格安PCM音源でクラブ黎明期の音を作る
歳はアレですがDAWからDTMを初めた身なので、
ソフトからハードに移行していてもPCM音源ってのには
今まで関心が持てなかったんですよ。
ネット上のレビューを見ても過去の遺物扱いですし、
「こういうのってゲーム音楽とかポップスを作る人達の物」って
勝手に決め付けて敬遠してました。
しかしOCTATRACK中心のパフォーマンス環境を整えていくうちに、
「やっぱオレTECHNO<HOUSEだしピアノとか弦のベースも欲しくね?」
「民族音楽の楽器いれてminilougeごっことかしたくね?」
という変な欲が湧いてきて色々と物色していました。
中古市場ですと圧倒的に多いのがRolandですね。
次いでYAMAHA、KORGの順にみかけます。
メーカーによる違いは全然わかりません。
E-MUなんかも薦められたけど(しかもたまたま5000円で売ってた)、
英文マニュアルは当分見たくないんで辞めました。
Roland JV(1万~)
Roland XV(2万~)
Roland Fantom(3万~)
世代的にはこんな順番でしょうか、ヤフオクだともう少し安いです。
そいで真ん中辺の値段でXV-5050を購入。
これナニが気に入ったかというと、1Uでしかも奥行きが20cm。割と軽い。
他の機材と一緒に持ち歩くことも苦じゃないサイズです。
音質云々はネット上のレビューからして期待はしてませんでしたが、
(そりゃ世代どころか時代が違うんだから仕方ないっすよね)
あれ?
あれれ?
意外とイケるじゃん?これ。。
しかもこの中で一番チープな筈のGM音源のオルガンがツボ。
KONTAKTなどのソフトサンプラーよりも、ずっとイケてますよ?
ネットじゃボロクソに言われてる事もあるけど、オレ好きだよこの音。
でも理由はすぐに解りました。
これ90年代初期のNYハウスのオルガンにそっくりなんですよ。
ならば!とOCTATRACKのLo-Fi系エフェクトとコンプレッサーで
バッツーンと前に出してベロシティ無視のベタ打ちシーケンス。
https://twitter.com/rudeloops/status/725082241949405184
ね。ハウスっぽいでしょ。オールド・スクールなハウスの音。
当時は恐らくKORGのM1が多用されていたんだと思いますが、
所有しているiPad版のM1やソフトシンセのM1よりも「らしく」感じました。
もちろん他のソフトシンセの「HOUSE ORGAN」よりもずっと。
個人的には思わぬ収穫です。
ネット上でこのあたりのPCMシンセをレビューしている方々や、
当時のメーカー的には「如何にして生演奏に近づけるか」が命題だったと思うんですが、
90年代のクラブで育ったボクの耳にはこのインチキ臭い生楽器の方がシックリくるんです。
これに味を占めて今度はステップシーケンサーでピアノを鳴らしてみました。
こういう時はやはりKORG SQ-1。
ミニマルな上モノを演奏するにはベストなシーケンサーです。
なんかスティーブ・ライヒっぽくね?ぽくね?w
下手にいじらない方が良かったけど、
やってる時はすげぇ気持ちよかったからヨシとしましょう!
調子に乗って色んな音色を試してみたけど、
SQ-1とPCM音源の組み合わせでかなり面白いプレイができますね。
SQ-1でPCM鳴らすと色々面白い。 pic.twitter.com/fdS4wAcAwv
— ryota@rudeloops (@rudeloops) April 27, 2016
ちなみに、PC用の純正エディタソフトはwinXPまでしか対応していないようです。
ディスプレイも小さいのでじっくり作り込むには向いてません。
ちゃんとマニュアル読めばシンセサイズも出来るんでしょうが、
洒落臭ぇからOCTATRACKのフィルターとエフェクトでどうにかしちゃってます。
この音がツボにハマる層は限られているけれど、
クラブミュージック黎明期の雰囲気を表現したいならオススメですよ。
ソフトシンセで延々と悩むよりも遥かにラクです。
コンプレッサーなどのエフェクトでゴテゴテにすると尚いいですね。