【復活】マシンライブ・ワークショップ【柴崎mod】

2012年から西麻布bullet’sにて発足させた主宰パーティ「マシンライブ・ワークショップ」、
自分自身の病気もあり一年ほど休止していましたが、このたび柴崎modにて復活する事になりました。
「マシンライブ」も「ワークショップ」も名ばかりの溜まり場的グダグダ会合ではありますが、
まだまだその存在価値はあると見ています。
◯12年の(ロクでもない)歴史を持つ長寿パーティ
マシンライブ・ワークショップのやる事は「単純に電子楽器を持ち寄ってダベる」これだけです。
緊張感あるライブもしないしセミナー的な講師役も居ないしワークショップらしい事はほとんどやりません。
津田沼に移ってからはBBQダイニングバーというのもあって「ただひたすら食わす」も加わり、
名物「振る舞い肉」と称したオーナーさんの厚意もあり肉々しい宴になりました。
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柴崎modでも新店舗ではキッチンを充実させる事もあり、
振る舞いフードは続けていこうと思ってます。3月は鍋な。湯豆腐喰いてぇって言った。
そんな意識低い系のイベントが12年も続くのは何故でしょうか?
ひとえにオレ様の人徳のお陰、と言いたいのはヤマヤマですが、
この分野の人達がそれだけ情報や仲間に飢えているって事でしょう。
いい加減、名前負け感が甚だしいので突然改名したい気持ちはありますが、
12年も続いちゃうとブランディング的に下手に動かせないジレンマもあるのですよ。
◯最近のマシンライブ事情
(ここでは広義、としてモジュラーその他の電子楽器を含みます)
アタシ個人の主観ではありますが最近の傾向として挙げられるのが
様々なライブイベント告知を目にするようになり発足当初より賑やかになってきたけど、
「ライブイベントの数は増えたけど何処へ行っても変わり映えしない」
「結局はライブアクト個人のクオリティに左右されがち=出る面子が一緒」
「ライブアクト個人はともかく、イベント単位での個性が感じられない」
「客は黙ってライブを聴くだけで演者や他の客とコミュニケーションが取れない」
「いつも同じ顔ぶれだから端から見れば内輪ノリ」
といった問題点が出てきます。
まぁ仕方ない部分もありますが、出来るだけオープンに新しい人に向けてアプローチしていきたいと思ってます。
◯ライブレス・パーティの必要性
生楽器のライブイベントやDJイベントなどと違い、電子楽器分野で重要なのは情報交換と体験交流会です。
もちろん他にちゃんとしたライブイベントあってこそ、ではありますが。
初見では「妙ちくりんな機械いじって本人以外なにやってるかわからない」のがほとんどじゃないでしょうかね。
似たような機械いじってる僕らでさえもわかりませんよ。
その垣根を少しでも低くするためにお客=オーディエンスを育てなくてはならないと思っています。
また電子音楽ライブのお客はだいたい自分でも所有しているor興味がある事がほとんどですから、
目の前に羅列された機材を触ってみたいと思うのは自然な願望です。
例えば何かしらの電子楽器を所有しているけど人前で演奏した事がない(する気もない)とか、
そんな人が自宅以上のサウンドシステムで自身の機材を鳴らしてみる体験。
ネットで興味を持ったけど取っ掛かりが見つからず困っている人に生の体験談を聞かせるとか、
そういうネットで得られる知識以上の体験をしてもらう事だと思います。
また電子音楽は所謂ポップスとは程遠い音楽で、一般的にはわかりにくい、伝わりにくい音楽です。
音楽とは別の要素で楽しさや世界観を演出する必要がありますし、
個人で音楽とビジュアルアートを両方やってる人も少なくありません。
絵画や映像などのビジュアルアートと組み合わせている催し事もありますし、
イベントやパーティを企画する人はそういう音楽以外の文化にも興味を持つ必要があります。
別に精通する必要は無いけど、興味を持つ事が大事です。
◯どんな人が電子楽器ライブに興味を持つか
ある程度の年齢層、30代から50代くらい。ある程度お金の自由が効き
若い頃に何かしらの音楽/表現活動をやっていた人がほとんどです。
男女比では男の方がずっと多いんですが、女性も増えつつあります。
・DTMを経て電子楽器ライブに興味を持った人
これは僕自身もそうなんですが、今の時代はDTMが入り口になる人は凄く多いです。
楽曲制作してネットに上げて、というプロセスに留まらなくなった人達。
ソフトシンセしか扱った事の無い人がツマミでダイレクトに音色変化する体験をすると病みつきになります。
・元バンドマン
モジュラーシンセ界隈には凄く多いです。歳食って集まりづらくなったバンドマンが、
一人で出来る音楽活動として電子楽器にハマっていきます。
生楽器経験者は自分のやりたい音楽を体得してるので上達がメチャ早いし、
場数をこなしているから頼りになります。
・楽曲制作に縛られず音楽をやりたい人
DTMと言えば最終目標は曲の制作。一人で地道な作業を延々と続ける必要があります。
対してマシンライブでは同好の士と交流から始まり、ライブ自体がオーディエンスとのコミュニケーションです。
これを楽しいと捉えるか否かで向き不向きが別れます。
・上記のような音楽活動で挫折した人
楽器習得が上手くいかなかった、金がかかる、バンドメンバーが集められないetc.
こういうスネにキズを持つ人も多いです。
若い頃は勢いで何とかなったけど今は気力体力共に衰えてしまいますからね。
◯ライブハウスの作法
古い業界ですから地域によって特定のしきたり作法などもありますね。
自分はクラブ畑の出身ですけどライブハウスには少々違う空気を感じます。
自分の主宰するパーティでは、そういうものを極力なくしていきますが、
もちろん必要な人には教える事もできますよ。最低限、挨拶を怠らないこと。
◯とはいえ既に個性的なライブレス・パーティもある(ほとんど行ってないけど)
機材構成と演奏内容等を説明しながらライブをし、質疑応答込みの「SHOW ME YOUR MIND」
シンセサイザーの歴史を記したドキュメンタリー映画鑑賞会(兼ライブ)「Modular Theater」
モジュラーシンセと生楽器を組み合わせてライブする人の勉強会「with modular」
70年代に英語で書かれた電子音楽の名著”Electronic Music” を勉強する輪読会「Reading Circle」
電子楽器を作る人の集まるコミュニティ「Synth Maker Community」
などなど、これら尖ったコンセプトで客層を絞り「客と演者」ではなく
「全ての参加者」にとって有意義な集まりを開催している人達もいます。
(気になる人はTwitter上で検索してみてね)
アタシはオーガナイズの力量が足りず、それら程にレベルの高い企画は出来ませんが、
逆に言えばそれらの全てを浅く広く内包できるコミュニティを作る事が出来ます。
そういえば、余った機材の個人売買交流会「マチモがらくた機材市」もありましたね。
◯パーティの理想
電子楽器、という括りだけであらゆるベクトルのパフォーマーが相互に刺激し合える場を作るのが目標。
その為ネットでよく見かける「機材マウンティング」と「原理主義」を禁止し、
音楽志向的にはカオスなコミュニティにする為に特定のジャンルに偏らないよう注意します。
もしかすると苦手なジャンルのプレイヤーとカチ合ったりする事もあるでしょうが、
ここではまず相手の文化と経験を尊重して、出来れば吸収して頂きたいと思います。
嫌いな物を好きになれとは言いません。まずは尊重と敬意を払って、その上で存分に喧嘩して下さい。
何から手をつければ良いか分からない初心者も、
癖がついて手法がマンネリ化しているベテランも、
一緒に新天地を盛り上げていきましょう。
◯個人的プロフィール
ryotakojima(本名フルネーム全て小文字ってのはDJ時代の師匠から受け継いだ伝統なんです)
DJ/パーティオーガナイズ歴25年(はっきりは数えてない。30年かも)
生楽器は全く出来ない。ドレミも知らない。
電子工作はチョットやる。プログラミングはできない。
本業の方は大工/機械板金工/インテリアデザイナーとして活動した後に病気して引退。
工業高卒で独身貧乏。こないだ50さいになりました。
DTMは38歳で始めて当時の仲間とレーベル立ち上げたけど実質休業。DAWはダルい。
グルボに移ってマシンライブを志すが打ち込みが嫌になってモジュラーシンセに移行。
しばらくユーロラック至上主義だったけど最近はこだわらずに楽しんだモン勝ちじゃん?
音楽よりもブログが当たって現在に至る。書く方が楽しい。最近は外部サイトでも記事書く。
楽曲制作の代わりにライブ演奏動画を廃墟に行って撮る事を楽しむが、危険なので誰も付き合ってくれない。
寒い冬と虫の多い夏は休止中。
現在のオーガナイズパーティ
・マシンライブ・ワークショップ
・マチモがらくた機材市
音楽活動での目立った実績はないけど(全くないけど)、
末永く楽しみ続けるコツはよくわかっています。
比べない事。飽きない事。縛らない事。
・音楽遍歴
24.5歳まで音楽と縁はなく、バイクと女のケツを追い回す人生。
女にフラれた腹いせでDJ始める。「DJやればモテるんじゃね?」で実際に喰い散らかせた時代。
調子に乗ってホモに輪姦されかけ新宿二丁目から四谷三丁目まで走って逃げたトラウマから大人しくなる。
レゲエとハウス。テクノは全く知らん。
ドラッグはマリファナとハッシシだった。酒はほぼ呑めない。LSDは質の悪い物を一度だけ。
DTM始めてからハウスを作りたいが音楽知らないと出来ない事に気づかされ、
ミニマルやドローンを好んで聴くようになる。音数の少ない方が肌に合う。
◯そういう訳で
東京の西側に拠点を移したマシンライブ・ワークショップ、お近くの方は是非遊びにいらしてください。
初回は3/9(日)と、4月以降は毎月第一日曜11:00-16:00に開催します。