ツマミ型ステップシーケンサーの比較

音楽よりもツマミを愛してやまない変態紳士の皆様ご無沙汰しております。
我らツマミストにとって触れるだけで鳥肌の立つパラメータは色々とありますが、
今回はピッチつまみのお話です。

アタクシSQ-1に惚れすぎて4台イジり壊した上に更に2台購入するほどに
ツマミ型ステップシーケンサーが大好きでして、
運良くブツブツ交換でDoepfer DARK TIMEを入手する事が出来たんスよ。
一時期はBEATSTEP PROも持っていた事だしこの3台を比較してみようと思います。
だいたい何処の製品レビューもメーカー様のご機嫌を伺った提灯記事しかかけないので、
ネガティブなポイントを中心に挙げていきますよ。

○SQ-1の弱点


手頃な値段でモノシンセやモジュラーシンセの良き相棒として定着しているSQ-1。
なにはともあれ一人一台持つくらいに普及していても良いくらいですが、
使い込んでいくと削られたであろう機能が欲しくなりもどかしい思いをします。

・他機種との同期演奏が限定的
同期のスレーブにするにはUSB MIDIかSYNC INを使うしかなく、
DIN端子のMIDI INが無い事がすっごく痛いのです。
結局はvolcaなどMIDI to SYNCコンバーターに頼るしかなく、
スマートな機材構成が考えづらいのが非常に残念なんです。

・電池の消耗が意外と激しい
けっこう早く減りますよ電池駆動だと。
しかも電池フタがネジ固定なのでドライバーが必要。
仕方ないからUSB給電で使いますが、
USB-B端子の大きさが災いして無駄なスペースが必要になって、
筐体のコンパクトさを殺してしまいます。

・C3以下のMIDIノートを吐けない
ツマミが小さいので仕方無いんですが、
MIDIで使いたい場合は音源側にピッチのコントロールが無いと中高域専用になっちゃいます。

・ステップ分解能の変更は電源を入れ直さないと出来ない
シーケンスに対するステップの数、
例えば1小節あたりのトリガーポイントをステップ分解能と言いますが、
プレイ中に変更する事が不可能です。
これが出来たら更にトリッキーなプレイが出来るんですけどねぇ。

○BEATSTEP PROはどうなの?

そんなSQ-1ユーザーの声を反映させているのか、
約3万円で買えるBEATSTEP PROはそりゃもう至れり尽くせりの機能満載です。
ノートシーケンスx2トラック、ドラムシーケンスx1トラック、MIDIコントロールで1トラックと、
この1台で一通りのセットを制御出来るんじゃないでしょうか。
しかもPCのエディタソフトを使ってかなり細かい設定をする事が出来ます。

しかし機能を詰めすぎたせいで直感的操作は苦手。
トリガーが16×1列に対してノート用のツマミは8×2列と混乱を招きやすい配置です。
またツマミもポッドではなくロータリーエンコーダーなので、
ダイレクトに操作をしている感触を得づらいです。

「ロータリーエンコーダーの方が先進的じゃん!なんでポッドの方がいいの?」
と思われる方がいるかもしれませんが、
ポッドからエンコーダーに変わって失ったもの、それはフェティシズムです。
そこんトコ分からない方はツマミ廃人として失格なのでご退場下さい。

その他いろいろとオモチャ感が否めないデザインなのもマイナスポイントですね。
KORGのようにチープなオモチャ感を魅力として昇華できれば良いのですが、
そこはKORGのデザイナーが優秀過ぎるので他メーカーに期待するのは酷なものです。

○DARK TIMEレビュー

SQ-1が発売されるずっと前から製造されているステップシーケンサーのパイオニア的な機種です。
定価で6万円台後半、中古でも5万弱と(SQ-1に比べると)かなり高い価格設定です。

MIDI INをはじめ入出力端子は充実していますし、
ある意味SQ-1の不満な点を補ったモデルではありますが、
強気な価格設定の為に躊躇してしまう方も少なくないでしょう。
(いやぁオレだって物々交換で入手出来なけりゃ縁が無かったと思うよ)

しかしDARK TIMEの魅力はスペックからは見えない部分にあります。
この機材に限らずDoepfer製品は【ツマミのトルク感が絶妙】な事が大きなアドバンテージです。
端的に言ってしまうと重たいんです。スッカスカなM○Bなどと違ってホントに重厚です。
ツマミが気持ちいい!と評判なMother32やDFAMなどのMOOG製品より重たい。
指先にフィードバックされる程よい抵抗感がプレイヤーのテンションを上げるのに一役買ってくれます。

そしてトリガーがトグルスイッチ!なのも賛否は分かれますが性感的には大正解です。
(いやまぁ視認性は最悪なのはわかりますがねぇ)
パチン!「あっ。。」プチン!「いやん。。」と所作の一つ一つで思わず声が漏れてしまう。
ツマミを乳房にトグルを乳首に例えるならば小ぶりで感度の良い極上のオパーイがフヒヒヒヒ。。。
エロ漫画のように風船みたいなデカいだけのが好きな御仁はご退場下さい。

とはいえダメな所もあります。
前述したようにトグルスイッチの視認性は最低です。しょっちゅう間違えます。
それと右側トグルスイッチの「Stop」。
これ何の為にあるのかわかりませんが、ウッカリ誤動作してシーケンスを止めてしまいます。
ステップ分解能の変更もプレイ中に出来るっちゃ出来るんですが、
単純に1/2、1/4、1/8、、、などキリの良い数字なら良かったのに、
何故か「付点四分音符」だとか余計(?)な値があるので困ります。
直感性が命のステップシーケンサーには余計な機能だと思いますが如何でしょうかね。
ACアダプタが「AC15V」とちょいレアな規格なのも困る。

このようにスペックに表れない部分に最大の魅力を持つのがDARKTIMEです。
官能と所有欲を満たしたい御仁は是非とも挑戦して下さい。

○用途/目的別の選び方

コスパ:SQ1>BSP>DT
機能:BSP>DT>SQ1
サイズ:SQ1>DT>BSP

・とりあえず1台持っておきたい:SQ1
・トリッキーなプレイがしたい:SQ1
・1台で全てのシーケンスを賄いたい:BSP
・ドラムシーケンスをしたい:BSP
・所有欲を満たしたい:DT

○まとめ

国内で入手し易いステップシーケンサーを3種挙げてみました。
必ずしも必要ではないけど演奏する楽しみに特化した機材だと思いますよ。
クルマに例えるならばステップシーケンサー自体がオープンカーのようなものです。

SQ1:ビートやカプチーノ
BSP:シボレーとかキャデラックのコンパチ
DT:ケータハム・スーパー7

皆々様にもっと分かりやすく例えるとですね、

SQ-1:人身売買ロリペド野郎
BSP:奇乳好きかつエロゲー攻略で恋愛を語ってしまう残念な童貞
DT:理想的な曲線美と張りのある触感を愛でる事の出来る官能の伝道師

となります。

ぜひぜひ一度は堪能してみて下さいデュフフフヒヒヒヒ。。。

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