OCTATRACK Tips11「再潜入!サンプラー界の九龍城」

去年の暮れに思う所あってOCTAを売却してしまっていたんですが、
結局のところ一年ぶりに買い戻す事にしたんです。

このあたりの経緯をお話しますとですね、

OCTAは操作が煩雑だから各機能をバラバラに考えて専用機に変えた方が操作し易いんじゃね?

ミキサー沼、エフェクター沼、シーケンサー沼と潜って溺れてみた

bullet’s以外でのライブ活動が出来るようになったはいいが、
どこの店に行っても満足な機材スペースを確保できない!

じゃあ、、、やっぱり、、、

という訳でミキサー/エフェクター/シーケンサーの省スペースを目的に買い戻したんですよ。
え?サンプラー???
あ〜、そういえばそんな機能もありましたね!

◯改めてOCTATRACKレビュー

Mk2がリリースされてチラホラと売れているようですが、
マイナーチェンジモデルなので劇的に進化したわけではありません。
デザインと値段との兼ね合いでMk1を選ぶのも大いにアリです。

もちろんMk2の方が視認性や操作性がだいぶ改善されています。
が、中古のMk1と新品のMk2の価格差を考えると前者の方がお得感大。
あとはデザインが好みかどうかで決めれば良いと思います。

◯つーかカタギはMPC買え

1年前までは唯我独尊のコンセプトを持つ孤高のマシンでしたが、
今ではPioneer TORAIZやMPC LIVEなど強力なライバルが出現しています。
TORAIZに関してはレビューや情報が少なすぎるので割愛するとして、
MPC LIVEは購入直前まで思い詰めたので色々と調べていました。
ぶっちゃけ、あれズルいです。OCTAで苦労していた事がホイホイできます。

・MIDIもオーディオもトラックいっぱい、つーか既にDAW
・パソコンのソフトMPCと完全連携(!)
・どうも一曲分のアカペラだって余裕で重ねられるっぽい
・驚異の電池駆動
・USB-A端子がついてるのでPC用MIDIコンそのまま挿せる
・もうサンプラて言うかDAW専用パソコン。マウスも繋がりそう・・・
・それでいてお値段OCTAより安い

スペック上では完全にMPCに軍配が上がります。
なので人様にはOCTAなんて辞めてMPC買いなよ、と薦めます。
カタギなトラックメイカーはこんな糞ブログ読んでないでMPC買いましょう。
その方がモテます。
MPCなら韓流イケメンラッパーの友達とか出来て紐パンのお姉さんにもモテますよ。

「出先でフレーズを作って自宅でパソコンで仕上げてライブに臨む」
そんな夢のようなワークフローが10万チョイで実現できるんですからイイ時代ですよね。
モダンで洗練されたUI、PCでの制作とライブとがシームレスに行なえる、
そういった点で現代では最高峰のトラックメイク・ハードウェアに思えます。

じゃなんでOCTAにしたの?って言われりゃカッコいいから!としか言い様がありません。
PCやiPhone的なインターフェイスの便利さは重々分かっていますが、
「やっぱり物理キーをカチャカチャ押したいじゃん!」という理由でハードを選んでいる身としては、
MPCのスマート過ぎるUIはチョット敬遠したいと思ったんですよ。

あと少ないアドバンテージである
「外部入力が4つあってミキサーとして使える」
「トリガーキーが16こ横に並んでる」
「MPCはサイズがデカい、あとパッド苦手」
これらも自分にとっては非常に大きなポイントです。

◯機材構成の省スペース化に有益

前述したようにマシンライブをやれるステージでは
自宅のように持ってる機材をアレコレ全部並べて、、という訳にはいかず、
せいぜい450x600mmくらいのテーブルを用意して貰えるくらい。
テーブルすら自前というケースも珍しくないです。

なので省スペース化の為に機能を複合した機材は必須。
ミキサー、エフェクター、シーケンサー、サンプラーとが備わっているOCTAは絶好の複合機なんですよ。
ただのサンプラーとしてしか使わないのは勿体無いですよ。

◯サンプリングが意外とムズい

ここがOCTAが初見殺しと言われる所以の最たるポイントですが、
サンプラーとか行ってる癖にサンプリングの仕方は妙に複雑です。
「ファイル構造」「トラックの概念」「マシンの種類」を経てようやくサンプリングの仕方を学べます。
かく言う自分も今回買い戻して初めてサンプリング機能を触りました。

◯人によって用途がバラバラ

サンプラーと言うからにはやはりMPC的な用途を想像する方がほとんどでしょうけど、
自分の場合以前は「ループシーケンサー」と「MIDIシーケンサー+ミキサー」として利用していました。

他にも、

・全トラックPickUpマシンのギタリスト/ラッパー最強ルーパー
・即興ブレイクビーツマシ
・サンプル音源をオシレーターとして使うウェーブテーブルシンセ
・既存曲をインポートしてDJマシン

などなど応用次第で様々な使い途があるようです。

◯使う人を選ぶ理系的UI

「理系にあらずんば人にあらず」

ELEKTRON製品は膨大な機能を詰め込んでいるが故に
直感操作とは縁遠いシステマチックな構造をしていますが、
その最たるものがコイツです。

OSのバージョンアップを重ねる事にアッチ設定してコッチいじって、、
と新機能の度に迷子になる事が多く、
その迷宮っぷりはロンダルキアの洞窟を彷彿とさせます。
一年ぶりに使ってみたら音の出し方すら忘れてて30分悩みました!
偏差値45のゲットー工業高卒にはかなりキツいんですよ(泣)

◯マニュアルがキツい。

とにかく挫折率が非常に高い機材として有名なOCTATRACK。
ヤフオクでも常連、既にMk2も出品されているようですww

この要因として大きなのが「マニュアルが難解過ぎる」こと。
特にMk1のマニュアルは日本語訳からして非常に読み辛いと大評判。
とはいえ英語圏の人達も「マニュアルむずいYO!」と文句タラタラなんで諦めましょう。

しかしMk2のマニュアルはだいぶ改善されてまして、
読みやすいデザインと分かり易い説明(若干な)になっています。
今回のマイナーチェンジで一番の改善点かもしれません!

仕様の違いは大したことないんでMk1ユーザーにもお勧めです。貰っておきましょう。
http://www.elektron.co.jp/support/?connection=octatrack

それからMk1発売直後からOCTAのレビューを続けている「OCTATRACK日誌」。
http://soundoptimize.blog75.fc2.com/blog-entry-723.html
Mk1ユーザーなら知らない人は居ないOCTA大明神ですよ!

この日誌をまとめたPDFブックが販売されています。
「ゲームの攻略本みたいなもんだろ?」などとタカを括ってはいけません。
これがなければOCTAを理解する事が出来ません。絶対に買いましょう。
http://soundoptimize.blog75.fc2.com/blog-entry-1093.html

◯マシンライブのコントロールハブとして

外部のシンセにシーケンスを送り音声を取り込んでエフェクトをかける、
更にはそれをルーパーに取り込んだりチョップしたりと、
使いこなせさえすればこれほど便利な機材はありません。

今回はループは控え目に声ネタとパーカッション程度に留めておき、
「外部機器のコントロールハブ&マスタールーパー」として活用しようと思ってます。
このあたりは次回に機材構成から紹介しますね。

そうそう、モジュラーシンセとの相性も抜群。
OCTAがあるだけで100〜200HPは減らせるんじゃないでしょうかねw

◯まとめ

ここ半年くらいでTwitterのフォロワーを中心にMk1/Mk2を購入してしまった方も多いようで、
習得に四苦八苦しているツイートをチラホラ見かけます(ざまぁwww)。
「教えてくれ」とも言われますが、こんなん教えようが無いんですよ。
この連載はあくまでも「オレならこう使うよ」的な限定用途の紹介ですからね。
それでも挑戦しようという人が絶えないんだから、
バンバンお金落として「MONOMACHINE Mk3」の肥やしになってもらうしかないですね!

使い込めば使い込む程にユーザーの性格が悪くなる、
OCTATRACKはそんな魔力を持った機材、というか魔窟です。

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