ミドルサイズ・モジュラーシステムの提案

さてさてただいま絶賛制作中の64×2段ケースの用途を紹介しようと思います。
ミドルって言われてもナニを基準にミドルなのか自分でも分かっていませんが、
84×2や104×2をフルサイズ、Pods60シリーズあたりをスモールシステムとするならば
その中間といった意味合いで紹介します。
4段5段のケースを担いでいる強者に鼻で笑われそうですがw気にしないでお付き合い下さいまし。

○外形寸法

基本仕様の寸法は、

横331mm x 縦285mm x 高さ55mmとなります。

少し大きめのカバンになら収まるサイズ。
次はフタを作りたいところですがしばしお待ち下さい。

○このサイズ他には無いよ

60HP前後の1段ケースであれば4msなどからリリースされていますが、
その2段ってなかなか見つからないと思います。
84段x1じゃ物足りない、でも84×2段は埋めるのに時間かかりそう、
そういったニーズの隙間を狙っています。

そして割と正方形に近いのが愛嬌があって良いでしょう。
モジュラーシンセ特有の威圧感が無いのでご家庭で顰蹙を買う事も減るかと思います。
バッテリーとヘッドフォン持ってスタバでオサレにモジュリングするのにもGOOD。
アルミ生地のシルバーがMacBookともよく似合います。
84×2段を2つ、というのはキツいけど64×2を2つなら持ち歩きも苦ではありません。
64×2を1つならトートバッグにだって入りますよ。

○ミドル/スモールサイズモジュラーの活かし方

84×2や104×2をフルサイズとすると、
そのセット一台でライブパフォーマンスの全てを賄えるシステムを目指すのが一般的ですが、
それを64×2などの小さなサイズを行おうとすると相当の熟考が必要になりますので、
小さなサイズは一点特化型に割り切った方がプランニングが捗ります。

64HPを1つの機能に絞った上でそれを2つ。
はたまた当ブログで推奨しているような「セミモジュラー+α」システムもお勧めです。
そしてモジュラーシンセ以外の機材を組み合わせるのは如何でしょう?
グルーブボックス、PAミキサー、はたまた鍵盤やペダルエフェクターなど、
自由な構成が魅力のモジュラーシンセなのに、
自分の音楽がユーロラックだけに縛られるのは本末転倒でもありますよね。

○モジュラー「シンセ」にこだわる必要も無いのよ

シーケンサーシステムを作っても良いし、
CVモジュレーションだけに特化したシステムというのも楽しそうですよね。
小型のシステムならこういう割り切り方も大いにアリだと思います。
はたまたモジュラーユーザーには大人気のMutable Instruments。
モジュラーシンセ云々は置いといてMutableシステムが欲しい、という人も珍しくないでしょう。
そうなるとフルサイズのケースだと持て余してしまうんですよね。

○ModulerGridで色々考えてみたよ

このサイズのモジュラーをどう活かすか。
実際に組んでいる物や妄想でしかないけどあったら楽しそうなシステムを紹介します。
制作しているケースは真ん中に横向き4HP(深さ25mmまで)がつけられますが、
そこは省略しています。

・セミモジュラー+αシステム
https://www.modulargrid.net/e/racks/view/1244465

自分が行っているシステムであり、
このケースを作るキッカケになったアイデアでもあります。
MOOGのM32系セミモジュラーを中心に、
追加したい機能をじゃんじゃん追加するプラン。
このあたり別記事で紹介しますね。

・スーパーvolca


https://www.modulargrid.net/e/racks/view/1283659

もう一つの箱でドラム系モジュールを合わせたセットを組む予定だったけど、
その前に魔が差して寄り道しています。
KORG volcaシリーズをユーロラック化できるマウントアダプタを入手して
主にシーケンス系を強化するプラン。
Volca自体がマスタークロックになるのでユーロラックとは相性が凄く良いんですよね。
これも実際に制作中。出来たら別記事で紹介します。

・グルボ拡張用CV変調システム


https://www.modulargrid.net/e/racks/view/1278915

音の鳴るシステムではありませんが、
主にOCTATRACKやDigitaktとの組み合わせを想定しています。
グルボからのMIDI信号をMUTANT BRAINでCV/GATEに変換し、
MATHSやZADARでCVを、QCDでクロックを自在に化させられます。
キーボード兼即興プレイ用シーケンサーとして0-CTRL、
出来上がったCV/GATE信号をVCMCでMIDIに変換して戻すシステムです。
VCMCのフェーダーは各トラックのボリュームに設定出来ます。

・ミキシングステーション


https://www.modulargrid.net/e/racks/view/1279586

PAミキサーと比べてしまうとトンデモなく高価に思えますが、
だけどこのサイズで欲しい機能をテンコ盛りにしたセットであれば長く愛用できる筈。
核になるのはWMDのPerformance Mixer。
ユーロラック最高峰のミキサーとして名高いモジュールです。
ライン入力もイケるよ/CV突っ込んでVCAとしても使えるよ/センドリもあるよ、って事で
スタンドアロンのミキサーでもこのサイズでこの機能を備えたモデルはありません。
そして何かと重宝しそうな(持ってないw)オシロスコープ。
色々な信号を目視できるのは非常に有益だと思います。
この他にもUSB-MIDIモジュールを中心にDAWと組み合わせる為のシステム、
なども考えられますが自分自身この方面には疎いので省いておきます。

○まとめ

こんなふうにミドル~スモールサイズのモジュラーシステムの楽しみ方を提案してみましたが、

キモは
「全てをモジュラーに固執する必要は全くない」
「シンセサイザーにこだわる必要もない」
「モジュラーが主役である必要もなく、グルボやDAWのサブシステムとしても有益」
といったところです。

せっかく自由な構成を自在に出来る規格なんですから、
ユーザーが凝り固まった使い方に縛られるのはナンセンスでしょう。
柔軟な考えをもってご自身の理想に近づけていって下さい。

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