DJ活動の集客ジレンマを洗い出す
DJをやっていく上で必ず付きまとう義務が集客と告知。
自分が出演するイベントには友達たくさん来て欲しいと思う筈なんですが、
どうしても及び腰になってしまいますよね。
理屈はわかっちゃいるけどなんで及び腰になるんでしょ?
DJ始めたばっかの人も数十年やってる人も、
今一度ナニがイヤなのか洗い出してみましょうよ。
◯DJ視点でのネガティブな点
・集客ノルマがイヤ
大きなイベントほど出演者の集客努力で成り立っているので否定出来ませんが、
命令されたり人と比べられたりするのが極端に嫌な性格のダメ人間なボクです。
定められた人数を呼べなかった人に対するプレッシャーと日本人的同調圧力。
そもそもさ、
その日本人的同調圧力から逃げたくてコアな音楽活動をしてるのに、
逃げてきた連中が束になると何故かより酷い圧力が横行する現実。
戦争反対を謳う連中に限って何故か暴力的手段を辞さないのに似てますよねー。ねー。
・客寄せパンダやお酌要員扱いがイヤ
ある程度の経験を積んだ女性DJが陥りがちな所ですが、
DJのスキルとかジャンルとか当人のキャラとかを考慮せず、
「女の子呼んどけば客アガるだろ」という短絡的思考でオファーをされると
激しくイラっときますよね。そういう声よく聞きます。
もちろん、
割りきってそういう役に徹する事が出来る女性のプロ意識には頭が上がりませぬ。
はたまた割り切り以前にそういう役を純粋に楽しめるコもいます。
でもDJや音楽活動、芝居なんかでもアングラなエンタテイメントに集う女の子って、
当人の中の「人とは違う何か」を認めて欲しくて活動しているのがほとんど。
ここを尊重できない&主張できない人はクラブで長生き出来ません。
◯オーガナイザーから観たDJのネガティブな言動
イベントの幹事でありマネージャーでありプロデューサーであるオーガナイザー。
店と出演者の間に立って様々な軋轢を調整してイベントを成立させるのが仕事ですから、
そりゃまぁストレスも凄いですよ。
自分の理想を形にする為に立ち上げたパーティに、
理想どころか生活を潰されるなんて笑えない話をよく聞きます。
オーガナイザー的にムカつくDJの振る舞いは、
・集客しないどころか集客する意志も姿勢も無い
・自分の出番が終わったらサッサと帰る
・プライドが高すぎて面倒臭い
これらに共通するポイントは、
DJプレイを何か崇高な芸術活動と勘違いしている残念な人や、
(ミュージシャン上がりに多い)
DJスキルの悩みで頭が一杯になりパーティ全体を考えられない人や、
(女の子の初心者に多い)
「リア充」を目の敵にし「コミュ障」を自負する厨二病こじらせた人、
(PCDJから始めた奴に多い)
などなどじゃないでしょうか。
もう個別に説教するのも面倒だからクラブに来ないで自宅でやってろ。と言いたい。
◯DJとオーガナイザーの言い分の矛盾を呑み込む
DJサイドの言い分を極論すると「集客ってのはイベント側や店側がやるもんだろ」
イベント側は「結果出せる(=客呼べる)のが全てだ甘ったれんな」
となっちゃいます。
みんながみんなこんな事言い出したらクラブカルチャーもショウビズも成立しません。
どちらに共感するかは読み手の皆さんにお任せしますが、
得てしてDJよりオーガナイザーの方が「視野が広い」のが事実。
矛盾を否定せず無理に解決しようとせず、
「それはそれで置いといて」行動するのが上手くやっていくコツではないでしょうか。
より高いステージorより深いフィールドに行ければそんな悩みもどうでもよくなります。
オーガナイザーが理想とするイベント/パーティとは、
自分が選んだ出演者同士の化学反応から生まれる雰囲気の演出であり、
DJプレイそのものよりもプレイ時間以外のDJ当人の立ち振る舞いを重視します。
ちなみにボクが自分のパーティに呼びたいDJを観る時は、
スキルとかジャンルとか二の次にしてプレイ中の顔で決めます。
味のある表情でプレイが出来るかどうか。それが一番大事なんです。
またDJとして呼んで貰う時のオーガナイザーの見定めは、
自分を適材として捉えて適所に配置する事が出来るかどうか、です。
なんせ悪趣味かつへそ曲がりですから、
そんな奴でも使いこなせる度量を測ってみます。
◯まとめ
「人と同じ事をするのが嫌」「同調圧力に抵抗する俺カッケー!」といっても、
パーティは一人じゃ成り立たないしクラブは経済活動です。
クラブ/DJ文化がライブや芝居など他のエンタテイメント活動と決定的に違う点は、
「原点はホームパーティにある」事であり、表現欲求を満たす事は二の次なんです。
友達を家に呼んで誕生日を祝おう、鍋をつつこう、BBQをしよう、
その延長に音楽があり、家じゃ収まらなくなった結果にクラブがあるんですよ。
DJを名乗る皆さん、
色々面倒ごともあるけど自分が呼ばれた場には友達を呼んであげて下さい。
人数とか売上とかは気にしなくて良いので「来てくれ!」という姿勢を持って臨んで下さい。
オーガナイザーの方へ、
呼んだDJが「何故その人なのか」徹底的に考えて下さい。
その理由が深ければ深いほど、いい仕事してくれますよ。