134と中の上ランクの物。
ホント低域から高域まで出力できる範囲が拡がりました。

強いて難点を挙げるなら5HPと幅が中途半端、
奇数HPは他との組み合わせが面倒だったりしますよね。

・Modstar QUADNIC / Studio Electronics

Processed with Snapseed.

64種類の波形、4つのオシレーターを備えたDCO。
PerfectCircuitのアウトレット品を200ユーロで購入。結構お得でした。
出せる音の幅はグンと拡がりますが、操作は複雑で厄介です。
出音もゴッツく多彩な音作りが可能ですが、当分使いこなせそうにありません。

・Verbtronic / Pittsburgh Modular

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デジタル・リバーブ。
モジュラーシンセのリバーブってラインナップが少ないのですが、
その中でもコレはシンプルかつ高品質なリバーブです。
Feedbackツマミでディレイのように発振させる事も可能。
残響音にデジタル的な粗さがあり機材の味として受け入れられるかどうか。。

・A-124 Wasp Filter / Doepfer

Processed with Snapseed.

これはEDP WaspというMINIBRUTEのご先祖様みたいなシンセのフィルターを再現したモデル。
荒っぽい音がするという事ですが、BIG TWEEPに比べればずっと素直。
Levelツマミは音量的にはチト足りず常にMAXの状態になりそうです。
Feqの開閉はクセの無い素直なカーブで好感触。
レゾナンスを上げてもあまり発振しない所が気に入ってます。

そしてこのフィルターの面白い所が一番下のMIXツマミ。
ローパスとハイパスをこのツマミでクロスフェード出来るんです。

あとDoepferのモジュールはツマミのトルクが重くて回し心地が最高です。

・pico VCA / EricaSynth
何かと話題のエリカシンセpicoシリーズ。
パネルの質感も良く手始めにVCAを導入しました。
こんなサイズでどうなのよ?と思われがちですが、
BIG TWEEPに内蔵のVCAと比べても遜色なく使えます。

・BlankPanel 1HP / MakeNoise
黒い1HPのブランクパネルってナカナカ無いんですが、
MakeNoizeのロゴ入りが600円くらいでFiveGにありました。

◯まとめ


Processed with Snapseed.
いつ完成するんでしょうか?そもそも完成ってなんですかね?w
QUADNICが多彩過ぎて困ってますが、全体として表現力が上がったと思います。
picoシリーズのシーケンサーとクロックディバイダー欲しいな。
特にクロックの方はSQ-1と組み合わせて更に面白い演奏が出来そう。

アシッドベースによる幻覚再現入門

四つ打ちダンスミュージックでは既に伝統芸能扱いになっているアシッドベース。
Phuture「Acid Tracks」が生まれてから30年経っていますが、
そもそもこの「アシッド」ってなんでしょう?
意外と知られていないアシッドのルーツに近づいてみます。

お暇な方は過去記事と合わせてお読み下さい。
アシッドベースによる脳髄破壊入門

◯アシッドの語源とサイケデリックカルチャー

「アシッド」とは1960年代にアメリカで流行したドラッグLSDの隠語。
音楽や芸術はもとより20世紀のユースカルチャーにおいて、
違法合法問わずドラッグの流行が重要な要素である事は間違いないんですが、
このLSDほど音楽や美術に影響を与えたドラッグはありません。

このトリップ体験を絵や音楽で再現しようとしたものがサイケデリック・アート。
極彩色の色使いと極端に歪んだ文字レイアウトのデザインは今でも見かける事が多いでしょう。
絞り染めのTシャツとかもこの頃が発祥です。
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LSDは60年代末にはアメリカを始め各国で違法薬物に認定され、
社会的に抹殺されましたがアンダーグラウンドでは根強く流通していました。
マリファナほどでないにせよ90年代半ばの日本でも入手可能だったそうです。

90年代の日本では「’70sリバイバルブーム」といってファッションや映画、音楽など
70年代の文化が再評価されていたので(ボク自身ドップリはまりました)、
’60sも’70sもだいたい一緒じゃんって事でヒッピー文化と共に
サイケデリック・アートも受け入れられていました。
なのでLSDの話もよく聞いていたし、
「ビデオドラッグ」という観るだけでトベると謳うCG動画も流行していました。

◯LSDの疑似体験とTB-303によるシーケンスの歪み

このドラッグをキメた時の体験談をまとめると、
最初は景色や空間が歪むようにうごめいてるように見て、
その後は目に見える全てが極彩色に見えるそうです。

ここで一つ、LSDのトリップを疑似体験できる動画を御覧ください。

YouTube Preview Image
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この動く幾何学模様をパソコンのフルスクリーンで30秒以上凝視した後に、
部屋の景色を眺めると天井や壁、家具などが歪んで蠢くように見えてしまいます。

ハナシ変わってTB-303のシーケンスを特徴づける「スライド」機能。
「スライド」又は「グライド」とはシーケンサーによるボルタメント奏法を
行なう機能なんですが、Wikipediaからボルタメントの意味を抜粋します。

————-
ポルタメント (portamento ) は、
ある音から別の音に移る際に、滑らかに徐々に音程を変えながら移る演奏技法である。
イタリア語の”portar’ la voce “、フランス語の”port de voix “
(いずれも「声を運ぶ」の意味)に由来し、
声楽やヴァイオリンなど擦弦楽器の表現方法であった。
————-

ただこのTB-303によるボルタメント奏法は全然滑らかな変化ではなく、
メロディ的に考えると気持ち悪い音程の変化なんですよ。ウニョンって言うし。
これも当時のミュージシャンにTB-303が好かれなかった理由だと思います。

Phuture(というかDJピエール)がAcid Tracksを「発見」した時、
TB-303のスライドによる音程変化が「なんかグロくて面白いじゃん!」と、
LSDをキメた時の空間の歪みに似ていると気が付いたんじゃないでしょうか。

半分は自分の勝手な推測ですがACIDと名付けられた所以はここにあると思います。
上の動画を観た時に「あー!これの事か!」とひらめいちゃいました。

◯セカンド・サマー・オブ・ラブからハードフロアへ

シカゴで良作駄作玉石混交のアシッドハウスが量産され、
それをシカゴ以上に熱狂をもって受け入れたのはイギリスでした。
パンクムーブメントで下地が出来ていた反商業主義な音楽嗜好とDIY精神をもって、
レイブと呼ばれる大規模な野外パーティが工業都市を中心に開かれました。

レイブと共にMDMA、通称エクスタシーというドラッグが大流行し、
60年代にLSDとロックによって産まれたサマー・オブ・ラブの再来と大騒ぎになったようです。

このエクスタシーとLSDについて詳しいドキュメンタリーを見つけたので、
お時間ある時にどうぞ。とても興味深い内容です。
YouTube Preview Image
そして90年代になるとドイツから新世代のアシッド・クリエイター「ハードフロア」が登場。
アシッドハウスはLSDのトリップ願望を切り捨て音楽として進化を遂げます。
「ディストーションがアシッドベースのお約束」になったのもハードフロアから、だそうです。

◯アシッドハウスとアシッドテクノの微妙な違い

ボク自身はハウスDJとしてのルーツを辿っていく過程で80年代のアシッドハウスと出会ったのですが、
90年代前半のハードフロアが牽引したアシッドリバイバルや、
日本のテクノクリエイターによるアシッドテクノの影響を受けた人の方が多数派です。

その違いは微妙ではありますが、
テクノ畑の人はフィルターの開閉(とレゾナンス)に重きを、
ハウス畑の人は上記のスライドに重点を置いた曲作りをしているように思えます。

アシッドテクノは純粋な音の格好良さを、
アシッドハウスはLSDのトリップ体験の再現を求めているんじゃないでしょうか?
もちろんドッチもアリなので、自身の気が付かなかった奏法を身につけて下さい。

◯伝統芸能としてアシッドを後世に伝える

歴史や文化を次の世代に伝える際には、
どうしても臭いものにフタをしてしまいがちですが、
実はその臭い部分に本質が隠されているものです。
DJとしてアシッドをプレイする時、トラックメイカーとしてアシッドを作る時、
これら負の側面を受け入れた上でパフォーマンスに臨んで欲しいと思います。
ドラッグ無しには生まれなかったしドラッグ無しでは僕らの耳に届かなかった音楽です。

もちろんLSDにしろエクスタシーにしろ
どの国でも違法なものですから野放しに肯定する訳にもいきませんが、
彼等が法を侵してでも求めた神秘体験と快楽、
そこに至るまでの鬱屈とした環境に理解と共感を深めていきましょう。
そしてご自身が何故この奇っ怪な音楽に魅せられたのかを反芻して下さい。

なにせ音楽史では二度目、ダンスミュージックの歴史では最初で最後の
「国家さえも揺るがしたムーブメント」です。
揺るがした主犯はドラッグの方でしょうが、それを象徴する音楽として
アシッドが国家や社会から目の敵にされたのは想像に難くないでしょう。
古代中国の書物に書かれた「亡国の音楽(淫らで哀れな音調が国の滅亡を暗示する)」。
アシッドにはこの負の力が隠されているような気がしてなりません。

◯現代のアシッドが担うべきもの

ドラッグ・ミュージックとして悪名高いアシッドですが、
これからはドラッグと離れつつトリップを助長する音楽になって欲しいものです。
そもそもLSDやエクスタシーをキメたいと思う動機、
それをクリエイティブ作品として表現してやればいいんです。

60年代のヒッピー達が有難がった東洋の神秘主義なんてものは、
日本人の僕らからすりゃ毎日の生活に溶け込んでいるものですしね。たぶん。
スライドによる旋律の歪み、反復する多幸感、フィルターで開くチャクラ、
アシッドハウスにもアシッドテクノにも備わっている物なんじゃないでしょうか?

クオリティの高いトラックメイキングと優れたサウンドシステム、
IT革命によって世界中の音楽を通ってきた耳をもってすれば、
ドラッグも酒も抜きにブッ飛べる筈でしょう。

ビデオドラッグならぬリズムドラッグ。
アシッド馬鹿を自負するハウスDJとしては、ここを目指したいと思っています。

◯おまけ

Youtubeチャンネル「L U F T K R A F T」では
「LSDトリップシュミレーター」なるド直球のビデオドラッグを鑑賞できます。
https://www.youtube.com/channel/UCbPtSsm_CCchez3Jw-WVdFA/videos
アラフォーのオッサンオバサンには懐かしくもヤバい動画がてんこ盛り!

また「Anita Lee」では
LSDやエクスタシーだけではなくマリファナやコカイン/ヘロインと
アメリカ政府との闘いの歴史をまとめたドキュメンタリーが色々あります。
https://www.youtube.com/channel/UCCtTPbXFPNuQdpL8XrP-MKQ
マリファナ編は目からウロコ落ちたわ。
禁酒法時代にジャズとマリファナが流行ったそうねー。

novation CIRCUITレビュー

発売当初はイマイチ話題に上がらなかったけど、
ここ1,2週間ほどtwitterのシンセクラスタの間で何故か絶賛され出したCIRCUIT。
ちょうどVAシンセを買おうと思っていた所なので、
動画を観たり楽器屋で触ってみてサクっと買ってしまいました。

今までマニアックで変態性の高いプロダクトにしか興味が湧かなかったのですが、
そのせいで満足に習熟出来ないのは本末転倒だと反省してた所なんですよ。

簡単にスペックを挙げると、

・VAポリシンセx2とドラムx4
・外部音源も制御できるシーケンサー
・ファームウェアのVerUPでサンプルも使える
・ACアダプタ/電池駆動/スピーカーもあるよ
・新品でも40000~46000円と割と安い価格帯

同じ価格帯の対抗機種としてはKORGのelectribeあたりでしょうか。

上っ面だけでの比較だと、

electribe
・16トラックらしい
・何だかんだ言っても機能は充実してる
・PCレスでひと通りの事ができる
・良くも悪くもKORGらしい癖のある音
・パッドがヘボい

CIRCUIT
・シンセx2、ドラム(サンプル)x2の6トラック
・現場でのプレイに割り切った印象
・音作りはPCエディタが必要、ってか色んな設定にPC必須。
・ソフトシンセに近い優等生な音
・ディスプレイが無い

自分の場合は以前ブっ壊したblofeldと迷っていたんですが、
もちろん純粋なシンセサイザーとしての性能はblofeldの方が格段に上。
しかしシーケンサーが付いているのと、
革新的とも言えそうなワークフローに期待をしてCIRCUITを選んでみました。

◯デザイン

Circuit-large

大ヒットしたMIDIコン[LaunchPad]に似た良くも悪くも今どきのデザインで、
パッドがキラキラうるせぇっス。
この手のMASCHINEとかAnalogRYTMとかの光るパッドって、
電子楽器系では最新の流行りなUIなんですがどうも玩具っぽくて少々苦手でした。

上手い!と思えたのがツマミの下のインジゲータ。
ツマミを右に回すと徐々に明るく、左に回すと暗くなっていきます。
シンプルだけどホント分かり易い。

◯デモソングとプリセットの音


YouTube Preview Image

とりあえずデモソングをひと通り聴いてみて遊んでみましたが、
デザイン通りのキラキラした音や綺麗で細い音が得意なようです。
言い方は悪いけど「良く出来たソフトシンセ」という印象です。
YoutubeにUPされている動画もそんな感じ。
minilougeのようなミニマルテクノが好きな方にはバッチリでしょう。
あと音圧が高いのか何なのか、
ボリュームを絞っていても他機材よりも大きく聴こえます。

◯シーケンサー

結論から言うと今まで触ってきたシーケンサーの中で最も秀逸。
とにかく触って下さい!

シンセパートの場合、
8×4列のパッドのうち上2段がキーボード、下2段がステップ。
下段のステップキー(トリガーキー)を押しながら
上段のパッドで音階を決めます。
ポリシンセなので1ステップあたり6音までイケるんですが、
6音までならシーケンスを走らせながらキーボードで演奏する事も可能。
更にはキーもスケールも設定可能。
適当にパッドを押してもちゃんと音楽っぽいフレーズになります!

音階と同じようにベロシティ、ゲート(音の長さ)もステップごとに設定出来ます。

更に「Nudge(ナッジ)」でステップをずらしたり、
「Length(レングス)」で1小節あたりのステップ数を変えたり出来ます。
レングスは各楽器ごとに別々に設定できます。
これらは機能的にはOCTATRACKでも同じ事が出来ますが、
32個の光るパッドを備えたコッチの方が遥かに分かり易く操作性が高いです。

右側3つの青いボタンPattern/Mixer/FXも直感で分かる操作性。
このあたりはKORG gadgetを意識しているんでしょうか、
メチャクチャ操作し易いです。

ノート入力を始めとしたシーケンサーに関しては革命的ワークフロー。
自分のように楽器が出来ない人ほどこの有難みを強く感じるかと思います。

※外部音源を鳴らす場合

FullSizeRender 3

Synth1がMIDIチャンネル1、
Synth2がMIDIチャンネル2、
DrumはMIDIチャンネル10です。
チャンネルの変更は出来なさそう。

シンセパートは6和音までいけるんで、
ポリシンセをお持ちの方ならシーケンサーとしてだけでもお買い得。
写真のようにモノシンセ2つじゃチトもったいないです。

※打ち込みが面倒な人の為の手抜きフレーズ入力

FullSizeRender 6

・ネットに転がってたり市販で売ってるMIDIフレーズを集めます。
・DAWからCIRCUITを演奏できるように設定します。
・AbeltonやBITWIGなら適当にファイル並べてアレコレお試しできます。
・DAWでは1小節のループで再生するように設定します。
・CIRCUITの録音ボタンを押してDAWをスタートさせます。

これでちょー簡単にMIDI譜をCIRCUITに流し込む事が可能です。
これOCTATRACKの時には色々悩んだ挙句に結局出来なかったんですよ。

◯パラメータ

最上段の8つのツマミで各種パラメータを変えられるんですが、
さすがにアナログシンセ程の可変幅ではないようで、
フィルターの効きなんかもチトもの足りない。
パッチごとに8つのパラメータの割り当てが変わってしまうのも少々混乱します。

が、これら全てエディタで設定出来る模様。

◯エディタ/サンプル

FullSizeRender

・シンセエディタ
音作りと8つのツマミの機能割り当ては専用のエディタを使うんですが、
軽く弄ってみると第一印象がひっくり返ります。
まずビビったのが「どうせ優等生的サウンドしか出ないんだろ」と思っていたのに
かなーりエグくてワルな音やクラシカルな音も作る事ができそうな予感。

シンセサイザーとしての全ての機能にアクセスできるので、
複雑怪奇な音作りが出来そうです。
モノシンセでアップアップしてる自分にはちょっとハードル高いかも。
つーか面倒なので他人様の作ったパッチを頂こうと画策しましたが、
Novationのページでは
「FaceBookページにユーザーの投稿したパッチが色々あるよ!」
と言ってるのに見つける事が出来ませんでした。

そこでパッチ集でも売ってねぇかな?と検索したところありました!
http://www.lightfinger.net/#!shop/vhm6q
32個のパッチで15ドル。
とりあえず買っとくかー、とポチってみましたが、
1日遅れで届いたメールには、
「32個はまだ出来てないんだ1日待ってくれ。とりあえず5個だけ送るわ!」
とかヌカしやがってます。
まぁ気長に待ちますかねw

・サンプル

ドラムの代わりに最大60秒64個までのサンプルを入れる事もできます。
しかしサンプルのインポートがちょっと特殊で、
wavでもmp3でもいけるけど独自のフォーマットに変換されるみたい。
WEBアプリを使って行なうようですがChorome/Operaのみ対応なようです。

ちなみにCIRCUIT専用のサンプルキットも販売しています。
https://www.abitdeeper.com/collections/circuit-expansions
とりあえずハウスセットを買ってみたけど、
オールドスクールの香り漂うオッサン殺しマシンに早変わり!

※要注意
このWEBアプリではサンプルセットをまたいだコピペが出来ません。
なのでsyxファイルとして販売している上記のサンプル集は、
複数のセットを買って美味しいトコ取り、って事が不可能です。
上記のAbitDeeperというサイトでは元になったサンプル集が売っているので、
そちらを買ってWEBアプリでシコシコ割り当てしましょう。
ダブテクノ、シカゴハウスなどプリセットには無いシブ目のサンプルです。

※Drumトラックに仕込んだ上モノに音階をつける方法

・シーケンスを止める
・Volocity設定モードにする
・録音ボタンを押す
・該当するステップのパッドを押すと赤く光る
・ツマミ1or2でピッチを変えながらパッドを叩いて音程を調節
・終わったら録音ボタンを押して設定完了

マニュアルの46ページに書いてあるんですが、
シンセパートに音階をつけるよりチト面倒ですね。
なんか調子っぱずれなメロディになるんですが、
そこがまたオールドスクール感があっていいんですよ。

◯ココが惜しい

・サンプルエディタの入れ替えが面倒
CIRCUIT COMPONENTSというWEBアプリを使って
サンプルの割り当てをするんですが、
サンプルセットというsyxファイルにまとまっている為に
セットをまたいだコピーが出来ないんですよ。
wavファイルの時点でキッチリまとめないといけないようです。
(セット内の割り当てはGUIで簡単にできます)
やっぱりWEBアプリはダルいですね。
パッチやセッションの管理も含めた総合的なエディタがあればいいな。
有料でも喜んで買いますよ。

・マスターにかかるフィルタが地味
エディタでもいいんでレゾナンスを変更出来たらいいのに。
と思っていたらココのフィルターはアナログなようで無理っぽいです。
バラして抵抗入れ替えるとかいうレベルでしょうね。

・せっかくのシーケンサーが2パートしかない
即興演奏も打ち込みもMIDI譜流し込みもイケるシーケンサーって
国内で普通に入手出来る機材では他にありません。
超有能シーケンサーなもんだから色々と鳴らしたくなっちゃいます。

そうは言っても、
エディタやサンプル対応などVer.UPで機能強化をしているので、
ソフト的な問題は今後改善されるかもしれません。

◯こんな人におすすめ

・家でゴロゴロしながらフレーズのスケッチをしたい人
・小難しい設定抜きに簡単に演奏がしたい人
・機材にお金かけたくないから一台で済ませたい人
・iPad音楽アプリにハマったけど飽きちゃった人
・楽器が出来ない、覚える気もない人
・ポリシンセ用のシーケンサーが欲しい人
・手軽にminilougeごっこしたい人

◯おすすめできない人

・PCから離れてハード環境のみでやりたい人
音色のエディットにPCやWEB環境が必須です。
本体でのパラメータ操作は、
あくまでもパフォーマンス用と割りきってしまいましょう。

・既にDAWをライブセットに使っている人
ぶっちゃけ出音はソフトシンセに近いし、MIDIコンの方がいいです。

◯まとめ

「これ一台で何でも出来るやで」と謳う機材に散々だまされてきましたが、
コレは複合機として非常に高いバランスのとれた機材です。

シンセサイズをPCエディタのみに割り切ってしまう事で、
ワークフローがキッチリ整理されているポイントが素晴らしい。

電池駆動&スピーカー内蔵(もちヘッドフォン端子も)なんで、
ベッドからスタバまでiPadばりに色んな所で演奏できるのも楽しいですよ。