Elektron Tonverkレビュー(購入前)

機材を買うペースが早くなってきましたがライブの予定などは全然ありません。
ついでに言うと現在は無職のクズです。
今回紹介するのはELEKTRONの最新サンプラーTonverk(トンベルク、でいいと思う)です。
エレクトロンから久々に出た新筐体(旧A4より小さくDigitaktより大きい)で、マルチサンプルを扱える機材です。
それを予約したけど導入まで一週間ある上に買う前に準備が色々出来るので今からお話していこうと思います。
◯そもそもアタシELEKTRON歴は長いのよ
長いだけで大したことやってないけど。
モジュラーシンセに移行してから日が経ってしまったけど、それ以前はELEKTRON信者でありました。
スタンドアロンのグルボは色々触ってきたけど、メーカーごとにワークフローが変わって混乱するんですよね。
加齢による堪え性の無さや理解力の低下その他いろいろが原因です。平たく言えば歳喰うとバカになるって事ですわ。
みんな気を付けてな。バカになったらモジュラーシンセに移行しよう!モジュラーは馬鹿に優しい。
そんなだからグルボはELEKTRONに絞ってしまおうと考えています。
グルボとモジュラー、それぞれの利点を考えると、シンセはモジュラー寄りでフィジカルに、
サンプラーはグルボ寄りでロジカルに考えた方が理にかなっていると思います。
もっともシンセはアナログモノシンセにしか興味ないけどね。
◯トンベルク概要
サンプラーです。新しい発想というよりは、懐かしい発想を現代に蘇らせたサンプラーです。
それがマルチサンプル。一つの楽器の音を音程やベロシティごと別々に録音したもので、
よりリアルに鳴らしたい要望から生まれたサンプル。多分PCMシンセなんかはそうやってるんじゃないかな?
知らんけど。
トラック数は8。ただそれぞれにサブトラックというのを設定でき、更に8個のサブトラックが出来ます。
つまり最大で64トラック、誰もやらんだろうけど。
既存のモデルに比べて大幅に増えたエフェクトも魅力的。
かつルーティングも自由自在で複雑怪奇。たぶんココが鬼門になります。
◯主目的
民族楽器などシンセ以外の音源のライブラリ化→それをライブ等で常用できるレベルに落とし込む。
Tonberkのコンセプトとして凄く相性が良いと思うんですよ。
シンセの音が欲しけりゃそのシンセ買うのが一番良いしね。生楽器っぽいのをオートサンプラーで
MIDI音源から引っこ抜くのがラクで(マシンライブでは)今まで無かった手法だと思います。
◯マルチサンプルとは
初心者の方には馴染み薄いと思いますが、ループ、ワンショットとは違うもので、
一種類の楽器を音階ごとベロシティごとに録音したサンプル群で、
特に生楽器の再現に威力を発揮します。
Tonverkでは「どこからどこまでの音階で」とか「どのくらいのベロシティで」を指定出来ますので、
そんなに膨大なサンプル量にはなりません。他は知らん。
昔、90年代くらいのソフト音源が広まる前はこういうサンプルが盛んだったと聞いています。
◯もうひとつMNG
そのライブラリ化の為に購入したのがこちらmellotron micro module。
mellotron自体がテープに録音された音源を鍵盤で再生するサンプラー的な楽器でもあるけど、
独特のテープノイズや不安定さが専用の、というか本家によるデジタル化でしか味わえないと見ています。
自分は元々レゲエ/ダブが好きでメロディカ(鍵盤ハーモニカ)の音をずっと欲しいと思っていたけど、
このメロトロンのアコーディオンの音がよく似ていると思い購入に至りました。
ちなみに「MIDIで動く電子メロディカ」も売ってるけど、
デモを聴く限り音と演奏が綺麗過ぎて「オレの知ってるメロディカじゃない」とも思いました。
◯初期設定
自分は「新しいグルボを買ったとき、初期のパターンを全て消してから臨む」タイプですけど、
元々あるSDカードにプリセットパターンなどが内蔵されている為、
新しくSDカードを買ってしまえば面倒臭い作業を抜きにして真っ更な機材が手に入ります。
・新規SDカードのフォーマット
64GB以上のSDカードを用意して、まずはPC上で「exFAT」形式でフォーマットします。
その後SDカードをTonverkに挿入、[SYSTEM] → [FORMAT SD CARD] を実行します。
するとTonverk用の必要なフォルダ構成(Projects, Samples など)が自動で作られます。
そうして作ったSDカード内には以下のような構成になります。
/Tonverk
/Projects{一つの楽曲又はライブセット)
/Samples(ワンショットなどのサンプル素材)
/Instruments(オートサンプラーで作ったマルチサンプル素材)
/Presets(Tonverk本体のエフェクト設定)
/Settings(本体設定用システムファイル)
/Samplesに関しては種類ごとにフォルダ分けしといた方が良いです。
例:/Samples
/Drums
/African
/Latin
/Electro
/Melodic
/Mellotron
/Melodica
/Strings
/Field
/Nature
/FX
◯他のELEKTRONマシンとの棲み分け
Elektoronにはサンプルベースの機材が数種類あります。
model:samples、Digitakt(mk2)、OCTATRACK、そしてこのTonverk。
これらのモデルがどう違ってくるのか紹介します。
まず最廉価のmodel:sample。これは基本的にワンショットサンプルを並べるだけの機材です。
これを買うなら同じ価格帯で他のメーカーから選んだ方がマシです。
model:cyclesを持っていて操作感を統一したい、とか特殊な理由が無い限りお勧めしません。
そしてDigitakt。mk1とmk2がありますが違いは取り込めるサンプルがモノラルかステレオか、ってくらい(かな?)。
現状ではアップデートによる機能追加が凄まじく中古のmk1が最もお買い得。これは両手離しでお勧めします。
最も高価かつ最も古いのがOCTATRACK。当ブログでも連載記事を書いていましたが機能がエグい。
3日触ってないと操作を忘れると言われる地獄のマシンです。
当時、多分唯一ループサンプルのタイムストレッチが出来たので重宝されました。
今から買うのはお勧めしない。定価で30万だし、単純な機能面ではDigitakt mk1が追いついてきている。
で、これらに対するTonverkのアドバンテージはマルチサンプルとエフェクト群の豊富さ、ですね。
ちなみに、Tonverkはタイムストレッチ/スライス非対応です。
ワンショットかマルチか。これはDigitaktとの差別化を考慮して敢えて入れなかったんでしょうね。
マングラー的に使うならDigitakt。ワイはS-4あるからええんやけど。
なので現状で今一番お勧めなのはDigitakt mk1の中古です。保証付きの店舗販売でも10万円切ってます。
メルカリ/ヤフオクなら7万円くらいかな?
タイムストレッチできます。音いいです。ステレオじゃない以外mk2と変わらない(と思う)す。
OCTA mk3?出ません。
だいぶ前ですがOCTATRACKの開発者が亡くなったと聞いてます。
天才的エンジニアだったそうで他の人に作れるものじゃないようです。
「OCTAmk3あったらなぁ〜」とかのたまう連中が未だに多いのはオクタ伝説の名残だと思ってますが、
白馬の王子様を待つ女子中学生みたな事言ってないで素直にmk2買って勝手に頑張ってろ。
そして「Digitaktの方が良かったじゃん」と烈火の如く燃え盛る後悔に身を焦がせ。
だいたいお前ら女子中学生ばりに可愛い訳じゃないだろ。
可愛いはジャスティスだけど可愛くないオッサンには人権などない。
人非人として慎ましく生きてゆけ。
◯さらにMNG/Tonverk導入前から仕込み
今度はドラム/パーカッション。こちらはソフトで。
Native Instruments SPOTLIGHT COLLECTION。
世界中の民族楽器のアーカイブ、33500円。
パーカッション音源なんてフリーで幾らでも手に入るけど、
サンプラーの扱いはファイルの整理整頓が重要なのでちゃんとお金を出しました。
たぶん、こういうマシンライブ以降の電子楽器界では
あり得ない音を積極的に取り込んでいくのがTonverkのアドバンテージだと思います。
さて、Tonverk導入前からSDカードを用意してTonverk仕様にワンショット音源だけを整理していきます。
買った後でならどうにでも出来るけど、買う前からこういう仕込みができるのは有難いですね。
◯購入前まとめ
Tonverkの予約は既に済ませているものの、記事を書いている時点であと一週間あります。
ChatGPTに仕様を聞いて準備は万端。導入後はオートサンプラーとエフェクト群を紹介していきます。