Roland Super UA レビュー
単機能高性能から多入出力モデル、
数千円から数十万円まで選択肢が多すぎて、
ナカナカ手を出しづらいオーディオインターフェイス。
今までの遍歴はNI AUDIO 4DJや2DJ、AVID M BOXなどを通ってきまして、
現状で使っているのはNIのKompleteAudio6。
今となっては目立った特徴は無いものの、
3万円以下のクラスでは抜群の安定性とコスパで重宝しています。
しかしココらでそろそろワンランク上のインターフェイスを欲しいと思い、
4万〜6万円クラスの物を色々と調べてみました。
◯候補にした機種
・TASCAM UH-7000
実売4万チョイと手頃な上な割には相当に音質に拘っているようで、
制作用途のみならずピュアオーディオ界隈からも高い評価のモデル。
しかしアナログ2in2outでヘッドフォンとスピーカーのボリュームを独立して調整できない為、
制作用途では使いづらそう、という理由で却下。
・iConnectivity iConnectAUDIO4+
高音質志向とは違うコンセプトですが(決して悪くはないだろうけど)、
iOSとMacなど2つのホストを同時利用できるのは革新的。
とはいえ同社のMIDI4+を持っている為に機能がカブりそうでパス。
◯決め手は特価販売だったから
そうこう迷っていた矢先に楽器店で特価品として売られていた
Roland Super UAを見つけました。
実勢価格75000円前後のところ税込6万ポッキリ!
デザインからしてRME BabyFaceやAPOGEE DUETあたりがライバルでしょうかね。
これらよりずっと安くて同等のクオリティが得られれば恩の字。
従来のインターフェイスと違って色々な新技術を盛り込んだそうで、
オーディオインターフェイスで初めて32bit Float再生に対応した製品だと言うのが決め手。
使っているDAWが32bit Float再生に対応していれば、
その高音質をそのまんま再生できるって事らしいです。
その辺を踏まえて購入に踏み切り早速KA6と聴き比べてみました。
(そもそものランクが違うんで比較対象としては向いてないんですがw)
スピーカー:YAMAHA MSP3
ヘッドフォン:ATH-M50、KRK KNS8400
イヤフォン:SHURE SE215
YouTube、iTunes、TRAKTORでの再生は
高域がクッキリしつつも「値段の差を踏まえればまぁこんなモンかな?」といった所。
ハイレゾ再生など単純な鑑賞用途で考えれば、
恐らくは同価格帯でもっと良く聴こえる機種もあるでしょう。
しかしStudioOneでソング再生をしたところビクーリ!
キックの輪郭が見える、リードやパッドの余韻が伸び伸びする、などなど、
各トラックごとの音色の際立ちがより分かりやすく聴こえるようになりました。
ミックスダウン作業が今までよりも緻密に行えそうです。
◯その他の気になったポイント
・デザイン
高級感を強調した筐体でズッシリまではいかないけどシッカリしてます。
各チャンネルの音量はボタンで選んでからボリュームを回す方式。
デザイン優先なんで仕方無いけど、
各出力それぞれにボリュームがあった方が使い易いだろうね。
・ブレイクアウトケーブル
マイクINとラインOUTのXLR端子を備えたブレイクアウトケーブルが付属。
この端子がマイクだけでなくライン入力にも対応してくれてたら良かったな。
・ヘッドフォン出力
マスタリング時にはヘッドフォンを取っ替えひっ換えして聴き比べるので、
3.5と6.3mm大小のヘッドフォンが同時に挿せるのは地味に便利。
・電源
付属のACアダプタからの供給。
今回は自宅でのみの使用を想定していたけれど、
欲を言えばバスパワー”も”いける方式ならモバイル用途にもバッチリだったのにな。
・1bit再生は2チャンネル再生時のみ
WAVだろうとmp3だろうとどんなフォーマットでも
アップコンバートして高音質にしちゃうっていう機能があるんですが、
残念な事に4or6チャンネルの時には使えないんですこの機能。
純粋な観賞用として割り切って使うしかないですね。
◯まとめ
もう少し予算があれば8万円前後のライバル機種を選んでいたかもしれませんが、
6万円で買えた事を踏まえれば十分に満足できるクオリティです。
32bit Floatに対応したDAWを使う方ならライバル機種を喰えそう。
困った事が一点。
ミックスダウン時の解像度が上がったせいで、
過去の自作曲のアラが際立ってしまい凹みます。