VUメーターで過剰音圧を回避する
ミックスダウンとマスタリングを終えていざ試聴!って時に、
家のスピーカーやモニターヘッドフォンで聴くと悪くないんだけど、
普段慣れているiPhoneとイヤフォンで聴いた途端に
「うぉ!耳いてぇ!」となるジレンマに悩んでいました。
もちろんクラブでかけると大変な事になります。使い物になりませぬ。
ピークメーターもRMSメーターも適正値なのに何故かしら?
DAWをStudioOneに変えてからいつもこうなんだよなぁ?
エンコードがマズいのかな?
などなど延々と悩んだ挙句に以前通ったトラックメイクセミナーで散々教わった事に繋がりました。
「VUメーターを使え」
VUメーターとは音量感を測るメーターで(詳しくはおググり下さい)、
今ではRMSメーターに役目を奪われボクら素人が触れる機会も無くなってしまいましたが、
実はコレかなーり重要かつ便利アイテムだって事が(ようやく)わかりました。
試しにその耳痛い曲をVUメーターにかけてみたところレッドゾーンぶっちぎり。。
そのポイントはRMSは適正でもVUが激しく上がった所でした。
つまーりRMSイコールVUではないんです。
Peak、RMSに加えてVUの値で音の大きさを測りなさいって事です。
もう一つ大事な事なんですが、
音圧を測るRMSメーター、同じ曲でもDAWやプラグインによって測定値が全然違うんです。
それじゃナニを基準にすりゃいいのよ?と疑問に持つ方も多いでしょうが、
とりあえずは自分がお手本にしたい市販曲を幾つか測ってみるのがいいかと思います。
ジャンルによってもベターな音圧が違いますしね。
さてさてVUメーター導入指南です。
トラックメイクに推奨される業務用のVUメーターはナカナカいいお値段ですが、
精度や使い勝手は劣るもののプラグインソフトで使える物もあります。
自分が使っているのはPSP VU2(¥1990)。
https://hookup.co.jp/products/psp/PSPmeteretools.html
またWindowsユーザーにはコチラSteleoChannelが評判です。フリーだし。
http://www.vst4free.com/free_vst.php?id=1216
一例として自分の使い方を紹介します。
(正しい使い方とは限らないので参考までに)
まずはじめに行うのがゼロ点調整。
レッドゾーンの境目であるメーターのゼロをどの音量にするか選びます。
PSP VU2では名前の部分をクリックすると裏面にひっくり返す事ができ、
左上にある「REFERENCE」というツマミを調整します。
ミックスダウン以前:-12dBFS
マスタリング時:-7dBFS
※これは自分が選んだ市販曲や教材曲を参考にした数値で、
人や曲によって基準値は違います。
後は曲作りの最中にメーターを監視しながらゼロを超えないように作っていきます。
(ただピークメーターと違って絶対にゼロ超えるな!って訳でもありません)
キックやベースなど低音の楽器ほど敏感に反応します。
トラックが増えてきて一度に沢山の楽器が鳴る時は要注意。
ハウスでならブレイク明けのシンバルとキックでジャーン!ジャーン!ドーン!てな時とか。
そういう急にVUが上がるポイントを見つけたら邪魔な音を低域優先で殺していきます。
マスタリング時でも一通り再生しながらVUメーターを監視し、
EQやマキシマイザーなどの値を微調整してVUとピークがゼロを超えない範囲で
RMSを適正値にもっていきます。
実際に最初から最後までVU見ながら行なった曲作りでは、
試行錯誤で堂々巡りする時間が思いっきり短縮できました。
VUメーターの使い方に関する情報はネット上で少ないのが気になっていたんですが、
(ちゃんと調べると謎単位の嵐で泡吹きます!要注意!)
こんな曖昧で正解の無い使い方なら説明のしようが無いのかもしれません。
職人仕事の領域ですしねぇ。。
なので自分もここでは曖昧な表現しかできませんが、
ドツボにハマる前にとにかく使ってみる事をお勧めします。
理屈が分からなくても役に立ちますよ!