MFB Tanzbar 1stレビュー
レギュラー機材としてガシガシ使える機材を探していまして、
TR-606は同期の問題でチョット使いづらい。volca beatsも単体で遊ぶにはいいけど。。。
LXRは十分に使えるけどやっぱりメインはアナログだよなー。
何より「コレクションや改造にハマるよりもちゃんとパフォーマンスしようよ!」
と自分に言い聞かせたいので今回は「即戦力」をテーマに物色してみました。
・808系アナログドラムマシン
・パラメーターがいじりやすい
・パフォーマンス性>音作り
・可搬性重視
そんな条件で色々と迷った挙句にMFBのTanzbarを購入しました。
以前の「ドラムマシン聴き比べ大会」で個人的に好印象だったMFB 522のブラッシュアップバージョン。
MFBはドイツの小さなシンセサイザーメーカー。
チープな筐体にトコトン機能を詰め込んだコンセプトが愛されているブランドです。
元祖パームトップサイズのマシンとして522/503というドラムマシンをリリースしていましたが、
ニコイチにしたのか何なのかチョット大きなTanzbarをリリースしました。
最近ではKORG volcaにお株を奪われたのを機に(?)本気を出したのか、
808系のTanzbar Liteと909系のTanzmausの2機種をリリースしました。
最初はこのLiteかmausかどちらかを買うつもりだったんですが、
ベースとリードを出せるアナログシンセとしても使える上に
2系統のCVシーケンサーにもなるようで、
モジュラーシンセとの相性が抜群って事でコチラに決めました。
円高のお陰で送料込み¥83000で購入できました。
(FiveGで販売してた時は13万してましたけどね)
◯サイズとデザイン、操作性
現行機種とは思えないほどにチープ&レトロなデザインが素敵です。
本体の重量も1kgチョイとだいぶ軽いです。
電源は12VDCセンタープラス。秋葉原で小さなアダプタが600円くらいで購入可能です。
パネルの大半を占めるツマミのお陰でサウンドデザインは容易ですが、
その分シーケンス機能が犠牲になってしまい慣れるまで操作に戸惑います。
ツマミ最上段は各音色のボリューム。6mmのシャフトな為に操作しずらいので
新しくツマミを付けたところ上々の操作感を得られました。
MUTE機能もあるけれどこの機能は重宝しますね。
◯拡張性
3つのMIDIポートはINが2つ、OUTが1つ。THRUではないようです。
INはクロック用とノート用に分かれています。
CV/GATEは2系統。Tanzbarのシーケンサーでモジュラーシンセなどを演奏できます。
有難いのはSYNC端子。自分の場合ここからSQ-1やvolcaに繋ぐ事ができます
◯サウンド
競合機種にACIDLABのMIAMIやDRUMATIXが挙げられますが、
808クローンという訳ではなく「808っぽいけど独自のサウンド」です。
・キック★★★★★
二種類のキックがあり、それぞれ6つ/3つのツマミがついています。
BD1は6つのパラメータで幅の広い音作りが可能で、
BD2の方はディケイ長がかなり大きく迫力のある低音が出ます。
BD1でアタックの強いキックを作り、BD2はサブベース的に使うのが良いかと。
更には一番右のDATAツマミでディストーションをかける事も出来ます。
・スネア★
スネアもBD1と同様に6つのパラメータ。
ノイズとサイン波を独立して操作する事ができます。
ノイズはいいんですがサイン波(なのかな?)の方がチト間抜けな音です。
TR606っぽいスネアにするのが無難かなぁ。
・リムショット★★★★
リムショットはパラメータがDATAノブだけなんですが、
そのままでも十分にイイ味の音がします。
「ココン♪」って歯切れのイイ音です。
・シンバル★★★
至ってフツー。
・クラベス★★★
これもフツー。可愛い音します。
・ハイハット(OH/CH)★★★
TR606に似たノイズ成分強めのハットです。
両方共ディケイとTUNEを調整できます、
・クラップ★★★★★
コイツはかなり強力な武器になります。
808やDR110のクラップに比べるとややノイズ成分が強めかな、とは思いますが、
ディケイとフィルターの組み合わせでノイズ系FXのような使い方ができるんです。
プレイ中にツマミをグリグリいじると気持ちいいのなんのって。
・タム★★★★★
HiMidLow全て素晴らしい音色です。
シャッフル機能を使わなくてもシーケンスに揺れを感じるのか、
歌うようなタム回しになります。
タムだけ聴いてたらあまりの気持ちよさに寝落ちしましたw
・カウベル★★★
808カウベルを模したんだと思いますが、あの特有の濁り感が足りずちょっと惜しい。
デフォルトでは音程が高いと思いますがDATAノブでチョイ下げてやればイイ線いきます。
・ベース★
・リード★
ベースとリードはパラメータが無い!
変えられるのは音程だけなようです。ボリュームも無いよ。
しかも結構ヘナヘナな音。
オマケ程度かと思ってたけど使い物になりませぬ。
これならLiteやmausでも良かったかな?と一瞬後悔するくらいw
◯モジュラーシンセとの組み合わせ
CV/ゲートシーケンサーとしても使えるのが売りですが、
使い勝手はイマイチ微妙w打ち込み方法はx0xb0xに似ていて
音程をセットする度に次のステップへの移動を繰り返すタイプのものです。
左のパターンキーと右のシフトキーでステップの前後を操作し、
16のトリガーキーで音程をセットします。
悪くはないんだけど、もう少し充実した操作感にして欲しかったな。
ここはやはりELEKTRON系のシーケンスに軍配が上がります。
結局はSQ-1で音程を操作し、
Tanzbarのシーケンサーはモジュレーションなどを操作しています。
◯まとめ
他にもパラメータロックやノブの動きを記憶するオートメーション的な機能も備わっているようです。
(凄い機能なんだけどイマイチ習得出来てません)
ちょっと足りない所もあるけど値段を考えれば上々の機能性能です。
コスパやスペースを考えればTanzbar LiteやTanzmausの方がお得かな?
しかしこのデザインは凄く気に入っていますし、ちゃんとアナログらしい味のある音です。