マシンライブの仕込み方【心得編】
毎月第一水曜に「マシンライブ・ワークショップ」を開催しています。
電子楽器のライブプレイの練習会という建前でやっていますが、
この「現場での練習」が必要なのは他でもないボク自身なんですよねw
「機材の習得」と「ジブンのやりたい音」とのバランスがある程度揃わないと
キチンとしたデビューはできませんねぇ。
それでもこの2,3年ほどは諸先輩方のプレイを研究させてもらい、
ある程度の価値観は身に付いてきました。
まだまだパフォーマンスのジャンルとして体系化されていない分野ですから
どういう姿勢で臨むかも自由っちゃ自由なんですが、
どんな行為が格好良くて、どんな行為がダサいのか、
おぼろげながら輪郭が見えてきています。
◯マシンライブの定義
電子楽器をメインに使ったライブプレイ。
サンプル音源などを使って即興でトラックメイクを構築したり、
シンセサイザーやドラムマシンを演奏するプレイ。
あらかじめプログラムを組んでおく事も出来るし完全な即興演奏も可能。
プレイヤーの音楽性やコンセプトによって比率が変わってくる。
ジャンルは広義でのテクノが主で、DJプレイとの親和性が高い為、
一回あたりのプレイ時間は30分から60分と長めで、
かつ曲間が途切れないのがほとんど。
◯DJサイドから観たマシンライブの特徴と可能性
従来のDJプレイが一曲単位で構成を考えるのに対して、
マシンライブでは小節単位と楽器単位の二つの次元で音を組み立てていきます。
TRTAKTORの提唱するSTEMSやREMIX DECKだけでのプレイも、
考え方としてはこの範疇に入ります。
サンプリング文化でもある為に他人の曲やフレーズを使うのもアリでしょう。
通常のDJプレイに比べて単調になりがちではありますが、
限られた音数でオーディエンスを退屈させないように考えるのは、
DJ出身者が最も得意とするポイントだと思います。
◯パソコンを使うか否か
AbletonLiveやFL Studioなどパフォーマンス向けDAWと
MIDIコントローラーがあればライブめいた事は出来ます。
一番コストのかからない方法なので、
このあたりのDAWプレイから始めてみるのも良いと思います。
必要に応じてハードウェアを少しずつ揃えていってもいいですしね。
しかしパソコンを使う最大のデメリットは、
PCDJと同じようにパフォーマンス性が低い事、
仕込みに重点を置かざるを得ないのでDJプレイとの区別がつけづらい事。
オーディエンスから観ればそれがAbeltonなのかTRAKTORなのか
区別つかないでしょうしね。
それでもDAWから入るのをお勧めしたい理由は、
プレイの構成を寝る上での「設計図」を描き易いからです。
ええ。ジブンこれを怠った為に物凄い遠回りしています。
未だスタート地点に立てていませんw
◯ハードウェアを揃えるにあたって
やっぱりマシンドラムの花型はハードウェアのシンセサイザー。
調子に乗ってアレコレ揃えていくと直面する問題が、スペースの限界。
何より各機材の操作の習得にかなりの労力が必要になるし、
クラブ側で用意してくれるテーブルの大きさには限りがあります。
また最終的なケーブル出力はLRの2本にするべきです。
なので作りたい構成を満たす最小限の機材を厳選すべきでしょう。
つまり機材選びの時点からセンスが問われるって事です。
・ポピュラーなマシンは差別化が難しい
・高機能な機材は習得が大変
・操作性と可搬性は反比例する
・ビンテージ機材はトラブルが多い
などなど、何を選んでも一長一短。大金をつぎ込んでもリスクはつきまといます。
いい機材持ちこんでも使いこなせなきゃ恥ずかしいしね。
機材選びのセンスもプレイヤーの優劣を測るバロメーターであります。
◯「この一台!」と決めたらトコトン習得しよう
シンセでもドラムマシンでもサンプラーでも、
何か一つ自分が惚れ込める機材をガッツリ覚えるといいです。
仮にその機材が時代遅れになったとしても、
一つの機材に精通した体験があれば他機種にも応用ができます。
◯セッティングを素早く出来るように練習しよう
これPCDJを初めた時からずっと思っているんですが、
本番中(他の人のプレイ中)に機材のセットアップを
しなければならない場面がほとんどなんですよ。
なのでできるだけ素早くスマートに、
プレイ中の人の邪魔にならないようなセッティングが望まれます。
ボクの場合は電源はあらかじめタップに繋いでおく、
ケーブル類は暗い店内でも見やすいビビッドな色の物を使う、
色んな端子に対応するアダプターを持参する、などに気を使っています。
◯パフォーマーとしての個性
幾ら自由度が高いとはいえ、
機材の数に限りがあり、出せる音も機材に縛られるのが痛い所。
「弾ける」「喋れる」「歌える」といった「特技」を持っていると非常に強いです。
音だけではありません。ファッション的なものもアリですし、
光ったり煙を出したり変なギミックを自作シンセに仕込む奇特な人も居ますよ。
◯まとめ
いざ始めよう!と思ってもキチンとデビューするまでは
年単位での試行錯誤が必要みたいです。それまでの経験にもよりますが。
家に篭ってマニュアルと格闘したり練習するのって結構ツライもんですw
ボクの主宰するワークショップでは、一緒に切磋琢磨できる仲間を常時募集してます。
注意して欲しいのはセミナーではなくワークショップであること。
「先生」なんぞ居ません。課題も舞台も自分で開拓して下さい。
しかし営業中のクラブでありながら自由に音を出せる環境を整えています。
ぜひぜひ遊びにいらして下さい。
【マシンライブ・ワークショップ】
毎月第一水曜19:00-23:00
西麻布bullet’s
西麻布1-7-11-B1F
FaceBookページ
https://www.facebook.com/bullets.workshop/
次回5/4のイベントページ
https://www.facebook.com/events/1569122086751108/