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Music Production CenterとしてのMPC LIVE(3)

MPCの連載を初めてからPVが1.5倍に膨れ上がり有り難い限りです。
だけどいわゆるMPCらしい使い方にはあんまり触れないと思います。
指ドラムやんないしヒップホップもやんないです。少しやってみたいけど。

改めて申し上げますとですね、
当連載では「PCレスで持ち歩けるスタンドアロンDAW」としてのMPCを紹介していこうと思ってます。
基本的に覚書なので間違った解釈をしている事もあるでしょう。
ジブンそもそもヒップホップでなければテクノでもないし、
やりたいのはハウスとダブなので輪をかけて参考にしづらいと思います。
どうぞご了承くださいましー。

前回はファイル構造とドラムプログラムの組み方を紹介しましたが、
今回は他のプログラムとトラックの関係について掘り下げてみようと思います。

◯MPCで言う「プログラム」とは


一般的な解釈のプログラムという単語とはニュアンスが微妙に違うようで、
MPCで言う「プログラム」とは各トラックに割り当てる機能の種類、という意味になります。
ちょうどELEKTRONで言う所の「マシン」と同じものでしょう。

・ドラムプログラム

最もシンプルで取っ掛かり易いプログラムですね。
主にドラムのようなワンショットサンプルを扱います。

・クリッププログラム

ドラムプログラムがワンショットなのに対し、
こちらはループサンプルを扱うプログラム。

・キーグループプログラム

こちらはベースやリードなど音階演奏が前提のサンプルを扱います。
MPCがPCMシンセになるって事です。
プリセットだけでなくAKAIや他ベンダーからも楽器のセットが販売されてますよ。

・MIDIプログラム

ここは外部音源を操る為のMIDIノートですね。
例えば仕込みの際はキーグループの仮音でフレーズを作り、
本番ではMIDIプログラムに変更して外部音源を鳴らす、という事は可能です。

※MPC-X専用のCVプログラムとソフトウェア専用のプラグインプログラムは割愛します。
あと「AUDIOトラック」に関してはまた今度。

カタい頭なもんで把握するのに時間がかかってしまったんですが、
前回の記事でのワンショットサンプルの割り当て作業は、
「数あるプログラムの中のドラムプログラムを利用した」だけに過ぎず、
トラックは更に上の概念だって事です。

◯パッドミュートとトラックミュート

ヒップホップではわかりませんが、四つ打ちのプレイだとミュートプレイは即興の要。
ミニマルだと1小節のパターンを抜き挿しによって5分でも10分でも引っ張るのはザラです。
始めは何故ミュート方法が2種類あるのか不思議に思ってましたが、
「各ドラムのミュートはパッドミュートで、ドラム以外のパートはトラックミュートで」
という解釈をすると掴みやすいです。もちろん幾らでも応用できます。
ちなみにトリガーミュートではなくオーディオミュートなので長い音を消す時は注意しなくちゃいけませんが、
ミュートのタイミングを音符や小節単位で設定する事ができます。

◯トラック構成の例

その辺を踏まえて仮にトラック用途のテンプレートを考えてみました。
下から1列目はドラム、2列目にベース、3列目に上モノ、4列目にその他、として、
ベースと上モノは短い音が左に、長い音を右に配置、右の三つは外部音源用のMIDIプログラムとしています。
本番中に出来るだけ画面を見なくても済むように、
また直感で配置を覚えやすいようにテンプレ化してしまうのがお勧めです。

◯アウトプットルーティング

MPCを単体で運用する時は意識しなくても良いんですが、
外部ミキサーと組み合わせて使う場合はルーティングを設定します。



たとえばこんな風に繋ぐと、特定のパートだけにエフェクトをリアルタイムでかける事が可能です。
こういうエフェクトとミキシング主体のプレイがレゲエから派生した「ダブ」。
MPCを使えばPCレスのダブ的なライブプレイが出来るんですよ。

これ、当然MPCの内部ミキサーと内部エフェクトでも十分できます。
だけどフェーダーとエフェクトをフィジカルに操るのがダブの醍醐味です。
また綺麗過ぎる音質を適度に荒らす目的もあります。

MPC LIVEは最大6系統のパラアウトが可能で、
最大128(ここでは16までとしてます)のトラックを6つのグループに分ける事が出来ます。
ルーティングの設定はMENUから[PAD MIXER]と[CHANNEL MIXER]で行いますが、
チャンネルミキサーはトラックだけでなくプログラム単位など複雑なルーティングが組めます。



ルーティングの設定は混乱しがちなんで、紙に書いて頭の中を整頓させた方がいいです。

◯まとめ

MPCをロジカルに扱いたい場合はこんな風に自分ルールを設定してテンプレ化してしまうのが近道です。
チュートリアルでは「デモを使ってみよう!」から「自分のサウンドセットを仕込んでみよう!」となる訳ですが、
このプロセスにクドい程の時間をかける事で応用の効くスキルが得られると思っています。

しかしここまでくると「もう素直にAbletonとかBITWIGでいいじゃんよ。。」と思われるでしょうね。
あるいは「指ドラムで叩きたいんだからそんな理屈はイラネーよ」と言う人もいるでしょう。
素直な人なら是非そうして下さい。ただこのギョーカイ素直じゃない事が最大の個性であり武器です。
自分も「OCTATRACKでやりたかったけどやり切れなかった事」に再挑戦している訳で、
これでダメなら諦めてパソコン使いますw

Music Production CenterとしてのMPC LIVE(2)

サンプラーの使い方をOCTATRACKで覚えてきた身にとってはナカナカ辛いMPCのインストラクション。
どうやらロジカルなELEKTRON(KORGもかな?)に対してフィジカルなMPCといった印象を受けますが、
MPCにだって当然あるロジカルな部分からELEKTRON流に紹介していきたいと思います。

MPCのチュートリアルは「とりあえずプリセットをロードして叩けや。」となりますが、
アタマの固い僕らにしてみれば「とりあえずナニからアサインしよっかな〜」
なんて迷っているうちに1日2日は軽くかかってしまいます。
ちょうどドラクエみたいなRPGで主人公の名前を決められず何日も過ごしてしまうタイプ。ですよね!
しかもMPCコイツはファイルの扱いがかなり不便なので「名前の入力」にあたる部分で相当手こずります。
「デモ音源からキック一つ割り合てて、それを削除して別のキックに差し替える」なんて作業が
初めて触る時には凄まじく面倒臭いんですよ。

セッカチな御仁ならこの段階でヤフオクの落札相場を調べてしまいますよね!

◯MPCのファイル構造

なのでとりあえずELEKTRON流にファイル構造から紹介していきたいと思います。
下の図はどっかのサイトにあったMPC TOUCHでのファイル構造の図ですが、
そのまま転載するのはサンプリング文化への冒涜な気がしたので(?)ちゃんと自分で描きました。



・いちばん大きな単位はOCTAと同じで「PROJECT」
・いちばん小さな単位はサンプル一つ一つを格納する各PAD。
・16×8パッド=128サンプルの集合が「PROGRAM」
・そのPROGRAMを格納する「TRACK」が1-128まであります。
・時間軸の単位が「SEQUENCE」。これも1-128まで。

ここで引っ掛かるのは「PROGRAM」「TRACK」の関係。
なぜ別の扱いかと言うとTRACKの用途によってドラムサンプルだったりインストゥルメントだったり、
はたまたMIDIだったりクリップ(ループサンプル)だったりするから、です。
更にはここで説明している「MIDIトラック」の他に「AUDIOトラック」なんてのもありますが、

なんか小難しいからこの辺は後で考えましょう!

ELEKTRON語に訳すと「PROGRAM=マシン」だと思えば良いんじゃないでしょか。
ワンショット主体になりそうだからFLEXマシンに近いと思います。
で、クリッププログラムはSTATICマシン、MIDIプログラムはMIDIマシンetc,
TRACKによって数種類からの機能を割り当てる事が出来て、その機能ごとに◯◯PROGRAMと呼んでいるって事です。
ほんとクソ面倒だよ。。。

SEQUENCEは他機種で言う所のパターンだと思ってOKかと。
1SEQの長さは何百小節でもイケそな雰囲気です。
この独特の言い回しがまた覚えづらい!
なんでもかんでもアルファベット3文字に略す北川景子の旦那みたいなELEKTRON語も厄介ですが、
素直にパターンって言えよ!とか思いません?

まぁこんな膨大なトラックとサンプルを一つのプロジェクトで使い切る事は無いと思いますが、
構造を把握しておく必要はあると思います。

◯ファイルブラウザの使い方

ここでELEKTRON流と言うかオレ様流のチュートリアルを自分で実践してみます。
ELEKTRONの場合は「プリセットは甘え」という事で
サンプルやシーケンスパターンも全部消しちゃってから望みますが、
MPC LIVEは質の良いプリセットが沢山あるので勿体無いです。
ただ数が膨大過ぎて好みの音を探すだけで萎えるので、今回は全く使わない事にします。

そこで、内蔵メモリ以外のストレージを用意してその中にサンプルファイルを格納しておきます。
今回は既に内蔵したSSDから手持ちのサンプル「TR-707セット」を仕込んでみます。

1,まずMPCのファイルブラウザを開き、左カラムで「Place」から、
その中の自前ストレージを選びます(ここでは「MPC_SSD」)。



左上にはフォルダ階層が表示され、上の階層に戻りたい時はフォルダマークをタップします。
右上に並んでるのはフォルダのショートカット。ショートカットを設定したい場合は、
該当するフォルダが開かれている時にSHIFTを押しながら1-5いずれかのフォルダマークをタップします。

2,「707セット」フォルダを開き、黄色で囲ったタブから「全サンプル」又は「全ファイル」を選ぶと、
各ドラムのワンショットサンプルが出てきます。
それを選択して右下の「LOAD」をタップすると「SAMPLE POOL」にロードできます。
サンプルプールとはストレージから各パッドに割り当てる際の一時的な置き場です。



※フォルダ内の全サンプルをロードしたい場合はこの画面から一つ上の階層に戻り、
フォルダを選択しつつSHIFTを押しながら「LOAD ALL」をタップします。

3.サンプルプールへのロードが済んだら左下の「SAMPLE ASSIGN」タブをタップし、
各パッドにサンプルを割り当てていきます。



このページでPAD BANKボタンからBANK AからHまで128個までのサンプルを割り当てる事ができます。

4,少し戸惑うのがアサインし終わった後のプログラムのセーブや名前の変更。



これはブラウザではなくメインページから行います。

◯注意点

・ストレージ内のファイル管理

ストレージの中で不要なサンプルを削除したい時は多々あると思いますが、
現時点では「複数のファイルを選択」する事ができないんです。
ファイルでもフォルダでも選択できるのは一つだけなので非常に不便。

・サンプルプールにロードする時

一度サンプルプールにロードしたサンプルは削除する事が出来ないようです。
コントローラーモード(PC画面)では右クリックから削除できるんですが、
スタンドアロンモードの時はどうも見つかりません。

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※追記と訂正
サンプルプールからサンプルの削除は本体で出来ました。
メニューからSAMPLE EDITページに言って、上段真ん中へんのゴミ箱をタップすると削除できます。



Twitterで「出来ねー!」って騒いでいたら教えて貰ってたの忘れてましたよ。
しっかし面倒臭ぇ。

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サンプルプールに何百もサンプルを入れてしまうと目当ての音を探すのが大変!
これがあるからデモ音源でのチュートリアルはお勧めできないんですよ。

この2点の対策としては今のところ、
MPC本体に移す前の段階できっちりフォルダ分けや不要ファイルの整理をしておくしかないようです。

ちなみにPC/Macでのサンプルファイルの管理はSONICWIREのMUTANTがお勧め。
http://sonicwire.com/news/special/howtouse_sp4
ぶっちゃけMPCソフトウェアのブラウザより使い易いです。

◯まとめ

今回はパッドへの割り当てまで。で勘弁して下さいw
恐らくはココさえ頑張れば後はめっちゃ楽しいMPCワールドを堪能できる筈です。筈です。はずです、よね?
MPC LIVEにしろXにしろ、このあたりのファイル管理が物凄くやりづらいのが大きな弱点です。
NI MASCHINEや他のDAWのファイルブラウザに慣れているとストレスが溜まりますねー。
OCTATRACKなど他のハードウェアサンプラーは構造が単純なんでまだマシなんですが、
ここはファームウェアのアプデで改善して欲しい所です。

Music Production CenterとしてのMPC LIVE(1)

ヒップホップ系トラックメイカーのド定番機材として名高いMPCシリーズ。
レコードから1小節をサンプリングしたり、
ドラムのワンショットを仕込んで指で叩くイメージが最も強いんですが、
本来MPCとは「Music Production Center(初期はMIDI Production Center)」の略で、
要は80年代末に開発された当時から現代のDAWに通じるコンセプトの製品だった事が伺えます。

最新機種のMPCLIVE/Xでは、
現代主流の革命的制作ツールであるAbeltonLiveを強く意識しているようで、
スタンドアローンでありながら膨大なトラックとシーケンスを仕込む事が出来る
ハードウェア派にとっては夢のようなデバイスであります。
つーかハードとソフトのいいトコどりって言うか、むしろ音楽専用タブレットPCって言うか、
電子楽器全般を見渡してもこれほどズルい機材はありません。

現在の日本のクラブ/トラックメイク界隈では
テクノ系の人とヒップホップ系の人とで畑が違いすぎて
当ブログを読んでくれてる皆さんもMPCを色眼鏡で観ているところがあるかもしれません。
なんでココでは「持ち歩けるスタンドアロンDAW」としてのMPCに
着目して紹介していきたいと思います。

◯コントロールハブとしての理想を満たせるか

OCTATRACKの連載でも同じ事を考えて取り組んでいましたが、
USB-A端子、二つのMIDI端子、膨大なトラック/パターン数からして
MPCでは他機材との連携をより深くする事が可能だと踏んでいます。



自宅ではPCや鍵盤と繋いでソフトウェアとして仕込み作業を行い、
ライブで各音源を鳴らしたり、もちろんMPC単体でもOK。
シンセサイザーで足りない音はサンプルとして録っておけばよいし、
オーディオトラックには長尺のアカペラを用意する事もできます。
正に21世紀のMusic Production Center!!!
ソフトとハードの垣根を超えたMPCだから可能になるワークフローになる筈です。

・・・筈なんです!w

できるかなぁ?

◯MPCでダブミキシング

とりあえずは以下のようなセットで望んでみようと思ってます。



MPCからパラアウトをしてミキサーのSEND/RETURNでディレイとリバーブを繋げるセット。
MPCには内部トラックのミキサー機能もエフェクターも充実してはいますが、
(Lo−Fi系のエフェクトもあるけどイマイチ効果がわからない)
やはり音質的に現代的過ぎるというかハードウェアの荒さはありません。
そこでアナログミキサーを通してミキシングとエフェクトに重点を置いたダブ的なプレイをしてみます。

OCTA時代に(別に手放す気は無いけどw)同じ事を試した事はあるけど、
どうしてもシーケンスが固すぎてダブではなくダブテクノになってしまうのが悩みでした。
レゲエ特有のだらしない感じが出来なかったんですよねー。
アタクシDJ遍歴としてはハウス以前にダンスホール・レゲエをやっていた事もあり、
煙たいドラムと大雑把なシーケンスが大好きだったりします。

レゲエ→ハウスDJからDTMを始めてテクノ寄りになり、
ここで一旦レゲエ/ダブを覚えようって肚です。
MPCなら可能だと踏んでますがどうなることやら。。

◯四つ打ち層から観たMPC LIVE

デモ動画やプリセット音源を観るとEDMやダブステ、テクノ/ハウスの音が多い事もあり、
どうもAKAIさんヒップホップ層よりもコッチ方面に勢力を伸ばしたい下心がミエミエですね。
お察しの通り自分もそこに引っ掛かって釣られた訳ですが、
今までの機材とはファイル構造やらの根本的な違いに愕然として心が折れそうですw

・トリガーキーが無いのは不安だったけど

四つ打ち層からしてみれば16個のトリガーキーが無いってのが物凄く不安になります。
またイメージからグリッドレコーディングが出来そうにないと勘違いしてましたしw
だけど16PADの打ち込み、いざやってみるとこれが凄く楽しいんですよ。
もちろんクオンタイズも出来るしステップシーケンスも出来ますよ。
だけどやっぱりMPCの醍醐味は指ドラム!食わず嫌いだったけれど、
今までシャッフルとかシーケンスの訛りにこだわっていたのが馬鹿馬鹿しくなるくらい。

・ファイル構造を理解するのに苦労する

OCTAの場合マニュアルの最初っからファイル構造についてのレクチャーがあり、
これが初見殺しと言われる所以でもあったけど、一旦OCTAの使い方が身に付いてしまうと
MPCの「とりあえず叩けや!四の五の言ってねぇで叩け!」というインストラクションにビビります。
そんで肝心のファイル構造についてはマニュアルに詳しく載ってません。。
幸い「MPC 使い方」とググれば丁寧に教えてくれるサイトが沢山あるんで助かりますが、
(MPC1000でもMPC TOUCHでも基本的な概念は同じ)
そこはAKAIさん本人にご説明して頂きたいところですよね。

・サンプルのアサインが面倒臭ぇマジ面倒臭ぇ

MPCでは各ストレージ→サンプルプール→各パッドとサンプルを割り当てていき、
組み合わせたものを「プログラム」という単位で保存する事が出来ます。
フォルダとファイルの扱い方がパソコンなどより不親切で、
「一つ上の階層に戻る」とか「要らないファイルを削除する」といった作業がわかりづらい。
「複数のファイルをまとめて選択する」事はできない。
更に「ファイル削除の度に確認ダイアログが出る」もんだから、
必要のないプリセットサンプルを消すのが本当に苦労します。
たぶん一度フォーマットして新しく入れ直した方が早いかも。

◯まとめ

昔2ちゃんのELEKTRON板に「MPCからOCTAに移行したけど難し過ぎてダメー」
なんて声がよくありましたが、
OCTAからMPCに移行する自分としては、コッチはコッチでハードル高すぎで困りますw

もうアレだ、文化の違いだよ。
ドラムマシンが基本になるハウス/テクノと違って、
ヒップホップはサンプルと生叩きの文化。
808/909/303でしか出せないグルーブがあれば、
MPCでしか出来ないグルーブもあります。
理屈では分かっているけどここから体得していくのも面白いかもしれません。

MPC LIVE vs OCTATRACK

今までOCTATRACKを中心にドラムマシンとシンセサイザーという構成でやってきましたが、
DAWのようなモダンなワークフローには程遠く(まぁそこがイイんだけどさ)、
ミニマルベースだけではなくもっと幅広いジャンルをやってみたくなりました。

で魔が差してmngしちゃったMPC LIVE。
もちろん自分はヒップホップ出身ではありませんが(まぁテクノでもないけど)、
OCTATRACK、KORG gadget、AnalogRYTMの用途を一つにまとめられるんじゃないかな?
と思って購入に至りました。

◯コンセプトの違い

どちらもMIDIシーケンサーやエフェクトを備えたサンプラーという点では同じで、
マシンライブ用途だと各音源を司るコア機材として有効に使えます。

この2台支持されるジャンルによって考え方が大きく違います。
一般的なイメージ通りMPCはヒップホップを中心にしたジャンルに、
OCTAはテクノ中心の曲作りが得意ではあります。
「じゃハウスは?」というとTR909や707あたりが多いけど、
初期のハウスはMPC60を好んで使うプロデューサーも多かったようです。

・基本的な打ち込み方法

OCTAは16個のトリガーキーを使ってのステップシーケンスが基本となり、
トリガーを置いた後に音程や他パラメーターを設定していきます。
シャッフル機能もあるしマイクロタイミングといって任意のトリガーを前後にずらす事も可能ですが、
正直メンドいんであまり使わないですね。

対してMPCは16個のパッドをリアルタイムで叩くのが基本。
いわゆる指ドラム動画を観ちゃうとリズム感に自信のない人は躊躇してしまいますが、
もちろん補助的な機能が備わっているしLIVEやXではピアノロールも使えます。

自分もリズム感には自信がないんで指ドラムでの打ち込みなんぞやるつもりは無かったんですが、
実際にやってみるとこれが楽しい!キックだけグリッド通りに置いといて、
ハットやタムは指で適当に叩いた方が味のあるリズムが簡単に組めるんですよ。

・ドラムのヒューマナイズ

ステップシーケンスと指ドラムと選ぶポイントとしては、
人が叩く生ドラムにどれだけ近づけたいか、によります。
テクノではグリッド通りのキッチリしたシーケンスが好まれますが、
ヒップホップやハウスでは多少なりとも生ドラムっぽさを求められます。

って事は当然トリガーキーより指でパッド叩く方が人間らしいドラミングになりますよね。
更に現行のMPCではシャッフルの他に「ヒューマナイズ」機能があって、
ピアノロールで打ち込んだドラムやフレーズでも好きなだけヘベレケにする事が可能です。

◯スペックの違い

画面の大きさ、トラック数、パターン長、ストレージ容量などなどなど
基本的なスペックからして格段にMPCの方が格段に上ではあります。

が、ここで敢えてMPCに対するOCTAのアドバンテージを挙げると、

・ルーティング自在の4chデジタルミキサーとして使える
MPCにもステレオ1系統の外部入力はありますが、
あくまでもサンプリングソースの入力が前提なんであんまり使い勝手はよくありません。
その辺OCTAはモノx4でもステレオx2でもイケるしゲイン幅も広くかなり有能です。

(過去記事)OCTATRACK Tips14「OCTATRACKでのミキシング」

・パラメータロックで緻密な音創りが可能
ここはELEKTRONのお家芸、
各トラックのステップごとに全てのパラメータを自由に変化させる事ができます。
要は音階だけでなくエフェクトやLFOもシーケンスできるんです。
1パターン最大64ステップ(通常なら4小節)までとMPCにくらべて短すぎる程ですが、
その分ホントに細かく作り込む事が可能です。

・OCTAはパフォーマンス向き、MPCはプロデューサー向き
生で叩く指ドラムを別にして考えると、OCTAの方が遥かにパフォーマンス性が高いです。
クロスフェーダーにはトラックごとのボリュームだけでなくエフェクトや
全てのパラメータを割り当てる事が可能だし、設定次第でメチャクチャなパフォーマンスができます。

MPCの方はいわゆる指ドラムのイメージが独り歩きしていますが、
そもそものネーミングが「MIDI(又はMUSIC)PRODUCTION CENTER」って事もあり、
80年代に登場した時から既に現代のDAWのような考え方を持った機材です。

・MPCのアドバンテージ
まだ買いたてホヤホヤでマニュアルと格闘している段階ではありますが、
基本スペック以外にもあるMPCの美味しいポイントを紹介します。

MIDI端子がIN/OUT二つずつついてる。
USB-A端子がついてるのでUSBメモリ、PC用のMIDIコンや鍵盤が利用可能。
サンプリングはホント楽。PHONO端子あるからタンテから直に録れる。
(当たり前だけど)パッドの叩き心地は最高。
AnalogRYTMなんて酷いもんです。使う必要ないけどさ。

逆にMPCのダメな所は、
ワークフローが一方通行で本物のDAWに比べるとUIや操作性の自由度が低すぎる。
ファイルの扱いが超メンドい。
4,5日いじってるけど未だプログラム(ELEKTRONで言う所のキット)を組めません。
タッチパネルはiPhone/iPadに比べると微妙。
MPCソフトウェアは単に画面がデカいだけで後は全く同じ操作性なんで、
期待する程のモンじゃなかった。

これはファームウェアの改善を期待するしかないですねー。

◯目的別でどっちか選ぶなら

・1台で完結したい、安上がりに済ませたい→MPC
・他音源をまとめたい→OCTA
・他音源をコントロールしたい→MPC
・シンセサイザー的な操作感→OCTA
・簡単にサンプリングしたい→MPC
・ミニマルやりたい→OCTA
・アカペラのせたい→MPC

音質ですか?
OCTAには独特のクセがあります。
MPCはクセが無くて寂しいw
クセが無いって意味では高音質なんですがね。

◯まとめ

MPC、「お前には似合わない」「どうせすぐ売るだろw」とからかわれてますが、
今までの機材では決して出来なかった事が一つだけあるんですよ。
それは「テクノ感の無いハウス」ができる事。
当ブログを読んでくれている方もリアルで遊んだりしている人達も
9割5分はテクノ出身の人でしょうが、
ジブン実はリスナーとしてはテクノを聴いた事がありません。
(DJとしてテクノを使う事は多々ありますが)
そして大変失礼ながら、
マシンライブを行うセンパイ方の演奏するハウスには、
自分の求めるハウスを感じる事ができないんですよ。
なんでシンセやドラムマシンを使いながら「ハウス感ってなんだろう?」と
悩みながらも教わる事が出来なかったんですよね。

テクノじゃないハウス→黒人ノリ?→ヒプホプ的な?
って事でMPCを選びましたが、さてさてどうなる事やら。
いずれちゃんとした「ヒプホプの人以外のMPC LIVEの使い方」でも書きますかね。

キレて手放すことがなければ、ね。

OCTATRACK Tips14「OCTATRACKでのミキシング」

一度手放したOCTAを1年ぶりに買い直した一番の理由がここで紹介するミキサー用途です。
OCTAには4つの入力端子と8つのトラックがありますが、
これを駆使すると超絶有能モバイルミキサーになります。
5段6段のゲイン/レベル調整、ノイズゲート、設定次第でバスとマスターにEQやコンプも入れられるから、
考えようによってはDAWでのミックスダウンに近い事が出来ます。
マシンライブ用途のミキサーとしては至れり尽くせりの機能満載マシンだったりするんです。

◯インプット

・ステレオx2でもモノラルx4でもイケるよ


THRUマシンのPLAYBACKページでAB/CDそれぞれのルーティングを設定できます。
トラックを4つ使ってABCD全部バラバラでも良いし、
ステレオとモノx2でもOK。

・エフェクトかけなくていいならトラック消費しなくていいよ



MIXERページに[DIR]と書かれている所がありますが、
ここでダイレクトにマスターに出力する音量を設定できます。
THRUマシンを使わなくても良いので、
外部音源で音量や音質を調整する必要がなければここから出してしまうのもアリ。

・ノイズゲートもあるよ



PROJECT→INPUTと選ぶとAB/CDそれぞれのノイズゲートを設定できます。
安いアナログシンセや古いマシンを使う時には助かりますよね。
あんまり強くかけると音に訛りがでちゃうので、
DAWに繋いだスペアナと自分の耳で適切な数値を決めましょう。

◯ゲイン/レベル調整ポイント

OCTAのゲイン/レベル調整ポイントは最大で7箇所まで設定できます。

・MIXERページのインプットゲイン



普段あまり意識しない所だけどここからゲイン調整してやります。

・トラックレベル



一番分かり易いポイントだけど、
ここはプレイ中でも微調整し易いようにデフォルトを100くらいに留めておいた方がよいです。

・THRUマシンのボリューム

MIXERページのゲインで稼げない場合に使っています。

・AMPページのボリューム



外部/内部音源に関わらず使える上に間違って触る事も少ないのでここも結構使えます。

・コンプレッサーのゲイン



それでも音量が足りない場合が稀にあるんですが、
その時はFX1かFX2にコンプを割り当ててゲインで稼ぎます。

・マスターレベル/マスターコンプ



OCTAをミキサーで使う場合はトラック8のマスター化をすると良いでしょう。
その場合はここで最終段の調整ができます。

◯ミキサー用途に有効なエフェクト

・イコライザー



イコライザーは通常の物とDJイコライザーとがありますが、
DJEQは主にブーストよりもカットを目的としたEQです。
こっちは性質的にシーンに割り当ててクロスフェーダーで操作する目的でしょう。
音質の調整という意味では普通のEQを使った方が良いですね。

・コンプレッサー



DAWのグラフィカルなコンプと違って耳で判断しなくちゃいけないので厄介ですが、
ほぼ全てのトラックに挿しています。
キックを前にだしてハットを後ろに引っ込める、なんてテクニックも可能。
自分も正直なところ苦手なエフェクトですが頑張ってマスターしましょう。

・スパチュライザー



DAWで言うところのステレオイメージャーやエンハンサーの効果があります。
モノラルをステレオっぽく拡げる事が出来るので金物ドラムや声ネタの調整で威力を発揮します。

◯出音を測定してみよう

よほど耳の肥えた人でない限りOCTA本体だけで音質の微調整をするのは難しいと思います。
自宅のスピーカーではアテにならない場合も多いですしね。
そこでOCTAのアウトプットからインターフェイスを介してDAWに入力し、
それを測定系プラグインで測ってみましょう。

・DAW


プラグインの使えるDAWなら何でも良いんですが、
StudioOneやCUBASEだと測定系プラグインが標準で豊富なようです。

・スペクトラムアナライザ



これもDAW標準のEQなどについているケースが多いですが、
単体のアナライザーなどもリリースされています。

・VUメーター


 

ハードウェア(?)として売っているのが一般的ですが、
ガチのミキシングではないのでプラグインで十分かと。
ちなみにこのメーターはフリーでWin/Mac対応。
凄く見やすいからお勧めです!
http://www.tb-software.com/TBProAudio/mvmeter2.html

・ラウドネスメーター



こちらは音量というか音圧ですね。
お手本にしたい既存曲の音圧をあらかじめ覚えておき、それを基準に調整します。

・フェイズメーター



ステレオ音源の音の拡がり具合を測定するものです。
スパチュライザーの効果を確認するのに必要。
もちろんパンで左右どちらかに振ったトラックの確認もコレで出来ます。

◯実例1:各機材のノイズチェック

先日のライブでは前のDJがかけている既存曲に対してロングミックスをしたんですが、
その時こちらのセットの音の悪さが露呈してテンション下がっちゃいました。
それで帰宅後にライブセットと全く同じ繋ぎ方でオーディオI/Fに接続し、
DAWのスペアナを立ち上げて測ってみる事にしました。

・マスターフィルター

最終段にVERMONAのDJ用フィルターをつないでいましたが、
薄々気付いていたけどコイツがかなりのノイズ源である事が発覚。
全体の音に悪影響を及ぼしてしまうので辞める事にしました。

・x0xb0x

自作のアナログ機材だからある程度は仕方ないとして、
時間が経つと共にノイズが大きくなる謎の現象がありました。
色々といじってみたところ内蔵のディレイが悪さをしてる事がわかり、
OFFにしてみたら問題ない

・analogRTYM

メインアウトは大した事ないんですが、パラアウトからのノイズが大きい。
しかしキックの分離が悪くなるのでパラ出しは譲れない。
って事でここはOCTA側のノイズゲートで対応する事にしました。

こんな風にOCTAの接続やミュートを利用すれば、どの機材がノイズ源になっているか簡単にわかります。

◯実例2:analogRYTMでのセッティング

RYTMからOCTAへの入力は二つとして
「BD/BTアウト」と「Main Left」からOCTAのINPUT A/Bに入れています。

・RYTMのセッティング

BTトラックにはベースタムの代わりにスネアがでるようにしてます。
RYTMのメインアウトは音の分離があんまり良くない(Mark1)ので、
単純にL/Rで出すのではなく「キックとスネア」と「その他」に分けるようにしてます。

自分の場合「その他」にあたる楽器はハットやクラップなど低域の要らない物がほとんどなんで、
RYTM側のハイパスフィルターでバッサリカットしちゃってます。

・OCTAのセッティング

キックとスネアをトラック1に、その他ドラムをトラック2にアサインします。
どちらもFX1にはコンプレッサーを割り当てて音量/音質の微調整をし、
トラック1にはリバーブ、トラック2にはスパチュライザーを入れています。

こうする事でキックとスネアが中心から前に出るようになり他のドラムは左右に広がるようになります。
DAWでのミックスダウンに比べれば出来る事は限られますが、
何もしないよりは遥かに良い音質になる筈です。
両方お持ちの方は是非試して下さい。

◯音圧上げはサンプル段階から

RYTMやOCTAでサンプルを使う場合はインストール前に音圧を確認しましょう。
というのも、流通しているサンプル音源はDAWでのミキシングを前提としているので
あらかじめ音圧を低く抑えているものも珍しくありません。
自分のケースでは「素のサンプルの音圧」より「RYTM/OCTAを通してPCに取り込んだ音圧」が
だいぶ下がっている事が確認出来ました。

なのでRYTMに取り込む前にリミッターやらマキシマイザーで音圧をガン上げしちゃいます。
このRMS値はご自身の耳で丁度いい所になるようにトライ&エラーを繰り返す必要があります。

◯まとめ

DAWでのミックスダウンを経験している人なら、こんな機能を備えているOCTAの凄さが実感できる筈です。
現場でもこのお陰でかなーり荷物を減らすことができますよ。

x0xb0x制作記【2】組立準備

早速制作に取り掛かりたい所ですが、
何しろハードルが高いものですから下準備をしっかり行なっておきたいものです。
前回の構想編から「前フリ長ぇヨ!」とツッコミ頂きそうですが、
大御所ピエール先生やハーディ師匠のDJプレイでは
20分以上ベースを出さずにリズムと声ネタだけで引っ張る事もザラですので、
そんなアシッドハウスのマナーに則ってもうしばらくはジリジリと引っ張ります。

◯DTM向け電子工作のススメ

そもそもDTMやるような人は電子工作向いてます。
クリエイティブワークを楽しめる人種ってトコではぜんぜん変わりないです。

トラックを作らないDJだって、
突き詰めると音質を追求した挙句にピュアオーディオ方面に走りがち。
アッチの分野も工作スキルを駆使してミキサーやスピーカー作ってみたりと楽しそう。
レゲエに至っては巨大スピーカーシステムを自分たちで作るのがステイタスだし、
60年〜80年代の著名オリジネイターの多くが電気技師出身だったりします。

個人的な経緯をお話しますと、
ガンダムとファミコンに洗脳された幼少の頃から漠然とした憧れはあったんですが、
実際にハンダごてを持つようになったのは40歳になってから。
ハードシンセを使うようになってからケーブルが大量に必要になり、
作り方覚えれば安上がりで質のいい材料使える!って所から始まりました。

本業は建築系、店舗内装専門の大工なんですが(もう辞めっけどー)、
仕事がイヤになった時「もの作りのストレスはもの作りで解消するのが一番」と、
現実逃避の為にフラックスの焼ける匂いでラリってましたねw
秋葉原のソフマップに行くついでに電子工作系ショップに通い出し、
モジュラーシンセのキット制作、デジタルドラムマシンのキット制作と、
どんどんハマっていきました。
回路設計はまだまだ早いけどいずれミキサー作りたいです。

作る物に意味を持たせる、ストーリーを感じさせる、メッセージを込める、
そんな発想が産まれたのは32歳で通い出したインテリアデザインの学校でした。
そういう訓練を受けると世の中にあふれるプロダクトから製作者の気骨を読み取れるようになるんですよ。
するとやはり、万人向けのプロダクトより尖ったコンセプトの一品物に魅力を感じてしまう。

そんなこんなで当ブログを読んでくれている方には、
「DTMから生楽器に走るのもいいけど電子工作も世界が拡がるよ」とお勧めしたいです。

全くの未経験からx0xb0xのようなアナログシンセを作ろうってのは
蛮勇通り越して暴挙だけどw、そういう馬鹿は大好きです。
現実的にはケーブルやエフェクターのキットから腕を慣らした方がいいんですけどね。

◯マニュアルの入手

国内で流通している電子工作キットってマニュアルが不親切ですよねー。
回路図(読めない)と完成写真のっけてハイ!終わりみたいなのがほとんど。
これじゃ電子工作始めよう!なんて人は増えませんよ。
対して海外のビルドマニュアルは写真が多く凄く親切。
「最初はコレつけてねー」「次はソッチだよー」と段階ごとに写真を載せてくれてます。
Google翻訳などを使えば何とか解読が可能ですし、
少々慣れれば翻訳しなくても写真だけで組めます。

Ladyadaのサイト
(左メニューのMakeがマニュアルです)
http://www.ladyada.net/make/x0xb0x/fab/index.html
WILLYZYXのPDF組立てマニュアル
https://www.dropbox.com/s/fsagaf29asxwxyd/x0xb0x_bulid.zip?dl=0


◯必要な道具

工作経験がある方なら特別な道具を用意しなくてもいいのですが、
とりあえず紹介しておきます。あんまり安物使っちゃダメだよ。
桐箪笥職人だった祖父から「素人ほど良い道具を使え」と家訓のごとく教わっていまして、
いきなり高級品を買う必要はないけれど、ソコソコの価格帯の物を使った方が安心です。
電子工作系の道具は「とりあえず日本製買っておけば大丈夫」なようです。

・はんだごて/はんだ

温度調節が出来てコテ先の種類が豊富なHAKKOのFX-600を使っています。
これと専用のスタンドのセットで6~7000円くらいだったかな。
はんだは日本アルミットの0.65mmをメインに使っています。
かなり細いんじゃない?と先輩方には言われますが、
細い方がハンダ付けし易いです。コテ先もソコソコ細いの使ってます。




・クリップ/クランプ/はたがね

アルミ製の洗濯バサミみたいなクリップ。ハンダ付けの上手い下手って
「コテをあてる前に部品がちゃんとくっついてるかどうか」で決まると思うんですよ。
なので仮止め用の治具は色々な種類を用意した方がいいです。
熱に弱いトランジスタのハンダ付けの際に脚に挟んで熱を逃がす役割もあります。
いや、ホントはソッチが主目的か。



・ラジオペンチ/ニッパー

それぞれ100mmサイズの物があればとりあえず大丈夫。
ラジペンだけ150mmもあると力仕事に便利。
電気工事士に定評のFUJIYAや電子系にはHOZANが定番ブランドみたい。





・ピンセットとIC抜き

何本か使ったけど先の細い「つる首ピンセット」が一番いいかな。
逆作用の物もあるといいかも。
緑のトングみたいなのがIC抜き。
ICの脚って貧弱で曲がりやすいんですよね。
器用な人はマイナスドライバーをテコに使ってチャチャっと抜いちゃうんだけど、
3000円するオペアンプの脚を折った時は泣きそうになりました。

クリップやピンセットからラジオペンチ、万力に至るまで
「つまむ/はさむ」系の道具は種類が多ければ多いほど作業のストレスが緩和されます。





・ドライバー

JISマークついてりゃ何処のでもいいです。個人的にVESSELのが好き。




・デジタルテスター

導通や電圧を測ったり、抵抗値をチェックしたり大活躍します。
1000円くらいから売ってますが、安物は精度に不安があるので
国産メーカーの物を用意しましょう。


・オシロスコープ

オーディオ系の自作には必須と言われるオシロスコープですが、
高いし嵩張るし何よりもコレ自体の習得が困難w
今回は1万円で買えるポケットサイズのデジタルオシロDSO nano v3で試してみますね。



・ドリル

アルミ筐体の時は底板に穴を開ける必要があります。
手回しもイイけどやっぱり電動の方がラクかな。
エフェクターやVCO、スイッチを追加する時にも必要。
ちなみに写真のタイプは「インパクトドライバー」といって、
本来は木工のネジ締めが主用途。金属板の穴開けにはあんまり向いてません。
ジブン本業が大工なんでコッチの方が慣れてるからって理由で買ったけど、
インパクトじゃないフツーの電動ドリル(充電タイプじゃなくていいよ)を買いましょう。
ホームセンターで間違える方かなり多いです。
使用頻度はさほど高くないのでホームセンターで使い捨てのつもりで安物買っても良いかと思います。
チョットいい物を、と考えるならマキタか日立かパナソニック。
リョービ、ボッシュ、ブラックデッカーは値段の割に質が悪いです。
コスパ考えるとノーブランド品の方がマシ。




・マスキングテープ
何はともあれ大活躍します。
部品の仮止めにも使えるし(焦げるけど)、
一度開けた小袋を塞ぐのにも使えるし、
穴開けの位置決めにも便利ですよ。

ちなみにコレ用途によって粘着力の強さが何段階かあります。
比較的弱い「塗装用」を選んでおけば大丈夫。

◯コツ

一年少々のキット制作経験で覚えた大事なことは、
とにかく間違えない事。部品の番号、定数、極性を間違えない事、です。
トラックメイクと違って作る順番もガチガチに決まってます。

プロじゃないんだから集中力が途切れたら作業を辞める事。
けっこう疲れます。目からきますね!
根気とか根性みたいな精神論なんぞクソ食らって下さい。
なのでいつでも作業を再開し易いように部品の整理は徹底しましょう。

・ハンダ付け

ハンダ付けのコツはリズム感とタイミングと言われますが、
年がら年中ドンドンチキチキ言ってるボク等には大きなお世話っすよね!
それより大事なのは「仮止め」だと思います。
ケーブル作りとかで仮止めサボるとたいてい失敗するもんオレ。

あと失敗に備えてハンダ吸い取り器も用意しとくと安心です。
熱で基板を痛めてしまう事も稀にあるので、
(SQ-1を4個とBloferdおシャカにしました)
はんだ付けそのものよりも補修の仕方を練習しとくといいスよ。

・穴開け

所々で金属板に穴を開ける作業がありますが、
正確な位置に綺麗な穴を開けるのにも少々コツが要ります。

まず「センターポンチ」で開けたい穴の中心を凹ませます。
ポンチが無ければ釘でもネジでもいいんですけど。
いきなり開けたいサイズの穴を開けずに、小さなドリルから徐々に開けていきます。
10mmの穴を開けたいなら2~3mm→5~6mm→10mmって具合にね。

・静電気
電子部品の意外な大敵が静電気。
gizm0xセンセーがおっしゃるにはですね、
これでICを壊してしまう事も結構ある上に、故障の特定がしにくいので厄介だそうです。

そこで工作の際に静電気事故を予防するコツを教えてもらいました。

・乾燥しやすい冬場では特に、フリースやセーターなど静電気を起こしやすい服を着ないこと。
・作業する前に、金属に触れて身体の静電気を逃してやる事。
・ICの脚にはむやみに触らない

自分はまだ静電気で壊した事は無い(多分)んですが気を付けましょう。

◯部品の仕分け


さてさてgizm0xshopからキットが届いたのですが、
まず部品点数の多さに背筋が凍ります。600点以上あるようです。
仕分けを全て行なって貰っているので部品を間違える事は無さそうです。
しかしこれでも混乱するかと思うので、
100円ショップで適当なタッパーをたくさん用意して部品を更に分類します。



抵抗やらICやら何となく10種類にわけてみました。

(実際に使ってみるとタッパーのフタを何度も開け閉めするのがダルいので要改善)

マニュアルどおりに組む場合は以下の項目ごとにパーツリストが写真付きで載ってるんで、
その都度タッパーから引っ張りだしていけば間違いが少なくて済みます。

PowerSupply
VCO
VCF
Envelope
VCA
Headphone
I/O Boad
Seqencer
Finishing

◯まとめ

「段取り八分」なんて言葉があるように下準備さえしっかり行なっておけば
そうそう難しいものではありません。作業量が多いってだけです。

しっかし、

なんかもうコレ「何のブログだよ?」という域にまで道を踏み外してますわなww
確かレーベルとか音楽活動のブログだったような気がしますが既に忘れました。

祝アシッドハウス30周年!x0xb0x製作記【1】

本家Rolandを始めTB-303クローンは
今では色んなフォーマットでリリースされていますが、
アシッド感の最も強いアナログ回路を使ったモデルは、
日本でも代理店経由で購入できるACIDLAB BASSLINE
見た目もクローンだったけど大人の事情でデザイン変更をしちゃったCyclone Analogic TT-303
攻守最強、究極のアシッドマシンことAvalon Bassline
そしてこの連載で挙げるx0xb0xです。

◯x0xb0xとは



http://ladyada.net/make/x0xb0x/index.html
「設計仕様を公開するからお前ら勝手に作れや」というオープンソースプロジェクトで、
世界中で様々なショップからキットや完成品が販売されています。
他機種と比べた際のx0xb0xのアドバンテージは
元々キットとして販売されているので改造が容易な事ですね。
筐体もプラスチック製のスタンダートと高級感のあるアルミ筐体と選べます。

ちなみにx0xb0x産みの親であるLady ada、
電子工学界ではブッ飛んだ経歴の持ち主なようですね。
http://www.lifehacker.jp/2012/09/120919limorfried.html

日本で唯一のx0xb0xビルダーであるgizm0x shopでも、
スタンダードモデルから改造モデルまで制作販売しています。
http://gizm0x.handmade.jp/
更にはTB-303、TT-303の改造や他所で作ったx0xb0xの修理なども受け付けてくれるようで、
まさに日本のアシッドシンセ・マイスター。

もちろん自分の所有するモデルもgizm0xメイド。
アルミ筐体、電池駆動、TB-303と同じVCAチップ、2VCO化改造など、
かなーり手を加えられています。

◯個人的な思い入れ

自分にとってはハードシンセの最初の一台がx0xb0xでした。
DTMを初めて間もない頃に「アシッドハウス作ろう!」と
某ソフトシンセ版アシッドベースシンセを買ったんですよ。
TB-303とは似ても似つかない音に愕然としましてですね、
アシッドはハードに限る!と思い込みが暴走しましてですねー、
そういうタイミングでgizm0x製x0xb0xが売りに出ていたんでドキドキしながら買ってみました。

そこからドラムマシン、モジュラーシンセ、キット制作にハマり今に至る訳ですから、
この機材によって自分の道が開かれたと言っても大げさじゃないんですよ。
(その前に曲作れよってツッコミは言わないでね)

もちろんソフトシンセABL3やデジタルのTB-3/03でも良質なトラックを作る事は可能です。
自分自身実際にDJとして多用している曲はABL3で作られた物が多いようですし、
完成された曲ではアナログもデジタルもソフトも区別がつきません。

じゃあ何故アナログのハードにこだわるのかと言いますと、
ライブ用途である事と完成に至るまでのプロセスに拘りたいから
フィジカルな操作感は必要不可欠だって事です。
(プロセスにハマってっから曲が出来ねぇんだろってのは言わないでね)

数ある303クローンの中でも「手作り」なのはx0xb0xだけ。
またアシッド文化の根底にあるパンクス精神もx0xb0xが一番顕著ではないでしょうか。
設計仕様もOSもオープンソースですし、
その気になれば自分の手で最高のアシッドベースマシンを作れます。

◯実際の音ってどうなの?

アシッドベースシンセの価値観は、
モノシンセらしい音の太さ、カットオフの開き方、レゾナンスの尖り具合、
スライド/アクセントの暴れ具合など細かい要素で決定されます。
(テクノの人はフィルター、ハウスの人はスライドにこだわる傾向があります)

TT-303が出るまでは「最もTB-303に近い」と言われていた程で、
数あるアシッドベースシンセの中でもトップクラスの「らしい音」が出ます。
もっとも、TTは見た目からしてソックリなんでプラシーボ効果絶大ですけどね。
当ワークショップで両方聴き比べた時は「違うっちゃ違うけど甲乙付け難い」って結論に至りました。

個別の経年劣化が音に影響しているTB-303もそうですが、
x0xb0xも作る人によって全然音が違います。
自分の所有する1号機はコンデンサや抵抗など厳選された部品を使っているようで、
ノーマル(?)のx0xb0xよりも曇りの無いスッキリした音になっています。

◯自分で作ってみよう!

まだまだ初心者の域を抜けていない自分の電子工作スキル。
次のステップはやはり「アナログモノシンセのキット制作」という事で、
思い入れも馴染みもあるx0xb0xを作ってみる事にしました。
更には頼もしい事に、この記事を書くにあたって
gizm0x shopが監修にあたってくれる事になりました。
基本的な組み立て方はLadyada.netにも公開されていますが、
各々の部品がどういう役割を果たす物なのか把握できていないので、
このあたりを根掘り葉掘り伺いながら書いていこうと思います。

◯プランを立てよう

x0xb0xはある意味セミオーダーのシンセですから、
改造前提で部品を購入するのが良いかと思います。
一度完成させた後で部品を交換するよりもリスクも少なくて済みます。
本家Ladyadaのサイトにも簡単な改造の説明があるので参考にしてみて下さい。
http://ladyada.net/make/x0xb0x/mods.html

さてさて「ぼくのかんがえた最強のアシッドベース」についてです。
アシッド「テクノ」には必須のディストーションとレゾナンスブースト、
1号機でやってもらった「ダブルVCO改造」は音が好みではないんで今回はパス。
恐らくはこの記事を読んでくれているテクノ畑出身の皆さんとは
求めるアシッド感が微妙に違うようなのでご了承下さいまし。
なんせアタクシ「ハードフロア」も「電気グルーヴ」もリスナーとして通った経験が無いものでして。

・コンセプト
アシッドハウスの価値観に則ってアナログモノシンセの粗さを強調。
音質に関わる基礎部分には高品質な物を利用した上で、
オペアンプやエフェクトで意図的にLoFi化。
電源やスイッチ、OSに関しては汎用性と安定度を重視し、
メンテナンス性の高いモデファイを行なう。

1.電源のDC化
標準のx0xb0xの電源はAC9Vを使用します。
コレ使えるACアダプタが「AC/AC」の物でないとダメなので結構不便です。
エフェクター用に市販されている「AC/DCアダプタ」や、
自作したパワーサプライで使えるようにする為に電源をDC化します。
ちなみにgizm0x shopではDC化に加えて単3×8本の電池駆動モデファイが出来ます。
今回は内部のスペースを確保したいので電池駆動はパス。

2.エフェクト
x0xb0xには専用の内蔵用ディレイやディストーションなどがキット販売されてますが、
電源をDC化する事によって市販のエフェクターを流用する事が可能(だと思うw)。
今回の制作では「リバーブ」と「オーバードライブ」を何とかして入れたいんですよ。
内部スペースにどこまで内蔵できるかがカギですね。
あとどうもgizm0x先生曰くエフェクター内蔵するとノイズが乗り易いようなのですが、
このあたりはブッツケ本番でやってみます。

3,VCAとオペアンプ
VCAチップはTB-303に使われていたけど現在製造していないBA662(今じゃ1万円します)と、
x0xb0xの標準仕様であるBA6110と聴き比べてみたりしましょう。
オペアンプは標準のAN6562からMUSESやOPAなどを試した事はあります。
MUSESもOPAも品の良い音になってしまい興ざめ。アシッドはそれじゃダメなんスよねw
最終的には80年代のレアチップJRC4552や2904が粗さと強さを両立した一番「らしい」音になりました。

4.コンデンサや抵抗
音質を左右する重要な部品であるコンデンサや抵抗は、gizm0x shop製と同じハイグレード品。
各部品の定数や必要な数量をイチから調べて買い付けるのは大変な労力なんですが、
ここはズルしてgizm0x氏に見繕って貰いましたー。

5.タクトスイッチ
x0xb0xの弱点であるタクトスイッチ。海外の安物を使っている為に壊れやすく押し心地も悪いです。
国産のスイッチに変えたくてもスイッチキャップの寸法が違い取り付ける事が出来ません。
しかし対策部品がありまして、
Rv0というショップで強化スイッチと専用スイッチキャップが販売されています。
https://rv0.be/

1号機に換装したらソフトな押し心地で上々の成果でした。
ここで売られているタクトスイッチは恐らくアルプス電気の物。
http://www.alps.com/prod/info/J/HTML/Tact/SnapIn/SKQE/SKQEACA010.html

値段はRv0で買っても国内で買っても大して変わらないです。

6,OS
OSというより厳密にはファームウェアですが、
x0xb0xはオープンソースなのでファームウェアを選ぶ事が出来ます。
が、ここは一番安定度が高くgizm0x shop推奨のsokkosにします。

7.激レア黒アルミ筐体



生産完了品なのか公式には販売していない黒のアルミ筐体。
gizm0x shopでは本来完成品にしか使わない予定だそうですが、
無理言って単品で譲って貰いました。

問題はどんな音が出るか、思った通りの音が出せるか、ですよね。
「アシッド的価値観」と一般的なオーディオ部品の価値観にズレがありまして、
あんまり高品質で綺麗な音になっても興ざめしちゃうんですよねw、
でも曇った音じゃ他の楽器に負けちゃうしで、いい塩梅の音を作れるかが難しいところ。

そこで考えた仮説が、
コンデンサや抵抗などの基礎的な部品は高品質な物を使った上で、
音の味付けに関わる部品でローファイ化してみたら?って。
例えばオールドスクールのヒップホップやチップチューンを
ハイレゾで聴いて悦に浸る、みたいな歪んだハイクオリティですがw
このあたりは連載の最後の方でチューニング編と銘打って研究してみますかね。

ちなみにgizm0x shopでは以下の改造を受け付けてくれるようです。
・アルミ筐体換装・2VCO化・電池駆動化・x0x-heat追加・ディストーション
・ディレイ・BA662換装・ベースブースト・レゾナンスブースト
・VCFオーバードライブ・VCO/VCFモジュレーション・エンベローブMOD3倍
他所で買ったx0xb0xやTT-303、TB-303の改造や修理も相談に乗ってくれるようですよ。

◯まとめ

技術的監修をgizm0x shopにお願いする事で、ちょっと真面目に取り組んでみます。
ホントに作ろうって人も作る気は無いけど欲しい人も、
既に持っている人も、より深い理解を促すきっかけになれば幸いです。

アシッドベースの選び方

好き者の皆さんなら知っての通り今年はアシッドハウス30周年。
そのアシッドを奏でるベースシンセも元祖TB-303に始まり
派生モデルやらクローンモデルやらが30年経った今でも新製品が続々登場しています。
そうは言ってもナニ買うのが一番なのか結構迷ってしまうんではないでしょうかね。
そこで今回はアシッドベースを作るシンセサイザーを
ソフト/ハード問わず色々と紹介していこうと思います。

◯303系シンセサイザーとは

Roland TB-303に端を発するベース・シンセサイザー。
スライド/アクセントをステップごとに設定できる1小節のステップシーケンサーを内蔵し、
ピーキーな発振をするフィルターで独特な音色を出すシンセサイザーです。
他のシンセに比べて機能は少なく単調になりがちだけど、
ミニマルなフレーズがかえって病みつきになる非常に癖の強い機材でもあります。

◯元祖TB-303


今さら説明不要、もう20万円以上の高値がついてしまっているTB-303。
他のクローンモデルとそんなに音が違うもんなの?とよく訊かれますが、
物によっては別格の音がします。この点ではTR808や909よりも明確な差があるんですよ。
しかし元々が安物シンセであり個体差が激しいものでして、
今まで4台ほど所有者に音を聴かせて貰ってますが全部別物です。
なので高いお金を払っても望み通りのサウンドが手に入るかどうかは運次第。

更にはアシッドハウスもアシッドテクノも思想的に反商業主義な側面があるもんですから、
無理して手に入れるよりvolca bassでも買った方がよほどアシッドらしい気もします。
なんで個人的には「今更数十万出して買う程のモンじゃなくね?」と思いますが、
色々と知り尽くした上での決断なら構わない、というかむしろ応援します。

◯アシッドシンセの価値観

元祖TB-303の音が絶対的基準になってしまっているのは否めないところ。
本家RolandがTB-303を超える物を既に作れないんだから仕方ないですよね。
メーカーやビルダー独自の解釈でアシッド感を求めた良機材もあります。

大事なポイントは二つ「ウニョン」「ビキビキ」です。
音程をスムーズに変化させる「スライド」機能というのがあるんですが、
303には妙な癖があって「ウニョン」とフレーズが歪みます。
普通のメロディからするととても気持ち悪い変化なんですが、アシッドには大事な要素です。
もう一つの「ビキビキ」はフィルターの発振音。
カットオフとレゾナンスのの組み合わせで尖った演出が出来るって所もアシッドの条件です。

なのでシーケンサーの無いモデル(MS404とか)もありますが、ここでは除外します。

◯ハードかソフトか



トラック制作に重点を置くかライブプレイに重きを置くかで分かれます。
もちろん安いのはソフトの方ですが、いわゆる「ラリれるベース」を作るには相応の技術が必要。
アシッドだってのにクソ真面目にじっくり作り込む必要があります。
誰が触ってもそれなりにトベるのはハードの方。
ツマミをグリグリいじってアハハ~んと遊ぶにはもってこいですが、
大抵の人はそこで飽きてしまいますw

◯デジタルかアナログか

アナログの粗い音こそアシッドベースの醍醐味(キリッ)と言いたい所ですが、
自分がDJとして多用している曲はソフトやデジタルで作られた物が多いようですw
曲として完成しちゃうと聴き分けは難しいかもしんない。
でもやっぱり買う前にアナログとデジタルと聴き比べて見て下さい。

◯アシッドハウスかアシッドテクノか

このご時世に無理矢理ジャンル分けするのもどうかと思いますが、
微妙に違う時代背景と意外と差のある奏法によって、
各々の機材のどこに重点を置くかが変わってきます。

・アシッドハウス
時代的にはコチラの方が先。
DJピエールによって発見され、そのフォロワーの多いシカゴで大量にリリースされました。
音数も少なくBPMも120台前半と遅めな曲が多く、独特なシーケンスを活かしている曲が多いです。
ベースを支えるリズムはソウルやディスコなどの黒人音楽、
アフリカ/ラテン音楽の影響を大きく受けています。

・アシッドテクノ
ハードフロアから始まった第2世代とも言えるのがコチラ。
日本では電気グルーヴで知った方も多いかと思います。
BPM130以上でかなりバキバキビキビキ言わしてます。
フィルターの開閉による音色変化にこだわるのはコチラの方。

現在のトラックではBPM遅めのダブテクノやロウハウスにアシッドを絡めるのが主流でしょうかね?
ダブテクノではダウナー系ドラッグをキメたような浮遊感を演出するのにアシッドが使われています。
ロウハウスの方はオールドスクール・ハウスの手法に則りながらも現代の良質なミックスダウンで
迫力のあるベースに仕上がっている曲が多いようです。

◯現在入手できるアシッドベースシンセ

「レア度」は価格や希少価値の度合い、「ラリ度」は主観的な音のヤバさです。
「プア度」はプロダクトとしての質感の低さ。低い方がイイんですw
プロダクトとしてクオリティが高くても「らしくない」っすからね。
オシレーターの種類によってアナログ、アナログモデリング、デジタルと分けています。
一番エグい音がするのはアナログですが、最近ではアナログモデリングの物もイイ線いってます。

◯アナログ

・Roland TB-303

レア度★★★★★
ラリ度★★★★★
プア度★★★★★

前述したようにプレミアついて大変です。
でもやっぱり音は別格です。使える人が買って下さい。

・Cyclone Analogic TT-303 Mk1/Mk2

https://www.cyclone-analogic.fr/en/34-bass-bot-tt-303-0701980493430.html

レア度★★★★
ラリ度★★★★★
プア度★★★★★

筐体デザインまで丸パクリのMk1。現在では「最も303に近い音」がします。
TB-03の発売と同時にRolandからクレームが入ったのかダサ可愛い缶ペンみたいな筐体になってしまいましたが、
出力端子が豊富なのでモジュラーシンセと組み合わせると凄く面白そうですね。

・x0xb0x

http://www.ladyada.net/make/x0xb0x/fab/

レア度★★★★
ラリ度★★★★★
プア度★★★★★

コッチの業界ではなく電子工学界で著名なLady Adaが設計したオープンソース・プロジェクト。
要は「設計仕様を公開するからお前ら作ってみろや」的なプロダクト。
音はTT-303に負けず劣らず。筐体設計に余裕があるので魔改造された物も多いです。

原則的にはキット販売なんで工作経験が無いと作れません。
ごく稀にヤフオクに流れてきます。
完成品の販売は日本でならgizm0x shopで。
http://gizm0x.handmade.jp/

・AcidLab Bassline 3

http://www.fukusan.com/products/acidlab/bassline3.html

レア度★★★★
ラリ度★★★★
プア度★★★

808クローンMIAMIでお馴染みドイツはAcidLabの303クローン。
あまり存在感が無い(持ってる人が少ない)のでじっくり聴いた事がないんですが、
結構イイ選択だと思うんですよ個人的には。
アナログモデルの中で唯一国内代理店があるので入手し易いって利点も大きいです。

・Avalon Bassline

http://www.abstraktinstruments.com/product/avalon/

レア度★★★★★
ラリ度★★★★
プア度★

303に近いとかそんなのどうでもよく最the強のアシッドシンセですコレ。
例えるなら「もしもELEKTRONが303クローン作ったら」こんなん出来そうです。
Youtubeに挙がっている動画ではイマイチその魅力を掴みづらいところがありますが、
スペックだけでもお腹いっぱいです。
ちょっと引っかかるポイントは「音が整い過ぎじゃね?」と疑問に感じる所。
このあたりアナログと謡いつつ雑味の少ないELEKTRONと似ていますね。
船賃込で13~15万円くらいしますが、20数万出してTB-303買うならコッチの方がいいかも。

◯デジタル(アナログモデリング)

・Roland AIRA TB-3

https://www.roland.com/jp/products/tb-3/
レア度★
ラリ度★★★
プア度★★

登場時には世のアシッドフリークを盛大にガッカリさせたものの、
「実は意外とイイ機材じゃね?」と再評価されつつあります。
中古では2万円を切るようになってきましたね。
音は303に比べて滑らかでいわゆる「普通のモノシンセ」に近いかも。
主役は張れないけど脇役としてイイ仕事してくれます。
実際のところ「303とは別物のシンセ」と捉えると小さいし軽いし打ち込み易いし、
なかなかデキる子です。電池駆動だったらよかったのにね。

・Roland Boutique TB-03

https://www.roland.com/jp/products/tb-03/
レア度★
ラリ度★★★
プア度★★★
TB-3で散々叩かれた後に出てきたのでTB-3よりは303に近い音がします。
価格や入手のし易さも考えると一番手堅い選択。
ただレゾナンスを上げた時の発振音がけっこう耳に痛い。
このあたりはアナログモデリングの限界なんでしょうかね。
しかしシーケンスなどの使い勝手は格段に向上しているようで、
ライブプレイでも色々と便利。
オーバードライブとディレイ内蔵ってのもソソるポイントです。

・Twisted Electrons ACID8 MkII

http://twisted-electrons.com/acid8/
レア度★
ラリ度★★★★
プア度★

これヤバいです。303クローンとは違うアプローチでアシッド感を出した良プロダクトかと。
デジタルはデジタルだけど8bitオシレーター特有の個性的な音がします。
原宿FiveGで販売してますが実物見るとチッコくて可愛いです。質感も極上。
チップチューンにも最適でしょ。35歳以上のオッサンはこの音で殺せます。

◯ソフトシンセ

・AudioRealism Bass Line 3

http://www.audiorealism.se/audiorealism-bass-line-3.html
「マジこれソフトシンセかよ?」
ハッキリ言ってTB-3やTB-03より「らしい音」が出ます。
ソフトでここまで出来るんだから本家には頑張って欲しいですよね。
ハード派の方にもお勧め。

・D16 Group Phoscyon 

http://d16.pl/phoscyon

最初に買ったクローンですが、こちらはソフトシンセの域を超えてません。
癖の無い音なので音創りの素材としては使い易いかもしれないです。

・BassLine – Analog Modeling Synthesizer

https://itunes.apple.com/jp/app/bassline-analog-modeling-synthesizer/id298147000?mt=8

iPhoneアプリ。XYパッドを使ったフィルター操作が楽しいです。
楽器屋さんでエフェクターの試聴する時に重宝してます。

◯ライブや曲作りでの使い方

アシッドベース自体は非常に単調なフレーズなので、単体で聞いていてもすぐに飽きてしまいます。
30年前ならともかく、今では使い古され過ぎて古典芸能みたいな扱いになってます。
それを如何にしてサイケデリックな世界観に引き込むかがパフォーマーの腕の見せ所。
他の音(特にドラム)とどう絡めるかが肝なんでしょうね。

初期のアシッドハウスの曲やDJプレイを聴くと、
アシッドを出すまでにかなり時間をかけてジラしていますね。
曲の前半はリズムだけ、ブレイク明けにやっとベース登場、なんて曲も珍しくありません。
スライド機能の「ウニョン♪」を多用したフレーズが多く、
フィルター操作も結構ゆっくりで数小節かけてツマミを回している感じがありますね。

対してテクノ系では初っ端から入って、ピークでフィルター/レゾナンスのプレイがきます。
エフェクターを挟んで音色をアレコレ変化させるのもテクのうち。
ディストーションを使うのがド定番ですから、ハードフロア以降のアシッドテクノが好きな方は
一緒にディストーションペダルも買ってしまいましょう。
かなり激しくツマミ操作してる人が多く、ハウスがアダム徳永ならテクノは加藤鷹の指使い。

◯他機材との組み合わせ

・エフェクター

アシッドベースの音作りに欠かせないのがエフェクター。
種類が豊富過ぎてここでは紹介しきれないんですが、
オーバードライブやディストーション、ディレイあたりが定番なようです。
個人的にはレゾナンスを閉じた音にリバーブをかけるのが好きかも。
デジタル系303クローンを買って出音に物足りなさを感じている方は、
オーバードライブやベース用コンプレッサーを噛ましてみましょう。

自分が色々と試した中で一番気に入ってるのがコチラの動画の組み合わせ。
YouTube Preview Image
DanElectroのSpringKingという安いスプリングリバーブと、
秋葉原のエフェクターパーツ専門店「桜屋電気」で買ったオーバードライブのキット。
それを一つの筐体に収めたモノを作ってみました。
実は壊しちゃったんでもう一度作ろうかor何とか直そうかと考えてます。

・ドラムマシン
ベースのフレーズ自体は凄く単調なので、ライブプレイではドラムの抜き差しが重要です。
なのでMUTE機能が得意なモデルを選ぶのが得策かと思います。
TR-8みたいにフェーダー操作出来るのは抜群にイイですよね。

・オールドスクール派
TB-303と同時期に同じコンセプトで発売されたTR-606のチープな音がジャスト。
しかし606は同期方法がMIDIではなくRoland独自の規格なので(TB303も)、
クローンモデルのTT-606やAcidlab Drumtixが良いかと思います。

・ハウス派
TR-909か、TR-707/727がよく使われています。
タムやコンガ、ホイッスルなどアフリカン/ラテン系パーカッションの音が多用されています。
またボイスサンプルをチョップした声ネタを連発するのも馬鹿っぽくてアリ。
727の音は大好きなんで何処かでクローン出して欲しいですわ。

・テクノ派
これといって定番モデルが決まっているわけではないけど、
やはりアナログドラムマシン、特にTR-808系の音をよく聞きます。

◯まとめ

どんなジャンルのリズムに乗せるか、アシッドを主役とするか脇役とするか、
それによってどこまで予算を割り当てられるか見えてくるかと思いますが、
パンク的DIY精神に富んだ文化でもありますから、難しい事考えずに中古の安物を買って
ハードオフに転がってる安ペダルと組み合わせるのもアシッドのコンセプト的にはアリです。
今年は30周年という事でより多くの人がアシッド沼にハマってくれる事を願います。

心からw

音質語る前に試しておきたい電気の話

トラックメイカーやDJのみならず音楽が好きな人ならイイ音で聴きたいって思いますよね。
ADAMやGENELECのスピーカーとかRMEのインターフェイス憧れますよねー。
ゆくゆくはNEVEやUREIが欲しい、なんて気持ちもよく分かります。
音質はもちろん曲作りのモチベーションも激しく上がるでしょうしね。
そこまでいかなくても5〜10万円クラスの音響機材を導入しようって方は珍しくないだろうし、
作り手じゃなくても音楽が好きな人なら決して高い買い物ではないとも思います。

だーけーどー、
年末年始にかけてお金も入った事だし憧れのスピーカーをポチるぜー!
って前にチョット待って下さい。
アンプやスピーカー、アナログシンセの実力を出し切れる環境は整ってますか?
部屋の構造から理想的な配置が出来ないのは仕方ないとしても、
けっこう見落としがちなのが電気です。
特に僕らの扱う電子音楽にとっての電気とは料理における水のようなもので、
電気が綺麗なほど美味しい音楽になるって言っても過言ではありません。
ボク自身エンジニアなど専門的な職業に就いている訳ではありませんが、
本業が大工って事もあり電気配線を調査する事もしょっちゅうあり、
また本職のエンジニアやピュアオーディオマニアからアドバイスを貰って環境を作っています。

◯音楽にとっての良い電気

さて音楽にとっての良い電気とはなんでしょう?
乱暴に言ってしまえば100Vを下回らない電圧で、かつノイズの少ない電気です。
ではそのノイズの発生源とは?
エアコンや冷蔵庫、電子レンジ、パソコンなどの他の家電です。
ザックリ過ぎるけどそんな認識で十分だと思います。

要はこれ等の家電とオーディオと電気の経路を出来るだけ分断してやればいいんです。
この「出来るだけ」ってのがミソで、
出費ゼロでやる方法から話題の「マイ電柱」まで色々と方法があります。
その中でも小難しい話は抜きにして、低予算で自分が実際に試して効果のあった方法を紹介します。

◯家の電気経路を確認しよう

どんな家にも必ずブレーカーを集めた「分電盤」があります。




左側のが「親ブレーカー」右側に並んでいるのが「子ブレーカー」です。
真ん中のは気にしなくていいです。
各世帯に送られた電気は親から子ブレーカーに分けられて、
各々の部屋のコンセントに送られています。

写真の分電盤を例に挙げるとですね、
10個の子ブレーカーから各部屋のコンセントに分配されています。
そこでこの子ブレーカーに1から10までの番号を振って、
家中のコンセントにAからZまでの番号を振ります。

適当な照明器具を用意して、
コンセントに挿して点灯させた状態で子ブレーカーを一つずつ落としていきます。
するとどのコンセントがどの子ブレーカーに繋がっているか分かりますよね。
これを全てのコンセントで確認します。
コレ内装工事業者が工事の最初にやる仕事だったりします。

コンセントの経路がわかったら、
ノイズの発生し易いエアコンや冷蔵庫などとオーディオに使いたいコンセントとを、
子ブレーカー単位で分けてやればいいんです。
理屈の上では親ブレーカーを通してノイズが伝わってしまうんですが、
子ブレーカーで分けるだけでも確実に効果がありますよ。

◯ついでに電圧と極性も確認しよう



ホームセンターや電気街でテスターを買いましょう。
デジタル式の安物で十分です。1000円で買えます。

家庭用の電気は交流100Vと決まっていますが、
分電盤からの距離や壁の中の配線次第でけっこう誤差があります。
低いよりは高い方がいいです。プラマイ3Vくらいは仕方のない事ですが、
酷い時は90Vを下回るコンセントもあったりするので注意しましょう。

コンセントってどっち向きに挿しても電気は通りますが、
実は極性があります。よく見ると穴の長さが少し違っていて、
長い方はN、短い方はLと表記されています。
プラグを挿す時に向きを確認して挿すだけでノイズ防止になりますよ。

◯こだわるなら電気工事やってもらおう



電気屋さんに来てもらって子ブレーカーとコンセントを組み替えたり、
ブレーカー自体を増設しちゃうってのもアリです。
ただし上記の方法で配線経路を確認してからでないと、
意味のない工事になったりボられる事もあるんで要注意。

それからホームセンターに行くと電気部材が色々と売っていて、
ちょっと調べれば自分で全部出来ちゃったりしますが、
電気工事士の資格をもってないとダメなので素人は触っちゃいけません。
分電盤の中ぶたは開けちゃダメだよ?
子ブレーカーとFケーブル合わせて2〜3000円で済むけどダメだよ?
親ブレーカー切っとけば感電の心配無いけどダメだかんね?

◯ノイズを消そう

上記の方法でオーディオ専用コンセントを設定出来ればいいんですが、
普通の家庭ではそうもいかない事が多々あります。
そこでノイズを消す機材や部材を紹介します。

・パワーコンディショナー



オーディオ機器用の電源です。ってかコレ一発で大抵の問題は解決します。
自分が使っているのはTASCAMのAV-P25R。1万円チョイで買いました。
http://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/178446/
自宅が築40年のボロマンションって事もありコイツを使っただけで格段に音が良くなりました。
寝ていた音が立つ、というか輪郭がクッキリしたというか、、
パソコンの起動音「ポ〜ン♪」からして違うんです!マジでマジでw

・フェライトコア



パソコンなどデジタル家電の電源ケーブルに付いているコレです。
ホームセンターや電気街で1個100円くらいで買えます。

これもノイズ除去に効果があるんですが、
オーディオ機器に使うとノイズが減る代わりに音が痩せてしまうケースが多いんですよ。
なのでコレはオーディオ機器以外のノイズ出しそうな家電に片っ端から付けちゃいます。

・現場用電源タップ



マシンライブなど電源タップを持ち歩く必要がある方なら、
ノイズフィルタ付きの電源タップFURMAN SS-6Bがお勧めです。
http://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/39113/
ケーブルが無駄に長くてクソ硬いんだけど、そこだけ交換しちゃえばかなり便利。

◯ACアダプタを見直そう



モニタースピーカーやアンプなどは100Vのケーブルを直結するタイプがほとんどですが、

安価なミキサーやシンセサイザー、オーディオインターフェイスなどは
設計上の問題からACアダプタを使っている事が多いです。

このACアダプタ実ぁそれ自体がノイズの発生源でして、
電子楽器やエフェクター用の物はだいぶ改善されていますが、
たまに「アダプタ変えたら音が変わったよオイ」という機材もあります。
そこで色々とお試し頂けるようにACアダプタ交換のルールを説明します。

・電圧と電流
電圧は「ボルト(V)」電流は「アンペア(A)」です。
電圧は9Vなら9V、12Vなら12Vと同じものを使わなくてはいけません。
電流に関しては機材側の指定する電流よりも大きければOKです。小さいのはダメ。

・AC/ACとAC/DC

ACは交流、DCは直流です。
AC/ACとは交流の電気を受けて電圧を調整した上で交流のまま機材に電気を送ります。
AC/DCは交流の電気を受けて直流の電気(電池と同じ)に変換してから機材に電気を送ります。
ほとんどは「AC/DCアダプタ」ですが、たまにAC/ACを使う機材があるので注意してください。

・プラグの形状

挿してみればわかるんですが中の直径が何種類かあります。
この手の機材はほとんど「内径2.1mm」を使っています。

・センタープラス/センターマイナス



これが一番間違え易いんですが、
プラグ内の中がマイナスの物とプラスの物とがあります。

ギターエフェクター用はほとんどがセンターマイナス。
シンセサイザーはセンタープラスが多いので、必ず確認しましょう。

・トランス電源とスイッチング電源

100Vの電気を9Vなり12Vなりに電圧を下げるのがアダプタの役割ですが、
その下げ方がふた種類あって古い物や大きな物は「トランス電源」
現在流通しているほとんどの物は「スイッチング電源」といいます。
音質的に有利なのはトランスの方。デカくてゴツいです。

ただし、

ピュアオーディオ的価値観では当然トランス型の物が好まれますが、
シンセやエフェクターなどはスイッチング電源のノイズも音作りの重要な素材だったりします。
元々スイッチング電源を使ったアナログのドラムマシンの為に同じ規格のトランス電源を試してみたら、
ノイズが減り綺麗になった代わりに張りの無い痩せた音になってしまいました。

同じ発想でフェライトコアをACアダプタに付けても音痩せしちゃってダメでした。

◯ケーブルを見直そう

PCDJに多いんですが、
MIDIコンに付属してるショボいケーブルをそのまま使ってる人、けっこう残念です。
またオーディオインターフェイス内蔵のMIDIコンは
製造コスト面からD/Aコンバーターがショボくて音がプアなケースがあり、
単体のインターフェイスを使うだけで格段に音が変わる場合があります。

オヤイデ製USBケーブル(1万円)を使ってる癖にオーディオケーブルはショボい奴も居たなw

ケーブルごとの改善効果の順番は、
オーディオケーブル>電源ケーブル>USBケーブル
って所だと思います。USBは全然わかんないよオレ。

PCDJの現場用なら1mあたり3000円〜5000円くらいの物で十分過ぎる効果が得られます。

おすすめのショップはコチラ。
http://procable.jp/products/Belden8412.html
ここでBELDEN8412のRCAケーブル(3000円チョイ)作って貰うのが良いかと。
ピュアオーディオ界では極論暴論で有名なショップですが、
ケーブルに限っては良質な物をエラく良心的な価格設定で売っています。
ボクも自作するまでは色々と買っていました。
オーディオに凝る人ならレビューやコラムも一見の価値アリです。
ほんと暴論尽くしなんで鵜呑みにしちゃいけないと思いますがw

また器用さに自信のある方やハードシンセを多用する方なら、
断然自作をお勧めします。はんだごて等の道具代なんぞすぐに元が取れます。
自作のメリットは材料費の安さ、長さや色が選べる、断線しても自分で直せる、
などイイ事だらけです。
ただし自宅用ならともかく現場用途には硬いケーブルは不向きです。
(オヤイデのUSBケーブルとかBELDENの88760とか)
取り回しが大変でケーブルが外れ易いので致命的(実際やらかしました)。

USBならBelkinの物
http://procable.jp/products/usb.html
これがホントに音いいのかは分からないけどw
柔らかさではトップクラスという理由で愛用してます。

オーディオケーブルはモガミ2534。一般流通してる物で一番やわらかいです。
音質十分、値段も安くて色も選べてハンダ付けもし易い。
※ご注意
PCDJやマシンライブなどの現場では仕方ない場合もありますが、
電源ケーブルやACアダプタとオーディオケーブルは出来るだけ近づけないようにしましょう。
一緒に束ねるのはNG。露骨にジージー言います。

◯オカルトグッズに気をつけよう

ピュアオーディオ界では「音が良くなる」と謳って
ワケのわかんない物を高値で売りつける業者が多いのも事実です。
音が良くなるSDカードとか、音が良くなるUSBケーブルなんぞ可愛いもので、
「コンセント”プレート”19000円」とかスピーカーの間に置くパワーストーンとか、
新興宗教も真っ青な商売が成り立っています。

こんなんなら自宅にマイ電柱を建てたり発電所で音が違うとか言ってる方が
100倍は理にかなっています。

◯とはいえプラシーボも大事

Twitterで見られるアホな投稿ですが、


細かく解説するとPCDJのアウトプットにハードのフィルターを繋いでまして、
そのフィルター内部のオペアンプをJRC4558DDという80年代のレアチップに換装しました。
電解コンデンサ交換と相俟って解像度UPかつドンシャリ感が強くなってます。
こんな風に「古い音楽はその時代のシステムで鳴らすのが一番」とか、
科学的根拠は曖昧だけど気持ちがちょっとアガるくらいなら可愛いもんだと思います。
僕らの作る音は「原音」という概念が無くノイズも重要な素材である事から、
音質の定義も自由かつデタラメでいいんです。
TB-303やTR-808/909などの機材だって元祖ではあるけど「本物」と言う必要はありません。
だって当のRolandが既に同じ物を作れないんだからw

◯おまけTips「PCDJの音質向上」

インターフェースとDJミキサーの間にハードウェアのアウトボードやエフェクターをかますだけで、
デジタル臭さが消えます。プリアンプ、コンプレッサー、フィルターなどなど。
DTM的に言うならマスターに挿すエフェクターですよね。
原音を損なう ので歌物や生楽器を多用するDJには好まれなさそうですが、
トラック物主体のハウス/テクノやベース・ミュージックなどには絶大な効果です。

・VERMONA ACTION FILTER


DJ用フィルター。ヒュンヒュン言います。前述した通り改造してます。

・Strymon DECO

サチュレーター/テープエミュレーター。
何を通しても音が錆びます。
ソフトシンセがハードっぽくなるし、NU DISCOがRAW HOUSE風味になります。

・FMR AUDIO RNLA7239



コンプレッサー。
パンチのあるビンテージコンプを模擬したモデルで、
コンパクトながら音質も上々、値段も安いので一台持っておくと何かと活躍します。
安物ドラムマシンのキックもこれ通すと凶暴になります。
兄弟モデルにRNC1773という物もありますが、そちらは原音に忠実なタイプ。
DJ用途ならソッチの方が良いかもしれませんね。

・DRAWMER LX20



コンプレッサー。
90年代初頭のポップ音楽にはほとんど必ず使われていた、
なんて説もあるくらいの定番モデルだったようです。
RNLAより更にバッツーン!とした潰れ方をしますねー。
コンプの理屈を知らなくても「あの頃のハウスの音」が簡単につくれます。

◯まとめ

ボクが今まで一番印象に残っているオーディオ体験は、
「平面バッフル」と呼ばれる大きなベニヤ板にスピーカーユニットをつけただけのシステムで
聴かせて貰ったダブとレゲエ。リー・ペリーとかジミー・クリフとか持ってったんですが、
ディレイの残響音が雪崩のように襲ってきて思わず悲鳴をあげてしまった程でした。
あ、もちろんシラフです。キメてないっすよ。
この体験からしてドラッグに頼らずともトリップ出来ると確信を持っています。

いい音って何だろう?と考えると、大事なのは体験を重ねて耳を肥やす事だと思います。
音がいい、と言われるクラブで踊ってみたり、ピュア系のショップで自分の曲を試聴したり、
自作の曲を本職のエンジニアにマスタリングして貰ったり、
機材以外にも投資すべき物事は色々あると思います。

音楽のジャンルによって世界観が違うように、
音楽の聴き方も立場によっても価値観が様変わりします。
ピュアオーディオの価値観もエンジニアの価値観もアーティストの価値観も、
それぞれの美味しい所を上手く取り込んで自分の耳を肥やして下さい。

マシンライブのエフェクター考察

マシンライブのみならず通常のトラックメイクでも、
音作りにおいてシンセサイズと同等に語られるのがエフェクト。
シンセやミキサーに内蔵されている物もありますが、
いわゆるギターや弦ベース用の「ペダル」を中心に、
可搬性の良い、又はパフォーマンス性の高い物を紹介します。

エフェクター導入の目的が純粋な音質補正ならラック形を選べばいいし、
難しい事考えたくない人ならDJ用マルチエフェクターを選べば良いかと思います。
ここで挙げるペダルタイプのエフェクターは、
価格帯も個性の幅もメチャクチャ広いのが面白いところ。
1000円で買える中古のディストーションが案外アシッドベースにハマるとか、
5万円を超える単機能エフェクターの味もたまらないとか、
モジュラーシンセ以上に深い沼に溺れる事が出来ますぜ。

◯シンセに使えるエフェクター

本来なら入力インピーダンスやら最大入力dBやら小難しい理屈を勉強する必要がありますが、
色々と試聴したり何だりした結果は「まずは挿してみよう!」としか言い様がありません。
心配な方はメーカー公式に「ライン入力対応」と謳っている物を選べば間違いありません。
逆にあからさまに対応していない物にシンセの音を入力するとどうなるか、というと、
単に音が歪んで使い物にならないだけで、別にブッ壊れる訳じゃないんでご心配なく。
「その歪みがイイんだYO!」という方はご自由にどうぞ。

◯必ず試聴しよう

本来ならギターに繋ぐのが前提なのでYoutubeに上がっている動画はほとんどがギターの音。
ギタリストなら音の変化に察しがつくでしょうが、そうでなければ全然アテになりません。
楽器屋さんに「シンセに使いたいんだけど」と説明すればちゃんと対応してくれます。

たまに居るロケンローな老害店員だと怪訝な対応をされる場合がありますが、
ボク等はそんな奴等の100倍はロックな事をしているので怯んではいけません。
他の試聴客がドン引きする事もありますが、
そういうヌルい連中は808ロングディケイキックでブッ飛ばしてやりましょう。

◯迷ったらコレを買え!

ドラムマシンやシンセでアレコレ迷ってるのにエフェクターにはハマりたくねぇよ!
という人も沢山いらっしゃるかと思います。
結論から言いますと「カネねぇならBOSS、カネあんならStrymon」です。
この2ブランド、クルマで例えるならトヨタとレクサスです。
BOSSは初心者からベテランまで幅広い層に支持されてるだけあって、
中古のタマ数がハンパじゃなく多いです。1000円から売ってます。

予算ブチ込める人にはStrymon。
ライン入力対応どころかラック型エフェクターの代わりに使う人が多いほど高音質。
懐も広くメチャクチャ音いいです。

◯エフェクターの繋ぎ方

わざわざ説明する程でもないけど、
通常は楽器とミキサーの間に繋ぐのが普通です。
そこから一歩踏み込んでミキサーのSEND/RETURNに繋いでみたり、
音質補正系やフィルターならマスターアウトに繋いじゃったり、
ルーティング次第で色んな活かし方があります。

◯今まで触った事のあるエフェクターレビュー

自分で所有したり人のを触らせて貰ったりしたエフェクターを挙げていきます。
一部ペダルタイプ以外の物もあります。
みんな大好きディストーション系はまだ試した事無いんですごめんなさい。

●リバーブ系
・Strymon Blue Sky(35000円くらい)


これ鉄板です。生活苦しかった時に売っちゃったんだけど。
シンセ用エフェクターとしてもシェアが高く、扱いやすく高品質。
繋いだシンセの値段を10万円分は高く聴かせてくれます。
お勧めは幻想的な空間演出の出来るシマーモード。
強いて難癖をつけるならSpringモードにバネ感が弱い。

・EVENTIDE SPACE(7万円!)
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https://www.eventideaudio.com/products/stompboxes/reverb/space

エフェクターとしては超高額なリバーブ。まじ究極。
リバーブって言うか異次元空間発生装置。宇宙の法則が乱れます。
MOTHER32に繋いだのを触らせて貰っただけなんですが
リバーブの域を軽く超えた音作りが出来ます。
音作りっつーかコレで演奏できます。
BluSkyやBigSkyの高品質プラス超幅広いパラメータ。
ツマミいじってるとワケわかんなくなります。
リバーブ選びで苦労してる人はドーン!といっちゃいましょう!

・DAN ELECTRO SPRING KING(1万円ちょい)
8869621_800

http://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/27582/

スプリングリバーブのピチャピチャ感を求めるなら本物のバネに限ります!
実はコレより高い(本物のバネ使った)スプリングリバーブを何個か試したんですが、
ピチャピチャ感はコイツがトップです。
ラインレベル対応とは言ってませんが、ドラムマシンやアシッドシンセは普通に使えました。

ノイズも多く低価格&低品質ですが、全て味として受け入れられます。
改造して壊しちゃったけど、動画あげてたんで参考にどうぞ。

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・TC Electronic Hall Of Fame & Mini(1万円台前半と後半)
hall-of-fame-reverb-persp
http://jp.music-group.com/TCE/Guitar/HOF_Mini/


普通のサイズとツマミ一つのミニVerとあります。
ギリギリまで迷って結局買わず仕舞いだったけど結構試奏させて貰いました。
Strymonほどの予算が無い方にお勧めの素性のいいリバーブです。

・ElectroHarmonix HolyGrail(1万円台後半)

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http://www.kcmusic.jp/ehx/holy-grail.html

デジタルだけどバネ感の演出がSPRING KINGに次ぐほど強いSpringモード、
フェイザーがかかったようなサウンドになるFlerbモード、
真面目にもイケるし変態プレイも可能な万能リバーブです。

が、残念な事にツマミを12時より右に回すと音が壊れます。
恐らくライン入力に耐えられないのか音割れとノイズで使い物になりません。
薄くかける分には上々の効果です。

・TC Electronic T2(1万円台後半)

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http://jp.music-group.com/TCE/Guitar/T2/
TC Electronicは3種類ものリバーブペダルをリリースしているけど、
一番ブッ飛んでるのがコレ。
格安で異次元系リバーブが欲しい方にお勧め。

●ディレイ系

・Strymon El Capistan
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http://www.allaccess.co.jp/strymon/elcapistan/
これも鉄板です。やっぱり生活が苦しい時に(以下略)
ちょっと優等生過ぎる面もあるけど、これ買っとけば間違い無いです。

・Kastam SS-101

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カラオケ用8トラテープを使った(本物の)テープエコー。
ペダルじゃないんだけど自分のエフェクター観を決定づけた問題機。
テープって通すだけで音が太く暖かくまろやかになるんです。
こればかりは現代の技術を持ってしてもシュミレーターでは再現できません。
デカいから持ち歩きには向いてないんだけど。
あと壊れちゃったのに直してくれる所が無さそう。

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・EP-103 ECHOPLEX DELAY
dunlop621

http://moridaira.jp/posts/jdunlop-ep103

往年のテープエコー名機ECHOPLEXのシュミレーションモデル。
そりゃま本物のテープには敵わないけれど、かなりイイ線いってます。
もうエフェクターというか【電子マリファナ】です。
キャラクター的にはEL Capistanが凶悪になった感じ。
何より気に入ってるのがFEEDBACKを最大にした時の発振音。

・VOCU VTE-1600
vte1600

http://www.vocu.jp/products/VTE1600/vte1600.htm

国産最後のテープエコー。
2004年くらいまで生産されていたようでヤフオクで入手しました。
本物のテープを使った物としてはかなりコンパクトで軽量。
窓からテープがウネウネ動くのを観ていて飽きません。
音質は上記のSS-101にくらべてかなりマイルド。
原音と遅延音が凄く変わるのがまたたのしいです。


 

●プリアンプ/サチュレーター系

・EP-101 ECHOPLEX PREAMP
dunlop-echoplex_preamp_002

http://moridaira.jp/posts/jdunlop-ep101

これはECHOPLEXのプリアンプを再現ってか回路そのままペダルにしちゃったもの。
ぶっちゃけ味付けは地味。だけどこの地味さ加減が絶妙で便利です。
コンプレッサー的にも使えますね。

・Strymon DECO
deco_withtapemachines

http://www.allaccess.co.jp/strymon/deco/

DAWのプラグインでは認知度の高いテープサチュレーター。
これ通すと「テープの音」になるって言うんですが、
テープというより真空管っぽい音になりますね。
パフォーマンス向けというよりは音質補正の役割が強いんですが、
DAW上のプラグインソフトより遥かに濃い味付けになります。

●フィルター系

・VERMONA RETROVERB LANCET
retroverb_lancet_rearqt_l

http://www.fukusan.com/products/vermona/retroverb_lancet.html

フィルターにオーバードライブ、LFOとスプリングリバーブまで付いた便利エフェクター。
オシレーター繋げばもう立派なシンセですね!
前々から憧れていて中古で見つけた時にサクっと買ったんですが、

・スプリングの効きが微妙(バネ感を強調しないタイプ)
・オーバードライブが効きすぎで収拾つかない

などなど期待はずれだったので売ってしまいました。
恐らくは単体のオシレーターと繋いでシンセとして使うのが良いかと。
エフェクターとしては使いこなすのに苦労しそうな暴れん坊タイプです。

・MXR BASS ENVELOPE FILTER
maxresdefault-1
http://moridaira.jp/posts/mxr-m82

いわゆる「ワウワウ」な音を出したくて買ってみましたが大当たり。
アシッドベースを通すと間抜けで面白い音になります。
しかし素性はよくDRY音とFX音と独立したツマミだったり、
レゾナンスはもちろん発振するしきい値を調整できたり、
音作り用途、パフォーマンス用途共にかなり奥の深いエフェクトです。

・VERMONA ACTION FILTER 2plus
action_filter_2_plus_l1

http://www.fukusan.com/products/vermona/action_filter_2_plus.html

1Uラックサイズですが奥行きが無い為に何とか持ち運べます。
DJ用フィルターでレゾナンスを上げてカットオフをひねるとヒュンヒュン言います。
これのオペアンプを交換した物をマスターアウトに挿してます。