1985年の電子音楽革命

革命というのはいつでもどこでも虐げられた弱い立場の人から始まるようで、
ハードな環境で生きていく知恵がウッカリ既得権益をひっくり返しちゃったりしますよね。

音楽史におけるクラブ・ミュージックの革命も正しくそんな感じなようで、
このあたりのエピソードは非常に面白くてタメになります。

表題からはブレますが1985年というかそのあたり。
シカゴでハウスが、デトロイトでテクノが生まれ、レゲエは新しい局面を迎え、
ちょっとズレるけどヒップホップもオールド・スクールからニュースクールへと変貌しました。

その頃ボクはまだチン毛も生えていない小学生。
音楽なんぞ全く興味が無かったんですが、
あながち無関係とはいえない別の革命を目の当たりにしていました。
1984年に発売された任天堂のファミリーコンピュータ。
当時の子供のライフスタイルを良くも悪くも激変させた出来事でした。

そして同時期に発売された日本製の電子楽器が
海外の貧乏黒人でも手の届く価格帯になり爆発的に普及したそうなんです。
四つ打ちの象徴的ともいえる名機TR-808と909でハウスやテクノが作られ、
カシオトーンMT-40でレゲエ界初の打ち込みトラックがジャマイカで大ヒット、
87年に発売されたシーケンサー付きサンプラーのE-mu SP1200やAKAI MPC60は
ヒップホップのルールさえ変えてしまったように思われます。

ボクが大好きなエピソードがシカゴ・ハウス誕生の経緯。
「コレありゃ楽器できなくても音楽作れるんだぜ!?」
「マジかよ!じゃプレス屋そそのかしてレーベル作んべ!」
「サンプラーって機械あっから他の奴の曲パクれっぞ!」
「一発当ててオンナはべらそうぜ!」

そんな悪ノリで一発当てるどころかその後の文化の礎となってしまった嘘のようなホントのバカ話。
RUDELOOPSもこの悪ノリを大事にしていきたいものです。

「一番最初のハウスミュージック」とされる
On and ON / Jesse Saunders

デトロイトテクノの始祖ホアン・アトキンスの作品
Night Drive / Model 500

クラブ音楽における最凶の鬼子アシッドハウスは1987年
Acid Tracks / Phuture

ダンスホールレゲエに革命を起こした名リディム「スレン・テン」

Sleng Teng riddim

ちなみにこれカシオトーンに内蔵されてた伴奏用のトラックをそのまんま使ってますw
カシオの中の人からした元ネタは「Anarchy in the UK / Sex Pistols」のベースでしょうね!

10代の頃は音楽に全く興味がなかった自分が、
この頃のクラブミュージックにツボを押されてしまうのは
間違いなくガキの頃に遊び倒したファミコンのBGMのせいでしょうね。
グラディウスとかデトロイト・テクノにしか聴こえないもん。

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