ドローンシンセのススメ
ダンス系ではない電子音楽のジャンルの一つにドローンミュージックというものがありますが、
ここで活躍するのがドローンシンセサイザーです。
・・・・・雑な説明ですみません。全然知らんし。
まぁドローン(長い持続音)はシンセに限らないようですが、
音楽ジャンルとしてのドローンの定義などは他所様で調べて頂くとしてですね!
ともかくこのドローンに特化したシンセサイザーの
深い深~い沼へ皆様をいざなった上で背中から蹴り落として差し上げたいと思います。
当たり前っちゃ当たり前ですがドローン音自体は普通のシンセで鳴らせます。
とりあえずブ~~~~~っと鳴らしてですね、音を止めない状態をキープしつつ
ピッチ上げ下げしたりLFOで何かしら揺らしたりエフェクトかけたりすると、
だんだん気持ちよくなってきたりしませんか?
催眠術にかかったようなフワフワ~っとした気分になるでしょ。
ヘッドフォンで他の音をシャットアウトしたりすると効果テキメンっす。
クラブ育ちの自分は全く知らなかった分野なのですが、
こういう音に特化したライブプレイは結構盛んに行われているんですよ。
最初はナニが面白いの?と懐疑的な姿勢ではあったのですが、
機材廃人としての経験値を重ねていくうちに少しずつ分かってきました。
でもでも当ブログを読んでいて下さる皆様なら、
他人のライブを聞くよりも自分でやった方が100倍キモチいい!と思うでしょ。
そんなに高い物ではないんで一つ試してみませんか?
○ドローン音のメリットと活用例
純粋なドローンミュージックをやりたい人でなくとも、
ドローンシンセは意外と幅広く使えるものです。
・ひたすら一人で瞑想
一人でヘッドフォンをしてツマミをゆっくりいじっているだけで
瞑想に近いような凄いトリップ感を得られます。
お陰様でよく眠れるようになりましたわw
・リズムとリズムの場繋ぎに
ドローンシンセはダンス系ライブシステムの中に入れても活躍してくれます。
自分がよく目にするのはイントロとして使う方法。
ライブ冒頭の数分間をドローンやノイズで引っ張って、
徐々にリズムを入れていく手法が盛んです。
イントロだけでなくアウトロやブレイクなどにも使えます。
・ベースの代わりに
重厚感がありゆっくりと変化するドローン音を
ベースラインの代わりに使っているライブも観たことがあります。
ライブや制作などのクリエイティブな用途としても良いんですが、
ただひたすら自己満足の為にドローン沼にハマるのもオツなものかと思います。
○ドローンミュージックを聴いてみよう
音楽として売られているよりも、YouTubeで動画としてアップされているのが多いです。
「Drone Synth」「Drone Music」と検索すれば山のようにヒットします。
普通の音楽の聴き方よりももっとラクに構えてBGMとして流しておくのが丁度よい楽しみ方です。
自分の初ドローン体験だった「シカメっ面したオッサンのライブを正座して聞く」のは苦痛でしたがw
こういう気楽な楽しみ方なら誰にでも受け入れられると思いますよ。
自分が見つけたイチ推しの動画がコチラ。
モジュラーで演奏しているドローンでしょうが、
他の演奏とは何かひと味違うものを感じます。
これ電車の中で聴いてたらあまりの気持ちよさにウッカリ寝過ごして遅刻しました。
また映像とも相性が良いので、以下のようなCG動画を観ながらBGMとして流すのも良いでしょう。
なんかこういうビデオドラッグみたいな映像とドローンって凄くマッチするんですよね。
この映像の音楽はなんか微妙ですがw、代わりに上の音を流してみると
昇天したまま現世に戻ってこられなくなりそうです!
○ドローンの演奏
通常の演奏のように音階をつけるわけではなく(いやぁ付けても良いとは思うけど)、
LFOやフェイザー、ディレイの発振などの「揺れ具合」を調整して展開をつけるのが基本なようです。
まさにツマミ演奏の真骨頂!じゃないですかい。
またシーケンサーやランダムCVを使って全自動or半自動でプレイする事も多いです。
忙しくて手が足りない人にももってこいの持ちネタになりますね!
○お手軽にドローン「も」出来るシンセ
ここで言うドローンシンセの定義は曖昧ではありますが、
とにかく長い音を持続させやすくツマミひねって気持ちイイ機種を幾つか紹介します。
・KORG monotron DELAY
3000円で買えるお手軽シンセmonotronのディレイ付きVer。
何も考えずにツマミで遊んでディレイ効かせると何かそういう雰囲気出ます。
・MOOG Mother32
M32にはVCAを開きっぱなしにするスイッチがついてるんですよ。
そこをONにしたままフィルターなりノイズなりのツマミをゆっくりゆっくり、
出来ればシカメっ面で仰々しく回してみて下さい。
・waldorf streichfett
80年代風ストリングスシンセstreichfett(読めない)、
外からトリガーする必要はありますが、
普通のアナログモノシンセよりも広い可変域の為に昇天必至の音を簡単に出せます。
リバーブやフェイザーが内蔵されているのもポイント高いです。
まぁアナログシンセ全般がドローン出来るんですけど、
シーケンサーや鍵盤を使った普通の演奏とドローンの切り替えを巧くできるようになると格好いいですよね。
○ドローン特化シンセ
これらは「外部からのノート操作を受け付ける端子が無い」「エンベロープが無い」
「とにかく音を止められない」といった具合に、ホントに持続音した出せないようなシンセです。
・HIKARI INSTRUMENTS monos
インテリアショップに置かれてそうな可愛らしいデザインで大人気の日本製ドローンシンセ。
ここまでお洒落ならご家庭で「また新しい機材買ったの!?」と奥さんに突っ込まれた時も
「これは部屋の空気をきれいにしたり除霊したりするプラズマクラスター的なアレだよフフン♪」
とでも言っておけば誤魔化せる事間違いナシ!です。
ノイズ音源とローパスフィルターの組み合わせという事で???となりますが、
触ってみるとこれが楽しいんですよ。アタックの強い音が得意なんでディレイと組み合わせたいですね。
・MFOS WSG
アメリカのDIYシンセブランドMFOSからもドローン向けモデルがあります。
完成品も個人売買サイトReverbで入手できますよ。
これの特徴は6つあるオシレーター。うち二つをLFOとして使うんですが、
音の重なり方が気持ち良くってハマります。
ノイズは無いので柔らかい音に限定しますが、シマーリバーブを合わせると昇天します。
他にも「JMT SYNTH」や「ELEKCTROGROOVE」など日本のブランドが多いので贔屓したくなりますね。
YouTubeに色々と動画が上がってるので参考にして下さい。
これら専用機の弱点を「演奏中に手を離せない」こと。
単体でドローンだけの演奏をするなら良いのですが、
楽曲の1パートとして使うにはちょっと不便です。
○エレクドロン
ダンス系のみならずアンビエント系アーティストからも支持されているELEKTRONマシン。
何より強力なLFO機能が魅力の要です。大抵のモデルで重厚なドローン音を作る事が出来ます。
自分自身ELEKTRONマシンでドローンをやるのが一番コスパも良く理にかなっていると思って
ちょっと研究してみました。
・Digitakt/OCTATRACK
超短いシンセの波形サンプル(DTなら元々入ってます)をループ再生し、
AMP EGのアタックとリリースを長くとり、ノートレングスを120〜127くらいにします。
(レングスをINFにするとトリガーミュートをの際に音が消えなくなるので注意しましょう)
SAMPLE TUNEやAMP VOL、FILTER FREQなどをLFOでゆ〜っくり揺らします。
DTならサイン波のLFOがあるし、OTはLFOの波形を自由に作れる上に1トラックにつき3つLFOがあります。
エフェクトは全開でグワングワンにしてやりましょう。
1トラックだけでも良いですが、できれば2,3トラックを音程変えて重ねると凄く迫力のある音になります。
・MONOMACHINE/AnalogFOUR/Digitone
シンセ系マシンならもっと簡単です。
オシレーターを重ねていけばDT/OTのようにトラックを複数使う必要もなく、
1トラックですっごいすっごい音出せますよ!
シーケンスのコツはスケール設定を長く、パー/レングスを1/8などにして、
アタックとディケイ、ディレイを調整しながら
トリガーが置かれた鳴り始めの部分をスムーズになるようにすると良いです。
後はTRCやパラメーターロックを工夫してお好きなように応用して下さい。
○突き詰めるならモジュラーでドローン
erica synthsではドローン専用のセットが用意されているくらい、
ドローンならモジュラーだろ、とモジュラーユーザーは必ずハマるようです。
選択肢が多すぎて紹介できないのですが、モジュラーの方は是非とも挑戦してみて下さい。
○ドローンシンセと組み合わせたいエフェクター
シンセそのものよりもエフェクターに依存する度合いが大きいドローン音。
乱暴な言い方ですがシンセなんて何でもいいんです。
それよかエフェクトにこだわった方がずっと理想の音に近づいてくれます。
・リバーブ
単体では耳に痛い音が出る機種もありますがそれを柔らかく削ってくれる役目を果たします。
シマーリバーブなどオクターバーを兼ねたリバーブで幻想的な音を演出するも良いでしょう。
・ディレイ
ディレイ系ではやはりテープエコーがお勧めです。
エフェクト音がマイルドで発振音でバリエーションを持たせられます。
ディレイの延長でルーパーを使って音を重ねるのも良いと思います。
これなら音の薄いシンセでも重ねる事により多OSCシンセとはまた違った
ミルフィーユのような味わいになる事間違いなし!
・フェイザー
モジュレーション系ならトレモロからフランジャーまで面白そうなエフェクトが沢山ありますが、
そこそこエグみがあって柔らかい揺れ方をするフェイザーもアリかと。
・ファズ
逆にノイズのような攻撃的な音にしたいのであれば歪ませてしまうのが手っ取り早いでしょう。
○その他ドローン〜アンビエントに有効なアイテムやキーワード
・テープ
テープ特有のヒスノイズって気持ち良いですよねぇ。
ライブ用途というよりは作品作りとしてテープを積極的に使っている方も多いようです。
これはドローンというかアンビエントの動画なんだけど、
オープンリールのテープに一度録音したものを再生速度を下げて再度録音したもののようです。
・フィールドレコーダー
市販のフィールドレコーダーを使って街なかや山や海などの環境音を録音して、
それを演奏に取り入れる人もたくさんいますね。
ネットにも有料無料問わず沢山転がっていますけど、
たぶん自分で収集する事に意義がるんでしょうかね。
・グラニュラー
「グラニュラーシンセ」「グラニュラーサンプラー」「グラニュラーエフェクト」などなど、
この界隈を調べるうちに頻繁に出てくるキーワードが「グラニュラー」です。
[サンプルをグレインと呼ばれる細かな粒に分解して、そのグレインの再生をコントロールする事で多様なサウンドが生まれます。]
・・・との事ですが、何を言ってるのか馬鹿にはわかりません!
よく分かんないけど何かツブツブで良い感じになります!
自分はこれを聴いて何故か写真で見た「鳥肌の立ったオッパイ」を連想しました。
とりあえずツブツブって覚えておけば良いですかね(鼻ホジ)
○まとめ
ジャンルとしてのノイズ音楽は耳に痛くて未だ苦手なのですが、
近い分野であるこのドローンは「楽しい!」というか「気持ちいい!」と思える音です。
今まで縁の無かった皆さんもぜひぜひ体験してみて下さい。
新しい世界が見えますよ!