Lo-Fiエフェクトあれこれ
Lo-Fi HipHopなんて言葉が出る前からローファイな音が大好きなアタシです。
ソフトウェアならともかくハードのLo-Fi系エフェクトって結構少ないんですよね。
ローファイディレイみたいな奴じゃなくて、テープサチュレーター的な奴。
ここらでひとつ自分が買った物も軽く試しただけの物も並べてみようかと思います。
Lo-Fi度、可搬性、コスパでそれぞれ採点していきます。
この手の機材はエフェクターだけでなく、
そうとは謳ってはいないミキサーやコンプレッサーなどにもLo-Fi効果が得られる物がありますが、
ノイズの乗り方などは千差万別。自分の好みの音を探すのが大変だったりします。
薄っすらノイズが乗るイイ感じの物から、
ノイズが乗り過ぎて正気の沙汰じゃないような物も多々ありますし、
使いどころによってステレオ/モノラルの違いも大きい。
○そもそもLo-Fiとは
高品質、原音に忠実である「Hi-Fi」の対義語として、
録音状態が悪い、低い音質であったりノイズが付加されていたりする事を指す言葉でした。
それが意識しだされたのが、ソフトウェアにおいてデジタル化された音楽ソースに
ビンテージな録音機材やエフェクター等を用いて「リアル感」を加える為の手法だったりします。
DTM全盛の時代において旧来のテープやレコード特有の音質を逆に新鮮に感じるようになったのです。
ソフトウェアのコンプやEQなどは往年の伝説的な機器をシュミレートした物を使っています。
これにより「通すだけで音に立体感が出る」「ドラムに陰が出来る」「音圧が上がる」などなど
平坦になりがちなソフトウェアの音質に彩りを加える用途で使われています。
ハードウェア電子楽器におけるLo-Fi化手法も少ないながらも普及してきました。
特にVAシンセやFMシンセなど、ある意味ソフトっぽい音を際立たせるのには有効ですね。
むしろファズやオーバードライブで積極的に歪ませるのも広義ではLo-Fi化と言えるでしょう。
○狭義でのLo-Fiエフェクターとは
代表的なのが「テープシュミレーター」に分類されるエフェクターで、
歪みに加えテープ特有の回転ムラや独特の劣化を加えるものです。
後述するStrymon DECOやGenerration Lossが代表的です。
これらは味付けの量を調整出来るのがミソで、
軽い味付けから原音をギタギタに壊す物まで色々と選べます。
○古い機材ほど安いけどデカい
ビンテージ物を除けばハードオフで二束三文で売られているようなポンコツ機材の方が
安く効果を出しやすいとも言えますが、この手の物は得てしてゴツい。
制作用途で自宅に置きっぱならともかくライブで現場に持ち込むのは至難です。
○本物のテープやバネは
3ヘッドあるテープデッキやスプリングリバーブも凄く有効。
やはりシュミレーターとは全然違います。
が、機械的トラブルも多く扱いが大変な事もあり最初にはお勧めできません。
○Mackieの古いミキサー
Lo-Fi度 ★★★★
可搬性 ★
コスパ ★★★★★
パンチのある音として定評のあるMackieのミキサーは古ければ古いほどイイ味出します。
全般的に高域が潰れて低域はブリっと強化されるのがMackieの味。
CR1604、VLZ-PRO、VLZ3、VLZ4と世代ごとに分かれますが、
もちろんクソ古い物もアリですけど実用性と値段考えると1202VLZ-PROがベストです。
次いでVLZ3シリーズ。Mackieらしさは薄れますが実用十分。
現在はコンパクトさも踏まえて802VLZ3を所有してます。
ちなみにVLZ4はダメです。
○BOSSのミキサー
Lo-Fi度 ★★★★
可搬性 ★★
コスパ ★★★★★
その昔BOSSからもミキサー出してたんですよ。
ハードオフを地道に回ってるとたまに出くわします。
プラスチック製な事もあってMackieより軽いのもGOOD。
○Strymon DECO
テープサチュレート専用のエフェクターではこれが最も有名でしょう。
ですがテープらしいか、と訊かれれば微妙なところ。
DECOはDECOの音、としか言い様がないです。
Lo-Fi度 ★★★
可搬性 ★★★★★
コスパ ★★★
○KORG volca mixer
ハッキリ言って低品質。純粋なミキサーとしてはダメダメのダメ。
しかしコンパクトで手頃なLo-Fiエフェクターとしては使えます。
Lo-Fi度 ★★★★★(ローファイ過ぎるかもw)
可搬性 ★★★★★
コスパ ★★★★★
○FMR AUDIO RNLA7239
コンパクトなコンプレッサーとしてリリーズされている物です。
同シリーズのRNC1773が原音に忠実なタイプなのに対して、
こちらはビンテージ物の回路をシュミレートしています。
特にドラムにかけると極上。バチコーン!と太く強くなります。
volcaがJOMOXになります。
Lo-Fi度 ★★★★
可搬性 ★★★★
コスパ ★★★★
○ZVEX Lo-Fi JUNKY
こちらはコンプ兼ビブラートだそうです。
ユーロラックVer.もあります。
Lo-Fi度 ★★★
可搬性 ★★★★
コスパ ★★★
○iPadアプリDAW CASSETTE
iPadアプリなので対応するオーディオインターフェイスが必要です。
よって可搬性もコスパも低くしてます。
ただ8つのパラメーターで好きなように操れるのが気に入っていて、
程良くかけられるのが良いです。
Lo-Fi度 ★★★★
可搬性 ★
コスパ ★
○Waldorf 2-Pole
Waldorfのフィルター。モノラルなのが残念だけど、
それでもマスターにブッ挿してヒュンヒュン言わせてました。
そんで歪みに関連するパラメーターがエグい。
もうサチュレーターの領域でなくオーバードライブですね。
Lo-Fi度 ★★★★
可搬性 ★★★
コスパ ★★(あんま売ってない)
○ERROR INSTRUMENTS製品
https://beatsville.jp/products/broken-tape-simulator-v3-noir
アムステルダムのバカシンセメーカー。ほんと馬鹿です。
一部の製品は日本のbeatsvilleでも扱っています。
「Broken Tape Simulator」なるものがアレなエフェクターとして有名ですが、
「壊れたテープシュミレーター」の名の通り原音が壊れます。
ここの製品はほぼ全て原音が壊れますw
壊れてないテープシュミレーターが欲しいんですけど。。
Lo-Fi度 ★★★★★(これもローファイ過ぎw)
可搬性 ★★★★
コスパ ★★
○Roland SP-404mk2
SP-404は昔から「ヴァイナル・シュミレーター」を備えています。
サンプラーとしてはもちろんエフェクターとして導入する人も珍しくないです。
最新モデルではエフェクトのルーティングも自在。
もちろん外部入力音にたいしてエフェクトをかけられます。
Lo-Fi度 ★★★★
可搬性 ★★★
コスパ ★★
○Chase Bliss Generration Loss mk2
https://umbrella-company.jp/chase-bliss-generation-loss-mkII.html
高級高品質なエフェクターブランドChase Blissからのテープシュミレーター。
まだ発売前ですが、これは凄く期待出来ます。でも高いんだよね。
https://www.youtube.com/watch?v=HzXb6WIMvwU&t=1s
Lo-Fi度 ★★★★
可搬性 ★★★★★
コスパ ★
○サンプラーにノイズを入れてしまう
なんかズルい手法ですけど音が綺麗過ぎるDigitakt使ってた時にやってました。
1トラック使ってネットに転がってる「レコードのノイズ」みたいなサンプルをループさせます。
ついでにLFOをかけて音量にウネりを加えると良い感じに馴染むのですよ。
Lo-Fi度 ★★★★
可搬性 ★★
コスパ ★
○(おまけ)Caroline Guitar Company Meteore
https://umbrella-company.jp/contents/lofilofi/
これはリバーブが本来の用途です。ローファイ・リバーブ。
リバーブがかかっても良い音源ならばアリ。
DFAMやSubharmoniconなどMOOGのアナログシンセと相性良いのね。
Lo-Fi度 ★★★★
可搬性 ★★★★
コスパ ★★★
○(おまけ)EMPRESS TAPE DELAY
https://umbrella-company.jp/contents/lofilofi/
これもディレイとして使うのが本筋。
こういうテープエコーのシュミレーターなら結構たくさんあるんですよ。
Lo-Fi度 ★★★★
可搬性 ★★★★
コスパ ★★
○だがしかし
ここまで言っておいてナンですけど、
今の時代ソフトで済ませられるならその方が断然良いですよ。
最近のソフトウェア・サチュレーターは安くてメチャクチャ品質良いですし。
楽曲制作メインに考えてる人やライブでもDAWを併用してる人ならソッチの方をお勧めします。
ライブ用途などで「絶対にパソコン使いたくない」宗教な人は仕方ないですけどね。
○まとめ
汚い音を綺麗にするのは難しいけど、
きれいな音を汚く汚すのは割とラクです。しかし汚れ具合は千差万別。
Lo-Fi沼は結構溺れやすい沼です。心してかかりましょう。