ELTA MUSIC SOLAR42Fレビュー

初めて目にしたのは前作SOLAR 50。

青いモデルで斬新なルックスにバチコ〜ン!と心を奪われました。
それから数年、後継機のSOLAR 42Fを入手する事が出来たので紹介します。

◯ELTA MUSICとは

元々モスクワで興されたメーカーで、ウクライナとの戦争を境にラトビアへ移りました。
ソ連時代の伝説的シンセ「Polivoks」を小型化したシンセやフィルターを作っていましたが、
SOLARシリーズをきっかけにアナログドローン+実験的エフェクトを備えたシンセを得意とします。

◯製品コンセプト

「アンビエント・ドローン・マシン」の名の通り、ドローンシンセのお化けです。
一部ADSRがあったり、ブックラみたいな5ステップシーケンサー、鍵盤風のタッチプレートもありますが、
基本的にはドローンシンセです。
よく言われるのがSOMAのLYRA 8に似てる、と。
前に少し触ったLYRA8は「これパッチング出来たら面白いのになぁ」と思ったんですが、
SOLARはパッチング出来ます。一応セミモジュラーシンセです。化け物だけど。

◯入手経路

ELTA MUSICは日本に代理店がないんですが、
PerfectCircuitなどで売ってますし、Reverbでたまに中古出ます。
今回はelevator soundsというイギリスのショップで購入しました。
となると気になる税金ですが、今回は2万円で済みました。

◯デザイン


強烈です。デカいです。そして重いです。
やはり東欧的デザインというか、刺さる人には刺さる旧共産圏文化の匂いがデザインからもします。

S4用のケースに入れたところ

縦32cm横50cm。厚さは全然なくツマミ覗いて2.3cmといったところです。
ちょうどTRAKTOR KONTROL S4と同じくらいだから、カバンを探すにはS4で探すといいよ。

重さは7kgあります。
白いモデルを選んだのですが、純白というほど白くはなく薄っすらとクリーム色がかかってます。
他には黒、緑、ピンク、黄色があります。
最新の42Nだと青もあるよ。青かっこいいよ。人選ぶ色だけど。

 

◯一応注意。SOLAR 42シリーズは3種類あるよ

まず42(無印)、42F、そして最新の42Nというのがあります。
細かい仕様が変わっているのですがホントに細かい所です。
ただ中古品を購入する際は注意して吟味しましょう。

・42(無印)から42Fへの変更点

-デザインの小さな変更
– LIN/EXP入力CVスイッチ
-ボルトオクターブボイスにサブオシレーターを追加
-ノイズが少なく、ヘッドフォンの音量ノブがカサカサしない
-利便性のため、グラフィックを若干変更しました。
-入力は黒、出力は赤で表示されます
-フィルターにバンドパスとステレオ歪みモードを追加
-エフェクターの各チャンネルのバイパス
-ジョイスティックユニットのLED表示

・42Fから42Nへの変更点

-LFOにスピードスイッチを追加
-カートリッジのロードを簡素化
-初代モデルのデザインを踏襲

公式サイトで調べたところ以上のような変更があります。
Youtubeに多く上がってるのは42Fのもの。
特に無印から42Fへの変更点であるサブオシレーターとバンドパスフィルターはデカいな、と思ったんですが、
実際手にしてみると大して変わりありません。
大きな差はないので好きな色で選びましょう。

◯仕様


前作のSOLAR 50はオシレーターが50個もある怒涛の化け物でしたが、
42は42個、ではなく24個(になるのかな?)です。

まずSOLAR 50にもあった5連オシレーター「クラシック・ソーラー50」が4セット、
ノイズと独立したLFOを備えた「パパ・スラパ」オシレーターが2セット、
比較的普通のシンセに近い「VCO A/B」が2セットあります。これだけV/OCT対応。これだけな。

そしてその全てにholdボタンがあり押すと音出っぱなしのドローンになります。

一番下の赤いツマミ群はパッチング前提のモジュレーターやシーケンサーとなり、
中央に各ボイスのミキサー、その上にフィルターとエフェクターがあります。

ざっくり言うとこれがSOLAR 42の全貌です。

◯同期

MIDIは無いです。(アナログ)クロックのみ。
ただそのクロックもパルス幅が短いモジュラーのクロックは反応しない。
QCDなどトリガーからゲートに変えられるクロック信号を用意しないとダメ。
同期自体必要ない、と言われればそれまでなんだけど。

◯タッチプレート鍵盤

鍵盤風のタッチプレートはVCO A/Bに繋がっておりそれらの音を出す鍵盤になります。
スケール指定が可能。
また16ステップのシーケンサーも内蔵してます。使いづらそうだけど。
買う前は「これ鍵盤弾ける人じゃないと使わないだろうな」と思ってましたが、
触ってみると楽しいです。
ADSRのAを遅めにすればリズム感のない人でもゲートのタイミングに違和感なくなるしね。

◯5ステップ・シーケンサー

ブックラ風の5ステップ。
どこにでもパッチ出来るけど素直に考えればVCO A/Bに繋ぐのが良いと思う。
5ステップは未経験の人はハマるよ。

◯コンタクトマイク

タッチプレート中央のお日さまマークの所にピエゾマイクを内蔵しており、
赤いツマミの中のpreampに繋がってます。その上でミキサー/エフェクターを通して
出音と混ざるんですが、これ楽しいです。
本体各所にあるトグルスイッチをパチン!と鳴らすとそれを拾ってくれるのです。
もちろんエフェクト通ります。ディレイでパチン!パチン!パチン!・・・となります。

◯エフェクト

エフェクトは付属するカードによって色々なエフェクトをかけられます。
13枚ついてるのですがぜんぶ試すのも面倒であまり使ってません。
基本的なディレイ系リバーブ系だけ試しましたが、
ちょっと使いづらいかも。エフェクトは外付けにした方が良いかも。
と思ってRE-202買いました。

◯どんな音楽をやれる?

アンビエント全般(ダーク〜を含む)、シネマティック・サウンドスケープ、などなど。
ダンサブルな音楽には似合わないかも。
というより、ダンス系やる奴がわざわざこんなん買わないか。

◯参考動画

公式からも色々あるけど個人的にオススメしたいのはコレ。
最近ここのチャンネル大好きなんスよ。
DFAMと組ませたプレイで、同じ事やりたくて一度壊したDFAMも買い直した。

◯まとめ

まだまだ各機能を理解しただけでパフォーマンスをするほどには至らないのですが、
UIは整理されてるし覚えやすい構造なので難しさは感じません。
末永く付き合っていこうと思ってます。

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