シンセ用パワーサプライの制作

機材が増えるごとに鬱陶しくなるACアダプタ。
自宅常設の機材ならいいんですが、ライブ用に持ち歩くとなると激しく面倒臭いスよね。
同じ悩みを持ってそうなギターエフェクター用には「パワーサプライ」なる物があるらしく、
ソレから各ペダルに電気を供給できるそうです。

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いいなぁそれ。羨ましい。
って事で自分でシンセ用パワーサプライを作ってみる事にしました。
どうせ製品化なんてされないだろうしね。

ペダルと違ってシンセ系機材は電圧がバラバラで消費する電流も大きいのが問題。
自分の手持ちの機材のACアダプタを調べてみると、

モジュラーシンセ 15V3A
Tanzbar 12V1A
Blofeld 12V0.5A
LXR 9V0.6A
OCTATRACK 6V3A
SQ-1 5V-0.5A

となります。
一番多いのは12Vっぽく、次いで9Vみたい。
ただ端子の極性がペダルとは逆なんで要注意。
シンセ系のAC端子はほぼセンタープラスなようです。

◯仕様

・9C+/9C-/12/15Vの4種類の電源を供給できるユニット
・電流の合計は5〜7A
・音質を考えるとトランス電源の方がいいけど、
制作のし易さや可搬性を考慮して今回はスイッチング電源で制作。

◯部品

イチから設計して基板起こして、、、なんて面倒なので、
市販のキットやユニットを買い集めて汎用筐体に入れる事にします。

・電源ユニット

秋葉原は千石電商で売っている「基板型スイッチング電源」を利用します。
種類も豊富でオムロン製やイーター電機製などがありますね。

https://www.sengoku.co.jp/mod/sgk_cart/detail.php?code=3A86-4DHT
・変圧ユニット

千石電商やで扱っている初心者向け電子工作キットの中に美味しいキットがありました。

マイコンキットドットコムMK-509多出力電源キット
http://www.mycomkits.com/SHOP/MK-509.html

・ノイズフィルタ

電源ユニットと変圧ユニットの間にスイッチング電源用のノイズフィルタを入れます。
https://www.cosel.co.jp/product/noisefilter/SNA/SNA-06/

・筐体
天板ではなく前板と後板に端子を出す形にします。
上にモノを乗っけられるし。

ちょっと値が張るけどタカチ製のアルミ筐体に。

https://www.sengoku.co.jp/mod/sgk_cart/detail.php?code=EEHD-0NYK

・ケーブル/端子

100Vからの電源ケーブルは手持ちのオーディオ用を流用。
出力する端子は軸径2.1mmの物に統一しました。
電圧ごとに端子の種類を変えれば挿し間違いを起こさずに済みそうですが、
市販されているペダル用電源コードを使いたいので今回はパス。

DCケーブルは自宅に転がってた4芯シールドで6本制作。

FullSizeRender 3

こんなん電源ケーブルに使っていいんだろか?まぁいいか。

◯制作

FullSizeRender

最初は変圧ユニットMK-509を2台で賄おうとしたんですが、
OCTATRACKの電流が3A必要な事もあり別の電源キットを購入。

5V可変電源キット(3A)
http://www.kugaden.com/kk-s05al-3.html
そしてSQ-1用の5V電源も欲しくなって更に別のキットも。
9Vセンターマイナスは辞めました。今はペダル持ってないし。

出力設定可能な降圧モジュール [M2596SW6]
http://www.aitendo.com/product/13343
ノイズフィルターもAC/DC入力からDC専用の物に変更。
理屈はわかりませんがコッチの方がデカいから性能がいいんでしょう(棒読み)。

FullSizeRender 2

◯完成

FullSizeRender 4

最終的な仕様としては、

5/6/9/12/15V7Aの出力になりました。
5VはUSB端子の方が良かったかもね。

制作期間は1週間くらい、部品代は2万円弱ってところです。
けっこう重たくデカくなっちゃったけど、
ACアダプタと電源タップを持ち歩くよりはずっとラクですね。
スイッチング電源なので音質的には変わりありません。

いずれはトランス電源で作ってみたいもんですね。

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