ポンコツDJの為のトラックメイクその3

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前回はドラムのワンショット素材を1小節分並べてみるところまでいきました。

これを延々と聴いてみると「なんか物足りねぇなぁ」と感じるかもしれません。

特にハウス/ヒップホップで耳を育ててきた方には踊る気が湧いてこないんじゃないでしょうか。

これ何故かと言いますと、

各ドラムの音量とタイミングが正確過ぎるから無機質に感じてしまうんです。

80年代にクラブ・ミュージックの礎となった楽器「リズムマシン」や「サンプラー」が、

当時の技術的制約から機種によって音量や発音タイミングにズレやクセがありまして、

それが各ジャンル独特のグルーブ感として受け入れられてきた背景があります。

そういった機種固有の「訛り」は時代が変わった現代でも再現するのが難しく、

それがRoland TR-808、TR-909、AKAI MPCなど当時の機材が

現在でも超高値で取引されている理由の一つです。

 drummachine

また不思議な事に現行のリズムマシンでも「訛り」がありまして、

最新のElektron社MachineDrumやAnalogRytmにも

音量のバラつきやタイミングのズレを確認する事ができました。

Elektron

それならば、

その訛りって奴をDAW上で再現してしまえば良いんです。

ちなみにソフト/ハード共に「シャッフル機能」といってわざとタイミングをずらす

機能はありますが、それはあくまでも人間のドラマーの手癖に近づけようという意図のもので、

クラブ・ミュージック独特のグルーブ感を再現するものではないようです。

やり方は簡単。どんなDAWにもある「スナップ機能」をオフにして、

特定の波形をマウスでチョイずらしたり音量を微妙に変えてみるんです。

波形加工1

「ハウス定番TR-909は◯拍目が早くて◯拍目の音量が小さい」とか、

「MPCは◯拍目の音が遅れる」とか機材独特の訛りを研究しても良いし、

(ググるか本買うか2ちゃんで訊けば分かりますヨ)

自分自身で訛り方を決めてしまうのもアリかと思います。

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