【オシロスコープ】KORG NTS-2レビュー
オシロスコープって知ってます?
音声や波形を視覚的に表示する計測機器なんですけど、
これシンセサイズに使うと物凄ぇ便利なんですよ。
でも今まで何台かオシロスコープを購入して、
難解な専門用語と操作感のため光の速さで挫折を繰り返してきてまして、
もう二度と手にするもんか!と泣き崩れてきた苦い思い出があります。
〇特にモジュラーシンセユーザーには必須とも言えるのよ
オシロスコープで測定できるのは音声だけではなく、
オシレーターから出力されるナマの波形から、
ファンクションジェネレーターやLFOから出るCV信号、
ゲートやクロックに至るまで視覚的に把握することで
一層理解が深まるのは間違いなし。
未体験のモジュラーユーザーの皆さんは是非とも検討してください。
〇過去に買ってきたオシロスコープ
・テクトロニクスの立派な奴
たしか5万円くらいだったかな?何も考えずに買ってみて即ヤフオク行き。
・なんかチッコい奴(DSOなんとか)
これなら可愛いしイケるだろうと思いきや、日本語マニュアルが無くてダメだった。
理系な人達はこの辺を上手く使いこなしてシンセサイズに活用していました。
秋月電子とかで4~5000円くらいで手に入るしね。
・Mordax DATA
これはユーロラック仕様のオシロ。モジュラーシンセ用途に特化しているだけあって
使い易くはあったけど、モジュラー箱を占有してしまうのが気に入らなくて売ったわ。
このように、ガチ理系の人が使うなら何ら問題ないけど高卒のチンピラが使うには
持て余し気味のマジカルデバイスがオシロスコープなのですよ。
それから汎用のオシロは端子をシンセ用に合わせて買い直さなくてはいけない上、
電圧や電流の範囲をシンセ向けに合わせなくてはいけないので、
そこも面倒くさいんですよね。
〇とうとう出た!KORGから!シンセ用オシロ!
ユーロラックにはノータッチなものの、モジュラーと相性の良い機器を
数多くリリースしているKORGから組み立て式のシンセ用オシロスコープが
発売されました。
発表から発売までだいぶ期間があったため
首を長くして待ち焦がれていた人も多かったかと思います。
価格は2万円台前半。もちろんもっと安い製品も沢山ありますけど、
シンセ特化型という点でコチラが断然オススメです。
なんかオマケでKORGの歴代シンセをまとめた立派な本もついてきますが、
英語だから要らない。鬱陶しいから知り合いにあげちゃったよ。
日本語で書く予算が無かったんでしょw
〇開封&組み立て
NTS-2の組み立ては難しいものではなく、
NTS-1と同様、付属のドライバーだけでチョチョイと作れます。
ですが備え付けのドライバーが小さすぎて扱いにくいので、
出来ればプラスの精密ドライバーを用意した方がいいですね。
〇機能概要
NTS-2は4chのオシロスコープ、ウェーブ・ジェネレーター、
FFT/スペクトラム・アナライザー、チューナーが備わっています。
電源は単4乾電池x2かUSB-C端子から供給。
入力端子は3.5mmステレオミニx2(で4系統)、
THRU端子から入力した信号をそのまま出力できます。
・オシロスコープ
メインの機能となるオシロスコープは、ケーブル次第で4ch同時測定できます。
・ウェーブ・ジェネレーター
オシレーター、LFOなどの信号を出力する機能です。
もちろん演奏はできませんが、数値で細かく設定できます。
音出ます。
・FFT/スペクトラム・アナライザー
どの周波数がどれくらい出てるか確かめる機能です。
DAWのEQプラグインでよくある奴ですね。
・チューナー
音の高さを音楽的に確かめる機能ですね。
生楽器を使う方にはお馴染みの奴です。
〇あると良い別売品
3.5mmのステレオをモノラルx2に分岐させるケーブルを二つ、
用意しておくと良いでしょう。これで4chフルに活用できます。
◯使い途の例
・オシロスコープ
・オシレーターの波形変化を確認する。
・オシレーターの素の音とフィルターを通した後の波形を確認する。
・LFOをCVで変調させた時の波形を見る。
・ファンクション・ジェネレーターの動作確認。
・ウェーブ・ジェネレーター
・LFOやオシレーターでシンセ音を変調させる
・どの波形がフィルターにどう影響するか確認する
・FFT/スペクトラム・アナライザー
・マスターアウト出力からの周波数帯域を確認する。
・不必要な帯域をフィルターで削る。
・チューナー
・正確な音程が出るようにする。
◯まとめ
このように、耳や勘で把握していたものを目でも確認できるようになるのがオシロスコープの利点。
特にモジュラーシンセで複雑なCV信号を作りたい時に役立つ事間違いなし、です。
シンセサイズの学習用途にこの上ない武器となります。