ユーロラック音質向上計画
ユーロラックモジュラーもシステムが完成して月日が経つと、
「もっとイイ音で鳴らしたい」
「アイツのラックの方が音綺麗じゃね?」
と思う事があります。
近年では音質的にも有利な4Uのブックラユーザーも増えてきて、
だんだん片身が狭くなる一方です。
だがしかし、
ユーロラックはパンクでありパンクと言えばDIY。
そうして試行錯誤した音質向上テクニックを色々紹介します。
だいたい電源周りが中心です。
「電子楽器における電気は料理で言うところの水」
水が綺麗なら料理も美味い。
電気が綺麗なら音も美味い。
仮にLoFi志向な音質が好みでも一旦は綺麗な音にした方が、
汚し具合を制御し易いので良いです。
◯前提条件
・基本的にライブ用持ち出し電源
・可搬性最重視、音質は次、コストは良識の範囲で。
・軽くコンパクトでケーブルなら柔らかい方が良い
・ケーブルは取り違えが頻発するので色付きが良い
・あからさまに耳で聴いて違いがわかる物を体感済)と表記、
・静かな所で聴けば分かるけどライブハウスでは微妙なのを(効果有)表記してます。
◯バスボードの方がバスケーブルより音良いよ(体感済)
これは体感で体験しましたが、
長らくフライングバスケーブル仕様のラックを組んでいて、
たまたまバスボード仕様のケースにシステムを載せ替えた事があるんです。
するとどうでしょう。
あからさまにノイズが減りました。
ケースを購入する際に必然的に決まってしまいますが、
音質的にはバスボード仕様がマストです。
◯バスケーブル派の救世主(体感済)
4ms Bus Stick
自作箱でもボードの無いケースでも、これを使う事でバスボード仕様となります。
しかも細いからいろんな所に収められます。
◯スダレツイスト・フラットケーブル(効果有)
https://shop.oyaide.com/products/p-688.html
スダレケーブルとは、フラットケーブルが一定間隔でバラバラになっているもの。
それにノイズに強いツイスト加工を施したものがコレになります。
10芯の物は無いので太い物を裂いて使う事になりますが、
赤い線だけ端っこになるように注意して下さい。
ちなみに、コネクタの圧着は専用工具もあるけど万力でカシメるのが一番楽です。
それとオヤイデで売ってるナイロンメッシュチューブ、熱収縮チューブ、ヒートガンを用意し、
ナイロンメッシュは42,3cm、熱収縮チューブは1~2cmごとにカットします。
裂いたケーブルの上にナイロンメッシュを通し、両端を熱収縮チューブでカバーしヒートガンで縮めます。
その後コネクタを向きを間違えないよう圧着して出来上がり。
これをモジュールの数だけ作ります。
◯DC電源ノイズクリーナー/フィルター(体感済)
https://shop.oyaide.com/products-petit-susie.html
またオヤイデ製品ですが、値段の割に効果が凄い。
これはACアダプターとモジュラーの間に挟むタイプのノイズクリーナー/フィルター。
たまたまライブハウスに持ってきた友人が居て、みんなで試したんですが、
高域の通りが凄くよくなり、ディレイのフィードバックが気持ち良いのなんのって!
ちなみにエレクトロン製品にも試しましたが、
こっちは元々良い電源なのかあまり効果はありませんでした。
アナログシンセやモジュラーシンセなどクラシカルなシンセには効果絶大。
◯GaN充電器+USBトリガーケーブル(効果有)
GaNとは窒化ガリウム。Ankerなどの充電器であくあるタイプです。
元々ACアダプターの軽量化を目的に購入しましたが、
実はノイズをそんなに出さないとの定評があります。
組み合わせるのはUSBトリガーケーブル。
これはUSB‐C端子からDC端子に変換するタイプのケーブルで、
9/12/15/20Vと電圧ごとに分かれてます。
自分は電圧ごとにマスキングテープで色分けしてます。
端子は2.1/2.5共用ですが稀に合わない場合があります。
その時はL字のコネクタを利用します。
このL字も便利なのよね。
ユーロラックでは15Vが一般的でしょうか。
一般的なシンセでは12Vがほとんどです。
みんな大好きMantisは13Vなので分かりません。
15でも大丈夫な気がするけど、持ってる人試してみて。
壊れても知らないけど。
◯電源ケーブル(効果有)
オーディオ論で悪名高い(笑)プロケーブルの電源コードを使います。
プロケーブル、思想は強いけどケーブル関係は良心的でコスパが良いのでよく使ってます。
普通はオーディオ用ケーブルと言えばアース付きの3Pタイプですが、
これは一般のコンセント形状と同じ2Pです。
今回の電源構成はAC部分よりもAC-DC変換後のノイズが気になるので、
3Pはあまり意味は無いと判断しました。
それに小規模のライブハウスや飲食店など普通の2Pコンセントしか無いのがほとんどですからね。
◯TDC-YouパッシブDI(体感済)
今度はアウトプット周り。大規模なライブハウスでは必ずと言って良いほど使われているDIですが、
これはパッシブ(電源要らず)な上にステレオなので便利です。
接続はINPUTがTSフォーン、OUTPUTがXLR/TSです。
ちなみにXLRは極端に長くない限り(3m~5m以上)ノイズ耐性はあまり変わりありません。
足を引っ掛けても抜けないから、という事故防止の為に採用してます。
そのアウトプットに使うケーブルはモガミ2534を使ってます。
◯モガミ2534(効果有)
これは昔から使ってるので効果はよくわかりません。悪くはないでしょう。
2534はコスパが良く柔らかく、カラーが色々あるのでお気に入り。
ほぼ同じ性能で2534よりもっと細い2893というのもありますが、
自作用途でしか買えないので信頼性重視の今回はパス。
モジュラーシンセ→パッシブDIはではTSフォン(出来るだけ短いのを)、
パッシブDIからお店のPAシステムまではXLRで3m用意しました。
◯ライブではあんまり効果が無かった対策
・デジタルモジュールとアナログモジュールで電源を分ける。
電源モジュールを二つ用意して、デジタルとアナログとで分けて聴いてみましたが、
労力の割には効果感じられなかったので却下。
まぁマシではあるんだろうけどね。
・オーディオ用高級電源
これは買ってはいないのですが、ライブ持ち出し用として考えるとあまり意味は無いです。
アナログのミキサーやスピーカーに使うならともかく。
はたまた自宅のスタジオならともかく。
「でもなんか凝りたい」と言う型は工事現場用電源(2.0以上の太い奴)にフェライトコアを付けましょう。
◯まとめ
ピュアオーディオマニアのようにならずとも、
手間さえかければユーロラックでも高音質狙えるって事がわかりました。
主にノイズ対策をしっかり行えば効果は覿面です。
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