x0xb0x制作記【3】組立編

さぁいよいよ組立を始めますが、gizm0x版x0xb0xは
抵抗やコンデンサなどに高グレード品を使っているので部品仕様が微妙に違い、
本家マニュアルだけをアテにすると少々混乱する事があります。

また既に生産中止となっているレアな部品もいくつかあり
今後は互換品に替わる事も多くなるでしょう。
有名どころではRolandのビンテージマシンにとって重要なVCAチップ「BBA662A」、
他にもトランジスタ「2SC1583」の入手が困難となり、
フルキット販売を停止せざるを得ない状況になった海外ショップもあるようです。
今後はどちらも互換品になり、厳密な意味での音質は変わるようです。

gizm0xキットには独自の部品表(兼チェックシート)がありますので、
それと照らし合わせながら作業を進めていきます。

要注意ポイントは

・抵抗は金属皮膜とカーボン抵抗を両方使う
・トランジスタは本家マニュアルでは同じ型番指定であっても
 場所によって低 hfe ランク品と高 hfe ランク品とを使い分ける箇所がある。
・ポット(ボリューム)は取り付け前に長さを揃えておく

これらをキッチリ確認する必要があります。

組立順序はLadyada版の通りで概ね大丈夫ですが、
部品実装の基本だと「背の低い部品から取り付ける」のが原則ですが、
今回は部品の数が膨大なので、
間違いを防ぐ為にLadyada版の各ページの部品表に則って付けていきます。

PowerSupply
VCO
VCF
Envelope
VCA
Headphone
I/O Boad
Seqencer
Finishing

ダイオード→抵抗→コンデンサ→トランジスタ→IC→ポッド/コネクタ類

後、冬場の静電気には注意しましょう。
セーターやフリースなどを避け、必要に応じて金属部分を触り放電した方が良いですね。
CMOSロジック IC の足にはむやみに触らない方が良いです。

トランジスタとICの数もかなりあるので、
脚を曲げる際は細心の注意が必要です。


こんな脚曲げ専用の治具を用意すると作業が捗ります。

◯組立時点での改造

一度はマニュアル通りに組み立てた方が理解し易いんですが、
仕様の決まっている地味な改造は先に行なってしまいます。

・タクトスイッチ

キット付属のスイッチは耐久性が低く押し心地も微妙なので、
x0x系パーツショップRv0から購入したスイッチキャップと、
https://rv0.be/
アルプス製タクトスイッチに交換します。
http://www.alps.com/prod/info/J/HTML/Tact/SnapIn/SKQE/SKQEACA010.html

Rv0のキャップは全部ライトグレー。
ノーマルのように赤白黒と色分けしてくれていれば良かったんですが、
ここは仕方ないですね。

・コネクタ増設

通常のキット内容では双方の基板のどちらかにコネクタ、もう一方は基板に直付けの仕様です。
これを整備性向上の為に両方コネクタ仕様にしてみました。

・LED

ノーマルx0xb0xキットでは赤一色、
gizm0xキットでは視認性向上の為にカラフルな配色になっています。
個人的に寒色系の色が好みじゃないんで、白、黄、赤の3色構成にしました。

gizm0xキットで採用のLEDはCree社製C503Bというシリーズ。
マルツで扱っています。
http://www.marutsu.co.jp/pc/i/232286/

付けてみたはいいけど白が他の色より眩しいので、
ここはいずれ全部黄色に変えようかな。

・DC化
ノーマルのキットはAC/ACアダプタなんですよ。
海外じゃポピュラーですが日本じゃあまり選択肢が無い。
自作の電源ユニットやエフェクター用の高級電源を試したいので、
DC9Vセンターマイナスにします。
地味な改造のように思えますが電源に汎用品を使えるメリットはかなり大きいですよ。

DC化や電池駆動化もgizm0xショップで扱っています。
1号機の方は電池駆動だったんですが、単3×8本でかなり長持ちしますよ。

◯失敗事例

・レアな部品を無くしかけた

生産中止の為に希少価値が高い部品が色々とありまして、
有名どころのVCAチップBA662Aの他に「2SC1583」というトランジスタがあります。
作業中に袋ごと見失ってしまって「まぁ秋葉原にあるだろ」とタカを括ってたら、
全然無い。代替品と言われる部品も皆無。
結局部屋じゅう大掃除をして見つけられたから良かったものの、
ホントに無くしてたら大変です。

・gizm0x部品表の存在に気付かなかった!
作業の半ばまで部品表がある事に気が付かず、
微妙に仕様が違うLadyada版の部品表を見ながら当てずっぽで実装してました。
gizm0x版は同じトランジスタでも低hfe品と高hfe品とを
使い分ける必要があるのに気が付いたのも後の祭り。。

・基板同士を繋ぐ電線の配線ミス
メンテ性向上の為に全部コネクタにしたんですが、
コネクタの左右勝手や配線の順番で混乱。
当てずっぽで実装したら案の定音出ません。
しかも基板にプリントされているコネクタ番号も隠れてしまい、
ネットで基板の写真を探しても見つからず、
困り果てた挙句に仕方なくgizm0xセンセーに基板の写真を送ってもらいました。

で、懲りたので総コネクタ化は辞めました。

・ボリュームシャフトの切断をしてなかった。
キット在中のボリュームのうち6個を実装前に
シャフトの切断して長さを揃えなくてはいけないんですが、
面倒クセぇからと後回しにしたところ、お察しの通り苦労しました。

◯gizm0x版のキット販売について

gizm0x shopではこのスペシャルx0xのキット販売を予定しています。
完成品と同じように音質に関わる部品の仕様や定番改造までオーダーメイド可能。

しかも!

現在日本語組立てマニュアルを作っているようです。

(超欲しかったー)

今回の組立では元々所有していた1号機をバラしてお手本にしていたから良かったんですが、
それが無かったら完成に漕ぎ着けるのは難しかったでしょうね。
英語マニュアルだけで組むのは相応の経験者でないと厳しいかも。

まだ正式な発売に至っていませんが、
興味のある方は問い合わせてみてください。

◯まとめ

とりあえず中身は完成です。

今までのモジュラーやデジタルドラムマシンと比べると、
部品点数が膨大なせいでかなーりシンドかったですw

実際に作業して身に沁みたのが、
「作業時間の半分は部品の仕分けや確認に費やされる」こと。
こういった作業は慣れてないとかなり疲れますね。
自分の場合は制作ペースが1日2~3時間、1ページか2ページ分の作業でヘトヘトです。
次回は調整/改造編。
実際に音を出してチューニングやカスタムを施していきます。

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