【Mac】LUMEN-ビデオシンセサイザー
前の記事でiPad用ビデオシンセサイザー「VS」を紹介しましたが、
素材が豊富とは言えず、尚且つ自分の芸風にはモダン過ぎるのが気になっていました。
そこで今回はモダン過ぎず程々にクラシカルな絵を吐けるMac用のものを一つ紹介します。
◯程よくクラシカルなアナログ時代のビデオシンセ
ビデオシンセの歴史を調べてみると、80年代ごろまではアナログの機材を駆使した映像でしたが、
ある時期から急にコンピューターベースの制作となり、アナログ機器を使う事が無くなったようです。
現代はパソコン一台あればハイテクぅ~なCG制作も当たり前のようにできますが、
80年代までのアナログの味を再現したもの、となると数が限られてくるようです。
LZX lzx industriesやCritter and Guitari、Hypnoなどのハードウェアビデオシンセがありますが、
まず大抵は高価で日本語の情報も少ない事から敬遠してしまいがちです。
金額と出来る事の割合が美味しくないんですよね。
今回紹介するLUMENはMac版のみではあるけど、129ドルと安価な上、
ハードウェア/アナログビデオシンセに準じたUIと出力映像とで当時のクラシカルな映像を演出する事ができます。
◯ちなみに、ですが
こんなクラシカルな絵ではなくもっとバキバキな今風のシンセサイズをしたい!という方には
synesthesiaというアプリもありまして、WindowsでもMacでも使えて99ドルだそうです。
https://www.synesthesia.live/
今風のVJ素材的なものを作りたいならコチラやVSの方がお勧めですね。
高機能で何でも出来そうな雰囲気ですよね。
お好みに応じてこちらも試してみる事をお勧めします。
◯LUMEN
(紹介動画)
https://youtu.be/sxCMKc-1Uoo
Mac内蔵のカメラと組み合わせてこんな事も余裕で出来ます。
https://www.youtube.com/watch?v=K0EadqTQqCI
インターフェイスからしてアナログセミモジュラーシンセを模したもので、
ヴァーチャルアナログビデオシンセ、とも言える外観や構造が好感を持てます。
価格は129ドルとありますが、
デモ版をダウンロードしてシコタマ試せるので仕様に納得いくなら買ってしまいましょう。
有難い事に試用版は映像に透かしが入るのと一部機能制限があるだけで、試用期間の制限はありません。
そしてチュートリアル、マニュアルが充実している上にPDFではなくHTMLなのでGoogle翻訳が出来るんです。
https://lumen-app.com/guide/
立ち上げると本体左上に3つのタブがありまして、そこで主な画面を呼び出す形になります。
・BROWSEタブ
元となる素材を選ぶページになっています。
一番左上がNomal Patchとなっていて素の素材みたいですね。
その他いろいろありますが、後述するPatchである程度パッチングされているようです。
・KNOBタブ
ツマミが並んだ最もシンセらしい画面です。
オシレーターが三つ、LFOとエフェクトが並んでいまして、
右下の黒い画面はカオスパッドのように操作できます。
・PATCHタブ
パッチングを施す画面。
各ジャックの意味を理解していないと
もちろんソフトですから一つのジャックから何本でも伸ばせます。
この他、右上にあるディスプレイで映像を表示出来るのが地味に有難いですね。
◯外部にも映像を出力できるよ
自分の所有するMacBookAir(M1)からはUSB-C to HDMIケーブルを使って
外部ディスプレイに出力する事ができます。
LUMENのメニューからPatchを選びFullScreenから外部ディスプレイを選択します。
◯MIDIコンやDAW連携も出来るよ
MIDI Learn機能によって市販のMIDIコンをツマミに割り当てる事もできます。
現場に持って行ってVJ的なライブプレイも可能ですよね。
◯録画は別アプリが必要
Syphon Recorderというものが推奨されているようです。
https://macdownload.informer.com/syphon-recorder/
立ち上げると自動的にLUMENからの出力を受けるようになっていて簡単に録画出来ます。
フレームレートをデフォルトの30から60に変更するのが良い、と言っています。
◯オレならこう使う!全自動ウネウネマシンの作り方
どうせソフトなんだからラクしたい!MIDIメッセージでツマミを動かせるなら、
DAWなどと連携してLFOでツマミを動かせば手ぶらで延々と眺めてられるシステムの構築も夢じゃないはず。
そうなんです。自分はライブ用途で使う事は考えておらず動画制作の素材としてコイツを使いたいんですよ。
なんでパソコン一台でラクして運用したいと思っており、その為に何が必要なのか調べてみました。
・IACドライバ
最初に設定すべきだった落とし穴でした。ここに気づかずにウンウン唸って半日無駄に過ごしました。
まずMac内のアプリケーション→ユーティリティから「Audio MIDI設定」というアプリを立ち上げます。
そして上のメニューからウインドウ→「MIDIスタジオ」という項目をクリック。
その中の赤いアイコン「IACドライバ」をダブルクリック。
するとIACドライバのプロパティが表示されるので、
そこの「装置はオンライン」というチェックボックスをオンにします。
その後MIDIの入出力先を「IACドライバ1」に設定すればOK。
これでMac内のアプリ同士でMIDIのやりとりが出来るようになります。
・VCV RACK
はじめDAWのプラグインで揺らそうと思ったんですけど、
DAW何年も離れているので簡単な設定すら忘れてしまっていて面倒臭い事この上ない。
フリーのプラグインでも良さげな物(https://dtmer.info/mmm/)もあるんですけど、
利用方法を調べる事すら面倒なので、フリーのソフトモジュラーシンセVCV RACKを使う事にしました。
ここに「CV-MIDI CC」というモジュールがあって(MIDI-CVじゃないよ。逆。)、
この出力先をIACドライバ(文字化けしてるけどね)にします。
あとはLFOなりRANDOMなりのモジュールを突っ込んでVCV RACKの準備は完了。
次にLUMENの設定なんですが、上段真ん中にツマミのアイコンがあるのでクリックします。
すると新しいダイアログが現れてMIDI SOURCEを設定し、割り当てたいツマミをクリックします。
VCV RACKのCV-MIDI CCで割り当てた番号をControllerで設定すれば、
そのツマミがLFOの周期に合わせて動いてくれるはずです。
バグではないと思うけど誤って複数のツマミに同じCCを割り当ててしまうと挙動がおかしくなるので、
CC設定ダイアログの右上にあるRemoveで解除してやります。
◯まとめ
肝心のソフトの使い方を何も紹介していませんが、いじってればなんとかなりますw
テレビに出力してウネウネやっているだけでも気持ち良いもんですよ。
お時間ある時に試してみてください。