誰でも出来るMINIBRUTEモジュール化改造

素性の良さと音の太さで定評があるにも関わらず、
ネット上ではイマイチ陰の薄いアナログモノシンセMINIBRUTE。
minibrute

https://arturia.jp/products/item/minibrute/

あんまり売れてないのか見切り品として3万円で買えるお店もあるくらいです。
「この値段なら、、」と一台買ってみたら自分のツボにハマる音で大当たり。

海外のカスタム作品の写真を見て閃いたんですが、
これ鍵盤外すとかなーりカッコいいんですよ。
構造的にも分解は簡単なので早速挑戦してみる事に。
でもせっかくだから、
当ブログを読んでくれている方なら誰でも出来るように、
尚且つ元の形に戻せるように仕様を考えました。

※ご注意
この改造はMINIの方しか出来ません。
MICROは筐体の加工が大変そうで割に合わないかと。
当たり前だけど分解や改造は自己責任でね。
今回のプランは材料加工を業者さんに任せる方針ですが、
ご自身で加工が出来る方はずっと安く作る事が出来ます。

◯モジュール化にあたっての機能制限

・左側のオクターブ選択ボタンが効かなくなります。
・CV Pitchでの音程コントロールができなくなるのでMIDIシーケンサー必須です。

◯予算
材料加工を依頼するので金額の変動がありますが、
道具込でもだいたい2万円以下で収まります。

◯用意する道具

・ドライバー(プラス2番、プラス1番もあると尚いいです)
・千枚通しや目打ちか、ハンドドリル
・両面テープ
・定規など

◯材料の製作依頼

サイドウッドを木材加工屋さんに、
底板とブラケットを板金屋さんに注文します。

・底板/ブラケット

個人向けの板金加工をしてくれる工場が色々とありますが、
自分が世話になっているのはコチラ。

http://www.bankin-koubou.com/

手書き図面でも受け付けてくれる所が有難い。
大抵はdxfやdwgのCADデータが必要なんですけどね。

図面引いたのでコレで見積もり依頼してみてください。
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ちなみにこの図面はイラストレーターで無理矢理描いたので図面としての精度は悪いです。

大まかな仕様は、

底板(1枚):厚さ1,5mmアルミ、焼付塗装(つや消し黒)
ブラケット(2枚):厚さ2.0mmアルミ、無塗装

です。
発注時期や納期によって金額が変わるけど、
だいたい1万円くらいで1台分の部品を作ってもらえます。

ちなみにアルミでなく鉄板で作れば安くなりますよ。重いけど。

・サイドウッド

木材加工はコチラのショップを利用しました。
http://shop.woodworks-marutoku.com/

メニューから「無垢材フリーカット」ページへ、
そこで好きな木材を選び、サイズと角の加工を選択して注文します。
ウォルナット、チーク、ホワイトオークあたりがお勧め。

参考までに自分の発注した仕様は、

ウォルナット材
20x60x183mm
両面ウレタンクリア塗装

です。
どちらも納期は2週間くらい、サイドウッドは東急ハンズでカットして貰う事も出来ます。
しかしサイドウッドは加工指示ミスで取り付けが出来なかったので、
今回は東急ハンズで適当な無垢材をカットして貰いました。

ハンズでは1枚400円の適当な無垢材を選びました。
厚さ15mm、高さ60mm、長さ183mm
全ての角をR3で面取り
材料費と加工代2枚で1500円+塗料代。

マルトクショップの方は2枚で5000円くらいしますが、
塗装もしてくれるし質感は遥かに高いです。

ハンズの場合は自分で手にとって好きな木材を選べるのがいいですね。
納期が早く当日or翌日にあがります。

◯副資材の調達

東急ハンズやホームセンター、秋葉原の電子部材店などでネジとゴム足を買います。

・ゴム足4つ
・M3x8mmタッピングビス
・M2.6x10mm小ねじ
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※写真は寸法の違うネジですが、このブランドが分かりやすくてお勧めです。
ネジ類は本体を分解した際に外した物も使えますが、
念のため一袋くらい買っといた方がいいです。

◯分解

MINIBRUTEの分解は簡単です。

1.まず底面のネジを全部外して底板を外します。
img_5102

2,筐体の裏側にサイドカバー取り付けネジがあるのでこれも外します。
img_5103

3.鍵盤と本体を繋いでいるコネクターを外します。
透明の接着剤が付いていますが爪で簡単に剥がれます。
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4.今回設計したブラケットはピッチベンドホイールの線と干渉してしまう為、
一旦ネジを外して線を曲げてやります。
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◯組み立て

・サイドウッドとブラケットの組立

本体と照らしあわせて正確な位置決めをし、
両面テープで仮固定します。
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後ろから10mm、下から3mmにしました。
左右対称になるので気をつけて下さい。
ちなみにこのブラケットは切り欠きがある方が上です。
ピッチベンドホイールを避ける為ですが、左右とも同じ形にしています。

本固定の際はビスを揉む前に千枚通しやドリルで下穴をあけてやります。
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いきなりビスだと硬くて回せませんし、穴がズレる恐れがあります。
下穴をあけておけば電動ドライバを使わなくても大丈夫。
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・塗装

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サイドウッドが未塗装の場合はこの時点で塗装してあげます。
ブラケットを付けておけば乾かすのが楽です。
塗料は色々と選択肢がありますが、耐久性と塗り易さを考慮すると
「油性ニスをうすめ液で2倍から3倍に薄めて重ね塗り」がベターです。
薄めないとムラになり易く難しいです。

・サイドウッドと本体の固定

元々のサイドカバーを取り付けていた銀色のM3タッピングビスで本体に固定します。
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右奥のネジだけ電源スイッチが邪魔で入れづらいので、ピンセットやお箸を駆使して頑張って下さい。

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・底板の固定
底板を被せて両サイド4点ずつ、後ろ4点をビス止めします。
後ろはM2.6x10mmの小ねじ、
両サイドはM3タッピングビスで留めます。
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最後にゴム足をくっつけて出来上がり。
img_5144
◯おまけ改造とお勧めシーケンサー

ボクはKORG SQ-1を使っているんですが、
コイツはC3以下のMIDIノートを吐けないっていう致命的弱点がありまして、
鍵盤外したMINIBRUTEでは低音が出せないんですよ。

そこでピッチベンドホイールのバネを外してしまいホイール下げっぱにする事で対応。
BEND RANGEツマミを12にすればC1相当まで下がります。
更にはホイールが好みじゃないのでツマミ化しちゃいました。

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東急ハンズで厚さ1mm、幅20mmのカラーアルミ板を購入し、以下のように2枚加工します。
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これを本体裏側から接着剤でくっつけて、
表から大きめのワッシャで挟んでやればおk。
ちなみにこのツマミはSQ-1の物です、

そんな面倒臭い事したくないよって人には
同じArturiaのBeatStepかDoepferのDARKTIMEをお勧めします。

◯まとめ

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いかがでしょ?かなりカッコいいでしょ。
小型軽量化で持ち歩くのも苦じゃない重さになりました。
MINIBRUTE買ったはいいけど邪魔で困ってる人や、
中古や見切り品を見つけた人は是非ともチャレンジしてみて下さい。

これホントいいシンセですよ。

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