モジュラーシンセの動画撮影

以前にも動画撮影関連の記事を書いていましたが、
病気や失職などが重なりカメラも売却、しばらく手を出せない状態でいましたが、
少しづつ設備を整え直して再開できるようになりました。
これはその撮影後記です。

◯実践!ワンオペ動画!

元来モジュラーシンセでライブ活動をやっていこう、という活動内容で続けるつもりでしたが、
今の仕事が厳しくて時間を取れず週6勤務、それでいて安月給というナカナカの苦境におりまして、
ライブをしたくても、そもそも人のライブやイベントに行けないからツテを作りづらい状況にあり、
SNSで人のライブ風景を観る度に「いいなぁ〜、オレ置いてけぼりになっちゃう(泣)」と悔しい思いをしていました。
(そんなんでも呼んでくれる人はたまには居るんだけどね)

病気や失職、そもそも歳食ったのもあって派手に活動できなくなるだろうな、とも思っていて
一人で時間や金銭の制約も小さい活動にシフトしていこうと思ってきました。

自宅に籠もってシコシコ曲をつくるような性分でもないし、
数年前からチョイチョイはやっていた動画制作に再挑戦(何度目だよ)していくつもりです。

電子楽器をやる人なら楽曲制作こそが至上の命題なのかもしれないけど、
あるいはライブをする?もちろんそれも人生や生活を賭ける価値はあるけど、
他にも電子楽器の楽しみ方ってあるんじゃなかろうか?と常々思っています。

そこで選んだのが動画制作。

歌もないメロディもない、下手すりゃドラムすら無い音楽を如何に伝わりやすくするか?
しかし映像なら自身の世界観を表現し易くできるんじゃなかろうか。と思ってます。
安直だけど。

 

◯今の撮影装備

レンズ沼にハマるミラーレス一眼は辞めてDJI OSMO Pocket3とOSMO Action4を導入しました。
モジュラーシンセの巨大化で荷物が凄い事になり、尚且つ移動手段は原チャリと撮影以前の制約が大きいって理由も。
しかしポケット3の画質は1インチサイズセンサーのお陰で(このサイズにしては)神がかったレベルですし、
アクション4のコンパクトさは他で得られない撮影体験をさせてくれます。荒っぽく扱っても大丈夫だしね。

録音に関してはメインに4msのWAV RECORDER、サブにDJI Mic2としています。

4msのWAV RECORDERは6HP、シンプル操作で24/96までのファイルをマイクロSDに録音出来るスグレモノ。
なんてったってモジュラーに内蔵できるのがこの上なく有り難いんですよ。
TASCAMのハイエンドなレコーダー持ってたけど売っちゃったw

DJI Mic2は32Bitフロート録音が出来る!という触れ込みにつられましたが、
3.5mm入力もあるけど、そもそもマイクの為の物なのでライン入力では音質的に残念なレベルです。
まぁ編集時にタイミング合わせられれば良いんですけどね。
録音そのものは出来るので2つのカメラに送る為のサブとして使います。

編集ソフトはFinal Cut Proを買いました。
今までプレミア,ダビンチを使ってましたがプレミアは使いやすいけどAdobe税払うのが嫌、
ダビンチはUIが独特過ぎてムズいよって印象です。
将来的にモーショングラフィックスをやりたくて、それに一番安く辿り着けそうなのがFinalCutでした。

三脚テーブルはマンフロットのエレメントを二つ。
これにホムセンで切った板材にネジ穴つけて利用してます。
強度的にチト頼りないんですが、まぁ使えます。

それに加えてアクションカメラ用のオプションを色々用意しています。

◯運搬と移動手段

何度も言いますが原チャリです。シグナス125。50じゃないからまだ快適だけど、これで片道70km走ります。
良いバイクではあります。速さ以上によく曲がってよく止まる。そして頑丈で消耗品の持ちが異様に良い。
三脚5本と撮影用機材、シンセ用のモバイルバッテリーx2などなどをシート下のスペースに突っ込んで、
モジュラーシンセは背負い込みます。これが限界だろうなぁ。

とはいえアタシ若い頃は10年近くバイク便の仕事をしていたり、4.5年間、片道50kmの茨城まで毎日通っていたり、
そういう意味ではかなりタフな方だと自負してます。もう飛ばせないけどね。

104HPx4段とシンセが肥大化してしまったので他の物を極力、特にカメラを小さくして大正解。
三脚はテーブル用に2本と、撮影用に1mクラスのを2本+1.8mクラスの大きな物にビデオ用雲台を付けています。
他に厄介なのは3mの超ロング自撮り棒。
高い所の撮影をこれですると「にせドローン撮影」みたいな面白い絵が撮れるんですよ。

運ぶのが厄介と言えばサンスイのビンテージなヘッドフォン¥2500。
カッコいいいから撮影の小道具に。音質は、まぁ、実用レベルではないですw。
カッコ良いけどオマエはクビ。次からは普段使いのSHUREのイヤモニにします。

 

◯屋外で演りたがるモジュラー民の性癖と作品残したい願望

自分自身もグルボの時は全然そんな発想が無かったんだけど、
モジュラーシンセに移行してからというものの屋外で演奏したい!
そんな願望が芽生えてしまう人が多いんです。何故か。

モジュラーシンセではアンビエントを音楽の主軸に置く人や影響を受ける人が多く、
環境とリンクした音楽であるから必然的に演奏する環境にもこだわるようになる、んですかね?
自分でもよくわかっていません。
まぁ屋外でモジュラーシンセを演奏するのは気持ち良いもんですよ。

またシンセを使って何かしらの作品を残したい、と思った時に
普通なら音楽作品、楽曲制作をしてリリースしたいと思うんでしょうけど、
その当たり前過ぎる発想にイマイチ馴染めずに(元々レーベル運営のブログだった癖に)、
楽曲ではなく映像なら音楽だけよりも更に伝わりやすいんじゃないか?
と考えるようになっていました。

元々若い頃に写真を楽しんでいた事もあり、動画だってイケるでしょ!みたいな甘い考えで始めたけど、
個人所有のパソコンの高性能化と動画用カメラの低価格化で一気に映像制作のハードルが下がり、
世の中的にも割と絶好のタイミングだと思ってます。
映像でなら好きな世界観をより豊かに表現できるんじゃないでしょうか。

もちろんクオリティは高くなくても良いんです。どうせアマチュアだし。
如何に質の良い物を作るか、よりも如何に楽しくやるかが重要なんです。
カネなんて要りません。最後に楽しく死ねれば良いのです。

 

◯撮影スポット

建築の仕事をしていた事から味のある建築を眺めているのが好きで、
それが極まってw廃墟の写真を好んで鑑賞するように。屋外で撮るんなら廃墟で撮りたい!とずっと思ってました。
若い頃に楽しんだ漫画やゲームの影響でポスト・アポカリプス作品の世界観が大好きだった事もあり、
その手の廃墟写真家のアカウントをフォローしたり展示会に足を運んでいました。
そしてYoutube廃墟動画を漁って自分のバイクでも行けそうな所を数か所見つけました。
マナー的に詳しい場所の説明は出来ませんが、絶好の場所がコチラ。

そのスジの方々には有名な所らしい。

◯演奏実践

プレイするモジュールの構成は、

meloDICER + Deckard’s Voiceを主役に、
Peaksのハイハット、Ringsで作った鐘の音がほぼ全てです。
そこにエフェクトDeckard’s VoiceはElectusVersio。
PeaksはMimeophon、RingsはpicoDSPを使ってます。
ところどころにWeatherDroneとBenjolinの音を絡めてます。

ドローン〜アンビエントとなるんでしょうかね?
演奏中は全く意識してなくて、結果的にそういう音になったとしか言い様がないです。
Peksのキックと、Subharmoniconは使いませんでした。
これらも鳴らしたかったんだけど、
どうもその場の空気に呑まれて「その音は似合わないよ」と言われてるような気がしました。

気持ち良く鳴らしていて気がついたら15分を超えてしまい、
我に返って「あんま長過ぎるのもな」と演奏を辞めた次第です。

だいたい自分はライブプレイでもあまり考えて演奏する事はなく、
モジュール構成だけ決めたら後は機械の赴くまま環境の赴くままに流れに任せてしまいます。
だから「ちゃんと曲を作る」のが苦手なんでしょうけどね。

 

◯撮影実践

実は4回行ってるんですよ。片道3時間。
演奏自体は1回で済ませたけど、最初自分が演奏してる光景だけ撮って満足してしまい、
帰宅後に全然面白くないな、と気付き2度目は細かいディティールを撮ってみて、
それを持ち帰って編集作業に入ると「あれ?なんかストーリー仕立てに作れそうじゃん?」と3回目。
更には編集時の不都合や新しく購入したアクセサリを試したくなって4回目。

ここで役に立ったのが「自動回転雲台」と「ビデオ雲台」そして「3m超ロング自撮り棒」でした。

回転雲台はジンバルと違って勝手に360度クルクル回り続ける雲台。
ビデオ雲台は360度とは言わなくても腕の動きで自然にカメラの水平移動や垂直移動が出来るスグレモノ。
自撮り棒はクソ高い天井に走っているドーム形の鉄骨を細かく撮るのに役立っています。


OSMO Pocket3で本領発揮したのがコレ。
天井付近を撮りたくて3mの超ロング自撮り棒を買い、手元にiPhone付けてリモート撮影。

どれも本来はアグレッシブなアクションを撮る為に使われてるものですが、
そこでOSMO pocket3のスローモーション撮影機能を使って滑らかに動くようにしました。
素で撮ってたら手ブレしまくりで使い物になりません。

◯編集実践

2度目の撮影で細かいディティールのカットを多く撮った時点で、
なんかこれストーリー仕立てにならんかい?と思いつき、

竹林を彷徨っているうちに見つけた廃屋の中に「怪しげな音の出る機械」を見つけて
触っているうちに既に出ている音と自分の所作が同化して徐々に魅入られ機械の音に呑まれていく。

なんて話になるように作っていきました。オチはないです。

まぁFinal Cutは操作のクセが強くて苦労しますね。
外付けのキーボードとトラックパッド、ディスプレイは持ってるんですけど、
何故か今のMacはトラックパッドを認識してくれなくて、仕方なく13インチのディスプレイで作業してます。
しばらくはコッチの編集作業を楽にするアイテムを物色したいすね。

色合いもコッテコテし仕上げエフェクトもガンガンにかけて「これでワイのカラーや!」となったけど、
若干調子に乘り過ぎたかと躊躇しています。

◯参考になったYoutube動画制作指南チャンネル


・sary motovlogs / サリーモトブログス
https://www.youtube.com/@sarymotovlog
バイクに乗って千葉県内の廃墟や珍しいスポットを探索するブログ。

・Yuichi Ishida
https://www.youtube.com/@yuichiishida
以前も紹介した事あるけど、映像制作全般でタメになる話が多いです。
機材がどう、ソフトがどう、だけじゃなく基本中の基本を教えてくれる良チャンネルです。


・KAMAKEN
https://www.youtube.com/@KAMAKEN
こちらはFinalCutに特化したレクチャーのチャンネル。
色々あるけど分かりやすくて良いです。
Apple Motionの講座もあるので、長らく世話になりそう。

 

◯そして完成

「思いがけない邂逅」との意味を込めてencounterというタイトルにしました。
フルVer.の16分とSNS用に2分に短縮したショートVer.を作っています。

◯まとめ

何かと初めて尽くしだったので苦労しましたが、少しずつスマートに作業をこなせるようになりたいですね。
次に行きたい所も3,4件は目をつけてます。廃墟だったり、そうでなかったり。
これをキッカケに廃墟と言わずとも、屋外で電子楽器の動画撮影が広まってくれれば幸いです。
周りの人達はCDを出したりレコードを出したりするのがステイタスとなっていますが、
アタシはこの路線で行こうと思ってます。まだスタートラインに立ったばかりだけど。

 

 

 

 

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