TRAKTORにAUプラグインを挿して出音を変えてみる
さてさてPCDJの音質向上Tips第2弾です。
今回はPCDJの出音にプラグインを挿してみて積極的に音質を変えてみよう!というものです。
ここは自分の環境【Mac+TRAKTOR】で説明しますが他の環境の方でも応用は効く筈です。
◯概要
TRAKTORから出た音を一度パソコンの中に戻し(ループバックといいます)、
VST/AUプラグイン・エフェクトを通過させた上でスピーカーに出力する方法です。
SoundFlowerという仮想オーディオデバイスを使った結線方法もありますが、
自分の環境ではマトモに動かなかったので却下。リアルな結線が一番安心です。
またプラグインホストと言えば普通DAWなんでしょうが、落ちるのが怖いので
AppleのAUプラグインホスト兼仮想ミキサー「AU Lab」という物を使います。
フリーだしApple純正なので安心度じゃ一番じゃないでしょうかね。
ちなみに自分のMacは10万円で買ったMacBookAir2012。
けっこう非力なのでメモリやCPU負荷には神経使います。
TRAKTORは大丈夫だけど、DAWの中で最も軽いStudioOneでもたまに落ちます。
「Traktor+abletonLive」や「Traktor+Maschine」の記事はよく見かけるけど、
恐ろしくて試す気にはなれないですね。
◯オーディオインターフェイスの設定
最低アナログ2IN4OUT、出来れば2IN6OUTの機種が必要です。
4OUTの場合はMacOSの「Audio MIDI設定」で新規の機器セットを作り、
そのインターフェイスと内蔵出力を足して6OUTにします。
6OUT以上のインターフェイスをお持ちの方も、
覚えやすい名前の新規の機器セットを作った方が後々ラクです。
(万が一現場でプラグインがクラッシュした時も元のIFに直せるから復帰も早いです)
◯オーディオインターフェイスの結線
短いケーブルを用意してインターフェイスのアウトプットとインプットを繋ぎます。
この場合はプリアンプのサチュレーター的効果を期待して、
Output3/4からInput1/2に繋いでいます。
◯TRAKTORの設定
TRAKTORを立ち上げたら右上の歯車マークを押してPreferences画面を出します。
最初に左ペイン一番上【Audio Setup】を選び、先ほど作った機器セットを選択します。
次に左ペイン2番目の【Output Routing】を選び、
【Output Monitor】の項でLを「7」Rを「8」にします。
【Output Master】の項でLを「3.Output 3L」Rを「4.OutPut 4L」にします。
これでモニター音はMac本体のイヤフォンジャックから、
マスター音はOutput3/4から出てInput1/2に入る事になります。
◯プラグインホストの設定
AU LabをAppleからダウンロード/インストールします。
https://www.apple.com/jp/itunes/mastered-for-itunes/
【File】メニューから【New】を選び新規プロジェクトを作成します。
すると下のような設定画面が出てくるので、
左ペインから【Stereo In/Stereo Out】、
右ペイン上段(インプット設定)には【Input1L/2R】、
右ペイン下段(アウトプット設定)には【MainOutput1L/2R】を選択します。
機器セットの設定は通常のインターフェイスでも自作機器セットでも構いません
設定を済ませて右下の青いボタンを押すとミキサー画面がでてきます。
ここは通常のDAWのミキサーと同じで、AUプラグインのエフェクトを挿す事ができます。
◯AU Labプロジェクトの保存
設定ごとにファイルとして保存できるので、
「ハコ別」「ジャンル別」みたいにエフェクト設定を分けて保存しておく事もできます。
TRAKTORと一緒にこのアイコンをクリックすれば一発で呼び出せるので便利です。
◯エフェクトの選定
AuLabにはMacOS標準のエフェクトが幾つが入っていますが、
市販品やフリーのAUプラグインも使えます。
マスターアウトの最終段には最後にリミッター入れといた方がいいですよ。
最初に自分が試したのがマスタリングプラグインiZotoe Ozone5。
どんなプリセットを選んでもメチャクチャ音が良くなるんですが、
処理が重たいのでレイテンシーが酷く、マスター音とモニター音とで半拍ずれてしまいます。
ぜんぜん使い物になりません。
WavesL3やMV2なども相性が良くなかったですね。
次にコンソールエミュレーターやサチュレーターで
味付けをしてみたら地味だけど良い感じに古臭い音になりました。
アナログ・レコードに対するmp3の弱点を補う、という意味では十分な効果です。
CPU負荷もTRAKTOR+AU Labで20%と上々な数字。
インターフェイスの結線でライン端子に繋がず敢えてプリアンプを通してみましたが、
これも良い感じに音を汚してくれてます。
まだまだ試したいエフェクトも沢山あるし、どうもソフトシンセも使えそうなんですが、
現場での安全性は未知数なんでまた後の機会に報告します。