x0xb0x制作記【2】組立準備
早速制作に取り掛かりたい所ですが、
何しろハードルが高いものですから下準備をしっかり行なっておきたいものです。
前回の構想編から「前フリ長ぇヨ!」とツッコミ頂きそうですが、
大御所ピエール先生やハーディ師匠のDJプレイでは
20分以上ベースを出さずにリズムと声ネタだけで引っ張る事もザラですので、
そんなアシッドハウスのマナーに則ってもうしばらくはジリジリと引っ張ります。
◯DTM向け電子工作のススメ
そもそもDTMやるような人は電子工作向いてます。
クリエイティブワークを楽しめる人種ってトコではぜんぜん変わりないです。
トラックを作らないDJだって、
突き詰めると音質を追求した挙句にピュアオーディオ方面に走りがち。
アッチの分野も工作スキルを駆使してミキサーやスピーカー作ってみたりと楽しそう。
レゲエに至っては巨大スピーカーシステムを自分たちで作るのがステイタスだし、
60年〜80年代の著名オリジネイターの多くが電気技師出身だったりします。
個人的な経緯をお話しますと、
ガンダムとファミコンに洗脳された幼少の頃から漠然とした憧れはあったんですが、
実際にハンダごてを持つようになったのは40歳になってから。
ハードシンセを使うようになってからケーブルが大量に必要になり、
作り方覚えれば安上がりで質のいい材料使える!って所から始まりました。
本業は建築系、店舗内装専門の大工なんですが(もう辞めっけどー)、
仕事がイヤになった時「もの作りのストレスはもの作りで解消するのが一番」と、
現実逃避の為にフラックスの焼ける匂いでラリってましたねw
秋葉原のソフマップに行くついでに電子工作系ショップに通い出し、
モジュラーシンセのキット制作、デジタルドラムマシンのキット制作と、
どんどんハマっていきました。
回路設計はまだまだ早いけどいずれミキサー作りたいです。
作る物に意味を持たせる、ストーリーを感じさせる、メッセージを込める、
そんな発想が産まれたのは32歳で通い出したインテリアデザインの学校でした。
そういう訓練を受けると世の中にあふれるプロダクトから製作者の気骨を読み取れるようになるんですよ。
するとやはり、万人向けのプロダクトより尖ったコンセプトの一品物に魅力を感じてしまう。
そんなこんなで当ブログを読んでくれている方には、
「DTMから生楽器に走るのもいいけど電子工作も世界が拡がるよ」とお勧めしたいです。
全くの未経験からx0xb0xのようなアナログシンセを作ろうってのは
蛮勇通り越して暴挙だけどw、そういう馬鹿は大好きです。
現実的にはケーブルやエフェクターのキットから腕を慣らした方がいいんですけどね。
◯マニュアルの入手
国内で流通している電子工作キットってマニュアルが不親切ですよねー。
回路図(読めない)と完成写真のっけてハイ!終わりみたいなのがほとんど。
これじゃ電子工作始めよう!なんて人は増えませんよ。
対して海外のビルドマニュアルは写真が多く凄く親切。
「最初はコレつけてねー」「次はソッチだよー」と段階ごとに写真を載せてくれてます。
Google翻訳などを使えば何とか解読が可能ですし、
少々慣れれば翻訳しなくても写真だけで組めます。
Ladyadaのサイト
(左メニューのMakeがマニュアルです)
http://www.ladyada.net/make/x0xb0x/fab/index.html
WILLYZYXのPDF組立てマニュアル
https://www.dropbox.com/s/fsagaf29asxwxyd/x0xb0x_bulid.zip?dl=0
◯必要な道具
工作経験がある方なら特別な道具を用意しなくてもいいのですが、
とりあえず紹介しておきます。あんまり安物使っちゃダメだよ。
桐箪笥職人だった祖父から「素人ほど良い道具を使え」と家訓のごとく教わっていまして、
いきなり高級品を買う必要はないけれど、ソコソコの価格帯の物を使った方が安心です。
電子工作系の道具は「とりあえず日本製買っておけば大丈夫」なようです。
・はんだごて/はんだ
温度調節が出来てコテ先の種類が豊富なHAKKOのFX-600を使っています。
これと専用のスタンドのセットで6~7000円くらいだったかな。
はんだは日本アルミットの0.65mmをメインに使っています。
かなり細いんじゃない?と先輩方には言われますが、
細い方がハンダ付けし易いです。コテ先もソコソコ細いの使ってます。
・クリップ/クランプ/はたがね
アルミ製の洗濯バサミみたいなクリップ。ハンダ付けの上手い下手って
「コテをあてる前に部品がちゃんとくっついてるかどうか」で決まると思うんですよ。
なので仮止め用の治具は色々な種類を用意した方がいいです。
熱に弱いトランジスタのハンダ付けの際に脚に挟んで熱を逃がす役割もあります。
いや、ホントはソッチが主目的か。
・ラジオペンチ/ニッパー
それぞれ100mmサイズの物があればとりあえず大丈夫。
ラジペンだけ150mmもあると力仕事に便利。
電気工事士に定評のFUJIYAや電子系にはHOZANが定番ブランドみたい。
・ピンセットとIC抜き
何本か使ったけど先の細い「つる首ピンセット」が一番いいかな。
逆作用の物もあるといいかも。
緑のトングみたいなのがIC抜き。
ICの脚って貧弱で曲がりやすいんですよね。
器用な人はマイナスドライバーをテコに使ってチャチャっと抜いちゃうんだけど、
3000円するオペアンプの脚を折った時は泣きそうになりました。
クリップやピンセットからラジオペンチ、万力に至るまで
「つまむ/はさむ」系の道具は種類が多ければ多いほど作業のストレスが緩和されます。
・ドライバー
JISマークついてりゃ何処のでもいいです。個人的にVESSELのが好き。
・デジタルテスター
導通や電圧を測ったり、抵抗値をチェックしたり大活躍します。
1000円くらいから売ってますが、安物は精度に不安があるので
国産メーカーの物を用意しましょう。
・オシロスコープ
オーディオ系の自作には必須と言われるオシロスコープですが、
高いし嵩張るし何よりもコレ自体の習得が困難w
今回は1万円で買えるポケットサイズのデジタルオシロDSO nano v3で試してみますね。
・ドリル
アルミ筐体の時は底板に穴を開ける必要があります。
手回しもイイけどやっぱり電動の方がラクかな。
エフェクターやVCO、スイッチを追加する時にも必要。
ちなみに写真のタイプは「インパクトドライバー」といって、
本来は木工のネジ締めが主用途。金属板の穴開けにはあんまり向いてません。
ジブン本業が大工なんでコッチの方が慣れてるからって理由で買ったけど、
インパクトじゃないフツーの電動ドリル(充電タイプじゃなくていいよ)を買いましょう。
ホームセンターで間違える方かなり多いです。
使用頻度はさほど高くないのでホームセンターで使い捨てのつもりで安物買っても良いかと思います。
チョットいい物を、と考えるならマキタか日立かパナソニック。
リョービ、ボッシュ、ブラックデッカーは値段の割に質が悪いです。
コスパ考えるとノーブランド品の方がマシ。
・マスキングテープ
何はともあれ大活躍します。
部品の仮止めにも使えるし(焦げるけど)、
一度開けた小袋を塞ぐのにも使えるし、
穴開けの位置決めにも便利ですよ。
ちなみにコレ用途によって粘着力の強さが何段階かあります。
比較的弱い「塗装用」を選んでおけば大丈夫。
◯コツ
一年少々のキット制作経験で覚えた大事なことは、
とにかく間違えない事。部品の番号、定数、極性を間違えない事、です。
トラックメイクと違って作る順番もガチガチに決まってます。
プロじゃないんだから集中力が途切れたら作業を辞める事。
けっこう疲れます。目からきますね!
根気とか根性みたいな精神論なんぞクソ食らって下さい。
なのでいつでも作業を再開し易いように部品の整理は徹底しましょう。
・ハンダ付け
ハンダ付けのコツはリズム感とタイミングと言われますが、
年がら年中ドンドンチキチキ言ってるボク等には大きなお世話っすよね!
それより大事なのは「仮止め」だと思います。
ケーブル作りとかで仮止めサボるとたいてい失敗するもんオレ。
あと失敗に備えてハンダ吸い取り器も用意しとくと安心です。
熱で基板を痛めてしまう事も稀にあるので、
(SQ-1を4個とBloferdおシャカにしました)
はんだ付けそのものよりも補修の仕方を練習しとくといいスよ。
・穴開け
所々で金属板に穴を開ける作業がありますが、
正確な位置に綺麗な穴を開けるのにも少々コツが要ります。
まず「センターポンチ」で開けたい穴の中心を凹ませます。
ポンチが無ければ釘でもネジでもいいんですけど。
いきなり開けたいサイズの穴を開けずに、小さなドリルから徐々に開けていきます。
10mmの穴を開けたいなら2~3mm→5~6mm→10mmって具合にね。
・静電気
電子部品の意外な大敵が静電気。
gizm0xセンセーがおっしゃるにはですね、
これでICを壊してしまう事も結構ある上に、故障の特定がしにくいので厄介だそうです。
そこで工作の際に静電気事故を予防するコツを教えてもらいました。
・乾燥しやすい冬場では特に、フリースやセーターなど静電気を起こしやすい服を着ないこと。
・作業する前に、金属に触れて身体の静電気を逃してやる事。
・ICの脚にはむやみに触らない
自分はまだ静電気で壊した事は無い(多分)んですが気を付けましょう。
◯部品の仕分け
さてさてgizm0xshopからキットが届いたのですが、
まず部品点数の多さに背筋が凍ります。600点以上あるようです。
仕分けを全て行なって貰っているので部品を間違える事は無さそうです。
しかしこれでも混乱するかと思うので、
100円ショップで適当なタッパーをたくさん用意して部品を更に分類します。
抵抗やらICやら何となく10種類にわけてみました。
(実際に使ってみるとタッパーのフタを何度も開け閉めするのがダルいので要改善)
マニュアルどおりに組む場合は以下の項目ごとにパーツリストが写真付きで載ってるんで、
その都度タッパーから引っ張りだしていけば間違いが少なくて済みます。
PowerSupply
VCO
VCF
Envelope
VCA
Headphone
I/O Boad
Seqencer
Finishing
◯まとめ
「段取り八分」なんて言葉があるように下準備さえしっかり行なっておけば
そうそう難しいものではありません。作業量が多いってだけです。
しっかし、
なんかもうコレ「何のブログだよ?」という域にまで道を踏み外してますわなww
確かレーベルとか音楽活動のブログだったような気がしますが既に忘れました。