モジュラーシンセのハマり方
モジュラーシンセを組んで基本的なシンセの使い方を覚えてくると、
次はモジュラーならではのカスタマイズをしたくなりますよね。
ボクはアナログシンセの基本をこのモジュラーで初めて覚えたところがあって、
少しずつ分かってくるとアレしたいコレしたいと色々と欲が出ます。
更にはモジュラー仲間ができるようになると周りと差を付ける為に
レアモジュールを探す羽目になるのは男の子の性。
そこで一歩踏み込んだモジュラーシンセの楽しみ方を紹介します。
◯日本未発売のレアモジュールをゲット!
日本で流通していないブランドでも、大抵のメーカーサイトから直接買う事が出来ます。
今回はBEFACOというスペインのガレージメーカーからオシレーターを購入しました。
本体が210ユーロ、送料が14ユーロ。注文から2,3週間くらいで届きました。
このevenVCO、既に一つ持っていたんですが、
使い勝手が良く低音から高音までまろやかな発振をするので気に入ってました。
既に持っていた物と今回買った物ではバージョンが違うらしく、
基板の構造が結構変わっていました。
左が前期型、右が後期型。
モジュールの奥行きがだいぶ改善されてます。
◯自作キットで更に泥沼突入!
ユーロラックにはキットでしか流通してないモジュールもあります。
そういう物を専門的に扱っているのがイギリスのThonkというサイト。
キット売りの場合は大抵値段もお手頃で、完成品の3〜5割くらいでしょうか。
今回購入したのは
MusicThingModulerのSpringReverbと、
RYOのAputureLPG。
送料込みの合計で154ユーロ、2万円でした。
[MusicThingModuler/SpringReverb]
このスプリングリバーブはナカナカの優れモノで、
デジタルのリバーブユニットを内蔵しつつ、フェイスパネルに付いたRCAジャックから外付けのリバーブユニットも接続できます。
但しこの切替が基板裏のジャンパピンを使う方法なので、ケースから外さないと切り替えが出来ません。
工作の得意な人はこのピンヘッダからトグルスイッチを付けているようです。
[RYO/AputureLPG]
ローパスゲートとはユーロラック特有のモジュール。
LEDと光センサを組み合わせた回路を使って「光の減衰を音の減衰に変換する」そうです。
小難しい事はよくわかりませんが、使ってみると「お!」となります。
ADSRじゃ再現しづらい減衰をしてくれるようになりますね。
VCF兼VCAとしても利用可能で省スペースにも役立ちます。
「Qツマミ(レゾナンス)」が2時くらいまではおとなしく、
2時より右に回すと極端な発振をします。ここはチトつかいづらいかな。
キット物は電子工作系の道具が必要になりますが、
知識や経験としては初級レベルで何とかなります。
実際ボクはケーブルの自作ぐらいしか経験がなく、基板にハンダ付けなんて初めて。
マニュアルは当然英語ですが、特に翻訳サイトに頼らずとも完成に漕ぎ着けました。
部品の番号を間違えない、向きを間違えない、って事に気をつければ大丈夫。
もの作り自体を楽しめる人なら是非とも挑戦して貰いたいところです。
◯フェイスパネル交換
大抵の製品は素っ気ない銀色のアルミパネルですよね。
そこで精密板金業を営む友人にアルミの焼付塗装を相談したんですが、
話をしているうちに「もしかして別の金属で作れたりする???」という流れになって、
真鍮と銅で制作してもらいました。
金属板へのプリントは費用が嵩むので今回はパス、
プレーンなパネルでも問題なく使えるミキサーやマルチプルなどを選びました。
とりあえずノギスで寸法を測って図面を引きます。
0.1mm単位であれば大丈夫かと思います。
この上にクリア塗装をすれば綺麗な状態を保てますが、
ジッポーみたいに使い込んで味を出したいので敢えて未処理にしました。
※注意
銅や真鍮はアルミよりも導電性が高く、アースの関係上ケースに取り付けた時にノイズが出る場合があります。
その場合プレートの裏側のケースと干渉する部分にテープなどで絶縁しておきます。
やってみたい!という方はRUDELOOPSが窓口になりますヨ!
図面を書いて貰うのが条件ですが、見積もり等ご相談下さい。
◯オペアンプ交換
オーディオ機器や電子楽器の基板にほぼ必ず使われているICがオペアンプです。
コイツが音質を司る最重要部品だそうで、
オーディオマニアの間では様々なオペアンプのレビューがされています。
ユーロラックモジュールにもオペアンプが多用されてまして、
しかも基板にハンダ付けではなくソケットを介して付けられているので交換も容易。
とりあえず自作したリバーブとフィルター、オシレーターに色々オペアンプが使われているので、
型番をググって上位互換品があるかどうか調べてみました。
1こ100円から超高級品になると3000円くらいするようです。
詳しい回路の性能比較はイマイチわからないので、
今回は型番をググって手頃な上位互換品を探しました。
TL072→LF412CN-N
LM324→NJM3403D
どちらも一つ100円くらい。
肝心の音質は、良くなったと言えば良くなった、かな?
スプリングリバーブだけはS/N比の向上がハッキリ分かりました。
他は、、、ま、まぁ良くなった!と思うヨ!
合計で千いくらの改造としては上々の効果。
◯ケース小改造
奥行きのあるモジュールが多いのでそのままではケースに入りませんでした。。。
そこで外科手術。
・ケース内の基板を留める4つのネジを外して移動させています。
・電源スイッチとモジュールが干渉するのでスイッチを削りました。
・サイドウッドとケース本体の間に鉄のプレートを挟み横幅を2mm拡大しています。
◯まとめ
第二期工事完了です!
・デザイン
「スチームパンクなカスタムバイク」から着想を得た黒x銅のプレートと
BlueLanternに合わせたツマミ。
ナカナカかっこいいでしょ!
・機能
VCOx2、VCA兼VCFx2、EGx2、リバーブ/エコー。
ベースとリードを別々のフレーズで演奏したり、
VCOを二つ重ねてより凶悪な音を出したりと、
このサイズのモジュラーとしては多彩な音作りができます。
・音の印象
evenVCOやオペアンプ交換の甲斐もあってか初期よりだいぶ丸くなりましたが、
それでも既成品のシンセよりも遥かに粗野で凶暴な音が出ます。
DJを始める以前はバイクのカスタムをよくやっていまして、
更に遡るとラジコンやミニ四駆、チョロQなどにノメり込むガキでした。
もちろんガンダムもマジンガーZも大好き。銀河鉄道999の機関室に住みたい。
ハタチぐらいで「無いなら作れよ」のDIY精神をパンクから学びました。
そんなんだからカスタマイズ性の高いユーロラックは自分にとって最高の玩具。
とりあえずはこのセットで満足できました。
できました。
できました。
できました。
大事な事なので3度は自分に言い聞かせなければいけません。