電子楽器向けなヘッドフォン

今まで3.4個くらい(その前のDJ時代は半年に一度壊してたw)ヘッドフォンを替えてきたので、
それとなくレビューできるようになりました。
どちらかと言うと(荒れる要因なw)音質云々よりも耐久性や付け心地などを評価していきますね。
当然、ハードウェア電子楽器のリファレンスを基準にしますが、
DJとして使っていた頃の話も含みますので了承願います。

○アマチュアの音作りはヘッドフォンに凝った方が良い

そりゃモニタースピーカーのいい奴買ってそれなりの音量で聴ける環境なら最高ですよ。
でも現実的に集合住宅暮らしだったり家族と同居している方がほとんどの筈ですから、
良いスピーカーに本気出させられるのは条件が限られてきます。そもそもヘッドフォンの10倍は高いしね。

それならヘッドフォンに特化して凝った方が良いんじゃない?というのがアタシの持論です。
自作曲をガチで聴き込みたいなら貸しスタジオでも借りた方が効率良いでしょう。
あ、でも買うなとは言いませんよ。買って下さい。自分はYAMAHAのHS7を使ってますよ。

(これね。モニターとしては可もなく不可もなく)

○曲を作る人もライブ派の人も「モニターヘッドフォン」を選ぼう

ヘッドフォンは用途によって仕様が違うのをご存知ない方もいらっしゃると思います。
僕らが使うべきヘッドフォンは「モニターヘッドフォン」と言って、
通常の「リスニング用ヘッドフォン」とは性質が異なっています。

それは余計な誇張がない素の音を出来るだけ正確に観測する為の「測定機器」でして、
ジャンルや楽器によって化粧されているリスニング用と違いスッピンの音を把握する為の物です。
例えば低音モリモリのヘッドフォンで曲を作った場合、
他の環境では「低音が足りない!」と判断されてしまう事があるなど、色々と不都合が多いのです。

その為、正確とされるヘッドフォンを使って音質の基準を自分の耳に作ってしまう必要があります。

また初心者の方は「自分の耳を育てる」といったニュアンスで一つのヘッドフォンを長く使う事を
お勧めします。よくプロエンジニアが用途によって何種類も使い分けるなんて話もありますが、
それは耳の肥えたプロだから可能な事であって、DTM初心者には鬼門となってしまいますよ。
自分のように曲は作らないライブ派の人もひとつの音色を練り込んだり
トラックごとのバランスを確認したりと、結構正確さを頼りにする機会は多いものです。

「業務用と言えばコレ!」みたいなイメージで有名なのはSONYのMDR-900STですが、
これはミックスバランスを整える為には向いてなく(少なくともシンセ向けクラブ向けではないと思うよ)、
録音した物をチェックするのを目的とする為おすすめ出来ません。
第一、基礎設計が古い為か低音が聞こえない。

 

○モニターヘッドフォンは聴いていてつまらない音

・・・なのが基本的に正解です。基本的には。
上から下までフラットで誇張されていない音って音楽としてつまんないんですよ。
正確さを追求するとそうなってしまいますが、
メーカーによってはその辺上手いこと調整して多少は「楽しさ」や「色っぽさ」の味付けがされています。
正確さと楽しさって両立するの?と訝しく思われがちですけど、
不思議な事に(特に海外製品は)上手く作っている物もあります。高いけどね。

 

○買う前に試聴しろよな

聴かずに買うと後悔します。
この辺は東京圏/大阪圏以外に住んでいる方は不利なんですけど、頑張って聴きにいった方が後悔しません。
そしてe-イヤホンには大変大変お世話になっています。
https://www.e-earphone.jp/
今調べたら東京大阪の他に愛知と宮城にもあるらしいね。お近くの方もそうでない方も絶対に行きましょう。

このお店の特色は膨大な種類の製品が試聴できる事と、中古を扱っていること。
DTM時代は自作曲の試聴にガンガン使わせて貰ったし(ごめん)、
ウン十万円するような代物でも気前よく試聴させてくれますし、
普段使い用のイヤホンもこちらで中古品を購入しています。

関係ないけど普段使い用イヤホンはSHUREのSE215を長年使っています。
SHUREの中では廉価版クラスですけど超コスパ良いんですよ。
ヘッドフォン以上に荒い扱いするし、イヤホン初心者が必ず買う物なので中古も豊富。
易いけどケーブル交換できるし調子が悪くなるたびに中古品を買い繋いでいます。

 

○過去に使ったヘッドフォンレビューと買った時期

・Audio technica ATH-M50(x)

・DJ期〜DTM期、¥20000弱
https://www.audio-technica.co.jp/product/ATH-M50x

DJ時代からDTMやっていた頃まで恐らく10年近く使っていましたxのつかない無印の方。
「DJ用」とは謳われていなくてあくまでもモニター用なんですけど、
その割に低音が強くてDJ的に使いやすいヘッドフォンでしたし、
その特性を把握さえしていればDTM用に十分使えます。
またここで紹介する物の中では一番安価(2万しない)ですので、初めて買う方にはいつもコレ薦めてます。

その当時「DJ用」として売っていたATH-PRO5、ATH-PRO700は結構壊れやすく
(DJの現場で荒っぽく使っていた)ドンシャリ感が強すぎて耳が痛い程でしたが、
それらよりM50は落ち着いていて何より頑丈。この頑丈さではトップクラスかもしれません。
最終的には壊してしまいましたが、使った年数を考えると大往生と言っても差し支えありません。

 

・YAMAHA HPH-MT8

・DTM期〜グルボ期、¥25000くらい
https://jp.yamaha.com/products/proaudio/headphones/hph-mt8/index.html

ちゃんとDTM用途(特にミックスダウン)として購入したものです。
ヤマハと言いながら中身はオーテクのOEM製品らしく、ATH-M70xがベースになっているようです。
なぜヤマハを選んだかと言うと単にこっちの方が安くてカッコいいから。だからM70xとの違いはわかりません。
会社関係ないけどバイク乗りだった頃ヤマハ党だったので音叉マークがキラっと光るのにヤラれました。

んでコイツはM50に比べて正確性で勝るものの、今度は低音が弱い。
中高域の解像度が高くて良いんですけど、低音大好きマンのアタシとしては聴いていてツラい位。
それでも「モニターってこんなもんだろ?」と使っていました。
あと重たいんですよ。装着感で疲れる事は無かったし自宅常駐なら良いんですけど、
持ち歩きには不向き。DTMからマシンライブに移行しつつあった頃でしたからこの重さには我慢ならなかったス。

今でも所有していますが、あまり活躍しなくなりましたねぇ。
DTMってか曲作り再開するような事があれば押入れから引っ張り出すかも。

・SONY MDR-M1ST

・グルボ期〜モジュラー期、¥35000くらい
https://www.sony.jp/headphone/products/MDR-M1ST/

グルボ〜モジュラーシンセ期に購入しました。
低音強すぎM50と低音弱すぎMT8の中間にあたる出来るだけフラットな特性(でも低音チョイ盛り)を
探していて辿り着いたのがコレでした。900STの印象の悪さwから考えると革新的プロダクト(笑)。
購入の決定打となったのは音質でも値段でもなくM50同様「平べったく折り畳めるから」です。
そして軽い!かなり軽いです。上2機種よりずっと軽くホールド感も強くないので疲れない。
(ただ自分の耳に当たってしまいホントの長時間ではチト気になる痛さ)

難点を言うなら(贅沢な話だけど)ちょっとつまんない音。です。MT8よりマシな程度。
ま、それだけマジメに作っているヘッドフォンだと言う事で現在も一軍として
自宅でもライブでも持ち歩いています。

○お金に余裕できたら是非とも欲しいヘッドフォン

・Focal listen professional

https://www.minet.jp/brand/focal/listen-professional/
¥42000くらい

とあるクラブ系音楽のエンジニアさんが激推ししていまして、
試聴だけはかなりの回数こなしています。
得意な帯域はM1STに近くかなりフラットなんですけど、何故か色気のある音。
値段もそれなりにしますが、このクラスから正確さと色気が両立してくるのかなぁ、と思います。
特に古いダブを聴いた時のディレイ音の残響が凄くリアルに聞こえて、
それでいて相応の正確さも担保しているから曲作り音作りが楽しくなるんじゃないかなぁ、と思います。
フランスのメーカーという事で「オレが使ったら壊れそう」って勝手に思ってますけど、
やっぱり欲しいものは欲しいです。

・Audio technica ATH-M60x

https://www.audio-technica.co.jp/product/ATH-M60x
¥25000くらい

お察しの通りオーテク大好きマンな僕ですが、最上級とされるM70xよりもM60xの方が好印象でした。
そもそもM70xはMT8のベースだしね。やっぱ似てるんでしょう。
小ぶりで可愛いルックスかつM70xやMT8よりは音の楽しさに振った味付け、だと思います。
ただ折り畳みが出来ないのが難点でいつもスルーしています。

○まとめ

一応は電子楽器のリファレンスを基準に試聴していますが、
あくまでも主観な判断なので表現が偏っているのはご了承下さい。
だいたい音質語れるような耳もってねぇよw

結論を申し上げますと、お金ない人はATH-M50、お金持ちな人はFocalじゃないでしょうかね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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