官邸前DISCOに思う政治と音楽

【悲報】首相官邸前、ディスコになる:キニ速
http://blog.livedoor.jp/kinisoku/archives/4294138.html

2ちゃんねる系のタイトルに使われる「悲報」という表現は、
自虐を込めたブラックジョークの一つとして認識していますが、
長いことクラブとDJに携わってきた身としては冗談に思えない悲報です。

音楽が政治を変えるのか?
政治が音楽を踊らせてるのか?

70年代のジャマイカや80年代のロンドンならいざ知らず、
経済的に弱った現代日本の音楽が、
市民権もロクに無いクラブシーンが、
こんな浮ついた方法で政治を動かそうなんてちゃんちゃらおかしい。

レゲエやパンク、広義ではデトロイトテクノや70’sのロックなど
レベルミュージック(反逆の音楽)の思想には共感と憧れを持っています。
当時の社会情勢を察すると彼等には音楽しか武器が無かったと思えるし、
音楽が社会への影響力を十分に持っていたからこそ成り立った革命であり、
下心が無かったからこそ現代にも語り継がれる文化として生き残ってるのだと思います。

それに引き換え現代日本で大衆音楽を使って政治主張をしようとする連中の
浅ましさと幼稚さには辟易とします。
反戦反戦と謳って己と闘う事も放棄してキズの舐め合いを目的に音楽を利用しているだけ。
尚且つ自分達のセンズリ行為が文化への冒涜だと気がついてない。

慰め合いたいんならカラオケで虎舞竜でも歌ってろボケ。
リンク先の記事にツボにハマった表現があるので抜粋します。

体を揺らし不満を表現。
体を揺らし不満を表現。
体を揺らし不満を表現。

(そしてサラっと政権批判)

あのすいません、、、

それって、

ただの、

ダダっ子じゃないですかwwwww

 

ちなみにこのイベントのキーパーソンになったDJの沖野修也氏。
何冊か出ている著書を読んでいますが
非常に理性的なスタンスでDJ文化の発展に精力を尽くしている方です。
氏のブログを読むとこの件に関して何とも言えない苦々しい感情を読み取る事ができ、
諸々の批判や誤解を覚悟の上でのDJ参加なのだと思います。
沖野氏の本音は自分には知る由もありませんが、
覚悟を決めた男の闘いにケチをつけるのは野暮でしょう。

はたまた、
ちゃんと政界の流儀に則って闘うクラブシーンの人達もいる事を忘れちゃいけません。

クラブとクラブカルチャーを守る会
http://clubccc.org/

この人達は衰退したクラブシーンを復興させる為に
健全かつ地道に行政に対して風営法改正を求めています。
クラブが政治に対して自由を求めるならここから始めるべきであり。
これこそがオトナの主張、オトナの闘争なんじゃないでしょうか。

これから世の中がイデオロギーの争いに巻き込まれてしまうのならば、
ささやかながらクリエイターを束ねる身としてのスタンスを明確にしておかなければなりません。

まずはレーベルオーナーとして、いちクリエイターとして、あらゆる政治活動には加担しない事。
例外は文化の為の政治活動のみであり、それも出来るだけ手を出さず慎重に対応します。
政治活動の為に自分達の愛する文化を利用しようとする輩は左派右派問わず敵とみなします。

僕達はリズムの快楽に溺れた廃人でしかなく、
あわよくば小遣いを稼いで女の子にモテたいと願っているだけの下衆な連中です。

だから関わって欲しくないというのが一番の本音。
しかしこの願いと「反戦と平和」とか「民族と自衛」とかいった主張と、
どっちが崇高なんでしょうかね?
百歩譲っても、覚悟の無い連中にケチを付けられる筋合いはありません。

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