マシンライブの動画撮影【試験撮影編】

さてさていいかげんに実践のお話をしなくてはならないので、
機材話は一旦ストップして実際の段取りなんかをお話します。

ロケ現場は前記事で紹介した池上C4R。
どちらかと言うと楽器練習などを中心とした利用が多いのですが、
撮影用途にももちろん対応(ただし機材はぜんぶ自前な)。
1時間¥1500という破格なので業務用途でなくても気軽に使えますよね。
(ちゃんとした撮影スタジオは10倍の値段取られますよー)

○レイアウト

なにぶんスタジオでの撮影は初めてなので実撮影にいたるまでに、
数回お借りしてレイアウトやカメラの映りなど諸々の段取りなんかを研究しました。
店内の機材や設備は基本的に自由に配置できるので、
(一般飲食店ではないスタジオだからこその強みですね!)
とりあえず3通りのパターンを考えてみました。

1.クラブ/ライブハウス風

これが一番一般的なスタイルに思えます。
DJブースに見立てたテーブルをど真ん中に配置して天井照明でブースに集中させてます。
アッパーでダンサブルな楽曲のプレイに似合うんじゃないでしょうか。

2.ゴージャス&エレガント

黒カーテンとクラシカルなソファ、シャンデリアを配置して
ソファに座ってプレイするスタイル。
上品なアンビエントをやるような女性向き、、、かな?
正直言って自信ないw

3.カフェスタイル

黒基調なのにカフェとは如何に?と自分でもツッコミたい所ですけど、
アンシンメトリーで椅子や可愛らしい照明器具などをゴチャっと置いたスタイル。
上二つの中間を行くような音楽性に合わせました。

 

○機材配置

上記の3番の写真のレイアウトを基準に自分自身の試験撮影に臨んでみます。

・カメラ

メインにミラーレス一眼のFUJI X-T2。
ちなみにX-T2の連続撮影時間は4Kの場合10分です。
メインカメラの焦点距離は23mm(換算35mm)。
室内ではもう少し広く撮れる方が使いやすかったなぁ、とは思っているので、
換算28-35mmくらいの単焦点レンズをお勧めします。

サブカメラにはiPhone13Pro+FilmicPro。
このアプリを使えば下手な一眼カメラにも負けない画質が得られます。
音声に関しては荷物が嵩張るのが嫌なのでオーディオインターフェイスは使わずに、
変換アダプタを使ってマイク入力をしています。
カメラ側の音質はどうでも良いのですよ。
ファイル編集の際にタイミングを合わせる目印としての音が入っていれば良いのです。
3.5mm3極から4極への変換はRODE SC-4を、そこから3.5mm-Lightningアダプタを使っています。

・楽器と録音まわり


(この図ではオーディオI/F載せてるけど実際には使ってません)

音楽機材はモジュラーシンセの箱を二つ使っています。
これをテーブルの上に綺麗に並べるのが普通ですけど、
面白みに欠けるのでキーボードスタンド(お店の備品)に載せて、
角度も高さも変えてみました。

そこからPCMレコーダーに繋ぎ、
このPCMレコーダーには「カメラアウト」と「ヘッドフォンアウト」と
出力が二つあるのでそれぞれをメインカメラ/サブカメラに繋いでいます。

このお店は結構な音を出せるスピーカーがあるので
カメラにライン入力する必要は無いんですけど練習という事で。

この時、シンセとレコーダー間のケーブルはなるべく身近く、
レコーダーから各カメラ間のケーブルは長い物を利用しましょう。
3.5mmAUX延長ケーブルの5mの物を使ってます。

・その他小道具

将来的に色んな方々の撮影をするのに、
おそらく顔を出したくない演者さんも沢山いるだろうと思いまして、
顔を出さずに仕草だけ見せるアイデアを色々考えました。
パーカーのフードを被るとか、アップにして鼻から下を撮るとか、
そんで採用した案はカメラと自分の顔の間に照明を配置する事です。
正直いってオレもあんまり出したくないもんね。

それに顔が出てしまうと良くも悪くもそこにしか目がいかなくなります。
歌ものの音楽がボーカル以外あまり印象に残らないのと同じ理由です。

○撮影設定

 

メインカメラは正面から全体を撮る用途に(水色の範囲)、
サブカメラは斜め後ろから機材と手元をクローズアップします(オレンジ色の範囲)。

ファイルはメイン/サブカメラ共に4K/24fps。
シャッタースピードはX-T2が1/50、iPhoneが1/48です。

特別な撮影用照明は使っておらず、店内の照明のみ。
左側は大きな窓となっているのでカーテンを使って自然光の入り具合を調整します。

 

○撮影開始

1,メインカメラとサブカメラの録画スタート
2,レコーダーの録音スタート
3,スレートトーンを出してから演奏開始

この順番で行います。

メインカメラの撮影時間が10分と制限があるので、
録画開始から演奏開始までの時間を考慮して7.8分が限界といったところでしょう。

○ウィークポイントの洗い出し

編集については後日別記事で詳しく紹介しますが、
とりあえずメインカメラだけで撮った動画を2分20秒の長さにカットしたものです。

シンメトリーを外して左と右とで情報量に差をつけたつもりですけど、
ちょっと左奥が寂しすぎる気がします。
また自然光をもっと入れれば壁の黒と床の黒、スタンドの黒がハッキリ分かるとも思いますね。

○おまけのお勧めアプリ

Cadrage Director’s Viewfinder

カメラレンズの映り具合をiPhoneでシュミレートできるアプリないかな?
と探していて見つけたのがコレ。
カメラとレンズを登録すれば本物に近い画角で写真や動画を撮る事ができます。
撮影現場の下見や欲しいレンズの映り具合を確かめるのに凄く使えます。
高いけど。


こんな感じでカメラと焦点距離、位置情報などを含めた写真ファイルを撮っておくと便利。

https://apps.apple.com/jp/app/cadrage-directors-viewfinder/id793232740

○まとめ

とりあえずの試験撮影ですが、もう一回二回はやりたいですね。
次回は編集編を兼ねて撮り直そうかとも思ってます。

 

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