シーケンサーの選び方
楽器の出来ないジブンにはシーケンサーはネ申の機材。
製品ごとに色んな個性があって表現力にも差があるんですよ。
iPadアプリからハードウェアシーケンサーまで結構な種類を試してきました。
特にツマミがズラーっと並んでいるステップシーケンサーは、
「楽器の演奏」というよりは「機械を操作」している感が強く、
男の子なら一つは持っておきたいマストアイテムですね!
◯キャラクター/コンセプト
ステップごとに音階を決めていく「打ち込み型」か、
ツマミをいじって音階を変えていく「リアルタイム型」に分かれます。
前者は一音一音キッチリと決めたい時に、
後者は直感で演奏をしたい時に向いています。
◯シーケンス機能付きシンセで外部音源を鳴らすのもアリ。
AIRA TB-3やx0xb0x、novation CIRCUITなど、
シーケンサーとして使っても有能なマシンは色々あります。
TB-3は簡易キーボードとしても使えるので便利ですね。
KORG volcaシリーズもMIDI OUT端子を付ける改造をよく見かけます。
ACID系のようにシーケンスの独特な機材なら他の音源を鳴らしてみると面白いかも。
◯スペックの読み方
・マルチチャンネル
複数のシンセを一つのシーケンサーで鳴らしたい、
或いはマルチティンバー音源を鳴らしたい時には必須。
2つくらいならSQ-1でもイケます。
BEATSTEP PROは2+ドラム1。
OCTATRACKは8トラック。
・ステップ
8から16が一般的、最大64ステップまでのシーケンスが可能な物も結構あります。
が、どこのページか混乱しちゃうんであまり使っていません。
逆に再生中にステップ数を減らせる機能があると演奏にメリハリをつけられて便利です。
モジュラーシンセでは「5ステップ」のシーケンサーもあったりします。
中途半端だなぁ、と思いきや実際に使ってみると3とか5の中途半端なステップが結構面白かったですね。
・スケールクオンタイズ
ツマミで音階を決める時に指定したスケールに合わせてくれる機能。
これがあると適当にツマミを回してもメロディが破綻しないので助かります。
・和音対応
高級機になると和音の出来る機種もあります。OCTATRACKなんかはそうですね。
ジブン全然使わないんですが。
・MIDIスレーブ
だいたいMIDIアウトしかついていない(=マスターとしてしか使えない)んですが、
MIDIイン端子のある物は他の機材に追従する事が出来ます。
・CV/GATE出力
モジュラーシンセをお持ちならMIDIだけでなくCV/GATE出力のある物をお勧めです。
音程だけでなくシンセサイズのあらゆるパラメーターをシーケンス出来ますよ。
実際やるとワケわかんないんですがw
◯機材別打ち込み方法
今まで使ったことのある機材の打ち込み方法を簡単に説明します。
即興演奏に強いタイプ、ガッツリと仕込んで本領発揮するタイプ、
どれも一長一短なので用途に合わせてじっくり吟味して下さい。
・x0xb0x
真ん中に並ぶ16コのLEDがステップの表示。
番号に該当する音階を鍵盤キーで指定し、REST(休符)ACCENT、SLIDEで指定します。
「NEXT」キーを押して次のステップに移り、16ステップ全て指定し終えたらDONEキーで登録。
リアルタイムでの変更には対応出来ない完全な打ち込み型のシーケンスです。
TB-303も似たような方法らしいです。
現行のTB-3は操作感が改善されていて、
ステップレコーディングでもリアルタイムでもイケるようです。
・KORG SQ-1
左上の黒いツマミでシーケンスモードを選択、
後はツマミで音階、ボタンでトリガーのON/OFFだけ。
OFFにしたトリガーを休符にせずシーケンスを飛ばす「アクティブ・ステップ」、
CマイナーもしくはCメジャーを選べる簡易スケールクオンタイズなど、
この中では一番演奏性が高いです。
volca keysを鳴らしてる動画を上げていますので参考にしてみて下さい。
問題は小さすぎて操作性が良くない事。
ツマミには「グロメット」と言われる電子工作系の部品
(ゴムの輪っか)を付けるとマシになります。
・ARTURIA BEATSTEP PRO
比較的大きな筐体なので操作性は抜群にいいです。
中段の16のキーでトリガー、上段16コのツマミで音階を決めていきます。
下段のパッドは即興で叩いたり、シーケンスモードの選択などに使います。
やや難点なのがステップキーは横1列で16こ並んでいるのに対し、
ツマミは8×2列とパッと見わかりづらい所。
・FADERFOX SC4
本来はMIDIコンですがシーケンサーとしても使える面白い機材です。
8つのツマミはLEDと連動したプッシュ式ロータリーエンコーダー。
モード切り替えでノート、オクターブなどなど様々なパラメーターをシーケンス出来ます。
説明するのもアレなんで下の動画を参考にしてみて下さい。
難点なのは「シーケンサーモード」にしないとスタート/ストップが出来ない事、
あとMIDI IN端子はあるけど何故か同期しない(バグだと思うけど)。
・ELEKTRON OCTATRACK
基本的にはまずトリガーを置き、
該当トリガーのキーを押しながらツマミを回すと音階その他パラメーターを変更出来ます。
またアルペジエーターモードを使っても面白いシーケンスが可能です。
OCTAに限らずELEKTRON製品は全てのパラメーターをステップごとに決められます。
ステップシーケンサーとしてはかなり多機能にも関わらず分かりやすい操作方法ですね。
・DSI TETRA
コイツも4パートのシーケンサー内蔵だけど、ゴメンナサイ全く分かりませんw
画面の大きさとツマミの少なさからして結構メンドい打ち込み方だと思いますが、
専用エディタやiPadアプリもあるのでソッチから操作した方がラクそうです。
他にもYAMAHA RM1xやQY100などを持っていましたが、
サッパリわからず即オク流し。YAMAHAとは相性悪いみたいです。
機能と操作性でバランスが良いのはやはりELEKTRON。
即興演奏ならSQ-1かBEATSTEPでしょうかね。
SQ-1が大きくなってくれたら最高なのになー。
(といって改造を試みたけど失敗に次ぐ失敗で3コ壊しましたw)
◯国内未発売だけど激しく気になる高機能シーケンサー
・SQUARP INSTRUMENTS Pylamid
http://squarp.net/
恐らく現行のハードシーケンサーとしては最高の性能なんじゃないでしょうか。
ポリフォニック16トラック(!)smfファイル対応(!)、
MIDIエフェクター搭載(!)MIDIもDIN SYNCもCV/GATEもイケる。
・Social Entropy ENGINE
http://www.socialentropy.com/engine/
TB303とTR-808を組み合わせたような8ポリシーケンサー。
見た目からして操作感が凄く良さそう。
◯まとめ
現在のDTMではDAW(ピアノロール)でのシーケンスが一般的ではありますが、
ライブ用途となるとやはり安全性や操作感を求めてハードシーケンサーを使う人も少なくないです。
ステップSEQ独特のミニマルなフレーズには中毒性がある上に偶発的なものが出来やすいので、
シンセサイザーをお持ちの方なら一つは持ってみるといいですよ。