OCTATRACK Tips5 「トラックとシーンの設定」

OCTAに限らずELEKTRON製品はキーの操作音「かちゃん!」がイイっすよね。
筐体のデザインはMDやMMのアルミパネルの方が質感が高いけど、
むかしThinkPad大好きだったのもあり黒&赤のカラーリングも気に入ってます。
MMとAKey以外は全て所有しましたが、
複数のELEKTRONを扱うのは非常に難しそうなんで、
結局OCTA以外は全て売ってしまいました。
ジブンあまり賢くないのでOCTA以外は直感操作で遊べる機材にしています。

なぜOCTAが最後に残ったかと言うと、
他のELEKTRON製品はコンセプトの近い製品が他メーカーから色々出ていますが、
OCTAだけは唯我独尊、他のメーカーでは絶対に出さないだろうから、ですね。

さてこのOCTA Tips連載ですが、
「スタートアップチュートリアル以上、マニュアル本編未満」
なポジションで継続出来ればいいな、と思ってます。
発売されてから6年経っているしヤフオクでも入札多いし、
それなりに結構な数が売れているように思えますが、
ボク自身が面識のあるOCTA使いの方は未だ2人しか居ないんですよ。
自宅にOCTAを寝かせている方が、
「何でも出来る=何から始めればいいかわからない」という
ジレンマを抜けるキッカケになって欲しいと思います。

設定の自由度が高すぎて混乱してしまうOCTATRACKの操作ですが、
ボクの場合は敢えて用途に制限を設けて習得しています。

◯各トラックにマシンをアサインする

各マシンの特徴をもう一度おさらいしましょう。

・Flex
サンプラーらしいサンプラー機能。
内蔵メモリ(標準では64MB)に記憶され、サンプルのエディットもOCTA内で可能です。

・Static
こちらはCFカード内のサンプルを扱うマシンで、大容量のデータもプレイできます。
エディット機能はFlexに比べて制限があります。

容量やエディット機能以外のプレイ中の機能としてはFlexもStaticも然程変わりないので、
プレイ中では128×2の256種類のサンプルを扱える、という解釈ができます。
もちろんAUDIO POOLは無制限ですが、
プレイ中にAUDIOPOOLからサンプルを引っ張り出すのは面倒なんですよ。
・Thru
外部入力を扱うミキサー的マシンです。
2ステレオ又は4モノの入力を各トラックに自由に割り当てる事ができます。
※ただしThruマシンを使わなくてもミキサー画面のDIRを調整すれば外部入力を扱えます。
外部入力にLFOやエフェクトをかけたい、
またプレイ中にゲインを細かく調整する必要がある場合にThruマシンが役に立ちます。

・Neigbour
トラックを縦列にするマシンで一つ上のトラックの音をそのまま再生します。
OCTATRACKでは一つのトラックに2つのエフェクト3つのLFOを使用できますが、
更に2つ以上のエフェクトを適用したい時にはこのNeigbourマシンを使います。

・PickUp
プレイ中の音を即興で取り込みループサンプルとして扱うマシンらしいよ(鼻ホジ)。
・MASTAR TRACK
トラック8をマスタートラックとして使う機能で、
これも「全体にエフェクトをかけたい」という用途に最適です。
自分の場合はコンプレッサーとDJ EQで全体の音質調整に充てています。

◯アサインしたマシンの用途を決める

1から8までのトラックの用途をある程度限定してしまう事で、
プレイ中に「あれ?このトラックどの音だっけ?」と混乱しないよう予防しています。
色々試行錯誤をした結果、ここから決めてしまうのが一番わかりやすい。

【用例1】マシンライブの中核機材として使う

左側

1:FLexドラムワンショット(主にキック)

2:Staticドラムループ(主にキック抜きのドラムサンプル)

3:Staticベース

4:Staticシンセ

右側

5:Flexワンショット

6:Thruマシンで外部入力

7:Thruマシンで外部入力

8:マスタートラック
キーが上段にあるトラック1と5にはFLEXマシンを割り当ててワンショットサンプルを、
その他のトラックはSTATICマシンでループを操作しています。
トラック8はマスタートラックとして利用し、
外部入力の音と各トラックの音が馴染むようにコンプレッサーをかけたり、
マスターにハイパスフィルターを適用してクロスフェーダーでヒュンヒュン言わせたりします。

【用例2】OCTATRACKでDJプレイ

OCTA単体でのプレイの場合は、
用例1のT1-4の左側アサインを右側T5-8にも適用し、よりシンプルなマシン構成にします。
考え方としてはTRACTORのREMIX DECKと同じですね。

◯エフェクトの設定

各トラックにどんな音を入れるか決めてしまえば、
それに対して効果的なエフェクトやLFOをアサインできますよね。
エフェクトの種類によっては好みが分かれるので色々試してみましょう。

【用例】

トラック1〜7
(Static/Flex)
エフェクト1にフィルター、エフェクト2にディレイ又はダークリバーブ
ドラムにはディレイ、ベースやリードにリバーブをよく使ってます。
(Thru)
x0xb0xなどアシッド系シンセにはフィルターとLo-Fiコレクションがバッチリ!
KORG volcaシリーズはコンプレッサーとLo-Fiで音圧上げてやると化けます。

トラック8(マスターとして使う場合)
エフェクト1にDJイコライザー、エフェクト2にコンプレッサー
OCTA内部のサンプルだけでのプレイなら問題無いんですが、
外部シンセを入力すると音が馴染まない場合があるのでコンプで潰してしまってます。

◯シーンの設定

主にエフェクトのパラメーターやLFOを適用していますが、
1番から8番までは各トラックの同じ番号に適用しています。
こうすると覚えやすいんで。
9から15は複数トラックに適用し、
また無設定のシーンは1番ではなく16番にしています。

【用例】
シーン1〜8
各トラックのディレイ(又はリバーブ)センド量を最大
フィルターのQを最大、WDTHを100前後に設定
これでフィルターのキンキン音へのディレイ/リバーブが強調されます。

◯まとめ

ここまでの機能を使えるようになれば
サンプルプレイヤー、MIDIシーケンサー、ミキサー、エフェクターを備えた
「機能を限定したAbetonLiveみたいなモン」という捉え方で扱えるようになります。

TRAKTORでPCDJをやり尽くした結果、
「パソコン出してるとどうしても画面ばかり見てしまいクオリティはキープ出来てもパフォーマンス性が下がる」
というどうしようもない弱点に気が付きました。
なのでマシンライブの際はPCレスでやりたい、そういうキッカケでOCTATRACKを選んでいます。
そして「どうせなら普段のDJもOCTAでやれないかな?」と考えるようになり試行錯誤しています。
1曲まるまるOCTAで扱い易いようにDAWでエディットするコツ、とかが出来たら記事にしますね。

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