OCTATRACK Tips12「コントロールハブ&マスタールーパー」

実は年明けの1/5にライブを控えてまして、その為の仕込みと練習に精を出さなくてはいけないんですよ。
渋谷Dimentionで19-23時のパーリーだよみんな来てねー。お菓子も女の子もいっぱいだよー。

自分の主宰する「マシンライブ・ワークショップ」では
レギュラー陣の面々で「アウェイでやろうキャンペーン」を開催中でして、
ぶっちゃけオレ下手糞だけどライブさせて貰う所を探してます。
今回は同じレギュラーのカーチ(インダストリアル・アシッド)と参加で、
アシッドから離れてシカゴ〜テックハウスを出来たらな、と思ってます。

ついでにこのブログでOCTAを中核に据えたライブ向けの構成紹介しますね。

◯機材構成

・音源の構成

ドラム/FX:AnalogRYTM
ベース/上モノ:Waldorf Blofeld
ループサンプル:OCTATRACK
フィルター:VERMONA ACTION FILTER

OCTAに仕込むループサンプルは「声ネタ」と「パーカッション」。
今まではワンショットサンプルをRYTMに仕込んでいましたが、
この声ネタとパーカッションに限っては既存のループを使ったほうが遥かにイイんです。
声ネタの方はOCTA上でトリガーを乱れ打ちする事で往年のシカゴハウス的な馬鹿っぽいチョップが簡単に出来ますし、
パーカッションは人力が基本ですからカチっとしたシーケンスでは上手く再現出来ません。

OCTAと相性がいいのはマルチ出力対応のシンセ。1台で色んな音を一緒に出せる奴の事ですね。
現在はMONOMACHINEとBlofeldを持っていますが、
MONOMACHINEはアクが強すぎて使いづらいのでまた今度。
陰は薄いけど馴染みやすいblofeldを採用します。

マスターにフィルターをかますのはOCTAのScene機能でも出来るんですが、
こちらはルーパー用途に使うので今回は無し。
それにココはリアルなツマミで操作した方がアガります。

・MIDI信号の経路

OCTAをマスターにしてRYTMのINに繋ぎます。
RYTMではクロックとトランスポート信号だけを受けるように設定し、
MIDI THRUを通してBlofeldにノート信号を送るようにします。

MIDIマシンから送るノート信号は、OCTAの1-8Chに対応するようにBlofeldを設定。
1-4をベース、5-8を上モノに。

・オーディオ信号の経路

OCTAのInputABにRYTM、CDにBlofeldを繋ぐんですが、
単純にLR出力を繋ぐのでは芸がないので
全てモノラルとして扱いOCTA側でセンターに寄せるようにします。

◯OCTATRACKの設定

トラック1.RYTMの「BD/BT」出力からInputAに

RYTM(Mk1)のパラアウトはステレオ出力で左右別の音が出る仕様です。
「BD/BT」は片側がキック、もう一方がベースタムの出力ですが、
これをケーブルでまとめてモノラルにしてしまいます。


片側がTRS、もう片側がTSのプラグになっているケーブルです。


OCTA側ではトラック1をTHRUマシンにして「INAB」をAに設定。
キックですからエフェクトは「イコライザー」と「コンプレッサー」に設定します。

トラック2.RYTMのMAIN LorRからInputBに


メイン出力はモノラルなので、普通のケーブルで繋ぎます。
OCTA側ではトラック2をTHRUマシンにして「INAB」をBに設定。
ドラムのステレオ感を出す為にエフェクト1に「スパチュライザー」を設定します。
ステレオイメージャーみたいなもんだろね。エフェクト2は「ダークリバーブ」。

※AnalogRYTMのキック強化

「なんでそんな事すんの?」と訝しげに思う方も居ると思いますが、
RYTMmk1は通常のメイン出力では音の分離があんまり良くないようで、
キックが埋もれてしまうんですよ。音作りの時点で音圧上げたりしても限界アリ。
そんなんで通常のミキサーに繋ぐ時もキックだけパラアウトにして独立させてます。
これで簡単に埋もれないキックになりますよ。
mk1の場合はベースタムも一緒に出ちゃうけど細かい事は気にしない!

トラック3.BlofeldのMAIN LからInputCに


主にベースを鳴らします。
Blofeld側のPANを左に寄せておいて、OCTA側のトラック3をTHRUマシンにして「INCD」をCに設定。
エフェクトは「フィルター」と「ダークリバーブ」。

トラック4.BlofeldのMAIN RからInputDに


こちらは上モノですね。パッドとかアルペジオとか。
Blofeld側のPANを右に寄せておいて、OCTA側のトラック4をTHRUマシンにして「INCD」をDに設定。
エフェクトは「スパチュライザー」と「ディレイ」。

トラック5/6.ループサンプル

トラック5と6をSTATICマシンに設定し、
5を声ネタ、6をパーカッションにします。
トラックの用途をパートごとに限定してしまった方が混乱せずに済みますよ。

声ネタには「フランジャー」と「ディレイ」、
パーカッションには「ローファイコレクション」と「スプリングリバーブ」。

トラック7.ルーパー


このトラックにはPickUpマシンを設定し、
メイン出力から出る音をサンプリング出来るようにしています。
詳細は後で説明します。

トラック8.マスター

トラック8はマスターアウトにして、コンプレッサーとリバーブで最終的な音質補正を行います。
シンセの音とループの音が馴染むようにコンプとリバーブを薄くかけます。

※マスタールーパー

パターンチェンジの際に曲調がガラっと変わってしまうのを防ぐ為に行います。
PickUpマシンの録音ソースを「MAIN」にし、
クロスフェーダーのSceneA(左側)ではT1-T6を、SceneB(右側)でT7(PickUp)だけが鳴るようにします。

例えばRYTMのリズムを鳴らしている時にPickUpマシンで1パターン・64ステップ分を録音、
クロスフェーダーを右に寄せて録音したサンプルだけが鳴るようにし、
その間にRYTMのパターンチェンジを行います。
パターンチェンジが終わったらクロスフェーダーをゆっくり左に寄せていけば、
DJのロングミックスと同じようにフェードイン/アウトを使ったスムーズなパターンチェンジが可能なんですよ。
もちろんBlofeldの音色変更やT5/T6のループサンプル交換の際にも活躍します。
細かい設定はマニュアル読んで頑張って下さい何となく出来ちゃったんで理屈では分かってません!

余談ですが、これKORGのカオスパッド・プロ(KP3)でも出来ます。
某KORG神からKP3でこのテクを紹介されて「だったらOCTAでも出来んじゃね?」と思って実践しました。
パターンチェンジの際の違和感を気にする人と気にしない人と意見が分かれますけど、
ボク元々ロングミックス命のハウスDJなんで超気にします。
曲を変えると言って音を止めるのも嫌。
ミュージシャン上がりの人にはそれが普通なんだけど、DJが音止めるのはご法度です。

一年前は全く触れず終いだったこのPickUpマシンによるルーパー機能、
もしかするとOCTAの数ある機能の中でも相当強力なんじゃないかと思えてきました。
別の使い途が思いついたらまた紹介しますね。

◯blofeldとMIDIマシンの設定

Blofeldにはマルチモードと言って最大16までの音色を同時に鳴らす機能があります。
これをOCTAのMIDIマシン1〜8までを使って鳴らす設定をします。

8種類の音を同時に鳴らす事はないんですが、
手数は多いほうが良いんで適当にアサインします。
「M1はベース」「M2はリード」みたいに自分でルールを決めたほうが分かり易いですよ。
M1-M4までをPANで左に寄せてT3に、M5-M8までを右に寄せてT4に入力するようにします。
トラック数を稼ぎたい時は普通にステレオでもいいけど、
M1-M4とM5-M8を各々別のゲイン設定をしたりエフェクターを使い分けたり出来るので便利です。

◯AnalogRYTMのMIDI設定


RYTMの方はクロックとトランスポーズだけ受ければ良いので、
ノートを受けないように設定しておきます。

◯まとめ

これでようやく下準備が完了です。
前回のライブではmonotribeとx0xb0xのツインモノシンセで臨んだけど、
今度のセットは機材数の割には比較的幅広いジャンルをこなせそうです。
これを応用すると、
RYTMからパルスクロックを出してSQ-1にシンクさせて
SQ-1から別のシンセを鳴らす、なんて事も可能。
一年のブランクはあれどOCTAが再びセットの中核になりそうです。

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