マシンライブのパッキング
クラブやライブハウスに機材を持って出向く際、
地味ながらも重たい課題がパッキングです。物理的にも重たいですしね。
自分の家だけでなら幾らでも大きな機材を並べられるけど、
現場に出向くとなるとそうもいきません。
そこで今回は機材を詰めるカバンや移動手段について自分たちの体験談などをお話します。
元々は別テーマのいちコーナーだったんですが情報量が多いので独立させました。
○移動手段
地方在住の方やお金持ち(?)はクルマ買ってガンガン機材を詰め込めますが、
アタシの観測範囲ではみんな原則的に電車と徒歩。
クルマ変える金あんならシンセ買うわ!
軽自動車とブックラなら迷わず後者選ぶね!とか豪語しかねない廃人ばかりです。
アタシはアタシで最近スクーターを新調しましたが積載量で言えば徒歩と同じ。
ここでは電車/徒歩移動を基準にお話します。
自分が毎月主宰しているマシンライブ・ワークショップ@津田沼メディテラネオ、
最寄り駅の津田沼駅から徒歩10分、この徒歩10分って意外と大変です。
だいたいレギュラー陣は府中だったり川崎や横浜だったり、
それまでの道のりも結構あります。
中には自宅から駅まで自転車移動だから、
自転車に詰める機材しか運べない、なんて人もいますよ。
小柄な女の子が二宮金次郎ばりに3段モジュラー背負ってくるとかね。
みんな見えない所で苦労してるんですよw
東京在住だとクラブやライブハウスなんていっぱいあるんでしょ?
なんて思われるでしょうが、
そもそもニッチなジャンルだし一流ミュージシャンってわけでもないので、
頑張って郊外のハコに行くのがデフォルトなのです。
アレ持っていきたいし新しい機材買ったし借りた機材も返さなきゃ!
などなどそういう苦労(=煩悩)があるから、
津田沼のレギュラー陣は必然的にパッキングが超上手くなってますw
○まずはデカカバン
どれぐらいの大きさのカバンを用意すれば良いか迷う方も多いようですが、
ライブ内容に見合った機材量、それぞれの緩衝材(クッション)、ケーブルや電源類、
そこに絡めて持ち歩くのにモチベーションを保てる大きさ重さ、
諸々バランスが取れるのが40〜60リットルの容量です。
これ以下だとライブ内容が寂しくなりがちだし、
これ以上だと運ぶ根気がダダ下がりです。
自分自身は割と大柄な方で肉体労働余裕なタイプなんですが、
それでも軽さにはこだわるべき。歳食うと腰に負担かけらんないしなw
あとは雨。
それなりの値段のするバッグなら多少の雨風には問題ありませんが、
キャリーに積んで移動するとなると傘には収まらずモロに雨の影響を受けます。
その時にカメラ用品やキャンプ用品だと防水性が高かったり、
専用の雨カバーが付属してたりします。
・キャリーバッグ
自分が普段(電車と徒歩移動で)使っているのはカリマーのAIR PORT PRO40。
当時の値段で4万円弱、結構奮発して買いましたが
7,8年はハードに使えているのでやはり買ってよかったと思ってます。
しかし機材ガン詰めだとやはり重量的に無理があり、
一度ホイールが壊れて修理してくれる店を探すのに苦労しました。
ただこの40リットルという容量、
・ELEKTRON2台
・小型ミキサー
・ペダル
・ケーブル/電源類
これでパンパンです。
モジュラーなら84HPx2段トランクに、
細々とした物を入れるだけで終わり。
やはりもう少し余裕が欲しいかな、と思います。
あとキャリーバッグはそれ自体がクソ重いです。こいつは約4kgあります。
徒歩派で二つも三つもカバンを持ちたくない人は、
更に大きなAIR PORT PRO70を選ぶと良いです。
キャリーバッグを選ぶポイントはホイールです。
ホイールの滑りで引き心地が全然違います。
出来ればホイール交換が簡単に出来る奴が良いです(カリマー出来ないけど)。
・ボストンバッグ/ダッフルバッグ
50~60リットルくらいのカバンと言うとボストンバッグやダッフルバッグがありますね。
スポーツ用品やキャンプ用品でなら頑丈な物が選べます。
バイク移動でカリマーは重いので今回の為に自分が新調したのが、
テンマクデザインのマルチダッフル。
https://www.tent-mark.com/iljig/
本来はバイクでキャンプをする為のバッグなようですが、
デザインもシンプルで使いやすく、バイクに縛り付ける事も出来るのが決め手でした。
カバンはオシャレなのが欲しいならキャンプ用品、
見た目はいいから安くて頑丈なのならホームセンターでツールバッグ関連、
もうチョット質の良い物ならサバゲーやカメラ用品なども候補に入れましょう。
・キャリーカート
レコードでDJしていた時によく使ってました。
100枚くらいは持ち歩けます。
1000円2000円の安物はすぐ壊れます。使い捨てだと思って下さい。
あと振動がかなり強いので必ずクッションをはさみましょう。
オススメは定番ブランド・マグナカート。
大体4000円くらいで買えますね。
カートの中ではかなりゴツい部類ですが、これぐらいないと安心出来ません。
ちょうどサウンドハウスにマグナカートの比較表があるのでリンク貼っときますね。
https://www.soundhouse.co.jp/material/magnacart/
○振動対策と緩衝材はカメラ用品と100均
キャリーカート/キャリーバッグで街なかを移動する時に注意したいのは振動。
歩道の段差や目の粗いアスファルト、駅の階段などで機材に悪影響が出ます。
当たり前ですが精密な電子機器なので丁寧に扱わないと壊れますよー。
自分がよくやらかした失敗は、
自作のキットではんだ付けが下手クソなせいで振動で接触不良を起こす、ってパターン。
細かい所ではモジュラーシンセのジャックのナットが外れてカバンの中で転がってる、とか。
そこでオススメしたいのがカメラ用品。
シンセより高価なレンズやカメラ本体を入れて海でも山でも行くわけですから、
それなりにタフでないと商品として成り立ちません。
カバンの中身の緩衝材を幾つか紹介します。
・エツミ クッションボックス
https://www.etsumi.co.jp/category/products/camerabag/cushion
カメラ用品を扱うエツミというブランドのインナーボックス。
このクッションボックス・ロングという物が
ELEKTRON初代analogシリーズ/OCTATRACKにピッタリです。
これを5,6個買って機材に合わせてチョイスしています。
あとはケーブル類などをまとめるのに100円ショップで変えるA4のクッションバッグを使っています。
カバンに収める際にはケーブル類のクッションバッグを一番下に、
その上にグルボやモジュラーを入れるようにすると振動の影響を受けにくいですよ。
まぁそれでもモジュラーシンセのジャックのネジはポロポロ落ちますがね。
○その他もろもろお役立ちアイテム
あと頻繁に外に機材を持ち出すと紛失問題がかなりあります。
悪気はなくても間違えて人の電源持って帰ってきちゃった!とかね。
・ケーブルタイ
ケーブルが絡まないようにまとめるマジックテープのアレです。
よく無くすので大量に買っておきましょう。
・キータグ
ケーブルやACアダプタなど、間違って人に持って行かれたり無くしたりします。
・ゴミ袋
防水性の高くないカバンであれば1枚2枚は常備しましょう。
突然の雨でも助かる見込みが出てきます。
○コインロッカー
よくあるケースが一旦コインロッカーに預けて別の用事を済ませ、
その後ライブ等に出向く、という行動パターン。
ターミナル駅では大型のコインロッカーがあるので活用しています。
よく使う秋葉原駅では¥500の大型のコインロッカーで840×420×570のサイズだそうです。
上記のAIR PORT PRO40は余裕で入ります。
ご自身の行動範囲に使えるコインロッカーがあるかチェックしておくと得です。
○まとめ
あまりにも地味な話題なのでネットに載るわけでもないし、
機材を揃えるのに必死な頃は全然気が回らなかったんだけど、
毎月やら毎週のように機材を持って移動するとなると、
別次元のノウハウが必要なものです。
パッキングスキルそのものはキャンプやカメラをやっている人達のブログが参考になります。
これからライブを始めよう、ライブ前提に機材を買おう、という方は念頭に入れておいてください。