【レポート】ドラムマシン聴き比べ大会
第1水曜に開催のマシンライブ・ワークショップでは色んな機材をお持ちの方が遊びに来てくれます。10年以上も一線で活躍するベテランから、機材を買ったはいいけど使えずに困っている初心者まで、
キャリアもテクも後回しで和気藹々と楽しんでもらえるので「もしや！」と思ったのが事の始まり。
「せっかくだしドラムマシンの聴き比べしたくね？」
んな事ボソっと言ってみたら毎回来てくれる仲間とTwitter上で反響が大きくなっちゃって、
マトモに呼んだらギャラ払わなくちゃいけなさそうな大御所の面々まで集結w
平日の晩だというのに濃厚な面子が集まってしまいました。
予想外に盛況だった為に全部のマシンを触れなかったんですが、
中から気になった機材をピックアップ。
・ロービットVAドラム？？？KORG Electribe ER-1
iPhoneアプリにもなった記念すべき初代エレクトライブ。
出音を聴くまでは正直タカをククっていたんですが、けっこうデキる子ですコイツは。
KORGらしいチープでローファイなVA音源は今どきのチップチューンにハマるんじゃないでしょうか。
・ELEKTRONデジアナ対決
カスタムペイントを施されたMachineDrumとAnalogRYTMでガチンコ対決。
MDは硬い音とシンセサイズの自由度、ARは最新機種だけあって上質なアナログ音源。
ARあんまりにも高性能だからVAなんじゃね？と疑ってしまう程綺麗な音します。
この2台どっち買おうか迷う方が多いんですが、ELEKTRON商売上手なのかキャラが全然違います。
発売日も10年以上違う両機種ですが、個人的にはMDの方がより「ELEKTRONらしい」音。
迷ってる方、両方買ってしまいましょう！
・TR-909
あまりにも普遍的になり過ぎたので「ああ、こんなもんか」という第一印象でしたが、
しばらく聴いてみると「あ！やっぱ違う！」。
筐体の大きさが程よく即興のライブプレイにはベストな選択。
音色そのものよりも操作性の良さが気に入りました。
・唯我独尊のキック音源JOMOX
XBASE09とMBase11も登場。
TR-909をモチーフにしたと言われるJOMOXのキックですが、
実際に聴き比べると全然違いますね。
当然後発のJOMOXの方が音色の可変幅が広く音圧も高い。
・DaveSmith TEMPEST
中古のvolcaで喜んでる自分にはコレを語る術はありませぬ。
ドラムマシン界のフェラーリです。
プレイ中でも目をつぶるとミックスダウン済みの完成された曲と錯覚してしまう程に
完成度の高さが伺えます。
・novation CIRCUIT
3～4万円で買える現行機種として（実は）一番注目を集めたコイツ。
考えつくされたUIで欲しい音がサクっと出せるのが羨ましい。
どうやらシーケンサーとして外部音源も鳴らせるようなんで、
これを機会に購入してしまった人も多いんじゃないでしょうか。
・KORG volca beats
2台ともスネア改造を施した物なんですが音が全く違いますね。
自分でハンダ付けした物、もう一方はショップでやって貰った物。
ショップで改造をした物は606や808に近い綺麗な音だけど、
ボクのはノイズが強くなって下品なスネアになってます。
これだから改造が楽しいんですよね。
・VERMONA DRM-1＆MachineDrum
アナログドラム音源としては一番バランスいいのがこのDRM-1だと思いました。
ラックケースに収めたMDからコイツとMbase11をシーケンス。
文句なしに「最強」です。
・MFB 522&SonicPotinsLXR
元祖パームトップ・ドラムマシン。
volcaと比較されがちですが、コッチの方が断然イイ音します。
ちゃんと808の音が出てるw
・Teenage Engineering PO-12
電卓サイズのドラムマシン。デジタル音源でKORGっぽい音、つーかER-1に近い音がします。
可愛いUIからは想像出来ない荒っぽい音。使いどころ次第ではバシっとハマる音しますね。
やはり面白いのは普通のシンセと違って「高ければイイ」というわけではないところ。
安いモデルほどクセの強い独特の味があり、格安のエフェクターで音色を変えて遊べたり。
高級機は多機能過ぎる故に相当に使い込まないと機材に使われるプレイになってしまいます。
自分自身も以前はMDやARを所有していたけど、身の丈に合わず結局は手放してしまいました。
今だったらちゃんと使い倒せるのかもしれないけれど、
volcaや606、LXRを改造して楽しむ方が性に合ってるようです。
お付き合い頂いた皆さんには感謝の限り。
トラックメイク未経験の純粋な機材マニアから改造マニア、
マトモに呼んだらギャラ払わなくちゃいけなさそな大御所まで、
別け隔てなく楽しんで頂けたようでなによりです。
図らずも関東で活躍するパフォーマーの交流会にもなったみたいですね。
で、
「またやれよ！」との声が方々から上がってますので、いずれ2回目を開催します。
今回来られなかった方も、新しい機材を買う衝動に駆られてしまった方も、
どうぞ楽しみにしていて下さい。
