OCTATRACK Tips4 「オーディオプールの整理」

OCTATRACKの操作が難しいか否か、
という議論をネット上で見ましたがボクにはやっぱり難しいですね。
「英語の読み書きが出来る」「理系学問の勉強経験がある」「エンジニアやプログラマー」
な方なら割とすんなり覚えられるとは思いますが、
コイツに興味を持つ層はボクのようなDJ崩れやDAWの苦手なミュージシャンが多く、
DAWより遥かに癖の強い操作が必要なものですから辟易としちゃいますよね。
ガチガチに論理思考力を要求されますよELEKTRON製品は。

さて今回はオーディオ素材の取り込み方法。
何はともあれオーディオ素材をインポートしなくちゃなりませぬ。
OCTAを持つような人は既にDAWの一つ二つを持っているかと思いますが、
制作の過程で出来たループ物のサンプルやワンショットのドラムなどなど、
WAV素材は沢山用意しておきましょう。
後はOCTAと各機材を繋ぐケーブル、CFカードが必要です。

◯注意点

OCTATRACKは自由度が高いのでプレイヤー次第で様々な活用方法があるかと思います。
「何でも出来ちゃう」から「何をやっていいのかわからない」ジレンマに落ちちゃうんですよね。
ほんとシンセサイズ機能(オシレーター)以外は普通のDAW並に全部揃ってます。
その自由度が高すぎるが故にユーザーレベルでの紹介記事が少ないのかもしれません。

ここで挙げるTipsでは、
「OCTATRACKをサンプルプレイヤー&8トラックミキサーとして使う」と想定しています。
ボク自身のOCTA習得の取っ掛かりとして、
「OCTAを8トラックDJデッキとして使い市販/自作のサンプルでDJプレイをする」という目的があります。
まずはハードウェアDAWとしてというよりTRAKTORの延長としてOCTATRACKを使ってみよう、という考えです。

◯素材の準備

LoopMastersなどで市販のサンプルを数種類買ってしまうのが一番手っ取り早いっす。
またMusicRaderでフリーサンプルをゴッゾリ頂くのもアリですね。
純正のOCTAPACKなら設定のお手本教材にもなります。

こちらの記事でもサンプル素材の入手方法や整理ツールを紹介してます。

◯とりあえずSETとPROJECTを設定する。

OCTATRACKは複雑なファイル構造を持っていますが、
とりあえずここでは一番大きなフォルダ「SET」の中に、
一つの「AUDIO POOL」と複数の「PROJECT」があるって覚えといて下さい。
そのSETとPROJECTを適当な名前で作っておきます。
SETを複数作った場合は各々にオーディオプールがある訳です。
そして各プロジェクトは同じセット内のオーディオプールを共用します。

◯USB DISK MODEでパソコンから取り込む

直に録音する方法もありますが、基本的にはこちらの方法をよく使う事になります。
PCとOCTAをUSBケーブルで繋ぎ[USB DISK MODE]を呼び出します。
するとパソコンの画面上に外部ストレージのアイコンが出現するのでソレを開きます。
要はOCTAがカードリーダーになってCFカードにアクセスできるって事ですね。

OCTAのファイル構造で最上階の「SET」フォルダの中に、
「AUDIO」と各PROJECTのフォルダがありますが、
その「AUDIO」フォルダがオーディオプール、つまりサンプルの格納場所です。

◯DAWを使ったOCTATRACK用素材の仕込み

OCTA本体で目当てのファイルを探すのは十字ボタンで行なうので、
フォルダ階層が深すぎたりフォルダ内ファイルが多すぎたりすると
目当てのファイルを探すのがかなーり大変です。
ファイルとフォルダの整理をしっかりしておきましょう。

スクリーンショット_2015-11-22_9_33_44

・長さ
ループサンプルは全て4小節に統一しています。
これはOCTAの基本的なステップ数が最大64である事に起因し、
自作のドラムループでなら2又は4小節目にフィルを作っておきます。
こうする事でOCTAのscaleキーによって1小節から4小節まで自在に展開を作れます。

・BPM
ファイル名にBPMを書いておくとOCTAの方でBPMを検出してくれますが、
この検出機能があまり賢くないw
そこでボクの場合はDAW側で全てのループのBPMを125に統一してしまっています。

・GAIN
これは本体やOCTAEDITで調整する前の段階で、
DAW側でノーマライズ&リミッター処理を行なっておいた方がラクです。

もっとも、本番中でもAmpページのAmpVolumeなどで調整出来ますし、
それでも音が小さいと思ったらコンプレッサーのゲインを上げてしまえばOK。
後々の調整でも構わないと思います。

・ファイル名
原則そのままですが、BPM表記は訂正or削除します。
ファイルにテンポを書き出しておくとOCTA側の誤検出を防げます。

・Finderでフォルダ分け
これは各々のプレイ内容に応じて様変わりするかと思いますが、
参考までに自分のセットの例を挙げます。

スクリーンショット 2015-11-22 9.29.08

ワンショットサンプル(FLEX用)
0.Kick
1.Snare
2.HiHat
3.Tom
4.Clap
5.Cymbal
6.RimShot
7.CowBell
8.Perc(world)
9.Perc(Japan)
10.Vox
11.SFX
12.Other

ループサンプル(STATIC用)
0.Drum_House
1.Drum_Techno
2.Drum_Other
3.Bass_House
4.Bass_Techno
5.Bass_Acid
6.Synth_House
7.Synth_Techno
8.Music_Other
9.Pad_FX
10.Vox_Loop
11.Combi
12.LongSample

ここで気をつけてるのは、
フォルダ名のアタマに0から12までの番号をつけておくことです。
これはFLEX/STATICスロット番号と統一する為。
「STATICの10番台はテクノ系ドラムループ」など自分が覚え易くする為の工夫です。

◯OCTATRACK本体での操作

IMG_3827

プレイ中にいちいちオーディプールにアクセスするのは面倒なので、
よく使うサンプルはあらかじめSTATICとFLEXにサンプルを仕込んでおきます。
かつ番号の10の位ごとにサンプルの種類を分ける。
・FLEXマシンにはワンショットのドラム、FXなど

0番台:キック
10番台:スネア
20番台:ハイハット
30番台:タム
40番台:クラップ
50番台:シンバル
60番台:リムショット
70番台:カウベル
80番台:パーカッション
90番台:パーカッション
100番台:ボーカルチョップ
110番台:FX
120番台:その他
・STATICマシンには4小節のループ

0番台:ドラムループ(ハウス)
10番台:ドラムループ(テクノ)
20番台:ドラムループ(その他)
30番台:シンセベース
40番台:シンセベース
50番台:アシッドベース
60番台:シンセリード
70番台:シンセリード
80番台:その他上モノ
90番台:FX
100番台:Vox
110番台:完成されたループor既存曲からのサンプル
120番台:その他
こうやって決めておくことでプレイ中の混乱が減るかと思います。
あとはプレイをしながらフォルダ分けや番号整理を
試行錯誤していけば良いですよね。

・ファイルネームの変更

Macでは複数のファイルを選択して右クリックすると、
「◯◯項目の名前を変更」というメニューが出てきて一括で名前を変えられます。
この機能で編集前のBPM表記や邪魔な文字列を削除します。

◯OCTATRACK本体での編集

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STATIC/FLEXスロット又はオーディオプールからサンプルを編集したい場合、
そのサンプルにカーソルを合わせた状態で【Funktion】+【Bank】でサンプル編集画面に入れます。

IMG_3831

細かい編集項目はマニュアルを参照して貰うとして、
ここでゲインやオリジナルのテンポの確認などが出来ます。

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編集が終わったら[SAVE SAMPLE SETTINGS]で編集の保存を忘れずに。

◯まとめ

前回の記事で紹介したOCTAEDITを使わずにマニュアル通りの方法を紹介しました。
あれまだベータ版だからイマイチ信用できないんですよねw
着々とバージョンアップの報告は来ていますが。

大量のファイルを一括で編集する必要があるので面倒臭い作業ではありますが、
本体の小さな画面でチマチマやるよりはある程度PCで仕込みをした方が遥かにラクです。

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