【モジュラー構築例】ドラムラック

完成とまではいかないけど、だいぶ出来上がってきたので自分のラックを紹介します。
何かしらの参考にして頂ければ幸いです。

現在84×2段のラックを二つ使ってまして、
ひとつはBuchla200シリーズを中心にした(なんちゃって)イーゼルラック、
もう一つがここで紹介するドラムラックです。
これは単純に「ぼくのかんがえたさいきょうのドラムマシン」をコンセプトに考えておりまして、
今まで扱ってきた数々のドラムマシンを参考に
「これはモジュラーにしか出来ないでしょ」という機能を盛り込んだシステムとなります。
またPluser-23のシーケンサーとしても使えるよう考慮しています。

 

◯部位別のモジュール

・クロック部分

マスタークロックにはCentrevilleage CLKM
https://centrevillage.net/products/12
2HPでMIDI IN/OUTも備えた有能モジュールです。
シャッフルやリセットの設定も出来るのよ。

で、そのクロックを2台の4ms QCDに流してまして、
これにより各トラックのテンポを自在に操ることが出来ます。
プレイ中に(主にキックの)テンポを半分に落とすのが好きでして多用してます。

QCDはマスタークロックとしても利用可能ですがタップテンポ仕様なので使いにくい。
やはりBPMは数字表記の方が良いですよね。

2台のQCDによるクロック送り先は、
各シーケンサーとpicoRND(クロック連動LFO)、テンポ同期ディレイ、外部モジュラーとしています。

 

・シーケンス部分

Noise EngineeringのBinSEQを4台とZularicRepetitorです。
BinSEQはもう、これ以上単純明快なシーケンサーは無い、と言うことで気に入ってます。
8ステップしかありませんがQCDを組み合わせる事によって多彩なリズム組みが出来ます。

ZularicRepetitorはアフリカ民族音楽のリズムを取り入れたリズム・ジェネレーター。
この自動生成系リズムは今までMarbles、Grids、KOMPASなど色々試してきましたが、
これが一番気に入っています。
4系統の出力を備えCV入力によってパターンを変える事が出来るので、
後述するBenjolinのラングラー出力(テンポ同期するランダムCV)を突っ込んでいます。
これによって任意のタイミングでパターンが変わっていくのでいつまでも飽きないリズムになってくれます。

 

・ドラム音源

基本となるキック、ドラム、スネアはMI Peaksの4HPクローン、piqueを2台使ってます。
モジュラーユーザーの間でも定番となっているモジュールで、
ドラム、LFO、エンベロープなどの機能を備えています。
スペースの都合も踏まえて、これに勝るキックは無い、とも思ってます。
2台のうち片方は「Deadman’s Catch」というオープンソースのファームウェアを入れていて、
更に多機能になっています。
エンベロープの内の「BouncingBall」という機能を使ってもう一方のドラム音源を鳴らすのがお気に入りです。

また金属的な鐘の音が欲しくてuRingsをドラム音源として使っています。
本来ピッチを制御するCV入力にはLFOを入れてますね。

ここまでをBinSEQでシーケンスしていて、
ZularicRepetitorではNonlinearcircuitsのBongo Fury。3連ボンゴです。
アフリカンなシーケンサーとは相性バッチリでしょう。

・ドローン音源

いままでそれなりの数のドローンシンセを試してきましたが、
今一番のお気に入りはAFTER LATER AUDIOのBenjolin v2
シンセボイスモジュールとしてはシンプルな作りなんですが、奥の深さにハマっています。

コイツもラングラー回路というランダム機能をベースにシーケンスが走るんですが、
二つあるオシレーターとフィルターのFERQがそのラングラー回路に影響を与え、
シーケンスが変わっていくという摩訶不思議な仕様。

また各オシレーターの独立した音声出力があるので、
三角波を外部入力に入れて使っています。こうすると綺麗な音が作り易いんですよ。

 

・モジュレーション

モジュレーションにはLFOモジュールを3つ。

1.picoRND

Picoシリーズの中でクロック連動型LFOはこちら。
主にBenjolinのモジュレーションに使っています。

2.DivKid ochd

わずか4HPの中に8系統はいったLFO。
ノブが一つなので調整できる箇所は少ないんですが重宝します。
これは主にWMDミキサーのPANに挿してオートパンとして使ってます。

3.Nonlinearcircuits TRIPLE SLOTH
https://beatsville.jp/products/triple-sloth
最長60分の超ロングLFO。
いつ変わったか認識できないレベルなので、
アンビエント〜ドローンに最適なモジュレーションだと思います。

・エフェクター

WMDミキサーからセンドして使ってます。
一つはpicoDSP
これのリバーブが気に入っていて、程良くチープな響きがドラムに似合うんですよ。
もう一つはNoise EngineeringのVersioシリーズ。
ファームウェア入れ替えで様々な機能を持たせられるエフェクターです。
Melotus(グラニュラー)、Desmodus(リバーブ)、Yester(ディレイ)を好んで使ってます。

・ミキサー


WMDのPERFORMANCE MIXERを使ってます。
84×2段のハコに大きすぎる気もしますが、最高のミキサーです。
このうち6トラックを音源用に、ステレオ2トラックはエフェクターからのリターンに使ってます。
独立したリターン入力はあるんだけど、音量調整が出来ないので使っていません。

このミキサーで気に入ってるのがPANのCV入力。
LFOを入れるとオートパンになり、ドラム音の怪しさが増します。

 

◯今後の計画

TRIPLE SLOTHの代わりにCVモジュレーション系で面白いのないかな?
Versioエフェクターは持て余す事が多いのでもう少しシンプルで個性的なエフェクトないかな?
Peaksいっこ要らんかな?代わりに何入れるかな?

◯まとめ

一般的なドラムマシンと比べると無茶苦茶クセが強く自分以外の誰も欲しがらない物だとは思いますし、
シンセサイズについては深く追求していない音源モジュール寄せ集めのシステムですけど、
これもまたモジュラーシンセの楽しみ方の一つではあります。

 

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