Roland AIRA compact S-1レビュー

思うところあってユーロラックに固執するのを辞めようと決めて、
コンパクトで電池駆動する奴が欲しくてvolcaシリーズかAiraCompactシリーズで迷ってました。

◯課題:シンセドローンに何を加えるか

現在のモジュラーシンセはコンパクトな84×2段の中にドローンが出来るようなシステムを組んでいて、
最近ではモジュラーシンセはモジュラーシンセらしく
ドローンやノイズのような「あんま音楽らしくない音」を突き詰めたいと思っていて、
逆に「音楽らしい音の出るシンセorグルボ」が欲しかったんですよ。
音楽と非音楽の間を行ったり来たりするようなプレイが理想ですね。

そう考えてるうちにふと目についたのがRolandのS-1。
この道の大先輩であるSERi氏の動画で聴いて心臓鷲掴みにされましたね。
で、ちょうどイシバシ楽器で展示品特価22000円で売っていたのでサクっと購入。

◯とりあえず動画観てよ。俺んじゃないけど。

先ほど話したSERi氏の動画。
メランコリックで叙情的なシーケンスフレーズで「ワイもこんな音欲しいんや」と購入決定。
後日一生懸命耳コピしてみたけど上手くいきませんでした。

◯S-1の特徴

・軽く小さくバッテリー駆動。
・MIDIもSYNCもIN/OUT完備だからモジュラーでもグルボでも繋がるよ。
・ツマミは手がクソデカなアタシでも回しづらいってほどでもないね。許せる範囲。
・ディレイもリバーブもあるよ。太っ腹。
・TR-8の頃から言い続けてるけど緑が殺人的にダサい。
・文字が読みづらいって声もあるけど、それあなた老眼です。諦めましょう。
・確かに黒鍵の文字は読む気にならんね。

SH-101をモチーフにしたガジェットグルボ、というポジションでしょうが、
何処ぞのシンセおたくおじさんみたいに元祖の101やSH-01と比べてどうのこうの言いたくはありません。
とりあえず音が良い。「いかにもシンセサイザー!これぞシンセサイザーだよ!」って音がします。
ちなみにユーロラックでそういう音を出したいと思ったら軽く20万は溶けます。もちろん重いです。

オーソドックスなパラメーター構成のシンセな上にツマミでの音色変化が分かりやすい。
散々モジュラーシンセで右往左往していた身からすると「え?そんなんでいいんスか?」ってくらい。

◯触ってみた印象

Youtubeで動画を漁ったところメロディアスなフレーズが多いようですが、
実際に触るとよく分かるのがメロディ掴み易いんすよ。

ステップシーケンスも楽。ディスプレイ下のエンコーダー(ツマミ)をカチカチ回して
ステップ番号を指定して、鍵盤を押す。以上。
ELEKTRONによくあるトリガー押しながらエンコーダーで音程決めるタイプより簡単。

細かい設定なんかはMENUで奥の方にまとめて、純粋な打ち込み作業に集中し易いような設計です。
打ち込み苦手過ぎて最近ではシーケンサー辞めてランダムCVに頼りっきりな自分ですが、
これなら俺にも出来るじゃん!ってくらいシンプルな作業で済みます。

ただ引っかかる点が、その「細かい設定」を奥にしまい過ぎて覚えきれない。
「RECボタン押した状態で云々」:わかる。
「SHIFTボタン押しながら云々」:まぁしゃーない。
「STEPボタン押しながら云々」:そっちも使うんかい!

この時点でマニュアル読む気が失せましたね。

◯操作解説

面倒臭いのでこちらシンガさんの動画を貼っておきます。

面倒臭がりが極まると人の解説動画リンク貼って済ませてしまいます。

◯ツマミカスタム

ツマミの視認性が残念なので、ポスカ的なので溝を白く塗るかしましょう。
自分のは6mmツマミの上にくっ付ける「TALL TRIMMER TOPPERS」って物を使用してます。


元々モジュラーシンセ向けに売られている物ですが、AIRA COMPACTやvolca系にも使えます。
ただしイギリスのThonkって店でしか買えません。
https://www.thonk.co.uk/shop/tall-trimmer-toppers/
0.4€と高くはないけど送料含めると普通は躊躇してしまうでしょうね。
自分は50個とか100個単位で、或いは他のDIYキットと一緒に買ってしまいます。

あとはEtsyにも3Dプリンタ製のツマミが売ってますが、
これも結構なお値段になります。送料込みで8000円前後。

 

◯やっぱりダサい緑

ほんと何とかして欲しいので、自分で何とかすることにしました。

染めQ。

 

◯モジュラーシンセとの相性

やはり良いです。

ちゃんと自分のも動画をUPしました。
モジュラーのモヤモヤ感と対象的に分かりやすいメロディ。
S-1はどちらもプリセットパターンです。

ドローンシンセと。

verbosのコンプレックスオシレーターと。

 

◯こんな人におすすめ

・初めてのハードシンセがほしいDAWユーザー
・おんなのこ
・ELEKTRONに疲れた人
・モジュラーシンセで路頭に迷った人

◯まとめ

なんかこう、万人に勧められるシンセですね。
初心者にも玄人にも。
散歩がてら公園で鳴らしてみると新しいアイデアが生まれるかもしれません。

最後にGhostRadioShowのS-1動画を紹介します。
こうして聴くと古いドラムマシンともマッチしますね。
ただしこの動画を観て「S-1買えばこういう音楽できるんや」と勘違いしてはいけません。

凡人には無理です。

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