OCTATRACK Tips13「OCTA x BEATSTEP」

OCTATRACKを使っていると
「ミュートはFunction押しながらトラックキーおして、、」とか、
「キューはCue押しながらトラックキー押して、、」とか、
「キーボード出すにはクロマチックモードにして、、」とか、
まぁ色々と面倒くさいですよね!

そこで便利なのがMIDIコントローラーを使って専用スイッチを設定する訳ですが、
最近のMIDIコンはUSB端子しかついていないモノが多くOCTAには対応しません。
過去記事ではMIDIインターフェイスを用いてUSBのMIDIコンをつけたり、
OCTA専用に開発されたフェーダー型MIDIコンを買ってみたりしましたが、

もっと身近にデキる奴が居たんです。

それがARTURIA BEATSTEP。今の今まで忘れてました!

大きいPROバージョンの方はシーケンサーとしてモジュラーシンセユーザーを中心に売れていますが、
この無印Verもシーケンサー兼MIDIコンとして開発されています。
OUTだけだけどMIDI-DIN端子がついているってのがミソなんですよ!

コイツをステップシーケンサーとして考えた場合、
DIN端子がOUTしか無い為にMIDIスレーブになれず、BPM表示も無いから使い物にならねぇわな!
なーんて思って記憶から消えていたんですが、MIDIコン用途だったらオッケーじゃん!

更にはUSB-MIDIとDIN-MIDIを変換するコンバータで格安の物を購入していまして、
ソレを使えばシーケンサーとしても十分使えるのを確認しました。
もちろん他のELEKTRON製品にも応用できますよ。

◯MIDIコントローラーとしての利用

現行製品でCCの設定が出来て尚且つDIN端子がついているのは
(普通に楽器屋で売ってるのは)BEATSTEPシリーズのみだと思います。

・OCTAの設定


MIDI CHANNELセットアップページを開き「AUTO Ch」を設定します。
シンセに送るチャンネルとは別の番号が良いので、ここでは11番に。

パソコンとBEATSTEPを繋いだ状態で編集ソフト「MIDI Control Center」を立ち上げ、
左上のSYNCボタンを押して現在の設定を読み込みます。

[Project]タブ
・GlobalChannelとSequencerChannelをOCTAのAUTO chと同じ番号にします。

[ControllerMap]タブ

OCTAのマニュアル付録にあるMIDI CC割当表を見ながらマッピングします。
機能によってMIDIチャンネルを指定する必要がある物と無い物とがあります。
表の左側の「DEC」の値がCCナンバーです。

例1:MIDIトラック1のミュートON/OFFをパッド1に割り当てる

パッド1を選んで、

Mode:[Switched Control]
Option:[Toggle]
Channel:[Global]
CC Number:[112]

MIDIトラック2〜8に関してはCCナンバーを113〜119に設定します。

例2:トラックボリュームをノブ1-8に割り当てる

トラック1の場合ノブ1を選んで、

Mode:[Control]
Option:[Absolute]
Channel:[1]
CC Number:[7]

トラック2-8はChannnelを2-8に設定します。
LFOやFXのツマミも同じ要領で割り当てる事が出来ます。

◯シーケンサーとしての利用

ここではMIDIキーボードの代わりにシーケンサーを繋ぎ、
フレーズをOCTAに流し込む方法を紹介します。

必要なもの

・USB-DIN MIDIコンバータ

 

日本で普通に入手できるのはKENTONの「USB MIDI HOST」
ちょっとお高いけど持ってると重宝します。

今回自分が購入したのはイギリスの電子工作系ショップで売られていたコンバータ。
船賃込みで5000円くらいで入手できました。1週間で届いたよ。

http://www.hobbytronics.co.uk/usb-midi-converter

・MIDIスプリッタ

OCTAのMIIDIアウトをBEATSTEPとシンセサイザー両方に送る必要があるので、
スプリッタを介して繋ぎます。MIDI THRU端子でどうにかならんかと試したけどダメでした。

OneControlのMIDI JB/SPLITTERがお気に入り。電源要らず。
https://www.onecontrol.co.jp/products/minimal-series-pedal-board-midi-jb-splitter/

繋いだらOCTAのMIDI CHANNELメニューを呼び出し、
AUTO Chの番号とBEATSTEPのSEQ Chの番号を合わせます。
こうする事で選択したトラックをBEATSTEPで鳴らす事が出来ます。

後はBEATSTEPの「EXP SYNC」ボタンをONにした状態で
OCTAのライブレコーディングを始めれば、シーケンスフレーズをそのままレコーディング出来ます。
もちろんレコーディングせずともライブ中に選んだ音色だけをリアルタイムでシーケンス演奏、なんて事も可能です。

◯応用編・MIDIファイルをOCTAに読ませる方法

DAWで作ったフレーズや市販のMIDIファイルをOCTAにレコーディングしたい時ってありますよね。
この場合はDAWとOCTAをインターフェイスで繋いで直にレコーディングするしか手がありません。

ここで条件がありまして「MIDIスレーブになれるDAWでないとダメ」って事です。
Ableton Live、BITWIGならOK。他はMASCHINEもイケると思います。あと知らん。

これは何故かと言うと、
ELEKTRON製品のリアルタイムレコーディングの方法が
「REC押しながらPLAY」という同時押しだからなんですよ。
他社製品、例えばエレクトライブなんかは
「RECを押して録音待機状態にし、PLAYで録音スタート」という形の物が多いので、
普通にDAWをマスターにしてMIDIファイルを流せば良いんですが、
ELEKTRONだと「録音待機」という概念が無いからそうはいきません。

なので、
OCTAをマスターにしてトランスポーズ信号とクロック信号を送りつつ、
DAWからノートを受け取る、という方法をとる必要があります。

◯まとめ

もちろんPROでも同じ事が可能ですが、あれデカ過ぎだからね〜。
BEATSTEPは1万円チョイとお値段お手頃で買いやすいから一つ持ってると良いですよ。
あとOCTAに限らず他のELEKTRON製品にも使えますし、
MIDI CCを受けられる機材なら大抵の物にも流用できます。

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