OCTATRACK Tips6 「純正サンプル集からテクニックを盗む」

Tips1-5でようやく基本的なサンプルの再生が出来るようになりましたが、
パラメーターロックにしてもシーンにしても沢山の活用方法がある筈です。
マニュアル読んでも全然わかりませんし、動画を観てもピンとこない。

しかしELEKTRONにはジャストなお手本教材がある事を忘れてました。

OCTATRACK用のサウンドパックとしてLoopMastaersから6つ、
ELEKTRONのショップでは更に10種類の物が販売されています。
これらは只のサンプル素材集ではなく、
シーンやパターンなどOCTATRACK用に調整されたデータが同梱されています。

という訳で、
今回はそのELEKTRON謹製のサンプル集を解析してプレイのお手本にしてみましょう。
購入したのはELEKTRONショップのみで扱っている「Central SID Station」


※SID Stationとは
ELEKTRONの第1号プロダクトで、
アメリカの古いパソコン「コモドール64」に内蔵された
サウンドチップ「SID6581」を利用したデジタルシンセサイザー。
8ビットチップ独特の粗い音が魅力的な激レアシンセです。


近頃デジタル特有の粗さを持つ8ビット音源のトラックにハマってまして、
ホントはゲームボーイorファミコンが欲しいんですが、
絶対に音作り以外の(ってか本来の)用途で時間を潰してしまいそうで怖いんです。
もう一つ「NintariFlashback」という8ビット音源のサンプルパックがありますね。
コッチも買ってしまいそう。

◯インストール

CFカード内にフォルダをコピーするだけで、そのままOCTAのSetとして扱われます。
自分のセットに組み込みたいのであれば、SETフォルダ間で中身をコピーしえしまえばOK。

本体でプロジェクトメニューを出して「SET」の項目直下「CHANGE」を選びます。

IMG_4002

そしてサウンドパックのタイトルを選んでYES、次にプロジェクトの選択メニューになりますんで、そのまんまYES。
IMG_4003

これでSET「CentralSIDStation」内にPROJECT「CentralSIDStation」が出来た事になります。
このプロジェクトのBANK1にデモソングが収録されていて、
BANK2以降は自分で好きなパタンを組めます。

◯デモソングからテクニックを盗もう

OCTA用サウンドパックの要点は
デモソングでパターンやシーンの使い方を習ってみよう!って所。
OCTAの機能を駆使してかなり複雑なパターンが組まれているんですが、
これを分析すれば自分のプレイにもテクニックとして導入できる訳ですよ。

ここではCentralSIDStationのデモソングPATTERN1を例に挙げます。

・シーン

※設定済みのシーンの確認の仕方
クロスフェーダー横のSceneボタンを押しっぱにすると、
そのシーン番号に適用されているパラメーターのある箇所のLEDが薄い緑色に変わります。
それらが指しているページを開くと変更されているパラメータが反転表示で強調されています。

IMG_4006

【用例:Central SID stationの場合】

シーン番号
1:未設定
2:PlayBackページで全トラックのピッチをマイナス12
3:PlayBackページで全トラックのピッチをプラス12
4:PlayBackページで全トラックのRATEをプラス1まで下げる
5:PlayBackページで全トラックのRATEをマイナス64まで下げる
6:Efect2のDELAYセンドを上げる(他パラメータは各トラックごとに違う)
7:PlayBackページでトラック1と2のリトリガ(RTRG42RTIM1.0)
8:トラック4にFILTERで中音域を強調&DELAY
9:トラック2にLFO(ピッチ)とDELAY
10:トラック1のRATEを32に、トラック2のコーラスとディレイ
11:トラック3リトリガ、フィルタ、ディレイ。トラック4RATE+4トラック5ピッチ+12
12:トラック1,7にディレイ、トラック456のRATEダウン
13:トラック2ピッチ+12トラック4RATE-64トラック5フィルター、ディレイ
14:トラック8(マスター)ハイパスフィルター
15:トラック8(マスター)ローパスフィルター
16:トラック8(マスター)バンドパスフィルター
ボクは今までフィルターとエフェクトぐらいにしか適用していなかったんですが、
ピッチやリトリガの活用方法が初めて分かりましたw
特にシーン2と3の「ピッチ上げ下げ」は
フェーダーを揺らすだけで音がウネウネ気持ち悪く揺れるのでお勧め!

・パラメーターロック

トリガごとにパラメータを設定するELEKTRON必殺の機能です。
上のシーン確認方法と同じで、トリガされているボタンを押しっぱにする事で
どのパラメーターが変わっているか確認できます。

主な用途:音程を変えてメロディを作る、ピッチやLFOで音質を変える、エフェクトを適用する。

・サンプルロック

このパターンのトラック1は一つのトラック内に複数の音が使われています。
このデモを聴くまで知らなかった機能だったんですが、マニュアルの86ページにありました!
パラメーターロックと同じ要領で他のサンプルを充ててしまおうって機能です。

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該当するトリガを押したまま矢印キーの上下で差し替えるサンプルを選択できます。
決まったらYESキーで決定。

最初にデモソングを流して聴いた時に
「なんで一つのトラックから別の音が出るんだ?」と首を傾げたんですが、
この機能の賜物だったようですね。

・パート

Function+MIDIキーで選べる4つの「パート」。
マニュアルを読んでも何のことだか理解出来なかったんですが、
デモソングのパターンを切り替えて朧気ながら分かってきました。

IMG_4010

・4つのパートそれぞれに別のサンプル(とマシン、エフェクト)を割り当てられる機能。
・パートのアサインは選んだパターンの上でパートを決めるだけ。
・パターンごとにパートを紐付けしておくと
パターンチェンジの際に「全く別の曲」に変える事も可能。

◯まとめ

非常に複雑に作りこまれたデモなので、本気で解析しようと思うと大変ですw
しかし普通に使っているだけじゃ思いつかない発想を得るには、
やはり本家からテクニックをパクるのが一番。
OCTATRACKの場合は「テク=設定」みたいなもんですから、
一度覚えてしまえば自分のセットに組み込む事は容易です。

サウンドパックはどれも32ドルと手頃なので、
チュートリアルのつもりで1つ2つ購入してみることをおすすめします。

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